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アルダパン、かす肉と野菜のスープ、コロッケモドキが完成したので昼食にする。皆は不思議がっているが特に気にしなくていいだろう。セン麦もこれで終わりだし、後はそれぞれの国にある食べ物で食事を作っていこう。
「ジャガイモを茹でて潰したのに、その後で揚げるってどうなのかって思ったけど、ホクホクしてて美味しいね。意外にジャガイモ料理って悪くないのかもしれない。ダルダン芋も料理の仕方によっては普通に食べられるのかね?」
「どうでしょう? ジャガイモが普通に食べられるのは甘みが少ないからかもしれません。無いのか有るのかまでは分かりませんが、私は感じませんから少ないんでしょう。それぐらいなら問題無いのですが……」
「確かに主食が甘いっていうのは結構厳しいものがあるわね。同じ芋でも、こちらの芋には甘味が無いからこそ却って食べやすいのだと思うわ。とはいえ、アルドが言うにはダルダン芋の方が育てやすいらしいのよね」
「連作障害の話だね。まあ、あの話を聞くと、確かにダルダン芋は優秀だと思うよ。水が少なくても育ち、土地の栄養が少ない荒地でも育つ。とんでもない作物だという事が分かるからね」
「セン麦と同じくらい、貧しい者の味方と言える作物だ。私達でも東側に行くまで知らなかったが、世の中には不思議な作物がある。こちらの大陸にも、そういった作物はあるのかもしれないな」
「まずは情報収集から始めないといけないけどね。それも作物の情報なんて聞くと怪しまれる可能性が高いから、さりげなく聞くしかないよ。まあ、特産品という形で聞けば、そこまで怪しまれる事も無いとは思うけど……」
「このお芋の揚げもの美味しいね。お肉がちょっと入ってるから美味しいのかな? お芋だけだと飽きそうな気がするんだけど、イデアはどう思う?」
「どうだろうね。ボクは割と好きな方の味だけど、人によっては飽きるかもしれない。最初は美味しいけど、後になると疲れてくる感じかな? 人によるとは思うんだけど……」
「確かに言いたい事は分かります。竜の脂でとても美味しいですけど、中の芋が続くと飽きてくる味ですね。前に作っていたニョッキだとそんな事も無かったので、このコロッケという料理はそうなんでしょう」
「とはいえ、これも美味しいけどね。もうちょっと色々なジャガイモの料理を食べないと、この料理の判断は難しいかな? それなりに美味しいから優秀だとは思うけど、米に対する麦みたいな感じで使うのが1番かな」
「ニョッキか、もしくはジャガイモを混ぜてパンでも焼くか? それもどうなんだと思うから、饅頭にした方がいいかもしれないな。もしくは餃子の皮に練りこんだりとか。そっちの方が使えそうだ」
昼食を食べながら料理の話もどうかとは思うが、皆も食べるならば美味しい物が食べたいのは当然なので、色んな意見を言ってくる。それはそれで次に繋がるから良いのだが、催促されている気分にはなるな。実際してるんだろうけど。
昼食後、後片付けをしたら焼き場などをフォルに壊してもらう。作るのはともかく、壊すのは慣れたものだ。更地に戻したら、一路北西へ。多少走ると村が見えてきたので、あれがポッタ村だろう。
俺達はポッタ村をスルーして先へと進む。特に村に寄る必要も無ければ、聖人にする予定の者もいない。村の神官が腐っているというのは多くなく、仮に腐っていても村の者に潰されて終わる。村というのは閉鎖社会だからな。
そこに入ってきた異物が好き勝手すれば潰されても仕方ない。流石の神殿も多めに見てくれる。かつてのルーデル村の神殿は規模が大きかったが、アレはそもそも村の規模じゃなかったからだ。本来は多くても5人~8人ぐらいでしかない。
ディルの故郷の集落には1人も居なかったらしいし、居なくても何とかなってしまうのが世の中とも言える。本来は自分の中の浄化能力だけで生きていけるのが生き物だ。もちろん怨みや憎しみで邪気を集めてしまうと駄目だが。
皆と雑談しながら走っていると、町を取り囲む柵のような物が見えた。おそらくモルタ町だろう。待っている者は居ないので、途中から歩きに変えて近付いていく。門番は若干俺達に疑いの目を向けてきたが、登録証を見せて中に入る。
近くの人に銅貨5枚を渡し、お薦めの宿や食堂を聞く。3人から聞いた情報を元に、まずは宿を確保しよう。少し入った所にある中規模の宿に行く。中に入り大部屋があるか聞くと、丁度空いたところらしい。
5日間で大銅貨40枚、つまり銀貨2枚を支払ったら部屋に入る。皆は部屋で休むだろうから、俺はその間に食料店で買い物をしてこよう。皆に一声掛けてから宿を出て、食料店を探しながら歩く。久しぶりに完全な1人だが、たまには良いものだ。
適当に町中をブラついていると、食料店を発見したので中に入る。中ではジャガイモの売り場面積が広いのと、ドッツ麦と小麦が置いてある。後は野菜類と果物類だが、特に欲しい物は無かった。買うべき物だけ買って帰るか。
小麦と野菜類をそれぞれ大銀貨1枚ずつ買い、食料店を後にする。その後、町中をフラフラと見て回るものの、特に大した物も無く、後ろから尾けてくる奴等が居る程度だ。金が目当てなのか、それともアイテムバッグが目当てなのか。
食料店に着く前から尾けてきているので、何が目当てなのかは判断し辛い部分がある。襲ってきてくれれば返り討ちに出来るのだが、そこまで阿呆ではないらしい。それとも泊まっている宿を探してる? まあ、何でもいいや。
おっと。大通りを歩いていたんだが、大きな宿屋があるぞ? ……今、ちょっと思いついたかも。
俺は大通りの大きな宿屋に入る。従業員が此方を見ているものの、気にせずに宿泊客のフリをして2階に上がった。従業員は声を掛けるか迷っていたな。
誰の視界からも外れた瞬間、隠密の4つの技を使って宿を出た。尾行していた連中の後ろに忍び寄ったのだが、尾行の連中はそそくさと何処かへ移動していく。そのまま追いかけると、スラムっぽい場所にある建物に入っていった。
この町にはスラムは無いんだが、それに近いような場所がある。とはいえ、一般的に想像するスラムではないし、そこまで荒んではいない。建物に入っていった尾行連中を追いかけると、2階に居る偉そうな奴の部屋へと入った。報告か?。
「頭、ただいま戻りやした。門の奴から報告があった通り、怪しげなバッグを持った奴でしたぜ。おそらくアイテムバッグってヤツなんでしょうが、泊まっている宿も突き止めやしたし、都合良く大通りの宿でした」
「ほう。それはまた、楽で助かるな。確か良い女を8人も侍らせてたんだったか? ついでに女どもも落とし込んでしまえば済むし、俺達にも随分運が向いてきたじゃねえか。おめえら、気取られるんじゃねえぞ!」
「「「「へいっ!」」」」
その瞬間【衝気】を使って気絶させ、白い枷を着けて情報を聞きだす。………まさか、下らないチンピラ組織だとは思わなかった。本当にそれだけで、何か裏の組織の傘下という訳でも無く、暗殺組織の隠れ蓑という訳でも無い。
この部屋の奴等を聖人にした後、建物内に居る連中を全員聖人にしてから出る。いちいち余計な手間を掛けさせやがって。外に出ると夕日が出始めていたので、慌てて宿へと戻る。皆に謝罪をし、直ぐに全員で食堂へと移動した。
宿の近くに食堂があるのは見つけていたので、中に入り大銅貨13枚を支払って夕食を注文する。席に座り【止音】を使いながら、皆に何があったかの説明を始めた。
「………つまり尾行してくる連中を逆に尾行して、アジトを突き止めたから全員聖人にしてきたと? それって、この町に来て直ぐにやる事なのかね? アタシにはそう思えないんだけど……」
「とはいえ馬鹿から突っ掛かって来たんですから、どうにもならないと思いますよ。潰されるべくして潰されたと考えるべきでしょう。それよりも、先に潰してからゆっくりしますか? 私はそれも悪くないと思います」
……どうするかな?。
▽▽▽▽▽
1469終了時点
大白金貨73枚
白金貨427枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2510枚
大銅貨2563枚
銅貨112枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




