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 皆は敢えて気付かないフリをしながら宿を出て、食堂への道すがらチラチラと見てくる。なので昨夜、裏組織の連中が宿に侵入してきた事を明かし、更に宿の主人が裏口を開けて中に入れた事を教える。すると、すぐに納得したようだ。


 食堂に入り、大銅貨13枚を支払ったら席に座って待つ。隣同士のテーブルなので雑談をしていると、すぐに料理が運ばれてきた。昨日とは違う普通の料理を普通に食べた後、さっさと店を出て町の入り口へと歩く。


 門番に適当な話をし、門を出たら西へと移動する。歩きながら昨夜何があったか説明していると、皆も微妙な雰囲気になった。特に貴族が無理矢理に依頼をして暗殺仕事をさせたという事と、昨日の女傭兵どもがクズ貴族だったと分かったからだろう。


 そういうクズ貴族の所為で、本来は請けないような暗殺依頼を請けざるを得なかった訳だしな。孤児院の経営は出来そうなので頑張ってほしいところだ。そういった事と、これから目指す場所を話してから木像を出す。


 皆は「良いの?」という顔で見てくるが、俺はむしろ派手にして注目を浴びようと思っている。手を出してきた奴は漏れなく聖人にする為だ。色々悩んでいる様だったが、最終的には全員が賛成となった。


 最後まで渋っていたのはメルだったが、それは子供達の安全を考えての事だ。まあ、その子供達は1番早く賛成していたんだが、それもメルの不安要因の1つだったらしい。とはいえ、狙われる事にも慣れなきゃどうしようもない。


 子供達は2人とも狙われやすいので、何も教えず経験させずでは、むしろ危険に晒してしまうだろう。護衛と考えれば、する方にも、される方にも理解が必要だ。される側が理解していなければ、守れる命も守れない。それも事実だからな。


 だからこそ、最後にはメルも賛成に回った訳だ。まあ、こんな国で経験させる理由は2つだ。1つ目は、草原があるので向こうの国には攻めて来れない事。2つ目は、だからこそ派手に暴れたとしても問題無い事。


 そういう理由から、今の内に経験させておきたい。トラウマ等は持たない様に配慮するし、仮に持ったら【浄化】の権能で治すから大丈夫だ。まあ非道な事をされる経験は無いだろう。する経験は……どうだろうな?。


 木像に乗った俺達はどんどんと進んで行く。ここムルの国にはダンジョンが1つしかなく、そのダンジョンの近くに王都がある。先ほどまで居たのはボムジュの町で、前方に見えているのがモルコー村。


 その向こうにサルコー村、更に向こうにベルコー村がある。この辺りは男爵領で農地を広げているらしく、他と比べて食べ物は割と豊かなんだそうだ。その先は知らない貴族の領地らしいが、ヤック村、モック村、フックの町とあるらしい。


 俺達は道の少し離れた所を木像で走っているが、商人の馬車を追い抜いたりする度に速度を落とすので、そこまで早く進めない。それでも圧倒的な速さではあるんだが、最高速を出せない事には若干イライラする。仕方がない事ではあるんだが……。


 フックの町に着いたので木像を降りてアイテムバッグに回収し、町の前の列に並んで待つ。明らかに注目されているがスルーし、俺達の番が来たので登録証を出す。俺はともかくダナとシュラの登録証を見た瞬間ギョッとしたので、高ランクは初めてか?。


 それ以外は何事も無く門を通れたので、近くの人にお薦めの食堂を聞いたらそこへ行く。食堂に入り、大銅貨13枚を支払って昼食を注文したら席に座る。雑談しながら待っていると料理が出てきたが、主食がマッシュポテトだった。


 まさかこっちにもジャガイモがあるなんて思わなかったな。もっと早くムル国に来ていれば、とっくに見つかってたのかよー。こういう運命だったと考えるしかないか。それ以外は肉とスープというシンプルな食事を終え、食堂を出る。


 手分けして町の人に話を聞いて回る。俺達は昼には早い時間に町に入っているので、まだ時間的猶予はある。7人から情報を収集し、合計で35枚使ったがそれなりに情報を得られた。アバウトだった情報が詳細になった感じかな。


 待ち合わせの場所に行き、そのまま門番に登録証を見せて外に出る。町から少し離れたら、木像に乗って西へと走り出す。西にはディーの村、ビィーの村、ウィーの村とあり、その向こうがレルの街だ。ここは王の直轄地となる。


 その西が王都ゴルで、俺達は列の後ろに並んでいる。まだ夕方ではないが、それなりに王都に入ろうとする人達は多いようだ。ここまで勾玉で吸引しながら来たが、それなりに汚れてたな。多分、この国も神官が腐っているんだろう。


 俺達の順番が回ってきたが、随分色々と質問してくるもんだ。面倒だし嘘を吐く理由も無いので正直に話すが、俺達が草原の向こうから来たという事に驚いている。傭兵ギルドがあるので知っているようだが、ガイアルム等の事は詳しく知らないらしい。


 質問されるままに正直に答えていたら、それなりに時間が掛かった。後ろの奴等が怒っていたが、俺達の所為じゃないっての。王都に入り、近くの人に銅貨を渡しながらお薦めの宿を聞いていく。3人目が妙に怪しかったので、突っ込んで聞いてみた。


 すると言葉を濁すので、安全か聞くとボロを出した。どうやらボッタクリなうえ、イケメンや美女だと捕らえて売り飛ばすという噂のある宿だったらしい。俺は銅貨を更に5枚渡し、詳細に話を聞く。……成る程な、大体分かった。


 俺は「ありがとう」と礼を言い、話に聞いた危険な宿へと泊まりに行く。皆はそれを聞いて直ぐに理解したのか、俺に何も言わなかった。例えどれだけ危険な宿であろうとも、明日の朝には安全な宿に変わるからな。


 俺達は危険だという大きな宿に行き、大部屋を10日間、銀貨5枚で確保した。高いが割と清潔な部屋で、室内は整っている。騙して捕まえて売り飛ばすには、表の顔は綺麗にしておかないといけないからな。


 犯罪者である以上、こういうところの手は抜かないだろう。<犯罪者は勤勉である>という皮肉を聞いた事があるが、その通りだとも思う。勤勉の方向性が間違っているだけで、勤勉な事に変わりはない。本当に皮肉だなぁ。


 まだ夕食には早いので王都の散策をする事にした。幾つかのグループに分かれて観光するのだが、俺は子供達と2匹と一緒のグループだ。宿を出た俺達は食料店に行き、色々な物を購入する。野菜やジャガイモに、アルダ酢も買っておく。


 まさかリンゴ酢があるとは思わなかったけど、こっちの国は割と充実してるのかね? でも香辛料は殆ど売ってなかったな。それと、この国ではシードルが普通に売っていた。そういう点でも違いというものが出ている。


 食料店を後にし、フラフラと王都を見回る。殴り合いの喧嘩をしている奴等を横目に職人街を見て回るが、コレといって欲しい物は見当たらない。食べ物的には違いがあったが、それ以外には差が無いなと思いながら大通りへと戻る。


 この国の王都は奥に王城があるタイプで、ドーナツ型の都市ではない。なので、大通りに出ると道が分かやすいと言える。そんな中を戻っていると、突然近くで豪華な馬車が止まった。嫌な予感がするが俺達はスルーして歩き続ける。


 すると、護衛の連中であろう騎士が俺達の進路を塞ぐ。面倒な事に絡みに行った訳でもないのに向こうから来たぞ? 仕方なく立ち止まっていると、豪華な馬車から女が出てきた。周りを騎士が固めているので王族か、それとも高位の貴族なんだろう。


 その女は俺達の近くまできた後、何も言う事無くイデアの背中に触れ連れて行こうとしたので手を叩く。



 「痛っ! 貴方、私が何者か知ったうえでの狼藉ですか!? 許しませんよ!!」


 「許さないのはこっちだ、犯罪者。ウチのイデアを勝手に連れて行こうなんて、拉致や誘拐と何も変わらんだろうが。貴族だか何だか知らんが、犯罪は犯罪だ。それ以外になる訳が無いだろう」


 「はあ? 私がそのような罪を犯す訳が無いでしょうが! この無礼者は私に罪を押し付けようとしました。さっさと始末なさい!!」


 「「「「「「ハッ!」」」」」」



 こいつら纏めて脳味噌が無いのか? それとも時代的にはこんなものなのか? どのみち面倒なので襲ってきた騎士全ての首を刎ねる。神石の直刀である以上、斬れない物など僅かしかない。簡単に首を飛ばすと、辺りが静まり返る。



 「な……なん……で」


 「うん? まさかこの程度の雑魚で俺をどうにか出来ると思ったのか? これなら3000連れて来ても俺の相手にはならんぞ。お前達は不老長寿を舐めすぎだ」


 「ふ……ろう………長寿!!」



 何を思ったのか、慌てて女は馬車に乗り逃走して行った。何がしたかったのか理解に苦しむ奴だな。俺は溜息を吐きながら【神聖世界】を使い周囲2キロを浄化した。その後、騎士どもの死体を【分解】で塵より細かくし、証拠を完全に消しておく。


 【神聖世界】の裏でコッソリ【浄化】の権能を使い、血なども完全に綺麗にした為、証拠物は既に何も無い。兵士が今頃こちらに来るが、俺が罪に問われる事も無いだろう。



 ▽▽▽▽▽


 1420終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2424枚

 大銀貨1620枚

 銀貨2330枚

 大銅貨2463枚

 銅貨270枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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