1427
ゾンビの死体を全て焼き終わる頃には皆の体力もある程度回復していた。魔力に関しては時間が掛かるしどうしようもない。また長い時間ここに居るが、前回のような何かが出現したような感じも無い。つまり、最奥には何も無いようだ。残念。
皆を立たせ脱出紋に移動する。疲れているのは分かるが、だからこそさっさと帰ろう。そう言って脱出紋を使って外に出た。外の景色を見ると夕方には少し早い時間の様だったので、今の内に王都へと戻って買い物をしよう。
王都前の列に並び順番が来たら登録証を見せて中に入った。皆は宿へと帰し、俺は食料店で買い物をしてから帰る。食料店に着いた俺は中を色々見て回るも、珍しい物は無かった。小麦を大銀貨2枚分、野菜を大銀貨3枚分購入して店を出る。
他にも食べ物を売っている店は無いかと探すも、あったのは同じ様な食べ物を売る店だけだ。セン麦という麦は見つけたが、特に買う必要も無いと思いスルーする。酸っぱいだけらしいし、買っても誰も食べないんじゃ買う意味が無い。
そうしていると夕日が出てきたので、宿へと急いで戻る。皆には多少小言を言われたが、食糧を買っていた事とセン麦の話をすると、買ってきたかどうかを追及された。買ってないと説明すると安堵していたが、そこまで嫌なものなんだなー。
買う気は無かったが、買っといた方が良かっただろうか? そんな事を考えながら、皆と一緒に食堂へと行く。大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。周りの傭兵の話に面白いものは無し。
適当に食事をし、宿へとさっさと帰る。部屋に戻った俺達は各々好きに過ごすのだが、女性陣は今日は酒を飲むらしい。俺はダリアとフヨウと遊んでいて、子供達は勉強をしている。字は綺麗に書ける様になっているので、次は文章の書き方を勉強中だ。
段々高度になってきているが、それでもこんな時代の勉強だからそこまで難しいものじゃない。それでも自主的にやっているんだから十分だろう。俺は時折横から説明してやるくらいで、特に何かを言ったりはしない。プレッシャーをかけても、勉強嫌いになるだけだ。
ダリアをブラシで梳き始めると、あっさり瞼が下がり始め寝息が聞こえ始めた。相変わらず異常に強力なリラックス効果だなぁ。ついでに何故かフヨウにも効くし。俺は寝ているダリアの横にフヨウを置き、ブラシで撫でる。
プルプル震えたものの直ぐに力が入らなくなったのか、でろーんとなるフヨウ。そのまま2匹を【念動】でスライドさせ、布団に寝かせていく。勉強を終えた2人も髪を梳いてやると、あっと言う間に舟を漕ぎ始めたので布団に寝かせた。
女性陣の方は死屍累々の有様だが、フォルとディルだけは無事だったので手伝ってもらう。皆を手分けしてベッドに寝かせていき、終わったら2人からリクエストをされた。ディルはいつも通りだから良いのだが、フォルのリクエストは少々困る。
まあ性癖は色々とあるので何も言わないし、フォルの性癖は別に重いものじゃないのでマシなんだが……。これ以上は考えなくていいな。本人は既に大満足で撃沈してるし。ベッドに寝かせて綺麗にしていこう。
部屋と体を【浄化】したら、<浄化の三道具>を出して邪気を吸い込むのだが……やはり、吸い込む量は殆ど無い。何度も使っても大した効果は無いので、こちらから移動しなきゃ駄目だ。王都のダンジョンは終わったから、次は西か。
西には砂漠があるだけだと聞いているが、果たして本当にそうなのか調べる必要がある。この星の地理に関しては、実は殆ど教わってはいないんだよな。神様が自分の足で調べろって言ってたし。多少習ったくらいか。
寝転がってウダウダ考えてもしょうがないんで、さっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界720日目>
おはようございます。今日は風の季節最後の日です。明日から火の季節とはいえ、いきなり暑くはなったりしない。とはいえ、これから砂漠に行こうという時期に火の季節かと思うが、この時期に来たのは俺達だしなー。なんとも言えない。
朝の日課を終わらせて。麦茶を入れて飲んでいると連が起きてきた。昨日と同じくトイレに行って戻ってくると膝の上に乗ってきた。甘えたい時期なのかと思いスルーするが、何も言わずボーッとしているようだ。……まだ覚醒してなくて寝ボケてるだけか?。
そのままボーッとしている蓮と共に、俺も静かな時間を過ごす。何も喋らず何もしない。とても静かでゆっくりとした贅沢な時間を過ごしていると、突然邪気が膨れ上がった。また街中で邪生かと思って確認するも、王都の神殿内っぽいのでスルーする事に決めた。
関わっても何の得も無いし、今は朝だ。何かをしようとしても目立つ時間だし、俺はわざわざ何かをしてやるほど馬鹿じゃない。自分達で何とかしろとしか思わないしな。それよりも蓮がもたれてきたが、2度寝しようとしてるのか……まあ、好きにしなさい。
そうやって寝ている蓮を落ちないように支えていると、皆が徐々に起き始めた。特に邪気に敏感な吸血鬼姉妹とダナは邪生に即座に気付いたらしい。俺が放っておいている以上は大丈夫なんだろうと直ぐにスルーしたが、他の皆も気付いたみたいだ。
「向こうの方に邪生が居るんじゃないの? そんな気がするんだけど……アルドが慌てもせずに放ってるって事は特に問題無いんだね?」
「ああ。というより、邪生になった奴が居るのは神殿だ。奴等が何とかする事であって、俺達が何かをする事じゃない。神殿なんだから自力で何とかしてもらわないと困る。何の為の神官か分からないからな」
「また神殿内で発生したのですか……。彼等が隠しているだけで、もしかしたら神殿内での発生は多いのかもしれませんね。邪気が感知出来ないと、その辺りは分かりませんので」
「僕が居た頃はそこまで多かった訳じゃないけどね。とはいえ、教えられなかっただけかもしれないけど……」
「多いか少ないかは別にして、それなりの頻度で神殿内に発生している事を考えると、少なくとも神殿内が綺麗な訳ではないのだろう。……うん? アルドは綺麗にしたんじゃないのか?」
「綺麗にしたさ。昨夜だって<浄化の三道具>を使って、根こそぎ邪気を吸い込んでいる。それでも今日の朝、邪生が生まれたんだよ。ちなみに邪生になったのは女性で、同じ部屋に女性が2人居た」
「イジメか? それとも恋愛関係か? ……どっちにしても邪生になった事に変わりは無いが、そういう事は神殿に関係無く起きるのだろうな。いや、閉鎖的だから起きるのかもしれない」
「分からないが、部屋の中の女性2人は”そういう関係”だろうな。そこに邪生になった女が入ってきた感じだった。俺も邪生が生まれてから確認してるから、それ以前に関しては分からない」
「それで十分じゃないかしら? アルドから聞いた話だけで”痴情のもつれ”である事がよく分かるわ。愛情が反転すると邪生にまで行ってしまうのかしらね? そこまで行く事は滅多に無いと思うけれど……」
部屋の片付けをしながら、そんな話していた。膝の上で2度寝をしていた蓮も、イデアに起こされて頭が覚醒したらしい。1番早く起きておきながら2度寝をしていたからなぁ。ある意味で贅沢な時間の使い方だとは思うけど。
部屋の中を全て片付けて忘れ物が無い事を確認したら、宿の従業員にキャンセルを言って食堂へと向かう。中に入り、大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら席に座ってゆっくり待つ。新しく入ってきた傭兵が席に座り、何やら大きな声で話し始めた。
「今日の朝、神殿の中で邪生が生まれたらしいぜ。聞いた時にはビックリしたけどよ、どうやら二股かけられてた女神官が怨みでなっちまったんだと。相手も女神官で、ヤってる現場に乗り込んだらしい。しかも朝っぱらからだ」
「おいおい、浮気現場って事かよ。しかも朝っぱらからとは……何て言っていいか分かんねえな」
確かにな。気持ちはよく分かる。
▽▽▽▽▽
1427終了時点
大白金貨64枚
白金貨374枚
大金貨1643枚
金貨2424枚
大銀貨1615枚
銀貨2330枚
大銅貨2398枚
銅貨255枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




