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0148




 ドガッ! ゴスッ! バキッ! ドゴン!。


 あっ! 悶絶してるな。アレはしょうがない、鳩尾を突き上げていたしな。シュラは殴る事に関しては、本当に容赦がない。ただなぁ、笑顔は止めてほしい。


 周りの訓練中だった傭兵達は真っ青な顔をしている。ベテラン連中はヴェルに対して哀れみの視線で見ているが、怯えてはいない。何度か見てきているんだろうな……ダナがやってるの。


 傭兵ギルドのギルドマスターとサブマスターの公開処刑だからなぁ。命を奪う訳じゃないが、威厳は死ぬ。今後はずっと、ボコられたギルドマスターとしか見られないだろう。



 「そろそろ理解したかい? 分かったらさっさと話しな!」


 「うぅ……す、すみません……」



 その後、ヴェルが話して納得した。ヴェルの出身は帝国の東にあるエルダ海洋国なんだそうだ。そして蛇人族は基本的に固まって集落を作るらしい。そこに問題の根源があった。


 簡単に言うと、蛇人族は地縁と血縁に縛られている。出身の集落の者を優遇するのは当たり前の事なんだそうだ。そうしないと故郷の一族に何をされるか分からない。


 このサブマスに取り立てた奴はヴェルの故郷の集落で1番偉い一族らしく、どこで聞きつけたのか知らないが、ヴェルがギルマスになったのを知ってこの村に来た。


 そして故郷の一族の事でヴェルを脅したようだ。ヴェルとしては一族の事もあり、言う事を聞くしかなかったらしい。そしてこのクズはギルドでデカい顔をし始めたと……。


 何とかしてほしくて俺に声を掛けてきたそうだ。ちなみにミュウさんはその事を知っていたらしい。それで俺を必死に止めていたんだそうな。



 「おい、ゴミ。何か言う事は?」


 「キサマ! クソッ、ヴェリウシャルト! 何とかしろっ!!」


 「何とかって……お前バカなのか? まさか生きられると思ってないよな?」



 俺は小太刀を抜き、このバカにこれからの未来を突きつける。自分が何をされるか分かったんだろう、必死に周りを見るが誰も助けようとしない。まぁ、当然の事だな



 「わ、私を殺したら犯罪者だぞ! お前の手配書がバラ撒かれるぞ!! その覚悟はあるんだろうな!?」


 「俺は一向に構わんが? 今まで幾つの暗殺組織の連中を、皆殺しにしてきたと思ってるんだ? 今更だ、今更」


 「ついでに言っとくと、アルドは不老長寿さ! お前が一族から捨てられるだろうねぇ?」


 「そ、そんなバカな!? なんでこんなクソみたいな奴が!!」



 あーあー。更にボッコボコにされてる。……うわぁ、悲惨なレベルでボコられてるぞ。さっきまでボコられてたヴェルでさえ、ドン引きしてるじゃないか。凄まじい怒りだな……。


 まぁ、あれは放っとくとして、困ったのは問題があまり無い事だ。暗殺者と違って殺す訳にもいかない。少なくともゴミがやったのは、地縁と血縁でヴェルを脅したくらいだ。


 脅した……? それでいけるか? 傭兵ギルドに損害を与えた。そんな理由で、あのゴミを処理できないものか……。ゴミは明確な犯罪をやった訳じゃないんだよなー……困った。



 「このゴミを完全に潰す建前が欲しいんだが、何かないかな?」


 「堂々と建前って言うんですね?」


 「いや、建前で十分でしょ? ミュウさんもそう思わない?」


 「まぁ、気持ちはよく分かりますが……」


 「始末する建前は一応必要だろうと思うんだよ。傭兵ギルドに損害を与えたとか、ヴェルを脅したとかさ」


 「傭兵ギルドへの損害は結構な重罪となりますよ?」


 「そうなの? だったら殺しても問題ないな」


 「そう……あっさりと殺すと言われても困るのですが」


 「心配は要らないさ。【練成魔法】の【破砕】で砕いて、【錬金魔法】の【粉砕】で粉にしてから埋めればバレないよ」


 「何でそんなに具体的なんですか?」


 「そんなの、今までに散々やってきたからに決まってるじゃないか」


 「いや、まぁ……そうなんでしょうけど」


 「心配しなくても、暗殺者とか、前伯爵とか、侍従長をそうしただけさ」


 「!? ……さらっとトンデモないのが出てきたんですけど!? 私、聞きたくなかったんですが!?」


 「もう言っちゃったから無理。それに証拠は無いし。どうやって俺が殺したって言うつもり? 証言は証拠にはならないよ?」


 「………」



 何か久しぶりにジト目で見られたな。妙に懐かしいのは何故なんだろうか? ただ、大きな声で喋っていたので、ゴミへの牽制としては上手くいっただろう。周りはギョっとしているが。


 貴族をブチ殺したと聞けば、そうなるのは当たり前と言える時代だ。平民にとって貴族は関わりたく無くて鬱陶しく、そして怖い相手だ。難癖をつけてくる相手でもあるしな。


 向こうから無理矢理関わってきて、こっちを殺しに来る。そう考えると理不尽の塊だなぁ、貴族って。だが貴族からしたら、あっさり貴族を殺す俺も理不尽の塊なんだろうな。



 「ァ……ガ……ゲブ………ッ……」


 「うん? ゴミの反応が無くなってきたね?」


 「さて、ここからですね。ここからどう苦しめるのか、手腕が問われますよ?」


 「ウフフフフ、腕が鳴るわ」


 「私に任せたまえ。死なないギリギリはよく知っている。伊達に650年も生きてないからね?」


 「それは楽しみだねぇ。アタシ達不老長寿をここまで怒らせたんだ、簡単に殺してもらえると思ってないだろう?」


 「ヴァアーーーーーーーッ!!!!!」



 奇声を発して逃走し始め……あっ、倒れた。………動かないな。もしかして死んだか? 頭の血管でも切れたのか、心が壊れたのか。さて、調べてみるか。


 俺はゴミに触れて確認する。


 あー、こりゃ意識がブッ飛んだだけだな。残念な結果だが仕方がない。ここで死んでくれれば後腐れがなかったのに。まぁ、生きている事は伝えておくか。



 「駄目だ、まだ生きてやがる。何でゴミどもって、しぶといんだろうな?」


 「チッ! いちいちしぶとい奴だね。さっさと死ねばいいものを」


 「本当に使えないゴミですね」


 「どうしてこう、私達の手を煩わせるのかしら?」


 「それが役に立たないゴミってものさ。何百年も見てきてウンザリしてるんだけどね?」



 何と言うか、アレだ。この場では誰も4人に逆らえない雰囲気になってる。周りがドン引きしてるのが分かっていて4人も喋っているからな。それぐらい怒りが大きいって事だ。


 あの怒りに誰も触れたくないんだろう、頻りに俺の方を見てくるがスルーだ。俺だって怒ってる訳だから当然止めてやる義理は無い。そもそも最初に怒ったのは俺なんだよ。


 何故か俺が怒った事がスルーされてないか? 4人の怒りが怖い事は分かるが……俺は2匹の相手で忙しい。お前等が何とかすればいい。そういう視線を送ると、目を逸らしやがった。


 コイツ等もなかなか良い根性してるよな。ダナに鍛えられてきたからだろうか? 図太い神経をしていないと、ベテランには成れないんだろう。


 ゴミはこのまま置いてギルドの建物に戻るか。俺が歩き出すと2匹と4人もついてきたので、この騒ぎも解散となった。その場の空気が一気に弛緩したが、そんなに怖かったのか。



 「朝と同じ事を言うんだが、面白い依頼とかないもんかね? お金が欲しければ討伐すればいいんだし、依頼はせめて面白そうなのが欲しいんだよな」


 「当たり前だけど、そんな依頼はなかなか無いね」


 「私は詳しくないけど、全く無い訳じゃないんだね?」


 「そりゃね。どこぞの廃屋を取り壊す仕事とか、肥料を作る仕事とか、武具を売る仕事とか、鍛冶師を手伝う仕事とかあるよ」


 「殆ど雑用依頼だけれど、意外な技術が学べたりするのよね」


 「あっ!?」


 「どうしたんだい? ヴェル」


 「あ、あの。武具を作成して頂きたいのですが……」


 「いや、今までと同じ喋り方で良いから。朝は貴族と同じ事してきたんで怒っただけだよ。ついでに言うと、4人が近くに居たのは知ってたし、止めるのも分かっていた」


 「え!? それはつまり……」


 「殺すって言うのは、本気じゃないって事さ」



 マジだと思うように仕向けたのは、事実なんだけどね。



 ▽▽▽▽▽


 0148終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨62枚

 大銀貨77枚

 銀貨43枚

 大銅貨46枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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