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 先ほどからずっと此方を敵視していた男が殴りかかってきたが、軽く回避して【念動】で足を掬ってやると簡単に転んだ。俺はそれをスルーして村長について行く。子供達は笑いを堪えながらも、走って村長の後を追い駆けている。


 阿呆が恥を掻いただけなので、誰も彼もが興味も無くスルーしていく。1番情けなく恥ずかしい目に遭わせてやった。しっかし、何でいきなり殴りかかってきたのやら。意味がサッパリ分からん。そう思っていたら、村長さんが家の前で立ち止まった。



 「すまんの。アヤツは昔、この村を飛び出して行ったんじゃが……本人が言うには魔戦士ギルドに登録して活躍したらしい。ただ、戦争に参加した後で帰ってきたんじゃよ。何があったのかまでは話さんのだが……」


 「戦争関連なら人を殺すのに耐えられなかったとか、そんなところじゃないかい? それでダメになる奴ってのは居るからね。戦場なんて殺さなきゃ殺される場所さ。命を残したまま逃げられたなら、良かったと思うけどね?」


 「そうですね。死ぬ者も多いのですから、その中で生きて逃げられたなら十分でしょう。誰かさんみたいに大活躍するなんて普通は無理ですし、そんな事をしようものなら死ぬのが当たり前です」


 「俺の事は横に置いといてくれない? それよりも魔戦士ギルドって何なのか聞いても良いか? ……ああ、この家の横にある倉庫に出すんだな。ただ、早めに食べないと腐るぞ? あまり裕福じゃないと聞いたが……」



 そう言いながら、俺は納屋の様な、もしくは倉庫の様な建物の中に魚を出していく。凍らせてあるので簡単には腐らないが、今は火の季節なので自然解凍も早い。気を付けないと腐っていた何て事になりかねないんだが。


 それはともかく、驚いているところを見るに、俺達の事は信用していなかったようだな。それとも40匹も獲ってきているとは思わなかったか? どっちにしても印象は良くないが、情報さえ得られればさっさと移動だな。集られても困るし。



 「申し訳ない。まさか、こんなに沢山の魚を獲ってきてくれておるとは思わなんだ。魚なんぞ滅多に口に出来ん物だからな、ワシも昔に少し食べた事があるくらいじゃよ。ここまでの数の魚を見るのは初めてでな、どうすれば良いのやら……」


 「そんな事は知らないし、俺達は子供達と取引をしただけだ。魚を獲る代わりに情報を貰うと。魚はこの通り獲ってきたのだから情報を貰おうか。俺達が求めているのは多岐に渡るものだ。質問しながら、それに答えてもらいたい」



 納屋か倉庫のような建物を出て、隣の母屋の方に移動する。中に入り、椅子が少し並んでいる部屋で話を聞くのだが、圧倒的に椅子が足りなかった。俺は【神聖八重浄化】を使いながら【浄化】の権能で綺麗にし、床に座って話を聞く。


 村長は浄化魔法を使った事に驚いていたが、すぐに頭を切り替えたのか話を始めた。この村の名はオルと言い、ここから西にはコシの村、サウェの村、アジュの町があるらしい。ちなみに国の名はカロセンだそうだ。


 この国はそれほど裕福な国ではないものの、他の国に比べればマシだと言われているそうで、それは他の国に比べれば南に位置しているかららしい。どういう事だと思ったが、南には山脈が連なっていて先には進めないそうだ。


 何処の国の南も山脈や森らしく、突破出来た者は誰もいないんだと。それ故に他の国に比べれば南に位置しているカロセンは、他の国に比べて収穫量が多く安定しているそうだ。ただし、そういう国が狙われるのは極々当たり前の事ではある。


 周辺の国が攻めてきては、兵士として徴集されるらしい。この辺りまで徴集に来る事は滅多に無いそうだが、40年ほど前に1度あり、そのときは村長も出たそうだ。活躍どころか、後方で雑多な仕事をさせられただけだったと笑っている。


 それぐらいで丁度良いと理解しただろうし、後方なんて負傷兵が運び込まれる所だ。負傷した兵の傷や死体を見れば、戦争で活躍する気も無くなるんだろう。俺達みたいに、そもそも活躍したくない者の方が珍しいしな。誰しも1度は活躍を夢見るんだろう。


 そんな事を聞きながら話していると外が騒がしくなり、村人が村長の家に慌ててやってきた。



 「村長! フォレストウルフが村の近くにやってきとるぞ! それも5頭もだ!! 今、村の周りをウロウロしとるが、柵を壊す事は出来んらしい! ただ、安心はできん。この後どうする!?」


 「森狼が5頭か……柵の近くに来た時に矢を射るのが1番良いのじゃが、矢はどれだけ残っておったか……。この前もフォレストウルフが来て使ったから、あまり多くは残っておらぬ筈。どう「村長ーーーっ!!」したも……」


 「村長、熊だ!! グリーンベアが来て、フォレストウルフと争っとる! 場合によっては村の柵を壊して入ってくるかもしれん!! どうする、村長!?」


 「何という事じゃ! グリーンベアは森の奥に居るのが普通じゃろう! 何故こんな所まで出てくる!? いや、それよりも追い返す方法を考えんと……」


 「俺が倒してこよう、村人じゃ勝てないようだしな。というか、話を聞いている最中だったのに邪魔しやがって」



 俺は座っていた床から立ち上がり、村長の家を出る。走って村の入り口へと行き、門を出て外へと回っていく。既にフォレストウルフは居なくなっていたが、代わりにグリーンベアは残っていて、さっき殴りかかってきた奴が必死に槍で応戦していた。


 へっぴり腰で必死に槍を振り回しているが、何のダメージにもなっていない。グリーンベアも鬱陶しそうにしているだけだ。俺は神木の浄化棍棒を取り出して右手に持ったら、左手にはその辺の石を持つ。



 「おい、そこのオッサン! 邪魔だから逃げろ! オッサンが居る所為で戦えないんだ。そんなへっぴり腰の奴なんて邪魔なだけだから、さっさと退け!」


 「何を、言い、やがる!! お、れは、魔戦士、ギ、ルドに……所属してたんだ!!!」



 オッサンは渾身の力で突いたんだろうが、グリーンベアの毛皮を貫く事は出来なかったようで、オッサンに向かって右手を横薙ぎに振ってきた。俺はオッサンの服の襟首を後ろに引っ張って、無理矢理に脱出させる。オッサンの所為で石を捨てる羽目になったぞ。


 オッサンを片手で後ろに放り投げたら、グリーンベアとやっと1対1で相対する事が出来た。大した実力も無いオッサンなんて、居ても邪魔なだけだからな。グリーンベアも俺の雰囲気が慌てていたオッサンと違うのが分かるのか、慎重に動くようだ。


 俺の周りをウロウロしながら、いつでも一足飛びに噛み付ける位置をキープしている。そうやってウロウロしていたがピタっと止まった瞬間、一気にこちらに飛び掛かろうと踏み出す。俺はそれよりも速く動き、棍棒で脳天をカチ割ってやった。


 目玉が飛び出したりしているが、気にしてはいけない。頭をカチ割られたグリーンベアは一撃で死に、今は倒れ伏している。俺はそれを【念動】で動かして村から多少離したら。穴を掘って逆さにし血抜きを始めた。


 【抽出】を使って血を抜いたら、【冷却】を使って冷やしてから穴を埋めて村に持って帰る。内臓類が必要なのか不要なのか分からないので、必要なら村で解体してほしい。入り口から村に入り、グリーンベアを持って帰ると静まりかえっていた。


 こっちを見ている人が多いが、信じられないという顔をしている。グリーンベアを撲殺した事か? それとも【念動】を使っている事か? どっちに驚いているのか分からないので、何とも言えないところだ。


 村の真ん中にグリーンベアを下ろすと、ウチのメンバーがやってきて色々見聞している。子供達も近くに来たが、グリーンベアを触ったり観察しているらしい。自分達ならどうやって倒すか考えている辺り、2人は優秀だ。


 それより村の連中は、いつまで固まるんだろうか。早く復帰して動いてもらいたい。



 ▽▽▽▽▽


 1439終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2424枚

 大銀貨1615枚

 銀貨2330枚

 大銅貨2372枚

 銅貨195枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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