0144
「これからどうするか決めたいんだが、良いか?」
「これからって、どういう事だい?」
「そろそろ領都を離れても良いと思ってさ。だけど、聖王国に行っても良いし、一旦王都に戻っても良いんだよ」
「どっちにしようか決めかねているって事ですか……」
「帝国が暗躍してる。その事もちょっと引っ掛かってるんだよな」
「また、関わってきそうだと思ってるのね」
「まあな。それと、ルーデル村が気になるのは事実なんだよ。あそこは下界に降りて最初の村だったから」
「私達は不老長寿だ。だから気になったなら、それを解決してからで良いんじゃないかな?」
「成る程な。……良し! 一旦王都に帰ろう。何もなければ、ルーデル村まで戻って様子見だな」
とりあえず方針が決まったので、朝食を食べに行く。食堂で大銅貨14枚を支払い、朝食と昼食を購入する。食後、部屋に戻ろうと思ったらリブルが来た。……またかよ。
「申し訳ありません。実は王都に行く事になったので、護衛を依頼したいのです。受けて頂けませんか?」
「どっかで見てるのか? それとも知らない誰かが居るのか? ちょっと怖いんだけど」
「は? あの、一体何を……」
「丁度、アタシ達も王都へ行くところだったのさ」
「そうだったのですか。その……護衛をお願いします」
「それは良いが。いつものチームメンバーというか、家臣が居るだろうに」
「彼等も共に参ります。ただ、<死の指先>が壊滅したかが分からず、領都の外では危険ですのでお願いします」
「まぁ、良いんじゃないかい? 王都までならそこまで遠くないしね」
「そうですね。王都までなら良いのでは?」
王都までの護衛という事で引き受けた。報酬は大銀貨10枚、これは他の護衛依頼に比べれば高い報酬だ。とはいえ、俺達の場合一緒の方向だから連れて行ってやるだけだが。
宿の人に話し、今日で宿を引き払う事を伝える。大銅貨10枚の返却を受けて、俺達は領都を出発する。
リブル達とは領都の入り口で合流し、一路南下していく。久しぶりの旅だからか、ダリアとカエデのテンションが高い。2匹は遊びながら進んで行く。
問題は2匹ではなく、体力の無いコイツ等だ。リブル達はハッキリ言って足が遅い。身体強化が正しく出来ていないので、当然と言えば当然なのだが。まぁ、怒ってもしょうがないか。
いつもよりもゆっくり進みながら、昼にはナームの村に到着。リブル達は村の食堂で昼食だが、俺達は買っておいた昼飯を食べる。ちょっと居心地が悪いが仕方ない。
そもそも昼食を買った後に護衛依頼を請けたんだから仕方がないだろう。だから睨んでくるんじゃないよ、そこの従業員。文句ならそっちの奴等に言え。
食後ナームの村を出て、更に南下して行く。途中で何かがある訳でも無く、ノースアルムへと到着した。護衛をしているから襲われないのか、単に襲う奴等が居ないのか。
ノースアルムの宿に行き、今日の宿泊を大銅貨5枚で頼んだ。当然リブル達も同じ宿だが、俺達と違い2部屋とっている。あのチームは男2人と女2人だから当然なんだがな。
守る側とすれば若干守り辛い。正直に言って、あの男2人がどこまで役に立つかは疑問だからな。その反面、絶対に裏切らないだろうが。
食堂で大銅貨7枚を支払い夕食をとる。食後は、さっさと部屋へと戻りゆっくりする事にした。
「思ってるよりも遅いけれど、アルドに鍛えてもらう前はあんなものだったんだよね」
「アルド以外は皆そうですよ姉上。ただ、今は耐えられないくらいに遅く感じますけど」
「本当にね。私もここまでとは思わなかったわ。まさか遅くてイライラするなんて」
「しょうがないと諦めるしかないよ。アルドに癒してもらおうかね」
全員とイチャイチャして、お互いに疲れを労う。2匹も混じってきたが、直ぐに眠ってしまった。その後はベッドに連れて行かれたが、【房中術】を丁寧に使って撃沈して寝かせる。
綺麗に浄化した後、少しゆっくりする。ボーッとしながら明日の事を考えていると、ウトウトし始めたので逆らわずに寝よう。おやすみなさい。
<異世界85日目>
おはようございます。今日の昼には王都に到着します。鬱陶しいことを回避する為に、護衛が済んだら一気にサウスアルムまで行くべきかな? 何か妙な事に巻き込まれそうな気が……。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャ」 「グルゥ」
今日も2匹は甘えたい様だ。俺の近くに座り、顔を擦り付けたりしている。頭や体を撫でてやると更に激しく擦り付けてきたので、2匹が満足するまで甘えさせてやった。
「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ……」 「グ……」
「アルドの太ももに顔を擦り付けてるね?」
「何でしょうね?」
「甘えてるんじゃないかしら?」
「好きな人に匂いを付けたいのかな?」
まぁ、色々な気持ちの下に甘えてるんだと思うけどね。皆起きたし浄化は終わってるから、そろそろ部屋を出ようか。ちなみに毎日の事だが、俺は起きて直ぐ皆を浄化している。
だから皆、綺麗だ。そのうえ邪生の心臓を食べる事で、肌のハリや艶は非常に若々しい。……うん、4人全員綺麗だけど絶対に戦争案件だな。永遠に黙っていよう。
「??? ……どうしたんだい、アルド?」
「いや。皆、綺麗だな……と、そう思ってな」
「「「「///」」」」
「そういうの朝からダメって、前に言ったよね?」
「そうです、朝からは駄目ですよ!」
「そうね、朝からそういう事を言われると……」
「今直ぐベッドに戻って、愛してほしくなるからね。駄目だよ、アルド」
「あー、うん。スマン」
怒られてしまった。とはいえ、そこまで怒っていなくて、どちらかと言うと注意って感じかな。これ以上余計な事は言わずに食堂に行こう。
食堂で大銅貨7枚を支払い朝食をとる。既にリブル達は朝食を食べ始めていたが、そこまで遅れた訳でもない。食後ノースアルムを出発し、王都を目指す。
2匹は今日も遊びながら進んでいるが、それよりも遅い奴等が前に居る。俺達が守っているのは側面と後方になる。そもそも4人組はある程度の実力があるので、この配置になった。
前方からの攻撃には3人が対応してリブルを守り、側面と後方を俺達が守る。ちなみに右側がダナとシュラ、左側面がメルとアルメア。そして後方が俺と2匹だ。
王都近くの道には多くの人が行き交っているので、人込みに紛れて攻撃してくる場合も想定しなきゃいけない。……こうやって攻撃してくる奴等がいるからな。
投げナイフを側面と後方から一斉に投擲してきたが、当たる訳がない。矛で弾き、後ろを向いて4人を睨みつける。前から6人、左右から6人ずつ襲い掛かってくる予定らしい。
「後ろはいい! 側面の6人ずつを殺したら、前の奴等を始末しろ!」
「クソッ、失敗だ! 一斉に掛かれ! 必ずここで殺せ!!」
「いや、無理だろ。お前等じゃ弱過ぎる」
「こいつらを殺せ!」
だーかーらー。無理だって言ってるだろ? 俺は一斉に襲い掛かってくる4人の暗殺者を見据えて、走り出そうとした。だがそれよりも早く、ダリアとカエデが暗殺者に襲い掛かかる。
ダリアはいつも通り目を斬り裂き、カエデはいつも通り足を狙って噛み付く。俺はコイツ等が逃げないように、監視する。後で拷問して吐かせないといけない。
皆の方はと見てみると、4人組が邪魔で決着が付けられないらしい。暗殺者どもはリブル達を盾にするように動いていて、ハッキリ言えば家臣どもが邪魔だ。
ただ、暗殺者どもはウチのメンバーが怖くて手が出せない。変な膠着の仕方してるなぁ……。あっ! ダリアとカエデが行った。これで終わりだろう、流石に2匹相手に勝てる奴は居ない。
▽▽▽▽▽
0144終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨62枚
大銀貨67枚
銀貨46枚
大銅貨128枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ