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 皆が起きてきたので朝の挨拶をし、部屋を片付けたら外に出て食堂へと行く。大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら、席に座ってゆっくりと待つ。雑談していると傭兵と思しき奴等が入って来て、注文した後で席に座り大きな声で話し始めた。



 「昨日のダンジョン少し変じゃなかったか? 何か魔物の数が少ない気がするって言ったが、今考えてもやっぱり少なかったよな。昨夜も別チームの奴と飲んでて、その話をしたんだけどよ」


 「昨日お前が飲んでたのって……ああ、<赤指>の奴等か。あいつらのクランって相当大きいよな。それだけ体を売りたい奴等が多いのかは知らないけどよ。小指の爪を赤く塗っていると、体を売りたいサインって誰が考えたんだろうな?」


 「それって<赤指>の初代じゃなかったっけ? 昔、初代様と共に東の草原を越えて傭兵業を学んできた1人だった筈。向こうでも体を売っている傭兵は居たらしいしさ、それで指を赤くする事を思いついたらしいぞ」


 「へー。向こうは傭兵の本場だって言われてる所だけど、行った事なんて無いしなぁ……。それに、聞けば聞くほど草原を越えられるとは思えねえんだよなー。絶対に俺達じゃ野垂れ死ぬだけだろ。憧れはあるけどさぁ……」


 「行けるとは思えないよな。そういえば知ってるか? 昨日<赤指>のトップが久しぶりに赤く塗ってたらしいぜ? 何か心境の変化でもあったのかは知らないが、あそこのトップも長生きだからなー」


 「そりゃなあ。あそこのトップはエルフだし、若い頃からだから金もたんまり持ってるだろうにな。単にヤりたいだけかね。既に8人も子供を産んでる筈だし、それであの美貌だからなぁ。昨日、誰か買えた奴は居たのか?」


 「さあ? 俺が知る訳ないだろ。あそこのトップとヤりたい奴は沢山居るけど、運良く出来たなんて奴は殆ど聞かないしな。そもそも好みが分からない人物だし、子供の種族もバラバラじゃなかったか?」


 「そんな事を聞いた事はあるけど、本当かどうかは知らないしなー。好き者なのは間違い無いけど、誰かの愛人だとも言われたりするし。謎の多い人物なのは間違い無い」



 そんな好き者エルフがこの国には居るのか……。それでも<伝説の魔女>の足元にも及ばないという事実。エルフよりも子供の出来難い魔女族で、20人以上の子供は伊達じゃないな。圧倒的過ぎて誰も勝てないから伝説なんだけどさ。


 朝食後、食堂を出てダンジョンへと向かう。王都の門を出てダンジョン街へと入り、列の最後尾に並んで待つ。前に2組しか居ないので、直ぐに順番は回ってくるだろう。そう思い待っていると、直ぐに回ってきた。


 1層は平原で昨日と変わらず東へと移動している人が居る。俺達は少し離れた場所で木像に乗り、一気に進んで行く。1層~5層は平原で東。6層~10層は草原で北。11層~15層は森で西。16層~20層は海で南。


 21層に辿り着いたので、そろそろ昼食にしよう。少し早いくらいだと思うが、安全に食べられる間に食べるべきだ。周囲50メートルの陸地に遮る物は無く、魔物の姿は一切無い。焼き場を作り焼き網をセットしたら、全粒粉を練っていく。


 チャパティ作りを任せたら、せっかくなので新鮮な海産物を獲りに行く。陸地と海の境に辿り着いて気付いたのだが、何故か浅い部分があり道になっているようだ。もしかして浅い部分を進んで行く地形なのか? それはそれで厄介な。


 この層には海に魔物がいる。つまり浅くなっている道を歩いていても左右から襲われるという事だ。如何に早く抜けるかが鍵となる層だと言える。ここまで来て体力の必要な層とか……。普通なら諦めて帰りそうだな。


 食べて美味しそうなのは居なかったので已む無く戻り、デスボーアや貝類に蛸を焼いていく。チャパティも作ってくれていたので、適当に焼きながら先ほど判明した事を話す。



 「つまり、この層は浅くなっている場所を道として、左右から襲われながら進めって事かい? どれだけ鬼畜な事を考えるんだろうね、システムは。アタシ達ならまだしも、普通の傭兵だと死ぬだけだよ」


 「本当にそうですね。アルドの言う通り、ここまで来て体力の必要な層というのは、実に嫌らしい地形だと言えるでしょう。まあ、管理システムはちょこちょこそういう事をしますけど……」


 「それでも攻略できない訳ではないのが嫌らしいね。今の私達みたいに休憩しながら進めば何とか行けるかもしれない。ここは陸地に魔物が出ないようだしね。ダンジョン内で一晩明かしても、問題無いかもしれないし」


 「あー……それは確かにそうだね。周りを見ても魔物なんて見えないし、気配は海の中にしかない。これなら確かにダンジョン内で一晩過ごせるかも。まあ、やりたい訳じゃないけどね」


 「私達ならば越えられますから、当然ですけどね。体力もまだまだあり余ってますし、特に問題無く突破できます。木像を使わなくても突破出来るでしょう。とはいえ、木像の方が圧倒的に速いんですけども」



 昼食も終わり後片付けをしたら出発する。南に道幅10メートルくらいの浅瀬があり、それが真っ直ぐ南へと伸びている。ある意味で分かりやすく、大変助かる構造だ。浅い所の水深は30センチくらいと浅く、特に問題は無い。


 とはいえ自分の足で歩くなら、かなり足がとられる深さだろう。地味に体力を削る層だな。俺達には関係無いのでさっさと進もう。皆に声をかけ、一気に進んで行く。


 周囲に魔物が集まり始めるが、それより早く駆け抜ける為に攻撃出来ないらしい。何と言っていいか困るが、俺達にとって損は無いので突っ走る。この層のギリギリ端とも言える場所に陸地があり転移紋があったので、さっさと乗って先へと進む。


 22層も同じ地形だが、南に浅瀬が無かった。それぞれの方角を確認すると、今度は西に伸びている。つまり今までの逆って事か? そんな事を皆と話しながら駆け抜けていく。またもや層のギリギリ端に陸地があった。どこまでも体力を使わせたいらしい。


 23層目は北に浅瀬があり、24層目は東に浅瀬があった。現在25層への転移紋の前で待機している。おそらくだが次が最奥だろう。だからこそ体勢を整えてから踏み込みたい。ここ最近はゾンビが多いので、浄化魔法の確認をしておく。


 皆の覚悟が整ったので、いざ25層へ。到着した25層は荒涼として荒地で、空に大量の鳥が見える。もしかして……ってマジか!? 今度のゾンビは鳥かよ!?



 「皆、上に飛んでる鳥! あれは全てゾンビだ!! 今回は鳥のゾンビだから強襲されるぞ! 頭上に注意して戦え!!」


 「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 「分かった!」 「分かりました!」


 「ニャア!!」 「………」



 上空から攻撃してこようとするゾンビ鳥に対し、【聖浄】などを使って浄化していく皆。それは良いんだが、浄化されても腐肉は残る為、方向と角度によっては腐肉が落ちてくる。それでさえ敵の攻撃なんじゃないかと思うくらいだ。


 【浄化】の権能で防いではいるが、腐肉を撒き散らしてくる攻撃と考えれば厄介極まりないな。このラッシュは。相変わらずシステムの底意地の悪さが発揮されていると思う。かつてのフナムシといい、何でこういう精神的な攻撃をしてくるんだろう。


 腐肉を防ぎながら戦うも、今回は鳥だからなのかそこまで数は多くないようだ。それでも200羽を越えた辺りで遂に魔力が尽きかけているので、皆はここで終わりとなる。ゾンビがそれなりに邪気を抱えているので、魔力を籠めないと浄化し切れない。


 そういう理由もあって、皆ではこの辺りが限界だったようだ。後は俺が【浄化】して終了だ。そう思い、残りのゾンビ鳥を全て【浄化】すると、東西南北から大きな鳥が飛来してくる。……アレって大怪鳥じゃないか!? しかもゾンビかよ!!。


 簡単に倒せるから良いけど、実に面倒臭い事をしてくれる。俺は大怪鳥が低空に下りてきたところで【神聖世界】を使って叩き落してやった。慣性のままに墜落したが、その後は再びの【神聖世界】と【浄化】のコンボで終了。


 脱出紋も出てきたので本当の終わりだ。やれやれ……大怪鳥4羽のゾンビとか、普通の奴等じゃ殺されるだけだぞ。ま、俺達だからゾンビラッシュなんだろうけどさ、たまには別のと戦いたいもんだ。


 そんな事を考えながら、ゾンビの死体を【浄炎】で焼いていく。皆は休憩してていいよ。



 ▽▽▽▽▽


 1426終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2424枚

 大銀貨1620枚

 銀貨2330枚

 大銅貨2424枚

 銅貨255枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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