1506
昼食も終わり、焼き場やテーブル等を壊して更地にし、準備を終えて出発する。ひたすら西へと走ればいいだけなので、そのうち着く。そもそも俺達は身体強化をして走っているので、速いのは当たり前だとしか言えない。
商人の馬車がそれなりに見えるが、王都近くになるとやはり多いな。その馬車の御者が俺達を見て驚いているが、そんな驚きを無視して俺達は走って行く。馬車や魔戦士と思しき連中が増えてくると、遠目に石壁が見えてくる。
どうやら王都の壁らしいな。随分早く到着したが、これでもゆっくり走った方だ。まあ、早く着いて悪い事は無いし、少し観光してもいいかも。そんな事を考えながら、王都前の列に並ぶ。それなりには並んでるが、そこまで多くも無い。
北の国だから数が多くないのか、それとも時間が中途半端だから多くないのか。その辺りは分からないが、早く順番が回ってくるので文句は無い。長蛇の列とか止めてほしいし、向こうの大陸で火の季節に待たされるとか、最悪だからなー。
列の進みが速いので、そこまで待たずとも王都に入る事が出来た。いつものように道を歩きながら人を見つけ、お金を渡して情報を聞く。大銅貨1枚を7人に渡して情報を得た結果、東の外れにある宿が良いとの事。近くに食堂もあるらしい。
東は治安が良くないそうだが、俺達にはどうでもいい事だ。この国の王都はドーナツ型ではなく通常の形で、手前から平民街、貴族街、王城となっている。ドーナツ型の都市でも似たような所は多いが、ここは四角い形の街だ。基本形かな?。
その平民街の東側へと行き、聞いた通りの宿へと入った。宿のカウンターに居た少年に泊まれるか聞くと、大部屋が空いていたので10日間とる。銀貨4枚を支払い部屋を確保したら、俺達は一旦部屋へと入る。まだ夕食には早いし、時間を潰そう。
適当に雑談しながらも、宿の近くを【空間把握】で調べる。治安の悪い一角だが、日中はそこまでじゃないみたいだな。本番は夜になってからか。そう思い、調査を止める。
今のところ【探知】に引っかかる奴は居ない。つまり、悪意や敵意をこちらに向けている奴は居ないという事だ。王都に来ていきなり悪意や敵意を向けられるとは思っていないが、宿から情報が漏れてもいないらしい。
金を持ってそうなターゲットの情報を、宿があやしい連中に渡す。そういうパターンも考えられたんだが、考えすぎかね? 受付に居たのが少年なのも引っ掛かるんだよな。ワザと子供を使ってるんじゃないの? ってさ。
まあ、下種の勘繰りと言われたら反論出来ないので、これ以上は止めよう。それより夕日も出てきたし、そろそろ聞いていた食堂に行くか。皆に声を掛けて宿を出たら、3軒隣の食堂へ。
中に入ると、まだ客は殆ど入っていないようだった。大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。【探知】を使いながら【空間把握】で厨房を監視する。しかしながら、何かを入れるという事は無い。
警戒し過ぎだったんだろうか? しかしなぁ……治安の悪い場所に居るし、警戒ぐらいはしておくべきだろう。とにかく厨房を監視し、何かが入れられていないか調べておく。特に何もなく、俺達の下に運ばれてきた。
料理を【浄化】するも抵抗無く浄化されたので、変な物は入っていない。俺が最初に口をつけ、それから皆は食べ始めた。客が少ないからか店員がこちらを見ているが、俺達は気にせず食事を終えて食堂を出る。
もしかしたら俺達が警戒しているのがバレたかもしれないが、それはバレたところで問題無い。こちらは問われても適当にはぐらかすだけだし、多分向こうもそれは分かっているだろう。それに、客にそんな事を聞く店も無い。
だからこそジッとこっちを見て確認していたんだと思うんだが、何の為に確認していたのかは知らない。盛る時の為に確認していた可能性もあるし、考え始めるとキリがないので止めよう。先入観に囚われている可能性がある。
表通りで聞いたら治安が悪いと言われただけで、本当に治安が悪いかは定かじゃない。あくまでも聞いただけだ。一旦冷静になってフラットな視点で見よう。宿に戻るとカウンターに女性が居て、何故か少年ではなくなっていた。
子供を夜遅くまで働かせる訳にはいかないので交代したのかもしれないが……何か違うような気がする。そのカウンター前を素通りしようとしたら、1晩銀貨3枚で受け付けていると言われた。……おいおい、マジかよ。
スルーしたけど、ウチの女性陣を前によく言ったな。もちろん仕事として言ったんだろうけど、よくもまあ言えたもんだ。その胆力は凄いと褒めてやろう。その後、女性陣から威圧を喰らって気絶していたが。
部屋に戻って布団を敷くも、さっきの女性に関しては別に怒ってはいなかった。仕事として言ったのだろうと思っているし、あの威圧で2度と軽口は叩かないだろう。そう言って笑っている。若干ムカついてたんだな。
「まあ、アタシ達の方を見て見下すまではいかないけど、それに近い視線はしてたからねえ。男には分からなくても、女には分かるものさ。そんな下らない事をするから、ああされるんだよ」
「喧嘩を売ったのですから、やられても文句は言えませんよ。気を失う程度で済んだのですから感謝してほしいくらいです。そもそもですが、あの程度の女が何故私達に対してあんな視線が出来るのか、まったくもって理解出来ませんね」
「さて、体を売っているなら私達より閨が上手いとでも思っているんじゃないかしら。世の広さを知らないならそんなものよ。祖母が言うところの、<可愛いお嬢さん>ね」
「それはまた、凄い皮肉だね。体を売って儲けているなら、それなりに閨の技に自信があるんだろうけど、その相手にお嬢さんとは……。とはいえ、3万人喰いの事実はあまりに大きい。そんな彼女にしてみれば当然か」
「それもそうだが、そもそも今の私達は<伝説の魔女>を越える閨の技を持っている筈だ。まあ、それを駆使しても勝てる可能性すら無いのだが……」
話が変な方向に行っているので、これ以上は聞く気が無い。子供達は我関せずとリバーシで遊んでおり、その横でダリアとフヨウも遊んでいる。俺は2つの盤を見ながら、ゆっくり監視中だ。
少なくとも先ほどのカウンターの女が恨みを持つかもしれないので、その監視はする必要がある。今日の夜に中央神殿に行くが、そのついでに聖人化しておいた方が良いかもしれないしな。そういう意味でも監視をしている。
監視しているのだが、アウトであり聖人化決定! 先ほどの女の誘いは、眠り薬を盛る為のものだったらしい。それだけじゃない様な気がするが、それ以上を知りたければ聞き出すしかないな。何となく裏組織も絡んでそうな気がする。
子供達が舟を漕ぎ始めたので布団に寝かせると、ダリアとフヨウも左右に陣取った。【昏睡】を使って深く眠らせると、次は女性陣の番だ。丁寧に優しく撃沈し、寝かせたら綺麗にする。銅鏡を使って吸い込むも、量が多くて汚いなー。
1国の首都だから仕方ないとはいえ、汚いのは勘弁してもらいたい。吸い込めなくなったら終了し、隠密の4つの技を使って部屋を出る。【止音】を使いながら移動し、宿の従業員が寝ている部屋に行く。
まだ起きているというか、部屋の中で少年と女が乳繰り合っているぞ? 俺も忙しいので【衝気】を使って気絶させ、2人に2つずつ白い枷を嵌める。話を聞いて理解した。ここは連れ込み宿であり、同時にトラップらしい。
符丁を受付で話せば宿として使え、話さない者の中で高値で売れそうな奴には薬を使うそうだ。眠らせたら裏組織のアジトに連れて行き、そこで麻薬漬けにされる。そうして薬漬けにされた者も多いらしく、この2人もそうだった。
仕方ないので、【浄化】してから聖人化しよう。こいつらが薬漬けだったとしても、それで罪が無くなる事は無いし許される事も無い。よって聖人化は決まっている。
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1506終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2494枚
大銅貨2082枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




