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1489




 王都から西へと移動中なのだが、王の直轄地の西にある町ファーマンは既に通り過ぎた。現在、北西に進んだ先にあるラッドの村が見えている。そこもスルーし更に北西へと進む。更に北に進んでいるが、水の季節が怖いな。


 先へと進んで行くと、シマウェ村が見えてきたので更に北西へ。皆も思っているみたいだが、どれほど北に進むのだろうか? この辺りまで来ると、最早ドッツ麦さえ育たないんじゃ……。


 そんな嫌な予想も出てくるぐらい、北に進んでいる。ポーテンの町が見えてきたが、ここもスルーして更に北西へ。段々と植生も変わってきている。本格的に寒い場所に入っているんだなぁ。


 そのまま進み、辺境伯領のアットスの街に着いたので、ちょっと早い昼食にする。登録証を見せて中に入り、近くの人に食堂の場所を尋ねた。簡単に教えてくれたので礼を言い、教えられた場所へと向かう。


 中に入り大銅貨13枚を支払って昼食を注文したら、席に座って体を休める。今日は、この後も走らなきゃいけないからな。子供達は少しでも休んで体力を回復してほしいところだ。……食事が運ばれてきたが、この辺りはこうなのか。


 目の前には、灰色の薄焼きに具材が乗った物が出てきた。何となくだけど、これって蕎麦だよな? 多分ガレットってヤツじゃないかな? 食べた事ないから、詳しい事は知らないけどさ。


 蕎麦の全粒粉を水で練って薄く延ばし、フライパンなんかで焼いた食べ物。その上に具材が乗ってるので、蕎麦のタコスモドキが正しいのかな? とりあえず食べてみるものの、やはり味は蕎麦だ。マズくはない。


 日本人的にはコレじゃない感があるが、その感覚を排除すると普通に食べられる。皆も普通に食べているので、特に問題は無いようだ。ここまで北だと蕎麦に変わるのかー。米や小麦が無理なのは分かるが、ドッツ麦も難しいとは。


 食事後、街を出て今度は西へ。北に行かないというだけで安心している自分が居るなぁ。ここから更に北は、もう色々駄目だろうと思う。人間種の生きていける場所ではないとさえ思えてくるので、北には行きたくない。


 そういえば、次の国では魔戦士ギルドはあるんだろうか? 無ければ税を払わないといけないが、毎回は面倒臭い。どうしたもんかと思いながら走っていると、国境が見えてきた。双方の国の兵士が詰めているのか厳重だ。


 登録証を渡して確認されて、許可を受けて通過する。ジューディムとフェイマットの国境では兵士が腐っていたが、ここはそうではないらしい。どちらの兵士も何も無く通してくれたので、しっかりした兵士なんだろう。


 そもそも向こうの国境は、何故かフェイマットの兵士しか居なかったしな。他の国が見張ってないから、やりたい放題やっていたんだろう。国境を通過して西へと走って行く。しばらく走ると、国境で聞いたソルメスの街が見えてきた。


 門番に魔戦士の登録証を見せると、普通に街に入る許可が出た。という事は、この国でも魔戦士ギルドはあるんだな。門番の話では、ここシャムニーは狩王国と言うそうだ。寒すぎて農業よりも狩りが主体なのかな?。


 街に入って大銅貨を渡しつつ、宿や食堂を聞いていく。4人から話を聞き、大銅貨4枚を使った価値はあったと思う。お薦めの宿に行き、大銅貨14枚を払って2日分部屋を確保する。この宿は大部屋が安い宿らしく、聞いておいて良かったよ。


 雑魚寝部屋のように何も無いけど、俺達にとっては問題無い。少しゆっくりし、夕日が出てきたので食堂へと移動しよう。食堂に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文して席に座る。ここは煮込み料理が美味しいらしい。


 お金を払って聞いた4人とも食堂はこの店だと言っていたので、よほど美味しいのだろうと期待している。出てきたのは沢山の肉が入った煮込み料理だった。後は大盛りのマッシュポテトのみ。……とりあえず食べてみるか。


 ………うん、これゴブリン肉だ。しかも臭味が無い。どうもこの国ではゴブリン肉の臭味の取り方を知っているようだ。おそらくだけど、厳しい環境だからこそ試行錯誤したんだろうと思う。その結果、既に見つけていたんだろうな。


 ゴブリン肉という嫌がらせではなく、沢山の肉が食べられる店として紹介してくれたんだろう。少なくとも【白痴】を使っている以上は嘘を吐けないし、周りの客は普通に食っている。なので、嫌がらせではない。


 それよりも、マッシュポテトに多めの塩が使われているぞ? この辺りでは塩を多めに使うのが基本なんだろうか? フェイマットはジューディムと違い塩を使っていたが、だからと言ってそこまで使われていた訳ではなかった。


 今までの3国で言えば、やはりカロセンが1番塩がしっかり使われていたと思う。フェイマットは多少使われていて、ジューディムは酷かった。あの妙な草が入っていた料理以外は、本当に塩が使われているのか疑問しかないぐらいだったし。


 食事後、宿の部屋に戻り布団を敷いていると、夕食の事を皆が話し始めた。



 「お薦めの食堂での夕食、アレって間違い無くゴブリン肉だよね? 久しぶりに食べたけど、何となく口と舌が覚えていた感じかな。特に臭味も無くマズくなかったんで、しっかりと臭味を取って味付けしてあってビックリしたよ」


 「ええ。まさかこの国ではゴブリン肉の食べ方が正しく知られているとは思いませんでした。ジューディムではコボルトの肉が出てきた事はありましたが、ゴブリン肉が出てきた事はありませんから」


 「今までの場所でも無かったから、やはり殆ど知られていないのでしょうね。この国は随分北だし、厳しい場所だからこそ、必死に努力した昔の人が居たんでしょう。【清潔】が使えれば、後は気付くだけだもの」


 「まあ、その気付きが何百年、何千年と無かったんだけどね。それほど古くからゴブリンは生きていた筈なのに、食べ方が分からず食べられないと言われ続けていた。何とも言えなくなってくるよ」


 「ここでは気付いた者が居るのだから、別に良いのではないか? いずれ、この国から広まったかもしれないし、私達の大陸まで伝わったかもしれない。まあ、教えてもらわなければ気付かないというのも、どうかとは思うが……」


 「それはいいんだけど、明日は情報収集するんでしょ? 魔戦士ギルドに行くのは決まっているとして、後はどこで情報を集めようかな。酒場とかは皆も行きそうだし、娼館関係は縄張り的に聞きに行けないし……」


 「買って聞きますか? そのやり方も無い訳ではないですよ。無理にやる意味も無いですし、娼婦や男娼は嘘も平然と吐いてくるので難しいですけど。有用な情報も持っていたりしますしね」


 「いつも通り適当な噂話でも聞いてくればいいよ。本当に必要な情報はアルドが口を割らせるだろうし、あたし達が無理に聞きだす必要も無いしね。変な騒動に巻き込まれるくらいなら、適当な話でいいさ」



 まあ、そうだな。無理に聞き出そうとして、面倒臭い連中に目を付けられると聖人にしなくちゃならなくなる。俺としては、あまり聖人にするのもどうかと思っているんだよな。本当なら自分達で何とかすべき事だし。


 神殿の連中は聖人にするが、裏稼業の連中はこちらから攻める事は無い。それは今も変えていないし、守っている。純粋に面倒だという事もあるが、ああいう連中は必要悪な部分もあるんだよ。悪を周囲に見せるという意味でも。


 ああいう奴等が居るから、善と悪について考えるんだと思っている。だからこそ……っと、考えに没頭してしまい子供達に怒られた。今は神経衰弱の相手をしているんだが、子供達も段々とコツを掴んできたのか邪魔しても冷静に覚えている。


 というより、俺が捲った所は適当に覚えていると言った方が正しいか。実は【空間把握】を使って、なるべくペアが出来ないように裏返しているんだが、どうもバレたっぽいな。だったら邪魔の方法を変えよう。


 ただ、そろそろ子供達は寝そうだし、お開きにした方が良いか。



 ▽▽▽▽▽


 1489終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2502枚

 大銅貨2305枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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