表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1478/1948

1477




 何とも遣る瀬無い気分になりながら、朝食を終えて部屋に戻った。本当に何とも言えない、もしくは何とも言いたくない気分になっている。皆も似たようなものではあるが、だからと言って聖人化しないという選択肢は無い。


 元々罪を犯しているので聖人化は避けられないうえ、弟への暴行指示もある。つまり俺は聖人化させるし、その結果自殺するのも避けられない。正妻の方も同じく耐えられなくなったのだろうが、聖人化しないと罪を自覚しないのもなぁ。



 「確かにそうだね。己の欲で走り続けた者が、聖人化して己の欲による罪に向き合う事になった。その結果耐えられなかったんだろう。とはいえ、主様の責任ではないさ。本当になるべくしてなった結果だよ」


 「だろうね。そもそも当主を毒殺している時点で罪人だし、何があったかは知らないけど正妻の罪は重い。ただ、娘の方も死んでいるのは分からない。自分の用意した毒が父親を殺したからかな?」


 「さあ? 考えても答えは出ないし、考えたって無駄だよ。嫌なモノに絡めとられて狂う前に、この話題は終わらせたほうが良い。誰も幸せにならないし、引き摺られる意味も無いしね」



 そのフォルの一言で、この話題は終わる事になった。まあ、確かに俺達が引き摺られる理由は無いし、神罰は落ちていない。おそらく自殺という結果は仕方のない事なんだろう。そう結論付けて終わらせた。


 皆も今日は部屋でゆっくりするようなので、俺は神酒を飲んで寝る事にする。今までの疲れもこれで綺麗に無くなるだろう。布団を敷き、お猪口に1杯分くらいの量を飲んで寝転がる。即座に頭がグルグルし、そのまま意識が無くなった。


 …………スッと意識が覚醒したので周りを【空間把握】で調べる。すると周囲は真っ白な空間だった。……あれ? これってもしかして神界? 何だか嫌な予感がするんだが、逃げられそうにない。



 「ええ、逃げられはしませんよ。それよりさっさと起きなさい。寝ているフリをして周りを探るのはいいですが、我々相手では時間の無駄です」


 「いや、そんな事を言われても困るんですけど? まずは今の状況を詳しく知る為に調べるでしょう。分かってないんですから。それよりも、いったい何の用で神界に呼んだんですか?」



 体を起こし立ちながら言うと、即座に右から拳が飛んできた。俺は慌てて右手で飛んでくる拳を左に流しながら、後ろに飛ぶ。闘神の爺さんが笑いながら左足で蹴ってくるが、それを後退して空かし前に出る。


 右足、左足を踏み込んだその時に、横からの【念動】で引っ繰り返された。神様2柱が同時とか、反則じゃないですかね?。



 「そんな事よりも話があります。まず第一に、下界の愚か者に貴方が煩わされる必要はありません。貴方は粛々と私達の命を熟しなさい。それと、これから先の為に貴方達のアイテムバッグから神石と神木製の物を取り上げます」


 「うぇっ!? 正気ですか、せっかく手に入ったのに! 取り上げるなら何で渡したんです!?」


 「面白がって魔神やら創造神が渡しただけで、ワシらは最初から良しとはしておらんよ。<神の金属>と呼ばれる物ならば下界でも作れるので良いが、神石と神木は下界で作り出す事は不可能じゃ。あれらは在ってはならぬので回収するしかない」


 「えーっ! じゃあ料理道具は、また自分で作らなきゃいけないんですか? せっかく使い勝手も良くて馴染んでたのに」


 「ぬ? 料理道具は確か創造神と浄神が、同じ様な物を<精霊木>と<精霊石>で作ると言ってなかったかの?」


 「そういえば、そんな事を言っていましたね。まあ、それは横に置いておきましょう。それよりも道具の差し替えが終わるまで、貴方はここで修行です。下界で腑抜けた分、ここで厳しさを再度教え込んであげましょう」


 「いや、結構です。結構ですからーーーっ!!」



 …………地獄が再び襲ってきた。確かに神様の言う通り鈍ってたんだとは思う。ただ、地獄に再び送らなくてもいいと思うんだ、俺。闘気術なのに爆発するのを久々に見たよ。あれ、闘神の爺さんの権能だから俺は使えないし、ボンボン爆発するの止めてくれません?。


 久しぶりに追っかけ回されたり、矯正されたりしながら地獄の特訓をさせられ、その後に来た浄神に説教をされて戻された。それなりに褒められたものの、説教の方が遥かに長かった。しかも説教の大部分が、俺のやり方がヌルいという理由だった。


 いや、アレ以上だと殺し合いにしかならないけど? そう思って言ったら、「根切りにしろと言ったでしょう?」とサラっと言われた。本当の意味で本気だったらしい。根切りにする”ぐらい”ではなく、本当に根切りに”しろ”と言う意味だったそうだ。


 途中で念神が流石にマズいと思ったのかフォローしてたけど、未だに浄神は下界の連中にブチギレたままらしい。色々とあったものの説教後は即座に下界に戻された。


 意識が浮上したので周りを確認すると、誰もいない宿の部屋の中だったからな。帰してくれるのはいいんだが、いきなり帰ってくると状況把握が大変だ。部屋の中には誰もいないけど、今は何時ぐらいなんだ?。


 【空間把握】で外を調べると、太陽の位置からして昼ぐらいか。という事は、皆は昼食を食べに行って部屋にいないと。俺も起きてしまったし、体も心も頗る快調なので寝るのはもういいだろう。


 自分のアイテムバッグを確認すると、確かに神石や神木で出来ている物は全て無くなっていた。本当に全て取り上げられたらしい。ただ、神木は精霊木に変わり、神石は精霊石に替わっている。


 全てが替わった訳ではないらしく、消えてなくなっている物もあるが諦めよう。錫杖や杵も無くなっているし、勾玉も無くなっている。とはいえ神木の馬などの乗り物は、精霊木に替わって在るので良かった。


 無くなってたら、どうしようと思ったよ。今までよりも速度は出ないかもしれないが、それでも身体強化で走るよりも速いだろう。今は子供達の足に合わせているから、そこまで早く移動できないし。


 さてと、確認もしたので食堂に行こう。そう思って部屋を出ようと立ち上がると、同じタイミングで皆が帰って来たようだ。部屋に戻ってきた皆に声を掛け、座って話をする。俺の話を聞いた皆は心底驚いているようだ。



 「神酒を飲んで神界に飛ばされた挙句、闘神様から無理矢理稽古をつけられた……と。いや、全くこれっぽっちも羨ましくないね。特にそんな顔をして話されたら、どれほどの地獄だったのか分かるし、聞きたくもないよ」


 「それはそうですが、それよりも神木や神石の武具や道具が取り上げられた事が問題です。アルドが言うには神木は精霊木に、神石は精霊石に替わっているようですけど、あんな高価な物に替えられてしまうとは……」


 「それでも下界にある物だから良いんでしょうね。神木や神石は絶対にマズいもの。実際には殆ど現存していないし、現存している物も取りに行けない所にあるわ。それに強過ぎると言われれば事実だし、反論出来ないわね」


 「精霊木も精霊石も滅多に見つからない物なんだけどね。流石は神様と言うしかないし、あっさり作り出せるようだ。まあ神木や神石が作り出せるんだから当たり前なんだろうけどさ、希少な物をポンポン作られるとね……」


 「精霊木や精霊石も極めて希少な素材ですからね。もちろん無い訳ではないのですが滅多に見つかりませんし、大多数は観賞用として使われます。希少な物を戦闘に使うとかは無いですね」


 「精霊木っていう木の盾になってるけど、代わりに表面に精霊石っていうのが張ってあるんだね。張ってあるって言い方もおかしいけど、事実だから何とも言えないよ。石を上から貼り付ける……まあ、納得するしかないか」



 そんな納得し辛いか? 【錬金術】や【錬成術】を使うと普通の事すぎて、特に疑問には思わないな。それが感覚の違いなんだろうけど、自分で出来るからこそ気にならないんだろう。


 それより伝えるべき事は伝えたから、俺も食堂に行くかね。



 ▽▽▽▽▽


 1477終了時点


 大白金貨73枚

 白金貨427枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2506枚

 大銅貨2418枚

 銅貨50枚


 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ