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 大きなカタツムリに対して魔法で攻撃するものの大して効いていない気がする。妙な粘液で体を覆っている所為なのか、魔法の効きがイマイチでダメージを与えている気にならない。もしかしてコイツ、思っているより厄介なヤツ?。


 そんな事を考えながら更に魔法で攻撃していると、急に粘液を飛ばして来たので慌てて避ける。子供達を素早く抱えて逃げたが、他のメンバーは自力で回避出来たようだ。警戒していて良かった。挙句、粘液が地面で「ジュージュー」という音を出している。


 アレを浴びたらシャレにならないが、粘液を飛ばす時だけ異様に速いのが腹が立つ。俺も協力して一気に攻め立てよう。コイツは皆の的としてさえ使いにくいので、さっさと倒した方が良い。そう思い、22個の同時発動で一気に攻撃する。


 【火弾】ではあるものの連続で当たり続けるからか、粘液が乾き始めたのだろう、ゆっくりと動き始めた。その際に触覚が蠢き、何やら緑色に変わる。アレって、まさか……。



 「何だい、あの気持ち悪いのは!? いきなりグニョグニョ、ウネウネ動き始めたけど、あんなの見た事も無いし、何より気持ち悪すぎる!」


 「皆、離れろ!! アレは寄生虫の幼虫だ。出来得る限り距離をとって攻撃しろ!!」



 何でここのボスはこんなにトロいボスなのかと思ったが、まさか寄生虫を持つボスだとは思わなかった。アレは気持ち悪すぎるし、精神的な攻撃が酷すぎる。俺は皆が50メートル以上離れたのを見たので、すかさず【獄炎】と【烈風】で攻撃する。


 途端に猛烈な勢いで苦しみ始め、体が乾いて燃え出すと、やがて殻も燃えて死んでいった。もちろん寄生虫も何もかもを燃やし尽くしたが、念の為にもう少しの間は扇状に熱風を撒き散らそう。いやー、それにしても酷いボスだ。


 カタツムリの大きさから考えて、あの寄生虫も大きいと思うんだが、代わりに通常サイズの幼虫が大量に入っているという可能性もある。それが怖いので、とにかく熱風で焼き尽くしておこう。今の内に全員【浄化】しておくか。寄生虫は怖いし。



 「アルドは知っているみたいだけど、何だいアレは? 気持ち悪い動きをするし、寄生虫だって言うし……。正直に言って、システムの嫌がらせみたいなボスだったね。本当に気持ち悪かったよ」


 「アレは<ロイコクロリディウム>という寄生虫だ。カタツムリの中に入りこんで孵化し、幼虫が多数入った袋の様な物を形成するんだよ。それがウネウネ動いていたものの正体だ。アレは鳥に食われる為にワザとあんな動きをするらしい」


 「鳥に食べられる為……ですか? 何か激しく嫌な予感がするんですけど。もしかして私達が普段食べている鳥にも、あんなのを体の中に持っているものが居るんですか?」


 「中には居たかもしれないな。あの寄生虫、<ロイコクロリディウム>は鳥の直腸に寄生するんで、そこを捨てれば特に問題無いとは思う。俺なら【浄化】するんで、寄生虫は全て消え去るけどな」


 「そういえば、そうだったわね。それにしても気持ち悪かったわ。あんなの初めて見たし、出来れば見たくなかった。寄生虫を持ってくるなんて、間違い無くシステムの嫌がらせでしかないわ」


 「<ロイコクロリディウム>は鳥の直腸の中で卵を産み、その卵は糞と共に排出される。その糞をカタツムリが食べて侵入するんだ。そしてイモムシの様に見せかけて鳥に食わせ、また鳥の直腸に戻る。そういう生き方の寄生虫だ」


 「寄生虫の一生なんてどうでもいいよ。気持ち悪すぎるし、聞きたくも無い。何であんなのが生きているのかはともかく、避ける方法さえ知っていれば、後は関わりたく無いね」


 「フォルは本当に駄目なようだな。私も気持ち悪いとは思ったが、そこまでではないかな。そもそも色々な生き物が居るのだし、この星にも私達が知らない生き物は山の様に居るのだろう。先ほどのは分からないが……」


 「そういえばダンジョンに出てきた訳ですから、ダンジョンでしか出てこない可能性がありますね。普通のカタツムリなんて滅多に見ないですし、見てもあんな大きいものではありませんし」


 「あんな馬鹿デカいカタツムリが普通に居るとは思えないね。あたしも気持ち悪かったけど、とにかく離れて戦えば何とかなるから助かるよ。武器で戦っちゃ駄目なボスだ、寄生虫を巻き散らすかもしれないからさ」


 「止めてよエリア、思い出させないで。アレは本当に気持ち悪かったんだからさー。あんな気持ち悪いのを見たのは、本当に生まれて初めてだよ」



 とことんまでにフォルは駄目だったらしい。アレは破裂したりするものじゃなかった筈だが、生理的嫌悪感を持つのは仕方ない。実際、俺だって気持ち悪いと思ったし、出来得るなら遭いたくない。っていうか、寄生虫の袋もデカ過ぎるだろ。


 綺麗に【浄化】するのも終わったので、そろそろ脱出しよう。脱出紋までの道も綺麗にしたから、真っ直ぐ進んでくれ。横道に逸れないようにな、綺麗にしていない所には寄生虫が居るかもしれないんだ。真っ直ぐ歩いてさっさと出よう。


 外が雨だったのを忘れてた。随分時間が経っている筈だが、未だに雨はそれなりに降っている様だ。そんな中を走って王都まで帰り、そのまま宿に戻る。宿の軒先で服と体を乾かし、宿の中へと入った。中を濡らす訳にはいかないしね。


 まだ夕方には早いようだが、雲が分厚く夕日も遮られそうな天気だ。部屋に戻った俺は皆の体や服などを、もう1度綺麗に【浄化】する。丁寧に全て【浄化】していくのだが、それだけ寄生虫関係は怖いという事だ。しっかり綺麗にしておかないとな。


 【浄化】も終わったのでゆっくりしていると、子供達はお腹が空いたらしいので食堂に行く事にした。雨の中を走って食堂に行き、【凝水】で水分を取ってから入る。大銅貨13枚を支払い夕食を注文したら席に座り、雑談をしながら待つ。


 後から入ってきた魔戦士っぽい奴等が近くに座ると、大きな声で周りを気にせず話し始めた。相変わらず、こういう奴は多い。もう少し静かに出来ないものか。



 「今日は雨で狩りになんねえからよ、神殿に行ってきたんだ。効いてるかどうか分かんねえけどさ、一応浄化してもらいに行ったら、何だかおかしな事になってたぞ?」


 「おかしいって何だよ。神殿なんていつも変わんねえだろ? 偉そうにしてる神官どもが、効くか分かんねえ浄化魔法を使って金をふんだくるだけじゃねえか。値段がおかしいのは普通だろ」


 「いや、それがよお。やたらに丁寧でさ、そのうえ低姿勢っつうか優しいんだよ。しかも今までの半額以下になってるし。色々な意味でおかしくなってんだ。俺も騙されてるのかと思ったが、そのまま帰れたしな」


 「神官どもが改心したとでも言う気か? そんな事は天地が引っくり返ってもありえないだろ。アイツらは金の亡者だぞ? 今までそうだったじゃねえか。お前は騙されたんだって!」


 「そうかなぁ……」



 世の中っていうのは日頃の行いが重要だとよく分かる。散々高いお布施を取っておきながら、今さら安くしても信用されないのは当然だ。神官は何処でもそうだが、態度が悪く一般人を見下してるんだよな。それが余計に反発を生むんだが、止めなかった。


 多くの神官がそういう状態なら、一部の神官が真面目でも同じように扱われるのは当たり前だ。声を上げてもアジュの町の神殿長のように左遷される。消されるよりはマシだが、変わって良くなる事は無い。何か大きな事がないと変われないと言うべきか。


 夕食後、走って宿に戻る。軒先で乾燥させてから中に入ると、受付付近に執事っぽいのが居た。何か豪華な馬車が止まってると思ってたが、この執事のか。そう思って横を通ろうとすると声を掛けられてしまった。目的は俺達かよ。



 「申し訳ございません。私は陛下の執事長をしているヴァルファムと申します。陛下が不老長寿の皆様に、是非1度お会いしたいとの事ですので、明日の朝食前にお迎えにあがって宜しいですか?」


 「皆、どうする? いつもの面倒事なんで、俺はどっちでもいい」



 面倒事と言われた瞬間、少し反応したなこの執事長。まだまだ甘いなぁ。



 ▽▽▽▽▽


 1457終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2438枚

 大銀貨1608枚

 銀貨2342枚

 大銅貨2189枚

 銅貨165枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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