1472
食堂に移動し、大銅貨13枚を支払って朝食を注文する。テーブル席に座って雑談をしていると、何やらガチャガチャ音をさせる魔戦士達が入ってきた。鎖帷子とは珍しいが、ガチャガチャ音をさせるなよ。
そいつらは1人が注文している間に席に座ったが、こっちの方をチラチラ見てきやがる。面倒な感じだ。そう思いながらも、絡んでは来ないので放っておく。俺達の朝食が運ばれてきたが、再びのマッシュポテトだ。
せめて塩を混ぜてほしいが、塩の厳しいこの国じゃ仕方ないか。朝は野菜のスープと肉らしいが、野菜のスープは野菜の味しかしない。せめて何かで出汁をとってほしいが、それすら難しいのかね?。
子供達が必死に表情を変えないように食事をしているのが、何とも言えなくなってくる。これは早急にどうにかした方が良いな。食事を終えた俺達は、真っ直ぐに宿に戻らず食料店に行く。塩の値段を調べる為だ。
食料店に着いたので調べると、カロセン王国の10倍以上の値段が付いていて驚いた。これは流石に簡単には使えないわ。ここまで値段の差があるとはな……。小競り合いをする気持ちも分からなくはない。皆も唖然としている。
商人が値段を上げているのか、それとも仕方がないのかは分からないが、味気無い料理の理由はコレで間違い無い。しかし、生きていくのに必要な塩が足りないとはいえ、何処かで補ってないと生きていけない筈だが……。
………それっぽい食べ物は無さそうだが、いったい何で塩分を補ってるんだろうな。不思議なもんだ。そう思いながらも、皆が酒を買っているのを見ていた。この国ではワイン作りが盛んらしく、そんな店員の話を適当に聞く。
皆からすれば、不味くとも俺に渡せば何とかしてくれると思っているんだろう。割と多い量を買って、店を後にした。碌に行く所も無いので宿に戻り、部屋で早速ワインを飲み始める皆を見て呆れる。
「今日は休みにすると言ったが、早速飲むとは思わなかった。まあ、悪いとは言わないけど、朝っぱらからかとは思うな。それはともかく、ここまで塩気の無い食事が続くとは思わなかったが、この国ではどうやって塩分を確保してるんだろう?」
「肉じゃないのかい? アルドが言ってたけど、動物だって塩が無いと生きていけないんだから、肉にも塩は含まれてる。だから肉を食べて、塩を何とか体に入れてるんじゃないかと思うけど?」
「でも、それだと少なすぎませんか? それなりに塩は必要ですし、摂らないと命の危険があるという事ですけど、この国では明らかに足りていないと思いますよ。アルドが言うように、何らかの方法で摂取していないと死んでいる筈……」
「他の地域に比べて肉の中に塩分が多いとか? でも、そうすると魔物の肉には何故多いんだって話になるね。……あれ? 僕さ、今気付いたんだけど、魔物は岩塩の場所を知ってる?」
「つまり、魔物が岩塩を舐めて塩を得て、その肉を人間種が食べて塩を補っている? それとも塩を肉に溜めこんでいる魔物が居るのかな。それなら塩分が足りているのも分からなくはないね」
「それよりも、この美味しくないワインを何とかしてほしいんだけど良いかい? いやー、悪いね。ワイン作りが盛んだっていうから美味しいのかと思ってたらコレだ。大して変わんないよ。無駄に高値で買わせてさ!」
エリアが御立腹だが、それほど美味しくなかったようだ。とはいえ、女性陣の基準は俺が熟成したワインだからな。流石に比べると可哀想だと思うぞ? それはそうと皆もか……。まあ、頑張って【熟成】しよう。
皆のワインを熟成し終わったら既に昼だった。俺はいったい何をしているんだろうと思ったが、それを言っても意味が無いので投げ捨てる。食堂に移動し、大銅貨13枚を支払って昼食を注文したらテーブルへ。
席で食事を待っていると、またガチャガチャ五月蝿い奴等が入ってきた。そいつらは再びこちらをジッと見てくるだけで、何をしてくる訳でも無い。気持ち悪いが放っておくしかないし、食事が来たのでさっさと食べよう。
昼はどうやら黒パンらしく、久しぶりに解放された気分になった。肉と野菜のスープだが、何だか見慣れない野菜が入ってるな。………!! 塩が普通に入っているぞ? 昨日までの塩の感じない料理は何なんだよ。
そう言いたくなるぐらい普通に塩が入っている。昨日から王都に来ているが、見慣れない変な野菜の入っているスープは初めてだ。で、明らかにこのスープからガッツリ塩を感じる。となると、この野菜は塩を含んでいるって事か。
確か地球でも、土地の塩分を吸い上げる野菜だか雑草があると聞いた事がある。詳しい事は知らないが、土壌の塩分量を減らす為に植えるんだったと思う。それと似た野菜か雑草が、この国にはあるんだろうな。
その御蔭で助かってるんだと思うが、もしかしてジャガイモが多いのは土壌的な理由からなんだろうか? 塩の多い土地では麦類が育たない……でも、ジャガイモは育ってるしなー。まあ、俺が考えなきゃいけない事でもないので止めよう。
この国の人はコレで生きていけてるんだから、気にしたら負けだ。さっさと食べて宿に戻るか。下らない事を考えていた俺が1番遅くなりそうだ。
昼食が終わった俺達は、食堂を出て宿に戻る。部屋に戻ったものの、あのガチャガチャ五月蝿い連中は何故か尾けてもこないんだよな。食堂でジロジロ見てくるが、何故かそれだけで他に何もしない。
もちろん何かされたい訳ではないのだが、何もされないのも不気味だ。変な感じだが、明日にはこの国を出るので無視すればいいか。いちいち気にしたって面倒臭いだけだし。
皆ともそんな話をしながら暇を潰し、子供達の字の練習を見ながら修正させる。アルメアが起きていれば教えてくれるのだが、ワインを飲んで寝てしまっているからな。諦めるしかない。ディル以外は寝ているので、いつも通りと言えばそれまでだし。
夕方まで子供達を見ながらディルの指導をし、起きた皆と共に食堂へと行く。大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら、席に座って待つ。子供達と会話していると、近くに座った魔戦士らしき連中が大きな声で話し始めた。
「<鎖の絆>の連中が殺されたらしいが、知ってるか? 何でも大きい熊の魔物が現れたらしく、御自慢の鎖帷子が引き裂かれたらしい。その所為であっさり殺された挙句、かなり喰われたらしいぜ?」
「あーあー、魔物のエサになっちまったか。自慢の鎖帷子で敵の攻撃を防ぎ、その隙に攻撃を叩き込む。そういう奴等だったが、あんなので戦い続けるからだ。戦闘の基本は回避に決まってるだろうがよ」
「本当にな。あいつらの戦い方は危なくてしょうがねえ。あんなのでも高値で売れるのを倒せてたらしいが、結果としたら大失敗だ。魔戦士にとったら生き残る事が1番大事なんであって、調子に乗る事じゃねえからな」
「あいつらも昔はああじゃなかったんだがな、いつ頃からかああなっちまったんだよな。仲間が1人喰い殺された辺りから何かおかしくなって、どんどん話を聞かなくなっていったんだよ。よくある事と言えば終わるんだが……」
「まあ、俺達も色んな奴の死に目に遭ってきたからなぁ。仲間が死んだ事も1度や2度じゃねえし。それで駄目になるなら魔戦士を辞めた方がいいんだが、あいつらみたいに捻じ曲がっちまうのもいるしな」
仲間の死に耐えられなかったのか。強固な鎧を着ていれば死ななかったとでも思ったのかね? まあ、俺達が気にする事じゃないな。食事も終わったし、宿の部屋に戻ろう。
宿の部屋に戻った俺達は、雑談しつつ遊びながら過ごす。各々が好きに遊んでいるが、子供達は早くも眠気が来ているらしく頭が揺れている。無理に起きなくてもいいと思うが、食べてすぐ寝るのも問題なので、まだ寝かせられない。
結局、【念動】で座らせたまま寝かせる事に。お腹が満たされて耐えられなかったんだろう。……そろそろ良いか。敷いておいた布団に2人を寝かせると、その左右に2匹が寝る。いつも通り【昏睡】を使ったら、次は女性陣だ。
【房中術】【鋭覚】【集中】を使い、全員を満足させて寝かせる。部屋と体を綺麗にしたら、<浄化の三道具>で邪気を吸引して【浄化】した。後は寝るだけなのだが、【生命活性】を使ってから寝よう。これで疲れもとれるだろう。
今日も一日お疲れ様でした。
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1472終了時点
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銅貨67枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




