1488
北門から凱旋してきた兵士や神官達の事が分かったんだろう、食事を放り出して見に行った奴等が沢山居る。そんな中、俺達は食事を終えたのでさっさと宿に戻った。どうせ今日の夜に再び聖神殿に行くんだし、その時に分かるだろう。
宿の部屋に戻ってからはゆっくりと休み、今日の練習の反省点などをお互いに語っている。子供達も子供達なりに気付いた事を話し、問われたら丁寧に説明していく。知識だけでも、経験だけでも、感覚だけでも強くなれない。その全てが必要だ。
そんな事を話しながら教えていると、子供達は舟を漕ぎ始めた。久しぶりにブラシで梳いてやると、あっさりと撃沈したので布団に寝かせる。ダリアとフヨウも簡単に寝たので【念動】で移動させ、【昏睡】で深く眠らせた。
女性陣を全員満足させて寝かせたら、隠密の4つの技を使い窓から外に出る。北門を跳び越えたら聖神殿に向かって走って行くのだが、途中で邪生と思しき奴が居たので【浄化】。死体を処理してから進む。
そうして聖神殿に到着すると、そこは酷い有様だった。中で邪生が暴れているが、重厚な鉄の格子は下りている。どうも巻き上げる為の道具が壊されているらしく、脱出する事が出来ないらしい。
おっと、悲鳴が聞こえてきたって事は、まだ生きている奴が居たのか。邪生といえど俺を感知するのは不可能なので、まずは浄化せずに中に入って調べよう。俺は神殿街を囲っている石壁を跳び越えて中に入る。
そのまま生命反応を確認するも、大多数が邪生になって辺りをウロウロしている。邪生同士は争うし殺しあうが、命を持つ者が近くに居ると、先に命ある者を殺そうとする。知恵ある者は違うが、知恵の無い者はそんなもんだ。
僅かに生命反応があるので、何処かに隠れているんだろう。いちいち詳細に把握する気もないので、適当に【探知】を使っている。さて、流石にそろそろ邪生を【浄化】していくか。そうしないと終わりそうにないし。
俺は其処彼処の邪生に【浄化】の権能を使い、一気に浄化していく。死体は一ヶ所に集め、【浄化】をしては集めるのを繰り返す。逃げ込んでいる奴に対しては、【念動】を使って無理矢理に邪生を嗾けた。現在、順調に殺されている。
邪生を【浄化】しながら生き残りに嗾けているのは、薬物中毒者だからだ。禁断症状が出れば暴れて周囲の者を殺戮するんだ。そんな奴を生かしておく訳が無い。ここで死んでもらわないと、普通に生きている人達が困る。
確かに薬を無理矢理に盛られた被害者かもしれないが、他人を薬漬けにして金品を強奪していた側である事に変わりは無い。それに、薬物中毒者より真面目に生きている人を優先するのは当たり前の事だ。
殺されて邪生になった者も喰われた者も、纏めて【浄化】して死なせていく。中心地に穴を掘り、死体を捨てて【浄炎】で焼き【粉砕】する。それを繰り返しながら始末していき、そのついでに貨幣を回収していく。
どうやら兵士も神官も、邪生の多さに格子を落とすのが精一杯だったようだな。貨幣が建物内に残ったままだ。それも癪なので、全て俺が貰っていこう。莫大な金額になるだろうが気にしてはいけない。
【探知】で調べ上げ、根こそぎ貨幣を回収していく。始末した邪生も【念動】で移動させ、神殿街の中心に移動させては焼いて粉にする。それを繰り返し、終わった時には結構な時間となっていた。
今日も疲れたが、さっさと帰ろう。明日は西に向かって移動だからな、早く帰って少しでも長く寝たい。帰り道を走りながら自分を何度も【浄化】して綺麗にしておく。王都の壁を跳び越え、ようやく宿の部屋に戻ってきた。
さっさと布団に寝転がったら、おやすみなさい。
<異世界744日目>
おはようございます。今日は西に向かって移動するのですが、昨夜寝る前にふと思いついた事をしようと思っています。たまには思い切っても罰は当たるまい。それはともかく、朝の日課を終えてゆっくりしよう。
ちょっと眠たいからか頭が上手く回らないが、この調子ならボーッとしてたら覚醒するだろう。適当にゆっくりしているとディルが起きてきて、満足するまでキスした後で部屋を出た。……結構長かったな。
戻ってきたディルに神水の入ったコップを渡し、2人で飲みながら他愛ない話をする。そうしていると皆が起きてきたので朝の挨拶をし、昨夜の事とこれからの事を話す。
「昨夜、聖神殿の邪生を全て掃除してきたと……。と言うより、昨日行った連中は外に出てこないように格子を落としただけかい。まあ、それでも大変だったんだろうけど、今度はどうやって入るのかねえ?」
「それはともかく、金品というか貨幣を強奪してきてやりたい事って何ですか? なんだか嫌な予感がするのですが……」
「別におかしな事はしないよ。王都は混乱するかもしれないが、気にしなくてもいい。終わったら皆にも話すよ」
皆はやる前に知りたがったが、俺は「気にしなくていい」と言って話さない。結局、皆は諦めて後片付けを手伝ってくれた。忘れ物がないか確認したら、宿の女将さんにキャンセルと返金不要を言って宿を出る。
食堂に言って大銅貨13枚を支払い朝食を注文したら席に座る。大人しく食事をし、終わったらさっさと出た。特に気になる話をする者も居なかったので、長居する意味も無い。
王都の北門に行き、登録証を見せて王都を出る。門番には聖神殿には近付かないように言われるが、「そもそも行く気も無い」と答えておいた。本当に行く気が無いしな。
西へと歩きながら女性陣が顔を向けてくるので「ある程度歩いたら始める」と言い、皆と一緒に歩いて行く。周りから人が居なくなったら隠密の4つの技を使い、皆にゆっくり西へ歩くように言って王都へと戻る。
北門を素通りして中に入り、建物の屋根に跳び乗ったら貨幣を撒いていく。そう<鼠小僧>が創作でやっていた事だ。実際の鼠小僧は盗んだ金を遊女屋で使っていたそうだが、創作の方では庶民に撒いている。
せっかくだから、それをやろうと思ったんだ。あそこの貨幣を王族や貴族なんかに取られるのは何だか違うだろうと思ったので、こういう方法になった。上から貨幣が降ってくるので、下では早速取り合いになっている。
金貨も大金貨も混じっているからか、本当にとんでもない騒ぎになっているが気にしない。義賊は細かい事は気にしないのだ。そんな事を考える奴は金をバラ撒いたりしない。王都の東西南北に満遍なく撒き、終わったので壁を跳び越えて外に出る。
皆を追いかけて走ったら、割と早くに合流する事が出来た。周りに商人などが居るので姿を現せないが、【念話】で帰って来た事を伝える。後ろから来る者を通り過ぎさせたら、隠密の4つの技を解除して姿を現した。
「やっと姿を現せるようになったのは良いんだけど、いったい何をしてきたんだい? 王都でやる事があるって言ってたけど、貨幣を使ってやる事って何かあったかねえ?」
「やる事って言うか、単に金をバラ撒いてきただけだよ。あそこに貯め込んであった貨幣は、薬物と体を売って得た金だ。体を売っていた連中は軒並み邪生となるか喰われ、薬物は全て燃やして潰した。しかし、それで得た金を王族に奪われるのもな……」
「ああ。神殿を腐らせたのも王族だし、薬をバラ撒いたのは先代の王だ。薬まで使って得た金銭を王族が持って行くのは流石にちょっと……と、思わなくはないね。だから市井にバラ撒いたのなら、気持ちはよく分かるよ」
「腐らせていたうえ、見て見ぬフリをしてきた連中が得をするのは許せないからね。アルドがやった事は良い事だと、あたしは思うよ。もちろん人によるだろうけど」
「まあ、私達は聖神殿を腐らせていたのは王族だと知っていますから。知らない者にとっては不思議でしょうけど、邪生が居ないと分かって突入した者達は、貨幣が全く無い事を知って何を思うのでしょうね?」
「現場の人達は特に何も思わないんじゃないかな? 何か思うなら上の連中だろうね。そして、王都で大量の貨幣がバラ撒かれた件を思い出すと思う。その時に初めて理解するんじゃないかな? 既に予想している者も居るのかもしれないけど」
案外、気付いた奴は黙っているかもしれないな。八つ当たりを受けそうだし。
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1488終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2502枚
大銅貨2349枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




