0150
昼食も終わり、今はゆっくりしている。ゆっくりしてると言うかイチャイチャしてるんだけどね。別に急ぐ事も無いからいいんだが、どこかで終わろうな。無限にされても困るからさ。
「しょうがないね。続きは夜にするか」
「夜にたっぷりしてもらいましょう」
「とっても楽しみね」
「期待しているよ?」
ああ、はい。頑張ります。……さーて、そろそろ帰るか。俺達は立ち上がり、歩いて帰路を進む。【気配察知】で魔物の居ない道を進み、川を跳び越えて対岸に戻る。
後は川に沿って歩いて帰るだけだ。皆とゆっくり歩いていると、5人組に声を掛けられた。村で傭兵を続けてたんだな、この子達。別の場所に行ったか、領都に戻ったと思ってた。
「お久しぶりです。少しいいですか?」
「お久しぶりだが、いったい何だ?」
「そんなに警戒しないで下さい。もう、ご迷惑をお掛けする事はありませんから」
「それなら良いんだけどねぇ……」
「あの、話しを続けて良いでしょうか?」
「とりあえず話してみろ。それから考える」
「そこまで警戒する事かな?」
「アナタ達が私達に、いったいどれだけ迷惑を掛けたと思っているんです?」
「あ、あの。ごめんなさい……」
「最初から言わない方が良い事もあるのよ? ちゃんと覚えておきなさいね」
「は、はい!」
「実はですね、私達に稽古をつけて頂きたいんです」
「……オカシイ。普通だ」
「普通ですよ! もうご迷惑はお掛けしませんっ!」
「確かに、ビックリするほど普通だね」
「この子達は、そんなに迷惑を掛けてきたのかい?」
「このルタは伯爵家の令嬢なんだ。それで分かるだろ?」
「ああ、成る程。クズの仲間か……」
「あの、幾らなんでも酷くないですか!?」
「私の姉上で、650年もの間貴族というクズを見てきています」
「大変、申し訳御座いません」
何だこのコントは? 5人組が関わると、これからはギャグになるのか? いや、流石にそれはちょっと……。一応は可愛い女の子5人組なんだし、ギャグ路線はどうかと思う。
……俺はいったい何を言っているんだろうか? とりあえず気を取り直して、この子達の稽古か。別に悪くはないし、物作りのついでなら訓練場で出来る。問題は報酬かな?。
「それで、報酬はどうする気だ? ……と言っても、そこまで寄越せと言うつもりはないがな。俺も色々作らなきゃならない物もあるし」
「武器でも作るんですか?」
「まぁ、それもある。何か色々あるらしい、農具とか武器とか。まだハッキリとは決まってないな」
「そうですか……」
「とはいえ、訓練場で見てやる事は出来る。それに、4人に教えてもらえば良いだろう」
「それはそうですね。皆さん私達より、お強いですし……。では依頼を出しますので、お願いします」
「了解だ。皆も良いよな?」
「暇潰しにはなるだろうから、アタシは良いよ」
「私も問題ありません。キッチリ教えてあげますよ」
「そうね、私達に頼むのだから頑張ってもらわないと」
「久しぶりだね。若い子を鍛えるのは」
何か皆が乗り気だな。何かあったのか? ……まぁ、いいか。誰かに教えるっていうのは、自分の復習にもなるからやって損は無い。世の中色んな奴が居るから、教え方も1つじゃないし。
良い経験になるが、皆は何度もしてきてるだろう。卒なくこなしそうだが、それだと経験にならなさそうだよなぁ。どうしたもんかね? ……まずは5人の実力からか。
俺達と連れ立って、5人組も村へと帰る。入り口の門番に登録証を見せて、そのまま解体所へ。久しぶりにジャロムさんとベグさんに会った。
「久しぶりだな。帰って来ていたのは知ってたが挨拶にも来んとはな」
「どのみち狩りに行くんだ。獲物を持って来るべきだろう? ここは解体所なんだからさ」
「ハハハハッ! 確かに、それはそうだな。それで今日の獲物は?」
「俺のアイテムバッグに入れてあります」
「ほう? アイテムバッグを手に入れたか。ダンジョンに行ったのだな。それに……その鎧は?」
「流石はジャロムだねぇ。これはアルドが作ってくれた、王角竜の革鎧さ」
「なんと!! それが王角竜の素材か……。うむむむ……。見た目では革が分からんのが残念だ」
「獲物は投石リス8、鉄蟷螂7、ポイズンスパイダー5、オーク4、フォレストベア3、イエローボアの骨と皮が3匹分です」
「また、随分と多いな。森に何かあったのか?」
「違うよ。アルドの使える【闘気術】の【気配察知】を使って、魔物を探しては狩ってただけさ」
「魔物の居る場所が確実に分かるので、狩りが楽なんですよ」
「アレは相当の修練をせんと明確に気配を区別できんと聞くが……」
「アルドはそれが出来るって事さ。最近アタシ達も少しずつ出来るようになってきたけどね」
「成る程な。それならば短時間で大量に狩る事も出来るか。全て纏めて、大銀貨6枚と銀貨8枚に大銅貨116枚だ」
「それで良いよ。今のうちに分けようか、アルドは多目ね」
「ああ、ありがとう。大銀貨2枚と銀貨4枚に大銅貨24枚、確かに受け取ったよ」
「凄い量ですね。私達なら1日掛けても無理ですよ、これほどの量を狩るのは」
「そうだね。アタイ等じゃ、これだけの魔物に会うまでに疲れきってしまうよ」
「私達の中で闘気の扱いが上手いのは、ララとファレンですが……」
「流石に無理ですよ! そんなハッキリ区別するどころか、ボンヤリ何かが居るぐらいしか分かりません」
「それでも森の中なら役に立つんだけどね。エルフは魔力系が得意だから、闘気は難しいから」
そういえば、この世界のエルフって別に森に住んでないんだよな。魔物が居る世界の森に住むって、危険を通り越して自殺行為だからさ。そんな所に住める訳がない。
当たり前だが、この世界で森に住んでいる種族なんて居ない。基本は堀を掘って柵を立てて住んでいる所を守る。跳躍で高さ5メートルを越える魔物も居るくらいだ。
そんな魔物相手に生き抜くって、生易しい事じゃない。ある意味では地球よりも生存競争は厳しく、殺し合いの連続だ。各種族は生存競争を勝ち残ってきた猛者だと言える。
ちなみに、エルフが弓を使うというイメージもこの世界には存在しない。ただし、弓自体が優秀な武器なので、エルフに限らず使う人は多い。日本でも古くはそうだった筈だ。
敵に近付く事なく戦えるので、武士が1番鍛錬したのは弓だと聞いた事がある。刀や槍はサブウエポン的な扱いだったらしく、メインは弓だったんだそうな。
ヨーロッパは知らないが、多分似たようなものだったんじゃないかと思う。敵を一方的に攻撃して味方の被害を減らすって、戦争の基本だからな。その為に兵器を開発するんだし。
そんな事はいいか。丁度ギルドに着いたんだ、中に入ってヴェルに作る物を聞かないといけない。4人が入り、5人組が入った後、俺と2匹もギルドに入る。
「帰ってきたか!! 待っとったぞ!!」
……ん? ガルドルさんか? 何しにギルドに来たんだろうな。鍛冶師の仕事があるだろうに。
「待っとったと言うとるだろう!!」
「えっ!? 俺?」
「お主に決まっとるだろうが。ホレ、やっと刀とかいうのの試作が出来たぞ!!」
「ああ、刀の……。じゃあ、ちょっと拝見します」
俺は左手で持ち手を掴み、刃を上にして右腕の服の上に峰を乗せる。とにかく日本刀の刀身は素手で触っちゃいけない刃物だ。
指で触ると錆びてしまう程に繊細な刃物なんで、大事に扱わないといけない。
俺の場合浄化すれば良いんだが、一応正しい扱い方をする。歪みなどを確認する振りをして調べる。【空間把握】を使えば、自分の眼よりも正しく調べられるんだよ。
なので、あくまでも調べる振りをしている。それにしても、正しく日本刀だと思う。鍛造で心鉄と皮鉄を作り、甲伏せでサンドイッチされている。見事としか言いようがない。
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0150終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨62枚
大銀貨79枚
銀貨47枚
大銅貨70枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ