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 ヘビーブルではあったものの、塊焼きは大変美味しかった。これはこれで、それなりの頻度で作らないと怒られそうなくらいに喜んでいたので、また気が向いたら作ろう。普通に作れば外側から熱を加えるので時間が掛かるが、俺の場合はそんな事は無い。


 【加熱】と【空間把握】のコンボで中の状態を確認しながら火を通せるので、自分の思う最高の状態で止められる。ただし、料理人ではないので本当に最高の状態ではないだろうけどね。それでも皆が喜んでいるんだから、これで良いんだろう。


 美味しかった朝食も終わり、出発の準備を整えたらカマクラなどを壊す。木像に乗って出発し、一路砂漠があるという西へ。ある程度進めば今よりも荒れた大地になり、そこを通り過ぎると砂だらけになるそうだ。そこまでは昨日村人に聞いた。


 出発して少々、距離的には10キロ行くか行かないかで荒地に変わっていく。そのまま更に西へと進み、村から30キロほどで目の前に砂漠が見える。ここへと突入していくのだが、止まる事無く突っ込んで進んで行く。帽子は既に被っているし大丈夫だ。


 しかし、東にも西にも砂漠があるとはビックリな大陸だなぁ。地球にも砂漠は色々あるけどさ、代わりに熱帯雨林のような場所もあるんだけど、そういう場所は見た事が無いな。大森林も巨大な森林というだけだし。


 そんな事を考えながらも走っていくが、水がありそうな場所が見つからない。細く地下水が通っている場所はあるんだが、オアシス的な所は無いな。とはいえ、どちらに行ったら良いか分からないんだ。最悪は帰る事も考えて進まなきゃいけない。


 それでも、木像の御蔭で助かっていると言っていい。普通ならありえない速度で移動できる為、広範囲に渡って調べる事が出来る。【空間把握】が使えても、移動速度の関係で調べられる範囲はそこまで広くはないからな。それでも常人よりは広いが……。


 そう考えると、東のヴィルマウル砂漠はどれだけの時間を掛けてオアシスを発見したのだろうか? それを考えると自分は本当に恵まれていると思う。ちょっとだけ神様達に感謝しとこう。それはともかく、まだまだ距離が足りないようなので頑張っていくか。


 そんな事を【念話】で皆と話しながら進む。会話で暇を潰しながら移動していたが、昼になったので一旦止まる。砂を使って焼き場やテーブルに椅子を作り、そこに屋根まで作って冷やす。日差しが強く地面が熱いので、冷やさないと座れない。


 木像を降りて収納し、椅子に座って一息吐く。簡易のトイレも作ったので、皆は休憩中だ。俺は料理を開始するも、簡単なもので済ませる事にした。東の砂漠では一気に移動出来たから良いけど、こっちは情報が無くて分からないからな。そこが本当に辛い。


 タコスモドキを作り、皆で食べる。スープは無く、代わりに冷たい神水を飲みながらだ。それでも周りの熱い日差しを見たら、冷たい神水は最高の贅沢なのが分かる。それは皆も同じ意見らしい。火の季節だから余計にか?。


 昼食で気分もリフレッシュしたので、木像に乗りカマクラなどを壊して出発する。再び西へと進むのだが、時速60キロ程度は出ている筈で、砂漠に入ってから4時間ほどは走った。つまり240キロは進んでいると思うんだが、何も見つからないな。


 地下水も相変わらず細く流れている。結構深い場所だから岩盤層を流れているんだと思うが、その辺りはどうでもいい。重要なのは水の流れが集まっている場所であり、オアシスを探している。それが見つからないと砂漠を移動していくのは難しい。


 4日から5日分の水ぐらいは持っているが、それ以上の水となると俺でさえも持ち歩いたりしない量だ。それまでには見つけたいと言うか、見つからないと死ぬ恐れが高い。そもそも帰りの事を計算すると、2日で行ける範囲を捜索する事しか無理だしな。


 【念話】で話す事も多くなく、夕方まで………うん? 人間種の反応か、コレ? 皆に【念話】で伝え、人間種の反応がある場所へと行く。段々近付いて見えてくると分かったが、オアシスがあった。どうやら真っ直ぐ西に進むので正解だったらしい。


 まだ昼を過ぎて少し経ったぐらいでしかないが、オアシスがあって助かる。俺達はオアシスに近付くも多少警戒された。それは分かるんだが、普通はもっと警戒するものなんじゃないのか? 何か警戒が薄い気がする。とりあえず木像を降りて収納し、近付こう。



 「お前達は何者だ! ここは俺達の場所だぞ! 事と次第によっちゃ、お前ら全員を砂蜥蜴のエサにするからな!!」


 「俺達は東から来た傭兵だ。この砂漠を調査する為に移動している。真っ直ぐ西へと調査して進み、人が住んでいそうな場所を発見したので近寄ってきただけだ」


 「………ふむ。まあ、良かろう。皆の者、武器を下げなさい。西の奴等の回し者では無さそうじゃ」



 気付いていたが、後ろから老人が出てきてオアシスの人を説得している。オアシスの人達も老人の言葉に納得したのか、手に持っていた武器を下ろした。そんなに良い武器じゃないが、ここでは鉄製の武器とかは作れないのかね? でも生体武器ではあるんだよな。


 俺達は老人に案内されたので、大人しくついて行く。未だ警戒はされているものの、そこまで強くは警戒されていない。西の奴等と言っていたから、そいつらと抗争中という事だろうか? 俺達は案内された家に入り、通された部屋の床に座る。


 白い漆喰みたいな者で固められた、レンガっぽい物で造られた家だ。あんまり家とか詳しくないが、何というか四角って感じの家。ゲームでいう豆腐型ハウスって言えば分かると思う。これが1番作るのが簡単なんだろう、別に悪くはない。


 そもそも砂漠の真ん中で建物を作るのが、どれほど大変かは考えればすぐに分かる。この建物だけでも並大抵の苦労じゃなかった筈だ。そんな事を考えていたら、話が始まった。



 「私はこのオアシスで皆を纏めている、サンドムと言います。皆さんを警戒していたのは、西のオアシスの連中の回し者だと思うたからなのですが……皆様はムル国とかいう国から来たのですかな?」


 「ええ。元々は違いますが、俺達はムル国から真っ直ぐこちらに来ました。それにしても、ムル国では砂漠の事は殆ど分かっていなかったのに、こっちの方は向こうを知っているんですね?」


 「昔、何度かこのオアシスまで来られた方が居るのですよ。結局、ここに居着いて暮らした方もいれば、帰ると言って東へ行った方も……。ただ、その方々が無事に帰れたかどうかは知りません」


 「まあ、それはそうでしょうね。それよりも、我々は砂漠の調査をしています。この砂漠について教えてほしいのですが……。対価なら支払いますが、どうでしょう?」


 「お金を渡されても、ここでは使えませんよ。それよりもお願いがあります。もし貴方がたが強いのであれば、魔物を倒して持って帰ってきていただきたい。言葉は悪いのですが、我等ではそこまで進む事も出来ません」


 「??? いったい何の事です? 魔物を持って帰ってくるという事は、どこかへ行って狩りをしてこいという事ですか?」


 「申し訳ありません。少々先走ってしまいました。実は、ここから北へと進むとダンジョンがあるのですが、そこから食べられる魔物などを狩ってきてほしいのです。私達でも多少は狩れるのですが、そこまで強くもなく……」


 「どういう事だい? この村では食料が足りないって事なのかい? その割には痩せ細ってもいなかったし、元気な様子だったけどね」


 「元気が無いのは砂蜥蜴でしてな。砂蜥蜴は基本的に肉食なのですが、最近ダンジョンの構造が変わりまして……。お恥ずかしい話ですが、深い層に進まないと私達では肉が獲れなくなったのです」


 「つまり多少は獲ってこれるものの、砂蜥蜴が満足する量を獲って来れてはいないと。私達が獲ってくるのは構いませんが、それは結局一時凌ぎにしかなりませんよ? 分かっているとは思いますが……」


 「はい、分かっております。ですが、ダンジョンから物を持って帰ってくるにも砂蜥蜴の力が必要ですので……。砂蜥蜴が動けなくなれば、我等も食料が足りなくなってしまいます。砂麦は育てておりますが、それだけでは維持出来ません」


 「オアシスだからね。育てられる作物にも限度がある。それ以上の糧を得るならダンジョンから獲ってくるしかない訳だ。まあ、当たり前の事とは言えるけど」



 ダンジョンの深い層ねぇ……。



 ▽▽▽▽▽


 1429終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2424枚

 大銀貨1615枚

 銀貨2330枚

 大銅貨2372枚

 銅貨195枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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