1482
食事を終えて王都を出たら、近くのダンジョン街へと行く。中に入り、迷宮紋の前で順番待ちをしていると、意外に女性が多いという印象を受けた。もしかしたら厳しい環境だから、魔戦士の死亡率が高いのだろうか?。
傭兵も冒険者も魔戦士も男性の成り手が多いので、死亡率が高いという事は、男性の死亡率が高いと言う事だ。ますます女性の比率が高くなってしまうが、この国は大丈夫なんだろうかね? ちょっと心配な感じだな。
俺達の順番が来たのでダンジョンへと入る。1層は平原で特に変わった所は無い。まあ1層目から特殊な地形なんて事は無いだろう。
それじゃあ人が近寄らなくなるし、邪気を浄化させる目的に反する。システムも流石にやらないだろうし、やっても意味が無い。
それはともかく、目の前の光景は凄いな。平原ではあるものの、そこら中で収穫してる。多分ドッツ麦だと思う麦とジャガイモを。ここは素材ダンジョンかな?。
前に食料店で売っていたドッツ麦を見たし、そっくりだから間違ってはいないと思う。それとジャガイモも多いなぁ。寒くなる場所で食糧事情は厳しいと思っていたけど、ダンジョン近くでは大丈夫みたいだ。何処の国でもそうなんだけど。
人の流れは南東に向いているので走って行くと、転移紋があったので2層へ。2層も平原だったが、方角が微妙に違う? 人の流れについて行くと転移紋があったが、方角は東南東だ。となると、次は……。
予想通り、3層の転移紋は東にあった。つまり4層は東北東だろう。予想通りだったが、5層は荒地に変わっている。地形の変化は5層ずつかな、方角の変化は……どうも同じっぽいな。北東に行っている者が多い。
5層を北東、6層を北東北、7層を北、8層を北西北、9層を北西、そして10層は浅い森で西北西だった。方角は変化の仕方が変わらないので、非常に分かりやすく攻略しやすい。つまり、モンスターさえ捌けるなら進みやすいダンジョンだ。
11層を西、12層を西南西、13層を南西、14層を南西南、15層は山で南、16層は南東南、17層は南東、18層は東南東、19層は東、20層は川が流れる草原だったので、少し早いが昼食にしよう。
脱出紋の近くに、焼き場やテーブルに椅子を作って準備する。とりあえず川に行って神水を作ってこよう。ちょこちょことは補充していたが、空の樽も多かったんだ。今の内に満タンにしておきたい。
大量の水を浮かせて神水にし、樽に詰めていく。全て終わったら鍋の中にも入れて、砦から奪ってきたジャガイモを取り出して摩り下ろす。多めに摩り下ろしたら鍋の中に入れて掻き混ぜ、浮かせたらデンプンだけを【抽出】する。
後は【乾燥】で乾かしてしまえば、片栗粉の完成だ。何回か作り、多めの片栗粉をゲットしておく。保存しておけばいいだけだし、粉だからアイテムバッグに入れておけば済む。長期保存出来る物は本当に助かる。
それなりにジャガイモを消費したが、今作っておけば後が楽だからな。皆を待たせているので、さっさと戻って料理を始めよう。エリアとフォルに麦飯を頼み、俺はデスボーアの肉を一口大に【分離】していく。
魚醤とハチミツなどで作ったタレに漬け込んで【浸透】させた後、片栗粉を付けて竜の脂で揚げていく。良い音と匂いがするからだろう、子供達が堪らないと言わんばかりの顔を向けてくる。
子供達は子供らしくていいんだが……大人達はその顔を止めなさい。一緒になってジーッと見てるんじゃない。サラダとか、色々やらなきゃいけない事を頼んでるだろ。そっちを早くしなさい。
サラダやスープが終わり、竜田揚げが終わった。麦飯が最後だったが炊けたので、配膳をしようか。皆は待ち切れないとばかりに配膳をさっさと終わらせ、食前の挨拶も無しに食べ始めた。まあ、別にいいけどさ。
「ん~……おいしい! ひさしぶりの御飯がとてもおいしいけど、それ以上にあじがついた唐揚げがおいしいの!! いつもとちがうけど、おいしいからどうでもいい!」
「いや、どうでもよくないよ。衣が違うみたいだけど、アルドさんが向こうで作ってた物かな? 全粒粉を付けた物とは違うけど、これはこれで美味しいし、味付きだから後で付けなくても済むのがいいね」
「うんうん、これは美味しいねぇ! 揚げ物の音と共に香りが凄かったから期待してたけど、十分に美味しいよ。ここ最近パサパサのパンが多かったから、久しぶりに米を食べると美味しさが本当によく分かる」
「ドッツ麦でもセン麦でも、出来上がるパンがパサパサになる事は変わりませんからね。そういう麦ですので仕方がないのでしょうが、米と比べるのは流石に酷というものでは?」
「小さい事はどうでもいい事さ。あたしは米が食べられるだけでいいよ。仕方がないとはいえ、ここ最近食堂で食べるばかりだったからね。ようやく食べられた米は、やっぱり素晴らしいね。美味しいを通り越して素晴らしいよ」
「そこまでですか……? いえ、エリアがそう言うなら、エリアの中ではそうなんでしょう。そこにどうこうと言う気はありません。とはいえ、そこまでの感動が私に無いのは、やはりパンで育ってきたからなんでしょうね」
「僕もそうだけど、前にセン麦のパンを食べた時、これっぽっちも感動なんて無かったけどね? ただただ嫌だった事を思い出しただけさ。それはそれで思い出なんだよ、思い出なんだけど……」
思い出したくないなら、無理に思い出さなくても……。流石にセン麦で育った事に関しては何とも言えない。「健康的な食生活でしたね」。最大に好意的に言っても、こんなところだろう。体には良い筈なんだ、体には。心がどうかは知らないが……。
美味しい昼食も食べ終わり、今は皆がゆっくりしている。片栗粉の事を聞かれたのでジャガイモから作る方法を説明すると、皆が驚いているな。ジャガイモに食べ物というイメージしかなかったからだろう。
そんな話をしながら、十分に休息がとれたら後片付けを始める。皆が手伝ってくれたので早めに終わり、焼き場などを壊したら出発。東北東に向かい21層へ。
21層は北東、22層北東北、23層は北、24層は北西北、25層は平地で北西、26層は西北西、27層は西、28層は西南西、29層は南西、そして30層に到達した。自分達を中心に30メートルほどの円形に開けており、後は森だ。
激しく嫌な予感がするので直ぐに円陣を組み、中心に子供達を入れる。そうやって周囲を警戒していると現れた。再びの鬼神祭りだ。またもや碌に防具を身に着けていない鬼神モドキが突っ込んで来る。
飛んでいる者も居るうえ、空中から矢を射るっておかしくないですかねえ!? それ前回でさえ無かっただろ! 今回パワーアップしてるんだろうけど、こっちの武具は低下してるんですけど!?。
皆も精霊木石や神の金属製の武器で応戦している。が、精霊木石の盾が思っているより厳しい。傷付いてはいないが、前のような安心感が無い。それでも神の金属で盾を補強する訳にはいかない。流石に目敏い者にはバレる恐れがある。
神の金属とは分からないだろうが、何かが違うという事は勘付かれるかもしれない。流石は鬼神モドキと言えるのだが、傷は付いていないものの盾からギシギシ音がするんだよ。神木や神石ならそこまでじゃなかったんだが……。
何だか盾が悲鳴を上げているようで恐い。途中で壊れたら一気に瓦解する恐れもあるので、上手く捌いてくれる事を祈るばかりだ。
子供達に関しては、現在魔法を使わせている。最初は爆音の角笛を使わせたんだが、この鬼神モドキにはこれっぽっちも効いていなかった。だから仕方なく魔法で牽制をさせている。それでも効果があるだけマシだ。
倒されたら邪気になるのも前と変わらないが、錫杖と杵が無いので厳しい。何とか皆に被害が無いように吸い込んでいるが、吸引と【浄化】に集中しなければいけないので、子供達を守るのも難しいのが実情だ。
それでも徐々に数が減ってきた。ここは焦らずにしっかりと倒していきたい。逸ったところで得なんて無いからな。それに、このまま終わる保証がどこにも無い。皆に声を掛けて、緩んだ緊張感を再度引き締めさせる。
それが良かったのか、高速で飛んでくる敵を盾で防ぎ対処する事が出来た。まさか近接武器を持って吶喊してくるとは思わなかったな。そのうえ狙いは子供達のようだった気もするので、引き締めておいて正解だった。
脱出紋も出て来たので本当に終わりだが、今回も身体強化の鬼に押し込まれたな。その所為で勝ったという実感があまり無い。今回も武具の性能差で勝ったようなものだ。
……ん? 森の中に反応が3つ出てきたので取ってこよう。皆は疲れているので休ませ、俺だけで行ってくるか。
▽▽▽▽▽
1482終了時点
大白金貨73枚
白金貨427枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2502枚
大銅貨2340枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




