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0145




 戦いは終わり、今は拷問の最中だ。近くを通る人は嫌そうな顔をしながら通って行くが、知った事じゃない。ちなみに、役に立たなかった家臣達はウチの4人に説教をされている。


 まぁ、邪魔な位置から動かなかったし、足を止めてたからな。周りをもうちょっと見ろよ! と言いたくなるのは当然だろう。大いに反省してくれ。



 「こいつらが<死の指先>の残党か……つまり、帝国の部隊だな」


 「「「「!?」」」」


 「何だ、俺達が知らないとでも思ったのか? お前等が王国を攻める為の尖兵なのは知ってるぞ?」


 「我が領都に蔓延っていた奴等が、帝国の者であったとは……」


 「コイツ等とて覚悟はしているだろう。……情報を全て吐いてもらうぞ?」



 俺と2匹が残しておいた4人以外は全員殺されているので、コイツ等からしか情報が取れない。俺は入念に【念術】の【白痴】を使い、無理矢理に喋らせる。


 その結果、帝国内では皇太子派がバカな事をしているのが分かった。皇帝派は搦め手で攻めてきており、これからもそれを続けるつもりだったらしい。皇帝派は戦争をする気は無いようだ。


 では皇太子派は? となるが、皇太子は現在18歳。血気盛んであり、皇帝を継ぐにも大きな実績が欲しい。本人は何度も国内の魔物討伐の指揮をとって、功をあげて実績を積んでいる。


 その為、皇太子本人も戦争をする気が無い。では何故こんな事になっているかと言うと、皇太子派の貴族が勝手な事をしている。特に若い当主の家が色々やらせているらしい。


 その所為で皇帝派の貴族が長年掛けて王国に浸透させてきた勢力が、軒並み明るみに出てしまっている。その失敗を取り戻そうと、更に躍起になっているのが現状のようだ。


 聞いていて虚しくなってくるが、話している方も虚しくなったんだろう、意気消沈している。結局、現場がとばっちりを喰らっただけか……。本当に悲しくなってくるな。


 リブル達が持っていた縄を借りて縛り上げ、連れて行く事にした。死体はいつも通り穴に放り込んで、持ち物諸共【粉砕】して処分する。碌な物を持っていなかった。



 「何か、悲しくなってくるな。もちろん暗殺者どもに同情なんてしないが……」


 「アタシも同情なんてしないけど、聞いてると虚しくなってくるねぇ」


 「本当に、貴族って碌な事しない連中ですね!」


 「貴族ってそんなものと言えば、終わる話ではあるのよね」


 「本当にそうだね。少なくとも私が生きてきた650年の間、貴族という連中は何も変わって無いよ」


 「変わらないバカであり続けるって、逆の意味で凄いな」


 「永遠にバカであり続けるんだろうさ」


 「貴族だからバカなのか、バカだから貴族なのか。訳が分かりませんね」


 「そこまで言われずとも………」


 「言われたくなければ頑張る事さ。そうしないと前の王国と同じ結末だよ?」


 「「「「そ、それは……」」」」


 「前の王国の忘れ形見は姉上が助けましたが、今回は助ける気も無いようですからね」


 「「「「えっ!?」」」」


 「まあ、そういう古い話しがあるだけさ。前の王国の王家の血は、吸血鬼族に入っているんだよ」



 そんな話をダラダラしながら王都にやってきた。縄で縛られた奴等が居るからか、門で少し時間が掛かったが中に入れた。平民街を進み、貴族街の門も越えて中へと進む。


 侯爵邸の前で報酬の大銀貨10枚を貰い、俺達の仕事は完了だ。適当な食堂に入って大銅貨7枚を払い昼食をとる。食後、急いで王都を出てサウスアルムへ。


 絶対に面倒な事に巻き込まれるので、そうなる前に王都を脱出する。皆にそう説明したら、それだけで納得してくれた。全員、似たような事を考えていたらしい。


 サウスアルムへの道中は身体強化と感覚強化の訓練をしながらなので、今までと比べて遥かに早く進む。その御蔭で夕方になる前にサウスアルムに到着した。


 宿に行き全員が泊まれる大部屋を、大銅貨6枚を支払ってとる。食事には早いので、部屋でゆっくり休む事にした。気持ちが急いていたので、落ち着く意味も含めてゆっくりしよう。



 「それにしても、随分急いでいたね?」


 「前にも言ったが、厄介事は向こうから押し掛けて来るんだよ。それを避けるには逃げるしかない」


 「厚顔無恥な貴族という輩が、恥ずかし気も無く関わってきますからね」


 「本当に碌な事をしない人達だもの。関わらないのが1番だけど、押し掛けて来られるとね」


 「あれ等は他者の事なんて考えないからね。平民より恥ずかしい存在だと気付いてもいない。本当に哀れな連中さ」


 「身体強化を使って、早めにルーデル村まで行きたいな」


 「余計な事に巻き込まれる前に……だね」


 「あの暗殺者どもの事ですか? 今頃は情報を知っている私達を探しているかもしれませんね」


 「私達を探して聞かなくても、自分達で調べれば良いでしょうに。そもそも、それが貴族の仕事よ」


 「それが出来れば立派な貴族さ。逆に言えば、それが出来ない貴族ばっかりという事なんだけどね」



 貴族に対する愚痴祭りだ。そうなるのは仕方ないし、下界に来て半年経ってない俺でさえ、色んな事に巻き込まれたしな。そんな事をずっとされてきたなら、嫌って当然だろう。


 貴族は代替わりしたり亡くなったりしても、不老長寿の側はずっと生きてるから覚えている。その事を正しく理解していないんだろう、貴族は。


 嫌な事はここまでにして、食事に行こうか。食堂に行き大銅貨7枚を支払って夕食をとる。食後は部屋に戻って再びゆっくりと過ごす。4人と2匹は酒を飲むらしい。


 話が盛り上がっている横で、俺は武具の手入れをしている。相変わらず武器が歪むので、こまめに直さないといけない。誰かさんの武器は特に歪みやすいので、念入りに調べて直す。


 全ての点検が終わって周りを見てみると、既に2匹は寝ていて4人にベッドに誘われた。今日は【房中術】と【喜昇】を丁寧に使い撃沈させ、丹念に浄化して俺も寝る。おやすみー。



 <異世界86日目>



 おはようございます。今日は行ける所まで行こうと思います。どこまで行けるか試してみても良いかもしれない。2匹をワシャワシャしながらそんな予定を考える。



 「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「グルゥ」


 「今日はどこまで行けるか、試してみたいんだが良いかな?」


 「うん? それは身体強化込みでかい?」


 「そう。今の俺達ならどれだけの速さで進めるのか試してみたいんだ。その結果は、これからの参考になるだろうしな」


 「良いんじゃないかな。私もどこまで上達したか知りたいし」


 「私も賛成です。何も無い時に試しておいた方が良いでしょう」


 「そうね。どれくらい上達したか試すのも悪くないわね」



 皆が賛成してくれたので、今日は本気で移動してみよう。食堂に行き大銅貨14枚を支払って、朝食と昼食を購入する。食後、部屋で準備を整えたらサウスアルムを出発する。


 伯爵家の領都ディムアストに入らず、更に進んで行く。ナイダの村を過ぎ、ロワの村の手前で昼食をとる。食後、少し休憩してから再び歩き出す。


 ロワの村を通り過ぎ、ゴードの町も通り過ぎて行く。夕方前にはシグの村まで辿り着いた。皆を見ると、まだまだ元気があり余っている様だ。もっと早くても良かったか。


 宿に行き大部屋を頼むと空いておらず、仕方なく3部屋とる事に。3人部屋を2つと1人部屋1つで大銅貨13枚だった。無駄にお金を払うハメになったが仕方がない。


 食堂で大銅貨7枚を支払い夕食をとる。2匹と共に部屋に行き、ゆっくりと過ごす。明日はルーデル村だし、今日は4人とも我慢するらしい。この機会に2匹とゆっくり遊んでやる。


 ふと気になったので【心静】を使いながら撫でてやると、気持ち良さそうに身を任せている。2匹は喜んでいるようなので撫でてやっていると、そのまま眠ってしまった。


 安らかに眠っているので大丈夫かと心配したが、ただ眠っているだけだったので安堵する。俺もゆっくり寝よう。おやすみなさい



 ▽▽▽▽▽


 0145終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨62枚

 大銀貨77枚

 銀貨46枚

 大銅貨74枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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