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 とりあえず迷彩色の熊と戦うんだが、皆が戦いたそうにしているので譲る事にする。皆は静かにじゃんけんをし、勝ったのはダナだった。神鉄の大脇差を持ったダナは、迷彩色の熊の前に姿を現す。匂いか何かで気付いていたのか、此方を見ていた熊は咆哮する。


 とはいえ、ウチのメンバーは誰も気にしていない。咆哮如きで身を竦ませるなんて子供達でもしない事だ。もしかしたら咆哮で怯えた隙を突かれ、魔戦士達は一気にやられたのかもしれない。威圧を使われたと思えば、分からなくも無いな。


 熊はジッとダナを見ているが、ダナは自然体で構えているだけだ。段々イラ立ってきたのか、再び咆哮を上げたが誰も崩れない。その後、一気に突っ込んできて咬みつきに来ようとしたが、ダナはそれよりも早く真っ直ぐに頭を断ち割った。


 すぐに横に飛ぶと、熊は倒れこむようにして地面に崩れ落ち、立ち上がる事なく死んだ。頭が真っ二つなのだから当然と言えば当然なんだが、咬みつく事も出来ずに死亡するとは……。まあ、さっさと血抜きをして収納しておくかね。


 【念動】で持ち上げて【抽出】で血を抜いたら、【冷却】してダナに渡す。アイテムバッグに収納したのを確認したら、次の層だけ見て脱出しよう。北の転移紋から17層へ行くと、今度は鬱蒼とした森付きの山だった。面倒な地形だなぁ。


 さっさと脱出して戻ってくると既に夕日が出ていたので、解体所に行きダナの倒した迷彩色の熊を売る。解体所が騒ぎになったが、早くしてくれと言い急かした。騒ぐなら手続きが終わった後で騒いでくれ。悩んだようだが、結果として金貨3枚になった。


 頭も綺麗に残っていたら更に高値が付いたらしいが、真っ二つにされているので、そこはマイナス査定だそうだ。仕方ないし、金にも困ってないので割とどうでも良かったりする。ウチの女性陣も全員そうなんだが、金が余っているが使う当てがあまりないんだ。


 お酒や肴ぐらいのもので、それ以外に金を使っているのを殆ど見た事が無い。俺が生きていた現代日本なら消費先は山ほどあるだろうけど、こちらでは殆ど無いのが現実だ。特に平民であれば尚の事、使う先は多くない。結局、食べ物か酒ぐらいとなる。


 本来なら相当の金額が掛かる筈の武具は自分で作っているし、その武具は手入れの必要が殆ど無い。強いて言えば、【清潔】を使うぐらいか。それで済んでしまうので余計に金を使わない。悪循環と言うか、何と言うか……そんな感じだ。


 町の食堂に行き、大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら席に座る。魔戦士達が大きな声で話しているが、これでも酒場よりは静かだ。


 ここは酒を売っていないので酔っ払っている奴が殆どいないが、全く居ない訳じゃない。ウチの女性陣も酒を売っていない食堂で、酔っ払いながら食事をする事もあるし。



 「今日こそは仇を討ってやると思って乗り込んだが、16層まで行けなかったぜ! 悔しくて涙が出そうだが、明日には必ず行ってやるぞ。あいつの仇は俺がとるんだ!!」


 「分かった、分かった。だから酔っ払って騒ぐな。他の奴等の迷惑になってるじゃねえか。俺だって飲んで発散したいのを堪えてるんだぞ。仲間を失ったのは俺達も変わらねえんだからな」


 「まったく、こいつは自分だけが悲劇の英雄だとでも思ってんのかよ。俺達全員が仇を討とうとしてんのに、毎日毎日酔っ払っては騒ぎやがって。いい加減にしろ」



 まあ、仲間が死んだんだから気持ちは分からなくもないが、それで生き残った仲間に迷惑を掛けていい訳じゃないからな。酒に溺れて潰れるか、キチンと仲間の仇をう……あれ? 仇って、もしかして迷彩色の熊の事か? ………別の奴等の話を聞くか。



 「昨日の客はどうだった? 私の方は普通だったけど、たまに大ハズレの客が居るからさ。心配だったのよね。一昨日は上客だったから大当たりだったけど、ついつい楽しんでたらヤりすぎって言われてさー」


 「初めてやったけど、そこまで悪い客じゃなかったと思う。魔戦士しながら売るのもどうかと思ったけど、収入として考えたら悪くは無いね。これで続けていけそうかな? 1回したら気にならなくなったし」


 「そうそう、気にする意味なんて無いって。良い男をゲットする為に練習してると思えばいいだけよ。どのみち夜の性活が上手い女を求めるのが男だし。単純で分かりやすいから助かるわー」



 まあ、言いたい事は分からなくはない。下手よりも上手い方が良いのは当たり前の事だしな。それは男女共に変わらないと思う。それはともかく、魔戦士も似たようなものか。傭兵にも冒険者にも売っている奴は居たが、それは魔戦士も変わらないらしい。



 「そういえば昨日知り合いの男が売ってたらさ、ある意味で最悪の客に当たって酷い目にあったらしいよ。今日は休みにして部屋で唸ってるみたい。神殿に行って薬は買ってきたらしいんだけど、お尻が凄く痛いんだって。裂けてはいないらしいけど、大変みたい」


 「大きい人に当たったの? それとも乱暴にされたの? ……ああ、大きい人に当たったんだ。それはツライよね。私も少し前に小さいエルフが来たけど、ビックリするほど大きくて顔が引き攣ったわよ」


 「そ、そんなに大きい人が居るんだ……。大丈夫かな? やっぱり止めた方がいいのかも……」


 「滅多に居ないわよ、普通は。エルフとか小人族って、何故か大きい人がちょこちょこ居るのよ。とはいえ、大きい人は無理って言っておけば、無理にやろうとする奴は居ないわ。そんな事したら出禁になるし、名前もバラ撒かれるしね」


 「そうなんだ……。それなら続けられそうかな?」



 食堂でする話じゃないと思うが、こんな時代だと普通の事かね? ところでフォルさんや。娼婦関係の話をするのはいいんだが、子供達が居るんだって事も考えてくれないか? そうそう、流石に子供達に聞かせることじゃないからさ。


 夕食後、宿の部屋に戻ってゆっくりと休む。明日は攻略だし、今日の夜は神殿に行ってこないといけない。田舎はともかく、都会とダンジョン近くの神殿は聖人に変えておかないとな。そうしないと何時まで経っても良くならない。腐りやすい所は重点的に、だ。


 子供達2人は魔法の練習をしており、丁寧に【聖浄四重浄化】を使っている。女性陣も魔法を使って練習しているが、誰だよ【光球】で遊んでいる奴は。色んな形に変えて遊んでいるが……って、メルか。


 単に暇だから形を変えて遊んでいたようだ。子供達も真似し出したが好きにしてくれ。チカチカと眩しいので背を向けていると、ダリアとフヨウが俺の前に来た。どうやら2匹にとっても眩しかったらしい。


 胡坐の中にスッポリ入ったフヨウと、太腿の上に寝そべるダリア。コロンと落ちたりするが、それもまた楽しいのか繰り返して遊んでいる。そんなダリアとフヨウを強力に【浄化】した後、ブラッシングをする事にした。


 あっと言う間にトロンとした目をし、眠る寸前にまでなるダリア。まだまだブラッシングを始めたばかりなのに、相変わらず強力なブラシだなー。まあ、気にせず続けよう。全身をブラッシングされたダリアはあっさり撃沈したので、次はフヨウだ。


 何回かブラシで撫でるとあっと言う間にでろーんとなるが、それでもしつこく撫でていると動かなくなった。どうやら完全に寝たらしい。布団は既に敷いてあるので【念動】で動かして寝かせ、その後は蓮とイデアも大きいブラシで髪を整える。


 こちらもあっと言う間に撃沈したので寝かせ、その後で女性陣に襲われたものの返り討ちにした。キメて寝かせたら全員を綺麗に【浄化】し、神殿に侵入する用意をする。といっても、そこまで準備する物も無いけどね。そもそも神殿自体が大きくないし。


 王都の中央神殿ならまだしも、ダンジョンのある町だと言っても所詮は地方都市。そこまで大きい筈もない。さて、全て終わったしそろそろ行くか。隠密の4つの技を使って、窓から外に出る。神殿に向かって走り、宿舎の方に移動する。


 【探知】と【空間把握】を使えば簡単に分かるが、殆ど寝静まっているのでさっさと話を聞いていこう。今日は眠たいからさっさと終わらせたい。



 ▽▽▽▽▽


 1464終了時点


 大白金貨73枚

 白金貨427枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1639枚

 銀貨2512枚

 大銅貨2615枚

 銅貨127枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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