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 「朝からごめんなさい、私の隣に居るのはこの町の神殿長。貴方にどうしても聞いてほしい事があって来た。今日にも貴方達が出て行く事は昨日の内に話してある」


 「俺達には聞く事なんて無いな。聞いたところで、王都中央神殿の神殿長が腐らせているとか、左遷させられた復讐でも頼むんだろ? 本当かどうかも分からん事で動く訳が無いだろう」


 「!!!」


 「この国の中央神殿も腐ってるのかい? まあ、一方の言い分で動いても仕方ないのは事実だけど、ここでも神殿は腐っているとなると、神殿が腐るのは普通のことなんだろうね」


 「それはともかくとして、そこまで知っていながら動かないという事は、何かしら引っ掛かる事でもあるのでしょう。それはいったい何ですか?」


 「簡単な事だよ。第一に神殿長が誰かの傀儡であった場合、神殿長をどうにかしても解決しない。第二にガイアルム王国と同じく他国が介入していた場合、中央神殿をどうにかしても解決しない。この2つが引っ掛かってる」


 「そういえば、小競り合いとはいえ他国が攻めてくるのよねえ。その他国が裏で神殿に手を入れていて……という事は、あり得ないとは言えないわ。ガイアルム王国でも、帝国に随分好き勝手にされてしまったし」


 「他国が神殿に手を出す? それをやったら神殿が許さないと思うけど、そちらの大陸ではそれが普通?」


 「いや、私達の大陸でも珍しいよ。王国の神殿の連中が腐っていて、そこを利用された形だったのさ。副神殿長がクズでね、子供を強姦したり、暴行して死なせてしまう様な真性のクズだった」


 「それは酷い………。何故そんな事を子供に対してやるのか分からない。私には理解できない」


 「それは我々も同じだ。元々そいつは狂った奴だったが、そいつを中央神殿の副神殿長に捻じ込んだのが帝国だったのだ。そのうえ暗殺などを行い無理矢理に立場を確保すると、好き勝手をやっていた。王国に対する侵略工作という訳だな」


 「成る程、それで他国が関わっている可能性があると……。確かに私もそういった事までは存じておりません。あまりにも中央神殿内が腐敗している為、それを止めるように進言したのです。そうしたところ、いきなり地方の村に行けと言われ……」


 「間違いなく怪しかったので、私の居るこの町に連れて来た。ちょうど神殿長が亡くなって人が居なかったから、強引に王族の権力で連れてくる事が出来た。陛下も兄上も、今の中央神殿には疑問を持っている」


 「話が逸れていっているし、食事も終わったので言っておく。俺が浄化するのは神命だからだ。そして神殿の者が敵に回ったら根切りにしろとまで命じられている。今は強制的に聖人にしているがな。自分達が既に見捨てられている事を理解しろ」


 「「………」」


 「神様は何千年もクズどもを見てきて、心底ウンザリされているって事さ。最早こいつらは救えない。そう思われても仕方がないんだよ。まさか、どれだけの悪事を働いていても、最後には救ってもらえるとか思ってないよね?」


 「神に対する尊崇も無く、神の御名を都合良く利用するだけ。これで何故救われるなどと思うのか、本当に理解出来ません。そんなクズは見捨てられる、当たり前の事でしょうにね。たとえ何を言おうが、全ては遅いのですよ」


 「だからこそ、アルドに根切りにしろなんて命じられる訳だしね。もちろん腐っている奴等だけなんだけどさ。それでも期待していないからこそなんだよね、そこまでやっても神様が許すのは。根切りだよ? 普通は許されないさ」


 「神の怒りというものを軽く見過ぎなんだよね。自分達に神罰が落ちないから許されているとでも思っているのか、馬鹿なことばかりやっているのが神殿だ。向こうの大陸では、古の時代に浄神様が建てた神殿を自ら破壊されたからね」


 「アルドの体を操ってですけどね。その形なら神様も介入できるみたいですし、浄神様が降臨された際に自ら建てた神殿を破壊されるくらいですから……。その怒りたるや、相当のものだと分かるでしょう?」


 「「………」」


 「そういう事で、俺達にとっては神様の命令の方が遥かに優先度が高い訳だ。だからそっちの話は聞かないし、こっちはこっちで勝手にやらせてもらう。そもそも口を割らせないと本当の事は分からない。あんたが見てきたのも、結局は中央神殿の一部でしかないからな」


 「………お願いします」



 深く頭を下げてそう言った後、神殿長は食堂を出て行った。支部長も出て行ったので、俺達も食堂を出て町の入り口へ。門番に登録証を見せて町を出たら、身体強化をして一気に走って行く。とりあえず目指すは王都だな。


 走りながら女性陣が集めていてくれた情報を【念話】で聞く。適当に西に進んで行っても良かったんだが、律儀に集めていてくれたらしい。隣の隣の領が王の直轄地らしいので、そこまで行けばいいやとしか考えてなかった。反省して、感謝しよう。


 アジュの町から西に進み、次の貴族領に入る。コンヌの村、シドエの村、パヌウェの町を通り過ぎ、ここから王の直轄地だ。ミシュテの街を越えて、王都フィールセンに到着。昼前だからか混雑してるなぁ。ちなみに向こうの大陸でもあったドーナツ型の都市だ。


 俺達は雑談しながらゆっくり待っていたんだが、前の方で何かが起こっているらしい。騒ぎが起きているような感じだが、王都の門で騒ぎが起きるとか……面倒な事じゃなきゃいいが。そう思って待っていると、前に進み始めた。いったい何があったんだろうな?。


 そう思いながらも大人しく待っていると、俺達の番が来たので登録証を見せて中に入る。まだランク1だからか、随分ジロジロ見られたが特に気にしていない。ランク何てどうでもいいし。


 王都の中に入ったが、まずは宿の確保が先決だ。銅貨5枚を渡しながら聞き込みをして、幾つか宿を聞いたら早速向かう。3軒目までは駄目だったが、最後の1軒で何とか大部屋をとる事が出来た。路地を入った所の小さい宿だが、空いていて良かった。


 10日間の宿代である銀貨4枚を支払い部屋を確保した俺達は、宿の従業員にお薦めの食堂を聞いて移動する。流石におかしな店を紹介されたりはしないだろう。表通りの店じゃないし。そう思いながら紹介された食堂に行くと、多くの客でごった返している店だった。


 下町の食堂って感じだが、それだけに客が多い。俺達は大銅貨13枚を渡し昼食を注文して席に座る。多くの客が居る店の中で、色んな奴が喋っているからか五月蝿い。正しくは声が混じっていて、酷い雑音状態で耳障りなんだ。


 仕方がないとはいえ子供達も五月蝿そうにしているので、【止音】を使い外の音を強制的にシャットアウトする。音が聞こえなくなり危険なのだが、子供達だけなら問題無いだろう。子供達は急に音が消えてビックリしたが、俺が【念話】で説明したら直ぐに理解した。


 五月蝿い音が消えて快適になったからか、子供達はゆっくりと待っている。どうやらお互いに【念話】で会話をしているようだ。そうしていると食事が運ばれてきたので食べていくのだが……。猛烈にパンが酸っぱい。これって、まさか……。



 「うわぁ、久しぶりに食べたよ黄パン。思っているよりも黄色くないけど、この味は間違いなく黄パンだね。どうしてこう、噛むほどに酸っぱさが滲み出てくるんだろう。子供の頃を思い出して嫌になるよ」


 「私も思い出してしまいましたよ。それでも思い出の黄パンよりは多少マシな気がするので、セン麦の量が少ないのでしょうね。それでも、この酸っぱさは厳しいです。子供の頃はこんなのを食べてたんですよね……」


 「スープに浸したらさ、スープまで微妙に酸っぱくなったんだけど? これってビックリするようなパンだね。1度食べてみたいと思っていたけど、これは駄目だ。よくこんなの毎日食べられたね? アタシは1回で耐えられないよ」



 子供の頃からだから、コレが当たり前だったんだろうなー。俺も結構キツい。



 ▽▽▽▽▽


 1449終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2434枚

 大銀貨1608枚

 銀貨2311枚

 大銅貨2210枚

 銅貨165枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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