1461
「それよりも聞きたい事があるんだが、あそこに居たクソ貴族は誰だ? 実はな、夜中に近衛騎士が俺達の泊まっている宿を監視していた。ただ、何故かその近衛騎士を監視している3人が別に居てな……」
「何だそれ? 監視している奴を、監視している奴が居たって事か? ……訳が分からんな。いったい何の為にそんな事をするのか理解出来ん。監視がやられた時に備えてか? いや、ちょっと待て。それを知ってるって事は……」
「まあ、そこは横に置いといてくれ。それより監視の監視は3人居た。公爵、侯爵、宰相。それぞれ別々の家の者だったが、近衛騎士が監視している所為で、俺達を監視出来ない状況に陥っていた」
「侯爵に関しては、間違いなく親父の下で悪さしてる奴だろう。しかし叔父さんと宰相はよく分からん。叔父さんに関しては多分だが、手出しをさせる気は無かったと思う。宰相は弱みか何かを握る為だろうな」
「その辺りは国の為だろうし、こちらには筒抜けだからどうでもいい。侯爵というのが鬱陶しそうな奴か……。まあ、とりあえず理解した。こちらに手を出してきた奴には容赦しないが、出してきそうなのは侯爵だけっぽいな」
朝食も終わったので、俺達は宿へと戻る。鬱陶しい阿呆どもの所為で朝から面倒事だ。結局、関わったところで得も何もない連中だよ、まったく。下らない阿呆どもの事は忘れて、今日はゆっくりとするか。1日休みでも悪くはあるまい。
子供達が字の練習をするようなので、俺は2人に指導をしていく。殆ど問題無いんだが、あまり長期間空けると崩れていたりするので、そこを矯正している。子供達の字の上手さは、もうそんな所まで行っているんだなー。改めて理解したよ。
女性陣は買い物に行ったり、部屋でダラダラしている。朝から酒を飲まないだけマシだろう。朝っぱらからムカツク事があったので酒を飲む可能性をチラリとは考えたが、皆は酒を飲む気が無いらしく胸を撫で下ろした。
昼まで子供達の字の崩れを修正させ、終わったので昼食に行く。既に全員戻ってきているので、皆で食堂に行き大銅貨13枚を支払う。席に座って待っていると、近くの商人風の男女がなにやら話していた。
「西の噂を聞いた? 辺境伯がまた何かおかしな事を始めるらしいわよ。前は魔法士を集めて集中的に魔法を撃った所為で、相手に碌な打撃も与えられなかったのに、性懲りも無くまた何かするんですって」
「あそこの辺境伯も懲りないなぁ。なるべく味方に被害無く勝ちたいって気持ちはよく分かるんだが、今まで碌に成功してないんだよな。落とし穴を掘るっていうのは成功したらしいけど、後で埋めるのが大変だったらしいし……」
「どのみち成功してるのって、その1回だけでしょ? 最初の1回で微妙に成功しちゃったから、今でも止められないのかしら。気持ちは分からなくもないけど、私達みたいな商人にまで影響が出るんだから止めてほしいのよね」
「言ったって聞きゃしないさ。あそこの辺境伯は、やってみなきゃ分からないって言ってるらしいし。言いたい事は分からなくもないうえ、間違ってもいないからな。しょうがないと言うしかないさ。その御蔭で儲かってる部分もあるし」
「まあ、それはね。私達みたいな商人だと用事が無いと王都まで来れないから、そういう意味では助かるんだけどさ。いつもの所へ行って、いつもどおり商品を受け取るだけね。それよりも、ちゃんとした宿をとってくれた?」
「ああ、五月蝿いからとっておいたよ。もっと安い宿があるんだから、そっちでも良いと思うんだがなぁ……言ってもしょうがないが、今でも勿体ない気がするよ。いや、気合いが入ってるのは分かるんだけど」
「なら文句を言わない! ここ最近調子もいいし、今日は授かれそうな気がするのよね。さっさと商談を終わらせて、宿に行ったら沢山愛してもらうわよ。家族からも期待されてるの知ってるでしょう?」
「それは分かってるんだけどさ、次に出来たら6人目なんだよ? 子供が多くて悪くはないんだけど……1人も居ない訳じゃないのにさ、何でお義父さん達はまだ期待してるんだろう?」
6人目って……。いや、悪くはないけど凄いな。女性陣も「凄いなー」という顔で見ている。俺も間違いなくそんな顔をしているだろう。商人夫婦だったみたいだが、西の方から買出しに来たみたいだ。
小競り合いとはいえ食糧は必要だし、そこに商人が絡むのは当たり前の事ではある。本当に小競り合いがあるのかは知らないが、噂になるくらいだからブラフじゃないとは思うんだが……。こっちの小競り合いなんて知らないから、分からない。
適当な予想をしながら食事をし、終わったら宿へと戻る。子供達がトランプで遊ぶので出してやり、何故か俺も一緒に遊ぶ事になった。別に良いんだが、2人で俺を潰そうとするのは止めなさい。そんな事すると、もう1人呼ぶよ?。
俺はディルを参戦させ、様々なゲームで遊ぶ。他の女性陣はチビチビ酒を飲んでいたり、中には寝ている者も居る。ダリアとフヨウは俺の胡坐に入ったり、太腿の上で寝ていたりだ。君達も本当に自由だな。まあ、好きにしなさい。
結局、夕方まで子供達の遊びに付き合い、女性陣を起こしてから食堂に行く。大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。近くの席の客が食べ終わって出て行くと、魔戦士のチームが座り早速大きな声で話し始めた。
「今日の魔物は何か変だったな? 何と言うか覇気が無いというか、大人しいというか。狩りやすかったから良いけどよ、何だか妙な感じだったぜ。あんまり喜んでもいられねえし、何か引っ掛かる」
「魔物が弱ってたんだから楽で良い……とは言えねえな、確かに。毒でも受けてたのなら特に問題は無えんだが、他の何かだとちょっとなあ。見当もつかねえが、悪い事は勘弁してほしいぜ」
「まったくだ。妙な病の元を持ってたりしたら、俺達まで病気になっちまう。流石にそれは勘弁してほしいからな。……いや、冗談だって冗談。俺だって病気になるのなんて嫌なんだからさ、願ってなんてねえよ」
「それはともかく、今日の売れ行きはあんまりだったな。魔物は確かにトロくさかったが、その反面高く売れるような奴等じゃなかった。狩りが楽なのはいいが、代わりに収入が少ないんじゃ割に合わないぞ」
「確かにそうだが、それは魔物に言うしかないだろ。高値で売れる魔物さん出て来てちょうだい! ってさ。まー、代わりにとんでもないのが出てくる可能性もあるけどよ。そんなのが来たら全員死んじまうだろうな」
魔物が妙に大人しいねえ。本当に病の元を持っていたとしても、そもそも魔物と人間種の病が同じか分からないんだし、考えても無駄だな。それに、毎日綺麗に【浄化】している俺達に隙は無い。王都民が全員罹患しても俺達は平気だ。
夕食後、宿への帰り道で皆を綺麗にしておく。適当な話だったとしても綺麗にしておいて損は無いし、子供達も病気に罹ったりはした事がない。少なくとも俺の所に来てからは、病気になった事は1度も無いしな。毎日の【浄化】は効いてる筈だ。
宿の部屋に戻り、皆と適当な雑談をする。蓮は絵を描いていて、イデアは魔法の練習をしているらしい。やりたい事をさせればいいので、そっとしておこう。先ほどの病気の話も出たが、そもそも魔物の病気と人間種の病気が分からないので意味は無い。
そんな話をしたら、そもそも人間種と魔物では罹る病気が違うという事に、今さらながらに気が付いたようだ。とりあえず【聖潔】を使っていれば問題無い筈なので、怖い時には【聖潔】を何回か使えばいい。それで様子見だ。
皆は毎日【浄化】しているので問題無いし、邪生の心臓で極端に強くなっているから大丈夫。子供達も若干不安そうな顔で見てきたので、ハッキリと大丈夫な理由を伝えておく。いたずらに不安になっても仕方ない。
少なくとも、俺達が病気で死ぬ事は殆ど無い。
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1461終了時点
大白金貨64枚
白金貨374枚
大金貨1643枚
金貨2438枚
大銀貨1608枚
銀貨2342枚
大銅貨2163枚
銅貨165枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




