1511
ドッツ麦にジャガイモを混ぜたパンも、多少は柔らかくなるので食堂などで食べるパンよりは美味しい。狩王国ではジャガイモの方が安いんだから、ドッツ麦に混ぜればいいのに。まあ、それでもそこまで柔らかくはならないが。
それよりもパサパサ度合いが減る方が大きいかな? でもアルダを混ぜたセン麦も、そこまでパサパサな訳では無いしな……。もちろん小麦のパンよりはパサパサなんだが、混ぜていないよりはマシだと思う。
ドッツ麦はともかく、セン麦オンリーでそれ以外無しは耐えられない。なので、セン麦オンリーがどれほどパサパサなのかは不明だ。まあ、今はそれはいいか。セン麦で育った2人が色々大変そうだから、余計な事は言うまい。
昼食後、様々な事に折り合いをつけたのか、割と晴れやかな顔をしている2人。どうやらガイアルム王国などに帰ったら教えて広めようと思ったらしく、俺に許可を求めてきた。元々そのつもりだったので許可したが、2人は喜んでいる。
焼き場やテーブルなどを壊し更地にしたら、そろそろ出発だ。現在は山の地形で16層。いつもよりもゆっくり進んでいるものの、駄目なら今日も帰れば済む。地形が変わっているので、今日も遅いのは仕方ない。浄化も丁寧にしてるしな。
この層は南東なのが分かっているので、皆に方向を示して進む。途中のモンスターは倒しているものの、そこまで無理して倒してはいない。古代のダンジョンと違って、大量のモンスターの所為で先に進めないダンジョンではないからだ。
あそこは数を減らす為に積極的に倒して回ったが、ここでは無理をする必要は無い。先へ進む毎にモンスターの密度は上がるが、古代のダンジョンを知っていると多く感じないから不思議だ。それでも侮らずに、用心して進もう。
21層への転移紋前まで来たので1度立ち止まり、皆に警戒を促してから進む。今まで大丈夫だからといって、次の層も大丈夫とは限らない。緩んでいる可能性もあったので、再び緊張感を持たせる為に止まって声をかけておく。
光が止むと、そこは湖のある平原だった。次は南なんだろうが、層の真ん中にある湖が邪魔で回りこまなきゃいけない地形だ。ここに来て面倒な地形かー……システムの嫌がらせかね? 相変わらずだけど、やってくれる。
皆も面倒臭そうな顔をしているが、仕方なく進み始める。文句を言っても嫌がっても、地形は無くならないからなぁ。進むしかない。そう思ってひたすら進んで行く。それでも面倒なので走りながらだが、吸引と【浄化】はキッチリとしている。
身体強化で走りながら進み、25層に着いたら湿地だった。……あれ? もしかして最奥か? そう思い調べると、ワラワラと大量に周りに居る事が分かった。
「皆、おそらくここが最奥だ! 地形は湿地だが、周りに居るのはリザードマンやサハギンだ。気をつけて戦え! 湿地に入らずに迎撃するんだ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「分かった!」 「分かりました!」
「ニャー!!」 「………」
俺達が居るのは直径30メートルくらいの円形の地面だ。そこだけが土の地面で後は湿地が広がっている。非常に厄介だが、この湿地帯には所々深い場所があり、そこにリザードマンやサハギンが潜んでいる。システムも面倒な地形を用意するもんだ。
皆が戦っているが、邪魔な死体を【念動】で片付けようとしたら邪気に変わった。銅鏡を使って邪気を吸い込んでいたから良かったものの、このタイプのトラップが多い気がするな。最奥の死体は邪気に変わると考えた方が良いかね?。
「ばーん!!」
「【風砲】!」
子供達も戦っているが、吹き飛ばすまでには至らないものの、それなりに威力の高い魔法で応戦している。ただ、魔力を大きく消費するので、あまり連発できる魔法ではない。風系の魔法は威力が低いから仕方ないのだが。
威力が高めの土系はここでは使えない。使うと足場を削る事にしかならないし、余計な事になっても困るので使わないように言ってある。火系は半端な威力だと大して効かないので、あんまり使う意味が無い。
水系は効果がありそうだが、湿地に近付かないと満足には使い辛い。結局、風系の魔法に落ち着くんだが、奴等の体表を乾燥させる方が良いような気もする。風魔法を喰らうと、湿地に戻ってる気がするんだよなー。
それを子供達に言うと、【強風】の魔法を2人で使い始めた。強い風が相手に吹きつけるが、その風が肌が乾燥させていくんだろう、湿地に戻って体表に水を掛けている。もしかして、あれってリザードマンやサハギンの本能なのか?。
最奥だし死体が邪気に変わるなら、完全にこの為だけに作られた存在でしかない。その割には本能に従った行動をとるんだな。変わってるというか、使えるといえば良いのか、とにかく覚えておこう。何処かで役に立つかもしれない。
子供達が風で乾燥させて湿地に戻し、女性陣が一刀両断にしていく。そんな戦いも倒した敵の数が400を越えたくらいで終わり始めた。ついに相手側の供給が無くなったからだ。それでも、この数は多いと言わざるを得ない。
死体が残ってないからいいが、残っていたらグチャグチャになっていただろう。最後の1匹を倒すと皆が「やっと終わった」と息を吐いたが、すぐに俺は4体現れた事を伝える。東西南北から迫ってくるが、思っているより速い。
現れた敵は、黒いリザードマンと黒いサハギンだった。ブラック種じゃない、呪いで黒い奴等だ。北はダナ、東はシュラ、南はメル、西はエリアと分かれ、残りはサポートをする形になった。呪いの魔物なので細かく考えている暇は無い。
それぞれ相対している者は、盾を使って防ぎながら対処している。ここで俺が横から権能を使えば簡単に終わるが、それはやらない事を伝えた。俺は銅鏡を使って吸い込んでいるだけだ。それでさえ有利に働くのだから、これ以上は手助け出来ない。
皆が呪いの魔物と戦えるようにならないと意味は無いので、過保護過ぎても駄目なんだよ。ここは心を鬼にして……と思っていたら、上手く攻撃を流しつつ【聖浄四重浄化】や【神聖八重浄化】でどんどん呪いを削っている。
皆も上手く対処できるようになったもんだ。落ち着いて戦えば、皆にとってはそこまで強い相手じゃない。邪気も呪いも大量に持っていると流石に無理だが、呪いだけだと今回のように上手く守れば勝てる。
完全に浄化しきった魔物が倒れているが、最後に邪気になって襲い掛かってきた。……が、銅鏡での吸引は続けているので、【浄化】されて終わりだ。皆は周りを未だに警戒しているが、脱出紋が現れたので本当に終わりとなる。
本当の意味で終わったからか、皆は座り込んで安堵の息を吐いている。子供達もへたり込んだが、よく大人組と変わらず緊張感を持ち続けたな。本当によく頑張ったよ。そう思っていると、脱出紋の下に何か出てきた。また、このパターンか。
地面の中心にある脱出紋の近くから掘り始めたからだろう、女性陣が「またか……」という顔をしている。深さを合わせた後、横に掘り進めたらアイテムポーチが見つかった。久しぶりの神様からの贈り物だが、果たして……。
怖い物でもあるので、若干慎重になりながらもアイテムポーチの中を探る。中には図鑑の様な本が幾つか入っているのと、新しい勾玉が入っていた。勾玉は真ん中が神金、その左右に神銀の勾玉、チェーンは神銅、留め金は神鉄で出来ている。
前の勾玉と比べて、随分と物騒というか嫌な予感がするなぁ……。ちなみに図鑑は、<野草大全>、<毒物図鑑>、<美容薬入門>、<夜のお供に>、<魔物の活用方法>という本だった。一部タイトルが変な物があるがスルーしよう。
とりあえず首に勾玉を着けてから、皆にそれぞれの本を見せる。間違いなく神様が書いた本だと思うんだが……そう思って裏を見ると、執筆した神様の名前が書いてあった。……出版物のノリなのか、神様連中は?。
相変わらずだが、何やってんだか……。
▽▽▽▽▽
1511終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2488枚
大銅貨2043枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




