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 「俺達の得てきた情報の中にも村の名前はあった。アットン村の東にエッリモの町がある。その情報はアイテムバッグを奪おうとしたチンピラから聞いた情報だから、おそらく間違いは無いだろう。枷を着けたし」


 「大丈夫だったのですか? 御主人様ですから、おそらく誰にも見られていないとは思いますが……。それにしてもアイテムバッグを強奪しようとは。国境もそうでしたが、本当に気を付けた方がいいですね」


 「それ以外は特に無かったな。ここの辺境伯家の中が、ちょっとゴタゴタしているという情報ぐらいか。何でも、姉と弟で内紛状態らしい。辺境伯が後継者を決めずに突然亡くなったらしくてな、それで壮絶な御家騒動になっている」


 「そりゃ、また……。もしかして、それで口が重いのかねぇ。余所者に何か言うと、おかしな疑いを掛けられかねないってさ。場合によっては無理矢理に罪をでっち上げられたり? 自分で言ってて納得出来たから、可能性は高そうだ」


 「私達も気を付けた方がいい。罪のでっち上げは、私達のような余所者に対してやりやすい。町の者からも文句は出ないだろう、どうせ余所者なんだし。その場合、どうするのが最善かな?」


 「前の様に捕まって、内部から潰すか? それでも良いし、神殿にはどうせ今夜行くから、ついでに聖人にしてきても良い。俺としてはどっちでも良いと思う。明日を休みにするなら、多少の苦労は誤差の範囲でしかない」



 色々話し合った結果、今夜スラムと神殿と辺境伯家を聖人化する事に決定した。その代わり明日は休みだ。皆もゆっくり出来るし、俺も休んで回復出来る。久しぶりに昼間に睡眠をとって回復しよう。明日が楽しみだ。


 少し早いが食堂に行く事にした。大銅貨13枚を支払い夕食を注文したのだが、何でもダッシュボーアの丸焼きを作っているらしい。仕方がないので大銅貨13枚を追加で払い、ダッシュボーアの丸焼きが出来るまで待つ。


 丸焼きと言っても出てくるのは切り出された肉だが、豪快に焼いているのを想像すると楽しみではある。流石にそういうパフォーマンスというか、店内で見せるような店ではないので見る事は出来ない。


 そういった事を売りにしている店なら見せてくれるのだろうが、そういう時代でもないな。そういった事をサービスで行い、客を集めるという意識が芽生えるのはもっと後の時代だろう。それに毎回ダッシュボーアを獲るのも大変だ。


 皆と雑談しながら待っていると、新しく入ってきた客が大きな声で喋り始めた。武具は着けてないが魔戦士だろう。



 「今日の俺達の狩りはなかなか上手くいったが、近くのあいつらは失敗してたな。上手くいかなかったのを俺達の所為にしてこなきゃいいけど、文句を言ってきたら離れていた事を言うしかないな」


 「実際それなりには離れてたからな。アレで文句を言われても困るってのが正直なところだ。流石に勘弁してくれとは思う。そのうえ近付いてきたのは向こうであって、俺達じゃねえし……」


 「あいつら面倒臭えんだよなー。女4人組なのは好きにすりゃいいんだけどよ。女だって事を利用する感じでゴチャゴチャ言ってくるからさ。だから嫌われるんだが、全く周りの声を聞こうともしねえし」


 「とにかく近付くな。あの女どもは無駄にプライドが高い。大通りの店に居るだろうから、俺達は関わらないようにしていればいい。そのうち別の奴等に絡んでいるだろう」



 何か関わりたくもない連中が居るんだな。面倒臭い事は御免被るので、俺達も関わらないように……っと夕食が運ばれてきた。それなりに大きな削ぎ切り肉がドーンと皿に乗っていて、上にソースが掛かっている。


 それ以外はいつも通りのパンとスープとサラダだ。焼いた普通の肉から、ダッシュボーアの丸焼きに変えるのに大銅貨1枚を余分に払ったという事なんだけど……。食べて分かったが、そこまでじゃない。美味しいけど、それだけって感じ。


 俺も同じだろうけど、皆は美味しいだけマシかー、といった心境の表情だ。周りでは「美味しい!」を連呼している客が多いが、俺達は静かに食事をしている。言葉は悪いが、これなら俺が焼いた方が美味いと思う。


 自画自賛でも何でもなく、肉の熟成度合いとか中から熱を加えたりとか、普通の人じゃ出来ない事をやっているからな。美味くて当然なんだが、どうもそれが基準になっている気がする。贅沢という訳ではないんだが……。


 そんな気分で食事を終え、宿へと戻る。ダッシュボーアの丸焼き肉を食べているにも関わらず、淡々と食事をしている俺達に変な顔を向けている奴が多かったな。一部には睨んでいる奴も居たが、俺達にとってはどうでもいい。


 宿の部屋に戻り、子供達と遊びながらも体を休ませる。今日の夜は忙しくなりそうだし、時間との勝負な部分があるからな。頑張らないと。その為にも今は少しでも休んでおきたい。神経衰弱の嫌がらせぐらいは問題無いが。


 いつも通り何戦かすると子供達は舟を漕ぎ始めたので、布団に入れて2匹と一緒に【昏睡】を使う。女性陣に連れて行かれるも、【房中術】と【法悦】でキメてさっさと寝かせる。部屋と皆を綺麗にしたら、<浄化の三道具>を使う。


 結構な量の邪気を吸引したが、前のように潜入中に邪生が発生するとか御免だからな。しっかり綺麗にしておかないと。………よし、終わり。さてと、それじゃあ出発するか。まずはスラムだな。


 隠密の4つの技を使った俺は、窓から外へ出てスラムへと移動する。昼間白い枷を使って得た情報で、スラムの何処にアジトがあるかは知っているので、さっさと移動しよう。今夜は本当に時間との勝負だ。


 スラムのアジト前で見張りをやっている奴等を【衝気】で気絶させ、白い枷を2つ着けて聖人に変える。白い枷を回収したらアジトへ侵入し、中の連中を聖人に変えていく。順調に進み、1番奥を残すのみとなったが、厄介な連中だ。


 どうもこのチンピラ組織、辺境伯家の跡取り娘と関わりがあるらしい。つまり姉の方だ。何故かは知らないが、もしかしたら甘い汁を吸う為に近付いたのか、それとも当主になる為に利用しようとしたのか……。まあ、聞けば分かるか。


 外から気絶させ、中に侵入して白い枷を嵌める。詳しく聞くと、どうやら辺境伯家の娘の方から近付いたらしい。そのうえ、こいつらは辺境伯の暗殺に協力している。理由は、辺境伯が弟の方を当主にするつもりだったからだそうだ。


 それなりに甘い汁を吸ってきたチンピラどもにとって、今さらそれが無くなるのは困るという事で、辺境伯家の娘と共に共謀して辺境伯を殺害。ただいま辺境伯家の乗っ取り中だそうだ。こんな壊滅の仕方をするとは、こいつらも思わなかっただろうな。


 ボスも聖人に変えたが、まだ下っ端と幹部1人が辺境伯邸に居るらしい。まあそれは後回しだ、次は神殿だからな。金を半分だけ頂いていき、神殿へと移動する。ここの神殿は門を閉じていたし、怪しいんだよな。


 その門を跳び越えて中に入った俺は、人の反応を頼りに宿舎へと移動する。正面から侵入し、寝ている連中に白い枷を着けて罪を聞いていく。罪人は聖人に、問題の無い者は再度寝かせる。


 そうやって選別していき、残すは幹部連中だけとなった。神官長や神殿長は必ず高い場所に居るうえ、滅多に人が近付かないのでやりやすい。まあ、若い女を侍らせている爺と、若い男を侍らせている婆が居るけど。


 まずは寝ている連中の部屋に入り、白い枷を着けて聞いていく。すると、神殿も辺境伯家の騒動に関わっている事が分かった。こいつらは弟の側に付いて、甘い汁を吸おうと画策していたらしい。


 弟の方は渋っていたらしいので成功はしていないが、本当に碌なもんじゃないな。そんな矢先に辺境伯家の当主が死に、その理由を神殿は知ったらしい。門を閉ざしていたのは、助けて欲しければ頭を下げろという意思表示だったそうだ。


 弟の方から返答は無いので、どうするかは今後の推移次第なんだと。何だか行き当たりばったりって感じがするのは気のせいか? それはともかく聖人に変えてしまい、次へ行こう。時間が惜しい。


 ………爺も婆も、若い女も若い男も聖人にしたが、何だか疲れてくる連中だ。爺は副神殿長で大の女好き、婆は神殿長で大の男好き。そのうえこの2人は夫婦らしい。最初に聞いた時は色々な感情が出てきて、最後には溜息が出た。


 何なんだよこいつら。



 ▽▽▽▽▽


 1475終了時点


 大白金貨73枚

 白金貨427枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2506枚

 大銅貨2431枚

 銅貨50枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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