1433
皆と石板を確認しているが、1枚目の石板はどうやらこの砂漠の地図らしい。このダンジョンの位置と近くのオアシス、更には西にあるオアシスの位置も描かれている。それ以外にも幾つか描かれているが、どうやら砂漠で行き止まりのようだ。
地図には西の端が海である事が描かれており、南も北も海なのが分かる。その手前は南側は海で、北側は山だ。どうも東から山脈が連なっているらしい。おそらくその近くは荒地か森だと思うが、簡易的な地図なので詳細は不明。
南の方は2つ目のオアシスの手前辺りから海になっており、後はずーっと海だ。この地図を見ると、俺が今まで移動してきた範囲ってそこまで広くないんだな。ヤシマの国からガイアルムまでも、そこまで広くない気がする。
皆も砂漠の地図だと分かったからだろう、見る前の大きな興味は無くなったらしい。俺は石板の地図を紙に写し、終わったら石板を【分解】で消した。次の石板を皆と一緒に見てみるが、こちらも地図が描かれた石板だ。
ただし右端に砂漠が描かれていて、真ん中の上の方に大きな島があり、左の方に大陸が描かれている。更に左上の方に矢印で示された場所があるんだが……。これってどう考えても、ココに行けって事だよな。海を越えて別の大陸かー。
皆も石板の地図を見ながら、ココに行けっていう神様からの命令だろうと言っている。そうとしか思えないよな、どう考えても。今度は随分北の方に行く事になりそうだけど、どんな所なのやら? 期待半分、怖さ半分といった感じだ。
こっちの地図も正確に写して、石板は【分解】で消しておく。後は木像を取り出して乗り、オアシスまで帰るだけだ。そんなに遠くはないので直ぐに着いたのだが、西の連中と戦闘があった筈だが随分と静かだな? 何かあったのか?。
そう思って近付くと、どうやら外で黙々と干し肉作りをしている人が沢山居る。俺達が声を掛けると、向こうからも返事があった。戦闘がどうなったか聞くと、どうやら怪我人は出たものの勝ったらしい。特に問題は無かったのなら、何よりだ。
長の家に行きダンジョンの事を説明したら、さっさと西に進んでいこう。そう思って行ったのだが、長の家では宴会のようなものをしていた。酒が無いので宴会のようなものという言い方になったが、生き残った者達が盛大に祝っている。
俺達に気付いた長が近寄ってきて招かれたが、俺達はダンジョンを攻略した事を言い、これからはダンジョン内の難易度も下がる事を説明した。そして西に向けた調査に出発する事も合わせて説明し、その場を後にする。流石に留まる訳にはいかない。
夕方前ではあるが、オアシスの外に出た俺達は一路西へと進んで行く。木像に乗っているので速く移動でき、ある程度の距離を離れたら止まってカマクラを作りを始める。木像を収納しながら床となる部分を固め、その上にカマクラを作った。
後はテーブルと椅子と焼き場を作れば準備完了だ。わざわざオアシスを出て移動した理由は有り、1つ目は俺達の持つ食べ物を羨ましそうに見ていた事。2つ目は女性陣が酒を飲み辛い事。3つ目は夜が難しい事だ。特に女性陣の不満が凄い。
その事で俺に【念話】で不満をぶつけてくるんだよ。本来ならこの砂漠の事をオアシスの人達に詳しく聞くところなんだけど、女性陣の不満と地図が手に入った事により、二重の意味でさっさと出発する事になった。その結果が今の状況だ。
何度も感じてきた事だが、ウチの女性陣の性欲は思春期の少年レベルで間違い無い。それはともかくとして、そろそろ夕食作りを始めよう。夕日が出始めている。サーサの麦飯を頼み、子供達とメルにスープを頼んだら、俺は頃合を見て秋刀魚を焼いていこう。
ジックリと熱を伝えていく感じで焼き、ふんわりと焼けたら皿に乗せていく。3枚おろしの様に【分離】して骨を外し、身に残る骨は全て【粉砕】する。後は勝手に食べていくだろう。それよりも新たに秋刀魚を焼かないと。
自分の分も含めて焼けたら、再び【分離】して外し、残る骨を【粉砕】した。これでやっと食べられる。それじゃあ、いただきます。
「お魚おいしいけど、蓮は魚醤とアルダのお酢を混ぜたのがおいしいと思う。お魚の脂が多くて重いから、サッパリする感じがしておいしいの」
「うん、気持ちは分かる。でもボクは脂の重さが来るほうが好きかな? だから魚醤だけでいいと思う。麦飯と合わせるなら、重い味の方がボクの好みには合うんだ。そっちの方が美味しく感じているし」
「まあ、人それぞれだから好きに食べればいいと思うよ。自分が美味しいと思う物も、他人はそうは思わないなんて当たり前にあるからね。他人の好みに文句を言わなきゃ、何だっていいのさ」
「私はイデアと同じですかね? 肉の脂に比べれば魚の脂は軽いですからね、そこまで重くは感じません。おそらく蓮はヤシマの国の食事で育ってきたからでしょう。味の感じ方が違うのだと思いますよ。どちらかと言うと、アルドに近いんでしょうね」
「どうだろう? 可能性はありそうだけど、ヤシマの国と言うより公卿や公家の家じゃないか? 庶民じゃ食べる物も違うだろうしな。どのみち皆だって育った所の特色はある訳だし、似たように思えて違うものさ」
「ルーデル町はシンプルに田舎の料理という感じかしら? 子供の頃は祖母が作ってくれていたから少し違うかもしれないけれど、概ね田舎の料理という感じだったわね」
「僕は都会のパンこと黄パンだね。アレを子供の頃から食べてきたから、皆よりも酸っぱい食べ物には耐えられるかな? 後は塩スープも耐えられるね。もう食べたくはないけど……」
「私もそうですね。帝都で育ちましたが、都会の子供の方が貧しい食べ物を食べる事になるのは、本当に皮肉としか思えません。成長して田舎の子供の方が美味しい物を食べていると知った時には、膝から崩れ落ちそうになりましたよ」
「あたしは美味しいもマズイも無いかなー。とにかく食べられる物を食べるって感じだったよ。襲撃が成功しなきゃ食べる物も無かったしね。盗賊なんて、その繰り返しさ」
「私は割と貧しかったな。柿が食べられるなんて知らなかったのは痛恨の極みと言えるが、それ以外では貧しい田舎という感じだ。飢える事は無かったが、その手前は何度もあった。暗殺業をするようになってからの方が、飢えから遠ざかったな」
「俺は神様の所に居たから、そもそも飢えるなんて事は無かったよ。それ以前に腹は減らないし、眠くもならない場所だからな。ひたすら修行を延々とやらされ続けただけだ」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
うん。何気に俺が一番キツイな。28時間、320日。ひたすら修行をし続けているんだから、今思えばよく耐えられたと思う。とはいえ、絶対に精神に何かをされていた筈だ。本来の俺なら逃げ出したりしていないとおかしい。
でも1度も逃げ出したりしていないんだ。明らかにおかしいと今なら思うが、当時はそんな疑問すら持っていなかった。その事自体が変だ。むしろ俺が自由意志を持ったのは、下界に降ろされてからだったように思う。
まあ、神様が本気で力を使えば、違和感すら持てないだろうから意味は無いけどな。それが神様だし、権能というものだ。そんな話をしながら食事と後片付けを終えた。カマクラの中を【冷風】で冷やし、十分に冷えたら中に入って閉じる。
砂漠の夜は冷えるので、今なら送風機や冷房を出さなくても大丈夫だろう。そう思ったので出していないのだが、ダリアが若干五月蝿い。暑くはないんだから送風機や冷房は要らないだろ? そう言っても、太腿にぶつかったりしてくる。
何と言うか、ただ遊んでほしいだけの気がしてきた。なので撫でたり、顎の下を掻いたりして遊ぶ。撫でられて嫌な所というのは無いらしいので、ブラッシングをしてやる事にした。あっと言う間にうっとりするが、それは金属製のブラシの頃から変わっていない。
たまにはダリアと遊ぶのも悪くは無いな。
▽▽▽▽▽
1433終了時点
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大金貨1643枚
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銀貨2330枚
大銅貨2372枚
銅貨195枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




