1484
皆の後悔という反省は終わったようなので、多少雰囲気はマシになった。それでも内容は再びの完敗を喫した訳で、皆の中には爪痕として深く残ったんだろう。何より、誰も結果の勝利に納得していない。
そんな中、絵を描いていたイデアがアイテムポーチに道具を戻し始めた。どうやら眠たくなってきたらしく布団に入るようだ。既に蓮は寝てしまっているので、起こさないように布団に入ったイデアは目を瞑る。
それを見た2匹は左右に陣取り、そのまま寝始めた。いつも通りに【昏睡】を軽く使って深く眠らせたら、抱きつかれて連れて行かれる。【極幸】と【至天】でキメてしまいさっさと寝かせていこう。
これからの予定を考えると、少々おざなりになるのは許してほしい。あまり時間がないので素早く部屋と体を綺麗にし、銅鏡で邪気を吸い込んで【浄化】する。昨夜やったので直ぐに終わり、急ぎ気味で窓から出る。
隠密の4つの技を使いながら木像を出し、跨って一気に移動していく。近くの壁を【念動】で飛んで越え、外に出たら一路北へ。分かりやすい道があるので進んで行き、割と時間も掛からず町に到着。
外側の町を無視して中へと突入。それなりに大きな壁で仕切られているが、飛び越せばいい俺には障害にならない。さっさと飛び越えた俺は、中に入った時点で木像を収納した。ここからは木像に乗っていても仕方がない。
俺はドンドンと進んでいき、神殿街の中央にある大きな神殿の近くの建物に入る。ここは人間種の反応が多いので、おそらくは宿舎だと当たりをつけたんだ。とにかく情報収集と選別を始めないと、いつまで経っても終わらない。
建物の中の寝ている連中に白い枷を嵌めて聞きだしつつ、どんどんと聖人化していく。ここには悪人しかいないのかと思うほど酷い。軽犯罪とはいえ、罪を犯していない者が今のところ居ない。
ある意味で滅茶苦茶だが、これが聖神殿とやらの現状だ。もはや犯罪者の総本山と言えるレベルではないかと思う。次々に聖人にしつつ情報を収集していくと気になる話が。この聖神殿の表のトップは聖女と呼ばれている人物らしい。
その下に聖神殿長とかいうのが居て、こいつが実質的なトップのようだ。つまり聖女は傀儡という事だが、薬漬けにして王族に体を売らせる為の者なんだと。何と言うか、聖女は性女という漫画やラノベにありがちなパターンのようだ。
本当にこういう事をする奴等は居るんだなぁ。その聖女とやらを自分達で作っておいて、裏では薬漬けで体を売らせるんだから……。これって漫画やラノベじゃなく、エロ漫画や官能小説の方か? そっちの方が正しそうだな。
どちらにしても碌でもない事に変わりはないが、<事実は小説より奇なり>って言葉もあるくらいだ。創作物に書かれる事が実際にあっても、普通の事とも言えるか。それはともかく、先にトップ連中を聖人化してしまおう。
聖神殿の権力者達が居る宿舎は聞いたんだが、神殿の連中って何故か家を買わないよな? 金を持っていても何故か集団暮らしをするんだよ。それが当たり前になってるのかは知らないが、周りの神官に世話をさせる為か?。
そう思えるくらい、色々な世話をさせまくっているな。思わず【衝気】からの【昏睡】コンボを使うくらいには腐ってやがる。挙句の果てには地下があるぞ、この建物。本当に碌でもないが、1部屋ずつ回って聖人にしていこう。
どんどんと変えていき、建物の全ての神官を聖人にした。神殿長や副神殿長に、神官長や副神官長。多岐に渡る権力持ちをほぼ全員聖人にしたので疲れた。残っているのは地下で盛っている馬鹿どもだけだ。それで役職持ちは終わる。
3階建ての建物の3階部分に行き、廊下の曲がり角の逆側の壁を押してスライドさせる。すると壁が開き、狭く急な階段が現れた。これが地下に行く為の唯一の道なんだが、わざわざ隠しても端だからバレやすいぞ。気付かなかったんだろうか?。
急な階段を下りていき、地下にまで到達すると声が聞こえてくる。ヤりまくっているのは地下室だからか知らないが、もはやサバトのレベルの狂乱ぶりだな。ここまでに神官の全員を聖人化してきたが、その内の9割は薬物中毒者だった。
本当に腐敗があまりにも酷い。ここまで酷いと殺す気も失せる。聖人化して、強制的に薬物と戦わせた方が重い罰だろう。薬と聖人化の板挟みになり壊れるかもしれないが、それは自業自得というものだ。諦めてもらおう。
地下に居る全員を【衝気】で気絶させ、【昏睡】を使う。1人1人に聞いていくと、とんでもない事が分かった。まず聖神殿長というのは先代の王であり、ここは神殿を乗っ取った王族が作った爛れた領地でしかなかった。
ようするに王位を退いた王族の、単なる遊びの場でしかなかったという事だ。薬物中毒にして金を儲けたり、体を売らせて儲けたり、とにかく悪行を行ってでも金を儲ける場所がこことなる。
その理由は王を退いた元王や王族が、余生を遊んで過ごす為であり、この領地は集金装置だった。ようするに神殿は単なる隠れ蓑でしかなかったという訳だ。神殿が腐っているのではなく、神殿のフリをしているだけの組織だった。
ちなみに聖女は聖神殿長である先代の王が、自分の好みで決めた女というだけでしかない。ちなみに先代が女王の代は、聖人という好みの男を決めて侍らせるんだそうだ。本当に心の底から腐ってやがる。
纏めて全て聖人にしたが、更に出来る限り聖人にしてから去ろう。まさか神殿が殆ど無関係だとは思わなかった。最初は権力争いに負けた王族が、神殿の中で伸し上がっただけだったようだ。その人物が領地を貰った人物らしい。
その頃は普通の神殿だったそうだが、いつしか王族が入り込み好き勝手をするようになった。更には王族だから当然のように金やコネを持っている。あっと言う間に風俗街のようになり現在に到ると。
危険な薬物の原料を育てている場所も聞きだしたので、纏めて全て処分するか。所詮、王族の威光がなければ腐った汚物でしかない。そのうち腐り落ちるだろうから正直に言って放っておいて良いと思う。
主要な人物は薬を使っていなかったが、ここはジャンキーの巣窟だ。言い換えれば薬さえどうにかすれば、地獄の苦しみが待っている。ここの者達は自分達が薬を牛耳る為に、かつてあった天然の原料植物を全て根絶やしにしたらしい。
ターイマやアッヘン、コーカインの近くに生えていた危険なドラッグの原料を、危険物を処理すると言う名目で完全に焼き払っている。だから種などが残っているのは、神殿街の外にある秘密の畑だけだ。
そこを焼き払ってしまえば、薬物の原料はおそらく完全に無くなるだろう。あとは薬物が切れて苦しむジャンキーどもが居るだけだ。何処かから手に入れても、今度はそれを聖人どもが処理してくれる。
まあ、最初にある程度は聖人にしているので、そいつらが実働部隊として協力してくれる筈だ。それで十分だと思うので、外に出て秘密の畑に移動しよう。再び3階に上がり、普通の階段を下りて建物の外に出る。
神殿街を出て更に北へと行くと、禁止薬物の畑が見えてきた。結構な広さの畑であり、柵があって囲ってある。常駐している者も結構居るらしく、寝泊りする為の建物も幾つか確認できた。とりあえず聖人化が先だな。
畑の近くにある建物の中に入り、中に居る者を全員聖人にしていく。終わったので、次は畑の薬物原料だ。全て【念動】で引っこ抜いて1つに纏め、保管されていた種なども上に乗せて置いて行く。
種の倉庫などもあったので、根こそぎ総浚いして全てここに持ってきている。引っこ抜いた原料を、全て【浄炎】で焼きながら更に抜いていく。全てを完全に抜き終わるまでに時間が掛かったが、それもこれで終わりだ。
燃えている原料の上に、最後に引っこ抜いてきた物を乗せる。後は全て燃やして【粉砕】して埋めれば帰れる。そろそろ戻って寝ないと、多分だが3時間寝られるかどうかだろう。流石にそれは厳しい。
よし、全て燃えて灰になったので、穴を掘ったら【粉砕】して埋めよう。………これでやっと、終わりだ。足りなきゃ明日か明後日に来て聖人化すればいい。俺は帰って寝る。さっさと木像に乗って一気に戻ろう。
途中、何度も自分を【浄化】し、薬物の臭いを消しておく。焼いていたので付いている可能性があるし、念入りに消しておかないとダリアやフヨウがおかしくなっても困る。
王都の宿の前まで戻ってきたので、木像を収納して窓から中に戻った。さっさと布団に寝転がり、もう1度【浄化】したら、おやすみなさい。
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1484終了時点
大白金貨73枚
白金貨427枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2502枚
大銅貨2327枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




