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 「実は……今までは1層が砂漠で、砂虫が出てくる層だったのです。ですので入って砂虫を倒せば、水も砂蜥蜴の餌も手に入ったのですが……今は荒地に変わっており、出てくるのは飛び跳ねる魔物なのです」


 「飛び跳ねる……? もしかしてウサギ系の魔物の事か? ……ああ、やはりそうか。つまり、急に砂漠ではない所の魔物が出てくるようになったので、倒し方が分からないと。まあ、仕方がないと言えなくもないか」


 「それにしたって、そんなに難しい事でもないと思うけどね? ……もしかして、思っているより難易度が高いのかな。出てくるのもビッグラビットじゃなくてグリーンラビットとか?」


 「よく分かりませんが、出てくる毛玉みたいなものは耳が紫色でした。とても素早く動き、我等ではどうにもならないのです。その所為で、ダンジョンから食べ物が殆ど手に入らなくなってしまいした」


 「村は砂麦があるから何とかなるけど、砂蜥蜴の方がかなり厳しい結果になると……。とはいえ、死んでないって事は外の魔物でどうにか凌いでるって事かな? 砂虫だったり何なりは出てくるだろうしね」


 「はい。村でも1番強い、私の孫娘であるサンディアが獲ってきてくれております。それでもな「おさーーーっ!!」んと……。失礼します、何かがあったようで……」


 「長っ!! サンディアが黒蠍の毒にやられちまってる! 砂蜥蜴が運んでくれたが、このままじゃマズい!! 毒を何とかしねえと、サンディアが死んじまうぞ!!」


 「何じゃと!? しかし、毒消しは最後の物を使うたばかりじゃ! 材料が足らん……いったい、どうすれば……」



 仕方ないなと周りを見ると皆も納得していたので、俺は長の家を出る。オアシスの入り口付近に多くの人が集まっているので掻き分け、手当てをしたり水を飲ませている男の横で女性を確認する。どうやらまだ死んでいないようだ。


 周りは「何だコイツ?」という顔で見てくるが、俺は気にせず【聖潔】を使い体の中の毒素を消してしまう。魔法って便利だよなと思いながら、さっさと長の家に戻る。いちいち面倒な事は御免だが、無駄に人が死ぬのも御免だ。


 長の家に戻った俺は、【聖潔】の魔法を使ってきたから多分大丈夫だと話しておく。治す方法を持っているのに治さなかったら、いちいち怨まれて鬱陶しいから治しただけだ。そう本音をぶっちゃけておいた。長はなんとも言えない顔をしている。


 本音をぶっちゃけ過ぎだが、俺が言いたい事も分かるんだろう。溜息を吐いた後、深く頭を下げた。俺はそれを受け取り「気にするな」とだけ言っておく。長が怨まなくても、他の奴が怨むかもしれないからな。結局、何とも言えない。


 ダンジョンの話をしていると、突然部屋に入ってきた女性が長の横に座る。まあ、さっきの長の孫娘なんだが……なんか怒ってるぞ? 命が助かったのに怒るってどういう事だよ。



 「先ほど命を助けていただいたのは、そこに居る男性でしょう。毒で苦しんでいた私を助けていただき感謝します。しますが……何故その場を去られたので? 私の顔や体はそんなに醜かったですか?」


 「は? ……ああ、助けた相手の容姿が悪いから去ったと思ったのか。違う、違う。そもそもウチの女性陣を見れば分かるだろう。別にそんなお礼は求めてないだけだ。そもそも対価を貰う様な事でもない」


 「まあ、アルドにとったら【聖潔】を使った程度だしね。アタシ達だって使えるから、大した魔法ではないというのも分かるんだよ。アンタ達にとったら命の恩人だというのも分かるんだけどねぇ……」


 「大して難しい魔法でもないと言えば終わる話でもありますし、何とも言えませんね。実際、私達にとってはその程度ですから、アルドがお礼云々が面倒臭いと思うのも分かるのですよ」


 「はぁ……。黒蠍の毒を一瞬で治す魔法が簡単ですか……。このオアシスでも昔の傭兵? という人達が残してくれた魔法を書いた紙がありますから、それで学んだりはします。ですが黒蠍の毒を治すような魔法は……」


 「これ! 命を助けていただいた方に根掘り葉掘り聞くでない。申し訳ございません、孫が失礼をしました。ところでダンジョンの方は……」


 「獲ってきても良いけど、明日かな? ついでに攻略してくる事になるし、そういう意味でも明日になると思うよ。今日狩りに行っても良いけど、多少の獲物を狩ってくるだけになるけど……」



 それでも構わないそうなので、その間に浄化魔法の紙束から数枚渡し、それを写しておくように言う。渡した紙束は、【小浄】【清浄】【聖浄】【清潔】【聖潔】の5枚となる。その紙束は後で必ず返すように強く言い、俺達は長の家を出た。


 何故か孫娘がついてくる様だが、今日は構わないか。そう思い、俺達はオアシスの入り口へと行く。木像を出して全員乗り、孫娘が砂蜥蜴に乗ったのを確認したら出発する。北に向かって真っ直ぐ進み、3キロほど移動すると迷宮紋を発見した。


 邪気の滞留し辛い砂漠に何故ダンジョンがあるのか分からないが、とにかく中へと入ろう。誰も見ていないので木像のまま突入し、ダンジョン内へと進む。長から聞いていた通り1層目は荒地で、所々に魔物の反応がある。


 木像を降りて収納し、孫娘は砂蜥蜴に乗せたまま魔物に近付いていく。俺は初めて見るが、紫色の耳を持つウサギだった。パープルイヤーと呼称すべきだろうか? そう悩んでいると、いきなり跳んで突っ込んできたのでヴァジュラで攻撃する。


 痺れて動けなくなったウサギを子供達に攻撃させて始末した。上手く脳天を突き刺して終わらせたな、よしよし。俺は穴を掘ってから首を切って血抜きをし、【冷却】してから解体する。肉を【熟成】したら砂蜥蜴の方に投げた。


 突然投げられたにも関わらず口でキャッチすると、ムッチャムッチャ食べ始めた。なかなかの美味らしく喜んでいるようだ。少し残しておいた肉に塩を振ったら、フライパンに乗せて焼いていく。直ぐに焼けたので皆で試食をするも、それなりの肉でしかなかった。


 まあ1層目で出てくる魔物だから、こんなものでしかないか。砂蜥蜴は好む味なんだろう。さて、皆で乱獲するか。俺達は手分けして魔物を乱獲するついでに、次の層への転移紋も探す事にした。ここには他の傭兵は居ないので自分達で探すしかない。


 俺は子供達と2匹と一緒なのだが、何故か孫娘がついてくる。仕方ないなと思いつつ、子供達に倒させながら色々教えていく。そこまで強い魔物ではないが、ジャンプ力が高く鬱陶しい相手ではある。


 頭に角がある訳でもないので怖くはないのだが、高いジャンプ力で突っ込んで来られると難しい。盾を持って防いでいる間に始末する。オアシスの者達で出来るのは、そういう戦い方だろうな。その辺りは孫娘に教えておく。


 誰かが防ぎ、その間に別の誰かが攻撃して倒す。その場合の武器は、槍などの長柄の武器にするべきだろう。そんな話をしていると、荒地の下に鉄を発見した。もしかしてコレを使えって事だろうか? まあいい、採っていこう。


 俺は【魔術】を使って強引に掘り起こし、精錬して鉄を手に入れていく。孫娘の目が点になっているが、そこはどうでもいい。ダナから【念話】があり、南の方に転移紋を発見したらしいので出発する。道中は無視して合流し、2層へと進む。


 2層も再び荒地だったので、ウサギを狩りながら皆で一緒に移動していく。俺は途中で鉄を掘り起こして精錬を繰り返し、結構な量の鉄を入手した。そもそも砂漠は乾燥地帯だし鉄は錆び難いだろうけど、後で鋼にするから注意しとこう。


 そう思いながらも4層まで進むと、今度は木々が疎らに生えた荒地に変わった。また荒地かとも思うが、木々が生えている理由は分からない。ついでなので木を伐採し、炭にしてから収納していく。もちろん丸太のまま収納して木もゲットしておいた。


 この層ではゴブリンとビッグボーアがメインらしい。試しに孫娘をゴブリンと戦わせると、至極あっさり勝利した。ビッグボーアとも戦わせたが、こちらも上手く戦って足を潰して簡単に勝利。どうやら深い層の肉とはビッグボーアの事らしい。


 オアシスの人達では4層に来るのも大変なのか。そう思い聞いてみると、そこまで砂蜥蜴も多くないそうだ。つまり狩りをするなら徒歩組に合わせないといけないと。


 狩りをする頃には徒歩の奴等は疲れてそうだな。



 ▽▽▽▽▽


 1430終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2424枚

 大銀貨1615枚

 銀貨2330枚

 大銅貨2372枚

 銅貨195枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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