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 反応が3つ出てきたものの、3つとも反応が違うんだよなぁ……。いったい何なのかは分からないが、見た方が早いか。1つ目は………あった。あったけど、これは槍か? 穂先は20センチぐらいで、柄も1メートルくらいしかない。


 短槍にしたって短すぎるし、槍とは言い辛い気がする。子供用なら納得できるけど1つだけ……? 神様ならちゃんと2つ用意するだろうから、子供達用じゃないのかもしれない。穂先は三角でちゃんと刃になっているし、柄も金属で出来ている。


 全て神鉄で出来ていて柄も直径4センチ程と太めだ。しかし柄が短すぎて、これを槍と言うのかは甚だ疑問しかない。不思議な武器だが、殴打武器と考えれば何の問題も無く使える。……そうだな、刃が付いている殴打武器として使おう。


 さて、納得できたから次に向かうか。俺は短い短槍をアイテムバッグに回収し、次の地点へと向かう。そこまで遠くないので直ぐに着いたが、2つ目も困る物だった。何とも言い辛いが、2つ目は剣だ。それも短い剣。


 ショートソードという区分になるだろうが、全て神鉄で出来ていて握りの部分に革が巻いてあるだけ。物凄くシンプルなショートソードだが、剣身が40センチほどしかない。ビックリするほど短いが、子供用なら納得かな?。


 先ほどの短すぎる短槍と一緒に考えたら、両方子供達に持たせる物だろう。一体成型の様に作ってあり、全て神鉄で出来ている無骨な剣だ。ただ、日本の剣と同じで剣の中ほどが狭く、”くびれ”のある形となっている。


 剣をアイテムバッグに回収し、最後の反応の下に向かおう。皆は疲れているので多少時間を掛けても怒られないだろうが、ダラダラしてもしょうがない。最後の1つは………いや、コレはどうなんだ? 色々問題があるような気がするんだが……。


 最後の場所にあったのは短剣だった。剣身は30センチでギリギリ短剣と言える長さ。精霊木で出来ていて、剣身部分には精霊石が被覆してある。木と石を組み合わせただけの、練習用の物にしか見えないだろう。普通は。


 何故か説明書が柄の部分に巻きつけてあったので読んだのだが、この短剣、魔力を流せば飛ばせるらしい。ようするに射出できるのだ。実際、魔力を篭めると短剣が真っ直ぐ飛んで、目の前の木に刺さった。浅い程度だが、飛ぶという事が重要だ。


 この短剣、思っているより怖ろしいぞ。目の前で振られていて、急に飛んでくると対処は難しい。しかも、篭める魔力で速さと距離が変わる。これ、使い勝手は良いし奥の手として使えるけど、魔力の消費が予想していた以上に激しいな。


 近くだとそこまででも無いが、距離が空くと急激に消費量が増える。普通の人間種なら1メートルぐらいがギリギリだ。それ以上になると、そもそもの魔力が足りないだろう。俺ぐらいになると、10メートル以上飛ばしても問題無い程度の消費量でしかない。


 ただし俺やディルの場合は、【念動】を使った方が手っ取り早いので意味は無いけどね。それでも使い勝手としては悪くないし、魔力を篭めるだけで真っ直ぐ飛ぶのは魅力ではある。子供達に持たせると遊びそうで怖いな。どうしよう……。とりあえず戻るか。


 皆の下に戻ると、多少は回復したのか笑顔で雑談をしていた。そんな中、俺は地面に3つの武器を置き、それぞれの説明をする。と言っても、3つ目の短剣の説明ぐらいだが……。そして案の定、子供達が短剣で遊んでいる。


 土壁を自分達で作り、短剣に魔力を篭めて射出して遊んでいるのだが、そろそろ止めないと魔力枯渇を起こすぞー。……ほら、言わんこっちゃない。イデアはともかく、どうして蓮は予想通りの事をするかね? そこで休んでなさい。


 思っているよりも魔力を消費するので、奥の手として使うように言ってイデアに渡しておく。蓮に渡すと遊ぶかもしれないんで、蓮には短槍を渡しておいた。あれも短いだけで、上手く使えば大人でも使える武器だ。十分役に立つだろう。


 2人から大飛竜の短槍を受け取り、穴を掘って【粉砕】し埋めてしまう。魔力枯渇を起こしてダウンしている蓮を背負い、俺達はダンジョンを後にした。皆は終わりだが、俺はこの後が長いんだよなぁ。聖神殿に行かなきゃならないし。


 ダンジョンを出た俺達は王都に戻り、さっさと食堂に移動する。中に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら席に座った。蓮も座らせたが相当辛いのだろう、頭がフラフラしている。とはいえ、本人の自業自得なので何とも言えない。


 雑談などをしていると運ばれてきたので、食事をしながらも適当な雑談をしていると、少し離れた所に座っている奴等が大声で会話しているのが聞こえてきた。どうも町中の噂らしい。



 「何でも血相を変えた聖神殿の奴等が、王都の神殿から出てきたらしいぜ。慌てて馬車に乗って帰っていったらしいが、いったい何だったんだろうな? 見ていた奴によれば、本当に血相を変えるというか泡を食ったように逃げてったらしい」


 「そこまで驚いて逃げて行ったって言うなら、中で何かあったんだろうな。確か聖神殿の奴等って、王都の神殿でさえ見下してなかったか? それで毎回下っ端の神官が愚痴を言ってたと思うが……」


 「それで間違ってねえよ。聖神殿の連中は<性神殿>と揶揄されるぐらい、体を売ってる連中ばっかだからな。神様への信心なんて無い連中だし、もし聖神殿の奴等に反抗したのなら良くやったって褒めてやるよ」


 「本当に碌でもねえ連中だからなぁ。何と言っても、自分達の金儲けしか頭に無いし、神官共も体を売る事しか考えてねえ。後、あそこは怪しい薬を使ってるって噂もある。豪商が薬漬けにされたって話も……」


 「それ、ずっと言われてるんだよなー。でも証拠が無いらしくて、どうにもならないんだとよ。何か行方不明になった奴が何十人もいるらしくてさ、騎士でも怖がって近付かないらしい。特に薬漬けは怖えからな」


 「1度でも使われたら、薬が無きゃ生きられなくなっちまうらしいし、聖神殿の奴等がまともな神官だなんて誰も思わねえよな。絶対に狂った連中だよ。いつか必ず神罰を喰らうだろうぜ」



 まあ今日と明日に喰らうと思うが、それはともかくとして、食事は終わったんだから部屋に戻ろう。再び蓮を背負って食堂を出る。頼むから背中で吐かないでくれよ。頼むよ、ホント。


 願いが通じたのか、宿の部屋に戻るまでに蓮が吐く事は無かった。魔力枯渇を起こしていて、頭が痛く吐き気がするらしいので怖かったのだが、耐えてくれたので被害は無い。【浄化】すれば済むとはいえ、それで納得できるかは別だ。


 蓮を部屋の床に下ろしたら、直ぐに布団を敷いて寝かせる。蓮も大人しく寝転がり、気分が悪そうにしたままだ。前にメルから魔力枯渇について習っていたが、あの短剣が思っている以上に魔力を消費する物だったから、加減が分からなかったのかな?。


 大人しく寝ていれば、そのうち眠たくなって寝るだろう。メルも横に付いてくれているし、俺もこれからの事があるからゆっくり休む。皆はダラダラと雑談をしている。内容は今日の反省だ。



 「思っている以上に動けなかったよ。前にあの連中と戦った時は本当に駄目だったからね。だから身体強化も練習してきたし、細かい制御も出来るように練習していたんだけど……。向こうの方が遥かに上だ」


 「戦闘自体は勝利ですけど、実質的には敗北ですよね。本当に武具の良さで勝っただけです。同じ武具なら絶対に殺されていたでしょう。正直に言って前回もそうでしたが、長く生きてきた中で1番屈辱的な勝利でしたよ」


 「それはね。私だってそうさ。結果だけを見れば勝利だけど、内容は完敗と言っていい。それで納得出来る者などいないよ。勝ちを譲られただけさ。それで喜ぶのは、何も理解していない馬鹿だと証立てするに等しい」


 「ただ、あそこまで上手くて強いと、そう簡単にあの領域には到れない事も分かってしまうな。私達も日々の訓練をしていくしかない。むしろ前回より内容が良かったのが救いだ。これで変わってなかったら……」



 流石に今以上に凹んでいただろうな。俺は必死に【浄化】してたから皆の戦いを観察している余裕も無かったし、そこまでだったとは知らなかった。



 ▽▽▽▽▽


 1483終了時点


 大白金貨73枚

 白金貨427枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2502枚

 大銅貨2327枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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