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0143




 魔神がダンジョンに放り込んだ魔道具が見つかった訳だが、どういう物なのか正しい知識を皆に教えておく。どんな傷でも直せる訳じゃないし、使い方を間違えると死ぬ。



 「つまり体の力を活性化させる魔道具なんだね? だから毒を受けた時に使うと、一気に全身に毒が回って死ぬと」


 「何と言うか、そういう罠としてダンジョンに放り込まれた気がしますね」


 「私もそう思うわ。アルドの話しを聞く限り、魔神様は皮肉屋な面がある様だし」


 「アルドが手に入れたから、魔神様の目論見は失敗してる気がするけど」


 「あの魔神がそんな事を気にする筈がない。それはそれで構わないと考えるに決まってる」



 あの魔神は結果がどうなろうが、特に気にする事はないんだよ。自分が作った物をどうしようが、使った奴が悪いという考え方だから。使って失敗する前提で、下界に放り込むんだ。



 「流石に夕方頃だろうし、そろそろ帰ろうか。このネックレスは収納しておくよ」


 「使わないんですか!? 使い方さえ知っていれば優秀な物では?」


 「ずっと使うという事は、生命力が活性化され続けるという事だ。それはつまり、生命力を消費し続けるという事なんだよ」


 「それって、生命力を使い果たしたら……」


 「当然、死ぬ」


 「何て怖ろしい魔道具。そんな物を魔神様が……」


 「メル。さっきも言ったが、魔神はそんな事は気にしない。魔神なら使った奴が悪いと言って終わりだ」


 「それも凄いね。何て言うか、神様なんだと良く分かるよ」


 「誰かが失敗しないと分からないし、魔神の作った物を元にして改良すれば良いだけなんだよ。魔神はそこまでしろと言ってるし、そうなると考えている訳だ」


 「必要な犠牲って訳かい。……いや、変な使い方しないと死なない訳だから……そういう使い方をした奴が悪いのか、成る程ねぇ」


 「そうだ。さっきのネックレスだって、着け続けていると体調が悪くなるから普通は外す。寝ている時も着けていたり、外そうとしなければ死ぬってだけだ」


 「それは使い方を間違えた者が完全に悪いよ。魔神様が使った奴が悪いと言われる筈さ」


 「まぁ、そういう事だ」



 メルもどうやら納得できたみたいだ。とはいえ、言えない事なんだが、魔神は愉快犯的な部分があるんだよな。決して悪ではないけど、善でもない神様だから仕方ないんだが。


 ダンジョンを脱出すると、もう夕方だった。急いで解体所へ行き、ケンタウロスを出す。全部で23体あったので、金貨23枚の収入となった。結構儲かって良かった。


 宿への帰り道で5等分して、金貨7枚を受け取る。俺が7枚受け取っても良いみたいだ。ありがたく頂いておく。部屋に戻って装備を外してから食堂へ行き、大銅貨7枚を支払う。


 夕食をとった後、直ぐに部屋へ戻った。皆の顔を見ると、どうやら気付いている様だな。流石にあからさま過ぎるし、気付かない方がどうかしている。部屋に戻って話し合おう。



 「あの鬱陶しいアホども、夜中になったら来ると思うんだが……皆はどう思う?」


 「確実に来るだろうさ。解体所から尾けて来てるからねぇ。アタシ達が気付いてないとでも思ってるのか、それとも唯のバカどもなのか」


 「間違いなく来ますね。欲望に濁った目をしてましたし、汚い血の臭いでしたから」


 「全員来ると思ってるでしょう? あんなに分かりやすい者達も、なかなか居ないと思うわ」


 「そうだね。あれを見て来ないと言う者が居たら、連れて来てほしいくらいさ」



 皆には部屋の中に居てもらい、俺は【誤認】や【幽体】を使って一旦外に出る。どんな奴等が俺達を狙ったのか、その確認はしておきたい。宿の近くで屯している奴等が居たので近付く。



 「あの宿に、解体所で金貨を受け取ってた奴等が泊まってるんだな」


 「おう、間違いねぇ。ヒョロい男が4人の女を侍らせてやがるチームだ」


 「ハッ! そりゃあ良い。女どもは犯してから売っ払おうぜ! 野郎は直ぐに殺せば良い」


 「他のチームにも声を掛けたのか? 分け前が減るぞ?」


 「確実にやるのが先だ。グダグダ言ってきたら、奴等も始末すりゃいい」


 「ハハハハッ! 成る程なぁ。頭の悪い奴は死ぬのも仕方ねーよなぁ」


 「そうだ。仕方ねーのさ」


 「「ハハハハハハ」」



 向こうにも居るから、こいつ等2人はもういいな。小太刀を使ってコイツ等の首を即座に落とし、死体を【粉砕】して証拠隠滅をする。その後、もう1組のチームの背後に回る。



 「チッ! 向こうのアホどもは何を騒いでやがる、静かに出来ねぇのか」


 「静かにしろ、アイツ等は唯の囮だ。それ以上ではない。肉の盾になれば、それでいい」


 「そうだけどよぉ。俺達だけでやった方が楽じゃねぇか?」


 「アンタさぁ、リーダーの言う事が聞けないの?」


 「チッ! テメェはリーダーに股開いてりゃいいんだから、楽だよなぁ」


 「このクサレチ○ポが!! どうやら死にたい様だね!!」


 「お前等、いい加減にしろ。あのバカどもを笑えん事をするな」


 「「………」」



 どうやら後はコイツ等だけの様だな。俺は右手に小烏丸を持ち、左手に小太刀を持って首を刈る。バカ2人の首を落とした後、即座にリーダーと呼ばれた奴の心臓を貫く。



 「グッ……ゴブッ………ガフッ」


 「お前等如きが俺達をどうこうしようって、どこまで舐めてやがるんだ?」


 「グブッ……ど、どごがら………ゴボッ」


 「ずっとお前等の後ろで話しを聞いていたが? もちろん、お前等のようなカスが気付けない隠密の技を使ってな」


 「ぞ……ぞんな……ぶじろ………」



 死んだか。他には居ない様だし、さっさと処理して帰るか。コイツ等の持ち物も全て奪って収納し、【粉砕】して完了だ。さっさと部屋に戻ろう。【悪意感知】にも反応は無いしな。



 「ただいまー。5人ブチ殺してきた」


 「5人だったのかい? もっと多いのかと思ってたよ」


 「相変わらずだが、相手の事も知らずに襲おうとするのは何故だろうな? あまりにも弱くて驚いたよ」


 「アルドの技は暗殺者を暗殺するぐらいですから、普通の傭兵ではどうにもならないでしょう」



 意味は無いだろうが、奴等の持っていた物を調べるか。最初の2人は唯の不良傭兵だった様だな、大した物も持っていない。次の3人はどうだ? ……駄目だ、こいつ等も碌な物を持っていない。


 金は多少持っていた様だが、武具が悪過ぎる。こんなナマクラで俺達をどうこうするなんて、絶対に無理だぞ。金は皆で分けようとしたが、俺が貰っていいらしい。


 とはいえ、全員分合わせても大銀貨3枚、銀貨8枚、大銅貨64枚で終わりだ。どこかの組織と関わりでもあるのかと思ったが、そんな形跡も持ち物も無い。


 つまり今頃になって襲撃されるという、ズレた事をやらかしたバカどもが居たって事だ。この領都に来て直ぐなら分かる。何で今になって……って、金貨を見てか……しょうもない奴等だな。


 【誤認】と【幽体】を使い外に出て、スラムに行き適当に穴を掘って奴等の持ち物を捨てる。捨てた物を【粉砕】して処理したら、穴を埋めて帰る。宿の部屋に戻ると2匹は寝ていた。


 4人を【房中術】と【鋭覚】で撃沈させて、丁寧に浄化する。終わったし、俺も寝よう。今日も1日お疲れ様でした。



 <異世界84日目>



 おはようございます。昨日のような襲撃は、正しいタイミングで来てほしいです。今日はどうしようかな? 昨日でそれなりにお金は稼げたし、ケンタウロスが暴落しても困るしなぁ。



 「おはよう。ダリア、カエデ」


 「ニャァ」 「グルゥ」



 2匹は変わらず元気だ。まだ気温も暑苦しくないし、涼しくて過ごしやすい。どこまで暑くなるか分からないから、暑苦しくてダウンするかも分からない。2匹をこまめに確認するか。



 「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガウ」



 さて、今日はどうするか? そろそろこの領都から離れても良いんだよなー。聖王国へ行くか、それとも一旦王都に戻るか。どうしようかね?。



 ▽▽▽▽▽


 0143終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨62枚

 大銀貨67枚

 銀貨46枚

 大銅貨161枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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