1492
夕食で出てきた蕎麦粥を食べているが、あまり美味しいものじゃない。というより、俺はどうしても麺のイメージを持つので粥にされると違和感しかないんだ。まあ、皆も美味しそうな顔をしていないので、美味しくないんだろう。
俺的にはマズくも美味くもないって感じか。こんなものって感じでしかないし、とりあえず腹に入れているだけだ。ゴブリン肉の方が美味いと言えるぐらいと言えば、マズくはないの意味が分かってもらえると思う。
食事を終えて部屋に戻ると、皆の愚痴が待っていた。麦粥よりも美味しくないという意見もあれば、それでも酸っぱい黄パンよりマシという意見もある。まあ、確かに黄パンを出されるよりはマシか。出されたらジャムを塗って食べるけど。
蕎麦はなぁ……日本人的にはどうしても麺なんだよなー。昔は<蕎麦がき>という料理を食べていたと何かで読んだ事はあるが、調べた事も無いので、どんな料理かも知らない。おそらくは簡単な料理なんだと思う。昔の料理だし。
そんな事を話していると、蓮が蕎麦の麺に興味を示した。別に作るのは構わないが、仮に作るにしても二八蕎麦だぞ? 十割蕎麦は作らないからな。そう説明すると、種類がある事に目を輝かせている。何でだよ……。
詳細に説明すると直ぐに興味を失ったが、いったい何に興味を引かれたんだろうか? 何か面倒臭そうなのでスルーするけどさ、イデアは最初から興味を示していない。蕎麦の粥が美味しくなかったので期待していないそうだ。
気持ちは分かるが嫌われたもんだなぁ。とはいえ、美味しくなかった以上は仕方ないか。俺はマズイとまで思わなかったけど、蓮やイデアは耐えられなかったみたいだ。ゴブリン肉を口直しに食べながら、食事をしていたような気もするな。
まあ、明日には出て行くし、明日の朝も蕎麦という訳じゃあるまい。だったら大丈夫だろう。それにダンジョンのある町は食糧事情も良い筈なので、蕎麦ではないと思っている。蕎麦は日本でも栽培されていたが、基本的に寒い場所用の作物だ。
温かいなら米や小麦を栽培すればいい訳で、寒くても大麦やドッツ麦があるしセン麦もある。まあ、セン麦は食べ方を知らないと厳しいから、蕎麦の方がマシとなったのかもしれない。それにダンジョンで果物が採れるとは限らないし。
そんな事を考えていると突然肩を叩かれた、ビックリして横を向くと、前を指差される。そちらを見ると、子供達がトランプを持ったまま眠っていた。慌てて【念動】で寝ている2匹を運びながら、子供達の持っているトランプを片付ける。
子供達を布団に寝かせていき、その左右に2匹を寝かせ【昏睡】を使って深く眠らせた。その瞬間、ガッチリ腕をホールドされ連れて行かれる。いつもながらの早脱ぎに呆れつつ、女性陣を満足させて寝かせていく。
何があったのか分からないが、いつもより随分と激しかったな? ……まあ、考えても無駄か。放り投げよう。銅鏡を取り出して吸引し、【浄化】したら仕舞って横になる。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界746日目>
おはようございます。今日は西にあるデルイの町まで行きますが、途中の村には寄りません。この国は村や町の距離が離れている。1日掛けて移動しなきゃいけないタイプの国で、それゆえにあまり国民の移動は無い。商人ぐらいかな?、
魔戦士の移動も少ないらしく、大体は村や町の近くでの狩りで済んでしまう。確かに南北に山や森などが連なっている地形なので、色々な所で狩りが出来るだろう。狩王国という名前に偽りは無い。
朝の日課を終え、ゆっくりと神水を飲んでいるとダナが起きてきた。周りを見渡してニンマリした後に起き上がった瞬間、ディルも目を開けて起きる。ダナはディルが起きた事に気付いたが気にする事も無い。
近くに来て満足するまでキスをした後、部屋を出て行った。その後、ディルも満足するまでキスし部屋を出る。ほぼ同時くらいだから? 相変わらず朝のキスのルールがよく分からないが、気にしたら負けか。
戻ってきた2人に神水の入ったコップを渡し、飲みながらゆっくりする。………俺はゆっくりしたいんだけど? 2人は俺の左右に陣取り、啄ばむようなキスをしてくる。そうやって遊んでいるらしいが、されている方は勘弁してもらいたい。
くすぐったくてしょうがないんだ。そう言うと、やめる替わりに別の所にキスしようとする2人。お前さん達は朝っぱらから何を考えているんだ、まったく。子供達もいつ起きてくるか分からないんだから止めなさい。
そんなやりとりをしていると、イデアが起きたので終了。イデアがトイレに行く為に部屋を出たら、急に詰まらなさそうな顔をし始めた。もしかして本気だったのか!? 思わず問いかけたが、2人は曖昧な顔をしているだけで答えない。
顔は曖昧な風だが、目が本気な気がする。ここは掘り下げずにスルーしよう。そう思っているとイデアが戻ってきたので、神水を入れたコップを渡す。4人で適当な雑談をしていると続々と皆も起きてきたので、皆にも神水を出して後片付けをする。
布団などを【浄化】して収納し、他にも細々とした物を収納したら話に参加。皆の頭もキッチリ覚醒して飲み終わったようなので、コップを【浄化】して仕舞う。忘れ物が無いか確認したら食堂へと移動だ。
大銅貨13枚を支払い朝食を注文したら、席に座って適当に待つ。隣に座っている傭兵が大きな声で会話しているが、内容が少し気になったので聞いておくか。
「昨日ダンジョンのある町から護衛でここまでやってきた奴等が言ってたんだが、最近またダンジョンが厳しくなったんだってよ。モンスターが随分多いらしく、まともに先に進めないらしい」
「デルイの町の近くにあるダンジョンか。あそこはモンスターが多いダンジョンだが、いつ頃からかどんどん増えるようになったって聞いてるな。今もまだ増えてるって事は、何かしら原因があるんだろうが……」
「ダンジョンモンスターの増える原因なあ…………駄目だ、ぜんっぜん分かんねえ。そんな事より、ぶっ殺しまくった方が早くないか? 原因を見つけてどうにかするよりさ」
「外ならそれもいいだろうが、ダンジョン内は幾らでもモンスターが湧くからなぁ。殺しまくっても次々に生み出されるだけだろうさ。多分、根本的に解決しないと駄目だと思うぞ?」
「そうかー。まあ、俺ならぶっ殺しまくれても6層か7層ぐらいだから、どのみち高く売れないし意味は無いな。あそこのダンジョンって安値でしか売れないのばっかり出てくるし、それで数が多いと……」
「王都のダンジョンに比べて人気が無いのは当たり前だわな。王都のダンジョンはまだ食い物が多いけど、デルイ近くのダンジョンはモンスターばっかりだ。アレで人気が出る事は無い」
「本当にな。とはいえ、ダンジョンが俺達の都合を考えてくれる訳じゃないし……」
「おまけに中はモンスターだらけで安い。面倒臭すぎて、あそこの出身のヤツが可哀想になってきた。ただでさえ簡単には移動できねえっていうのに、地元にダンジョンがあるって言ってもアレじゃ流石になぁ……」
どうやらデルイの町の近くにあるのは戦闘ダンジョンらしい。俺達にとってもダンジョンモンスターが多いのは面倒臭いが、それでも突破出来ない訳じゃないし、強引に進めばいいだろう。
皆も似た様な事を考えたのか、楽観的だ。流石にダンジョンモンスターが芋洗い状態なんて事は無い筈だし、それなら攻略そのものが無理だろう。モンスターハウスみたいな状況はゲームだから何とかなるのであって、リアルでは死ぬ。
管理システムも、そこまで極悪な仕様にはしない筈だ。攻略出来なきゃ邪気が減らせないし。まあ、だからこそ嫌がらせをしてくるんだろうとは思う。少しは苦労しろという理由で。
他の傭兵に比べれば恵まれているが、替わりに邪気を大量に減らしてるんだから、勘弁してほしいもんだ。
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1492終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2501枚
大銅貨2264枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




