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 皆と話しているが、ふと今日小麦が無くなった事を思い出した。アイテムバッグの中を調べてみると、小麦系は無く、あるのは押し麦とサーサとジャガイモだけ。これは色々マズい。という事で、皆に買い物に行く事を伝え宿を出た。


 食料店へと行き麦類を確認するも、この中で買えるのはドッツ麦かセン麦くらいだ。小麦は少な過ぎるし高くて買う気にならない。ドッツ麦を銀貨1枚分、セン麦を銀貨2枚分購入して食料店を後にした。まあ、これで何とかなるだろう。


 宿に戻ってきた俺はドッツ麦とセン麦を買ってきた事を伝えたが、皆から嫌そうな顔をされた。流石にハッキリその顔をするのはどうなんだろうな。俺のアイテムバッグにはアルダとビレンが冷凍されて入っている事を伝えると、皆が安堵している。


 そこまで嫌なのは分からなくもないが、あの酸っぱさを知っている俺がそのまま食べる筈が無いだろう。ちゃんと大丈夫だから食べるんだよ。まあ、最悪はドッツ麦にジャガイモを混ぜてジャガイモパンとして食べればいい。


 ドッツ麦のみのパンよりは柔らかいパンになると思う。そう話すと、皆も納得していた。そろそろ夕日が出てくるし、食堂に行って早めに夕食をとろう。皆も賛成だったのか、直ぐに立ち上がり部屋を出る。


 カウンターの前を通ると少年が居たので、どうやら情事は終わったらしい。俺達は何も知らない素振りをしながら夕食に行ってくる事を伝え宿を出る。少年も普通に見送ってくれた。なかなか胆力があるのか、それとも聖人だからか。表情に一切出さなかったな。


 皆もそこはスルーし、食堂へと歩いて行く。中に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら席に座る。皆と雑談していると、近くの魔戦士の大きな声が聞こえてきた。



 「今日のダンジョン変じゃなかったか? 何かモンスターが弱かった気がするんだが、オレの気のせいじゃないよな。いつもより簡単っつうか、動きがトロかった気がする」


 「あー………なんか、分かる。弱った魔物みたいな感じで動きが鈍いって言えばいいのかな、なんかそんな感じだった。おかげで楽に勝てたけどさ」


 「確かに。動きに機敏さはありませんでしたね。何と言いますか……何度も抜かれた後の誰かさんみたいでした。私達を相手にしているんですから、もうちょっと頑張ってほしいところです」


 「頑張ってるけど!? オレ、すっごく頑張ってるよ! だいたいさ、何回したと思ってるんだよ。アレだけ抜かれたら、普通の奴はピクリともしねーよ!」


 「私達2人に手を出すなら、ちゃんと満足させてくれなきゃ……ねえ?」


 「そうですよ? 手を出した責任はとって下さい」


 「あ、はい」



 何か締まらないうえに、どうでもいい話だったが、ダンジョンの事は俺が浄化していった結果だろう。明日も同じ様に浄化しながら進むんだが、勘違いする魔戦士が出そうだな。まあ、自業自得で終わる話ではあるから、俺が気にする必要は無いか。


 そんな事を考えながら食事をした。宿に戻ると昨日と同じ女がカウンターに居たが、こちらに何かを言ってくる事は無かった。薬は抜いたが、禁断症状が出る恐れはある。今のところは大丈夫そうだが……。


 部屋に戻った後、そんな話をしているのだが皆はピンと来ないらしい。なので、俺も知識としてしか知らないが、禁断症状がどれほど大変かを説明する。どうしても耐えられなくなり、また薬に手を出してしまう怖ろしさを。



 「耐えられないってところが怖いねえ。アルドが言うには薬で頭がダメにされているから、薬を求める衝動に耐えられないってところが特に怖いよ。妙な薬でダメになる奴が後を絶たない筈さ」


 「そうね。村というかルーデル町でも聞く事はあったけど、ああいう薬がそんな怖ろしい物だなんて知らなかったわ。まさか頭をダメにして、耐えられなくするなんてね。単に良い気分になるだけだと思っていたけど……」


 「あたしは知ってたから別にどうこうは無いね。よく知ってる訳じゃないけど、商人の動向を探ってた仲間が薬漬けにされたのを見た事はあるからさ。アレはどうにもならないんだよ。親父が末路を見せる為に、ワザと連れ帰ってたからね」


 「末路……ですか。私もそういう薬を使われそうになった事はありますが、上手く避けてきて正解でした。もし使われていたら、今頃ここには居なかったでしょう」


 「それは僕も変わらないかな? 危ない場面は何度もあったしね。とはいえ、ああいう薬は娼婦や男娼からすれば御法度なんだよ。何度もお客として来てくれないと困るしさ。ああいう薬って日常生活も駄目になるでしょ?」


 「何処かで稼いできた者を、気持ちよくして収入を得る。そうしているのが娼婦や男娼だからね。客には何処かで稼いできてもらわないと困る訳だ。ところが薬を使われると、薬に依存するようになるからね。どちらにとっても悪い事でしかない」


 「そういう薬の話は昔から聞きますけど、どうして無くならないのでしょうね? 先ほど姉上も仰いましたけど、誰にとっても得なんてありません。にも関わらず、それを扱う商人は居なくならない。おかしなものです」



 まあ、やってるのは基本的に、自分さえ儲かればそれでいいっていう馬鹿だろ。もしくは借金か何かで命令を聞かざるを得ない奴か。とにかく捕まってもいい者にやらせている連中が居るってだけだ。


 今回も前回の聖神殿も根こそぎ潰したが、いったい何処からあれだけの薬を調達したんだろうか? ……もしかして裏組織と聖神殿って裏で繋がってた? 今となっては分からないし調べる気も無いが、その可能性もあるな。


 とはいえ、聖神殿を潰す時には狩王国の事なんて知らなかったしなぁ……。そんな事を考えていると腕を持って連れて行かれる。慌てて見ると、子供達も2匹も布団で寝ていたので【昏睡】を使って深く眠らせた。


 女性陣を満足させて寝かせたら、俺もさっさと寝よう。昨夜は聖人化などで大変だったからな。銅鏡で吸引と【浄化】を終えたら、おやすみなさい。



 <異世界753日目>



 おはようございます。今日はダンジョンアタック2日目です。もしかしたら構造が変わっているかもしれないけど、それならそれで最初から攻略するだけだ。むしろ、たまには良いかなと思うくらいか。


 朝の日課を終えて、いつも通りゆっくりする。この時間にトイレに行ったり等もしているが、そこまで日記にいちいち書いたりしない。部屋に戻ってきて【浄化】したらボーッとして過ごす。本当にこの時間は贅沢だ。


 そんな事を考えているとダリアが起きて、こちらにゆっくり歩いてくる。俺が水皿に神水を入れて出してやると、ゆっくりと飲み始めた。ある程度飲むと、俺の膝の上に跳んできて寝転がる。どうやら2度寝する気らしい。


 まあ良いかと思いつつダリアを膝に乗せて静かにしていると、今度は蓮が起きてきた。部屋を出たのでコップに神水を入れて置いておこう。戻ってきた蓮は手に取って飲む。半分ほど飲んだ後、俺の膝の上のダリアを【念動】で持ち上げる。


 いきなりの事でダリアはビックリしているが、テーブルの上に下ろした蓮は俺にブラシを求めてきた。小さいブラシを渡すと蓮はダリアを梳き始め、ダリアはリラックス効果で為されるがままだ。そうしていると、ダリアは完全に寝てしまった。


 テーブルの上で寝てしまったダリアをそのままにし、ブラシを返してきた蓮は俺の膝の上に座る。……成る程、膝の上に座りたかったからダリアを寝かせた訳ね。それにしても何が良いのやら? 所詮、男の膝なんだがなぁ。


 そんな事を考えながらゆっくりしていると、皆が続々と起きてきた。何故かテーブルの上で寝ているダリアを見て困惑しているが、そこは気にしないでほしい。起きると五月蝿いだろうから。


 コップと水皿に神水を入れると、フヨウは吸い上げて首に巻きついてくる。皆は部屋に戻ってきた後に飲み始め、その音でダリアは起きたようだ。何故か気にせずテーブルの上で丸くなったが、もしかして覚えてないのか?。


 まあ、騒がないなら何でもいいや。



 ▽▽▽▽▽


 1509終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2488枚

 大銅貨2056枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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