1496
部屋に戻ってゆっくり休むのだが、入ってすぐに防音の魔道具を設置する。いつも設置しているので別に不自然ではないものの、入ってすぐに設置し始めた俺に怪しむ皆。俺は起動した後にドアを閉めて話を始める。
「別に身構える程の事じゃないよ。さっきの話の最中に念神から【念話】が来てさ、蓮は既に知神の加護を得て不老長寿になってるらしい。眼の色を見れば分かるだろうって言われたけど、それで分かる訳ないよな?」
「うーん……金色の眼は神様に関わる者の眼だけど、それだけで不老長寿かと言われると……。もちろん他の色でも不老長寿なんだけど、金色だと絶対かどうかは……」
「その理屈で言うと、ダリアも不老長寿になりますしね。いえ、ダリアもそうなのかもしれませんけど、それで確定かどうかは私達には分かりませんし……」
「神様が知っておられるからといって、私達が知っている訳ではないし……。何と言っていいのか分からないけど、神様の当たり前と私達の当たり前は違うからね。そこがズレてると、どうにもならないよ」
「そうね。眼の色が金色だと可能性は極めて高い、というくらいかしら? やはり確定とは言えないわね。薄い金色でも問題無いのか、それとも【神眼】やアルドの眼みたいに濃い金色なら確定なのか……」
「その辺りは匙加減1つで幾らでも変わる気はするけど、神様達の感覚は不明だし、ちょっと分からないよ。とりあえずメルが言った通り、おそらく不老長寿くらいで良いんじゃないかな?」
話の渦中である蓮はと言うと、我関せずと言わんばかりにトランプで遊んでいる。イデアと<スピード>をしているらしいが、白熱した展開になっているようだ。2人の手がぶつかりながらも、お互いに自分が先だと譲らない。
蓮もイデアも負けず嫌いな部分があるからなぁ。それ自体はむしろ良い事だし、競争は自分の能力も引き上げるので正しいと言える。喧嘩にまで発展しないなら見守っておくぐらいで丁度いい。それよりも1階の食堂に怪しいのが来てるな。
【空間把握】で調べると……。なるほど、宿泊者に怪しい奴等が居ないかチェックしてるのか。スラムっぽい場所だからな、貧民が多い所にはこういうチンピラ組織が入り込んでるよな。そして止めとけって言われても引き下がらない。馬鹿だねぇ。
うん? ……外で合流したのは宙吊りにされた馬鹿か。あの馬鹿はチンピラ組織の一員で、俺が気に入らないのと女性陣や子供達を売り飛ばすと。こいつら聖人化決定!。
馬鹿な事を考えなきゃ、聖人に変えられなかったものを……憐れな奴等だ。
子供達に参加させられたので、ババ抜きをしながら奴等のアジトを探る。何となくディルは分かってるっぽいが、敢えて何も言わないので奴等の末路を理解して言わないんだろう。他の皆も【気配察知】で理解してると思うけど。
子供達が撃沈したので、布団に寝かせて2匹と共に【昏睡】を使う。女性陣に連れて行かれるも、いつも通り満足させて寝かせた。銅鏡を使い邪気を吸引して【浄化】したら、ようやくクズどもを聖人にする為に部屋を出られる。
聞くに堪えない醜い事を口走っていたので、1秒でも早く聖人にしたかったんだが、皆が寝るまで無理なので我慢していたんだ。そもそもチンピラ組織の拠点は、ここ貧民地区にあるので近い。俺は隠密の4つの技を使って窓から外に出る。
素早く移動し、チンピラ組織の連中が使っている建物に辿り着くと、中で準備をしている連中を気絶させていく。あの宿を襲撃する為に20人くらい集めていたんだが、圧倒的に足りなさ過ぎる。
そもそも10倍でも足りないのだから、こいつらに勝ち目なんて最初から無い。それは横に置いといて、準備をしている連中を気絶させては部屋に侵入し、全てを聖人化していく。いちいち話を聞いたりなどしない。
こいつらは俺達を襲う為に集まっているのだから、最初からアウトである。容赦無く聖人にし、最後にチンピラのボスの部屋にいる奴等に話を聞く。俺が首を絞めながら宙吊りにした奴も何故かここに居るが……。
成る程、この弱い奴はボスの尻の愛人だったのか。だからこいつがチンピラ組織を動かせたんだな。ケツの事なんて聞きたくも無かったけど。
さっさと話を聞きながら聖人にしていくも、気になる情報を聞く事になった。あの宿の女将には、どうやら秘密があるらしい。
もともと貧民地区の者でもないのに、急に来て町の娼館を全て支配下に置いた謎の人物。このチンピラ組織にも手を出そうとした奴は居たらしいが、何故か相次いで不審死するので止めたそうだ。……最後に回すか。
とりあえず全てを聖人にしたので、次は神殿だ。もともとこっちが本命なんであって、さっきのチンピラ組織はついででしかない。この町の神殿も場所は大変分かりやすくて助かる。敷地に侵入し、宿舎に入って聞き取りスタートだ。
神官に話を聞いては、罪を犯している奴を聖人にしていく。ほんの少しでも犯罪に関わっているなら聖人にし、そうやって進むも3割ほどだ。ソルメスの街もそうだったが、この国は腐った神官が少ないな。
結局、神殿長や副神殿長に神官長など役職のある連中はまだしも、普通の神官で犯罪に関わっている奴は多くなかった。3割というのは多いように思えるが、今までを考えれば少ない方だ。
全てが終了したので部屋に戻って休もう。……宿に帰ってきた事で思い出したが、ここの女将を調べなきゃいけないんだった。女将が寝泊りしているのは、宿の近くにある従業員用の建物なんだが……。
俺は【念動】を使って2階の窓から侵入する。何でこの建物、トラップがやたらに多いんだよ。忍者屋敷かここは。どう考えても従業員も女将もおかしいぞ。
2階から侵入し、女将の部屋を【空間把握】で調べる。細い糸のトラップが幾つか仕掛けられているが、コレ……毒を塗ってないか? 肌に触れるとダメな毒なら相当マズい。
………こう、怪しすぎる事を何故するのかね? 俺は【念動】で外せば良いだけだし、そこまで難しくないからいいけどさ。
不意の来客とかあったら、どうするつもりだ? これ簡単には外せないだろ。しかも御丁寧に女将の部屋は窓が無いし。徹底してるよなー、本当。何処からどう見ても、暗殺者のやり口にしか見えんぞ。
糸のトラップを外し、他にトラップが無いか確認してから【昏睡】を使って眠らせる。既に女将以外は深く眠らせてあるので、後は部屋に入るだけだ。素早く部屋に入り白い枷2つで拘束する。これで騒がれる事も無い。
暗殺者だと、どんな対策をしているか分からないので慎重にならざるを得ない。今回は大丈夫だったが、甘く見る訳にはいかないし、そんな事をしていたら必ず失敗する。敵を軽く見て良い事なんて何一つとして無い。
さて、今から話を聞いて行くんだが………おいおい、マジかよ。この女将、フェイマットの暗殺者だぞ。しかも聖神殿に所属している暗殺者なんだとさ。この女将自身は聖神殿が壊滅した事を知らないみたいで、未だに任務を遂行中だった。
ところが、その任務の雲行きがちょっと怪しい。この女将はフェイマットの為に貴族や王族に喰い込む任務を受けているんだが、そこで目を付けたのがアディアムだった。
アディアムは急に現れた勢力を怪しんで、半季節ほど前から宿に泊まっているそうだ。バレる訳にはいかないし、任務の事もある。毒や薬を使うと怪しまれるし危険なので、自らの手練手管でアディアムを篭絡しようとした。
ところが2人の相性が極めて良かった所為で、気付いたら自分が篭絡されかかっているという状態なんだと。今日も凄く気持ちよかったし、お返しにいっぱい御奉仕したらしい。……知らんがな。
何だか急にバカバカしくなってきたが、これはどうしたもんかな? 既に聖神殿は壊滅しているし、この女将は完全に堕ちてるし……。明日、暴露してしまうのが1番良いか。最悪は聖人にすれば済む。
そうと決まれば、戻りながら残りの暗殺者どもを聖人にしておこう。実はこの建物に居る従業員、全員が聖神殿に所属する暗殺者だった。この女将はその暗殺者達のリーダーだったのだが、虎の子の部隊を派遣していたようだ。
少なくともトラップのレベルは高いので、虎の子の部隊というのは事実なのだろう。俺はトラップを解除しながら女将以外を聖人化していく。1番厄介なトラップは玄関のトラップなので、そこを通らなければそこまで面倒ではない。
………よし、終わった! トラップも戻したし、これで俺が来たという証拠は無い。全部綺麗にしてきたし、何だったら心も軽くなっているだろう。全ては明日だ。2階の窓から脱出して部屋に戻ろう。
部屋に戻ってきた俺は、何度か自分を【浄化】した後で布団に横になる。ようやく寝られるが、今日も長かったな。それじゃあ、おやすみなさい。
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銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




