0141
大飛竜の素材と大剣2本、今の内にどうにかした方が良いな。宿の部屋で扱うよりも、誰も来ないここの方が気兼ねなく物作りが出来るし、皆も休めるだろう。何を作ろうか……?。
「ここで大飛竜の素材と大剣2本で、アルメアの防具と武器を作ろうと思う。ここなら余計な奴も来ないし」
「私の防具……。まさか、大飛竜の素材かい!?」
「姉上、私達の防具も王角竜の素材ですよ? 普通の事です、普通の」
「そ、そうなのかい? 普通じゃない気がするんだけど……」
「細かい事は気にしなくて良いんだよ。それより武器はどうするんだい? 次はメルの武器だろ?」
「私の武器ですか……。期待していますので頑張って下さいね」
「指定してくれた方が楽なんだが、何か考えるか……」
まずは大飛竜を解体して、各素材にバラして収納する。次に皮を取り出して革にでっちあげて準備完了。アルメアの体に合わせて【変形】し、少し余裕を持たせて作成する。
更にジャケットとズボンを作っても余ったので、剣帯や帽子も作っておいた。服の防御力高いなぁ。余裕を持たせつつもフィットするように、【変形】を使って作ったので着心地は良い。
現にアルメアは、着た後に体を動かしては喜んでいる。次を作る前に、2匹に大飛竜の生肉をあげる。餌皿に入れて出したら、大喜びで一心不乱に食べている。
「アルメア、着心地は良さそうだな」
「ああ。凄く着心地が良いんだよ。見た目とまるで違っていて、本当に凄いね! アルド……ありがとう」
「どういたしまして。……さて、次はメルの武器なんだが………メル。長柄か両手か片手か、まずは決めてくれ」
「ん~? ……片手、ですね。やはり盾を持ちたいので、両手が塞がるのはちょっと……」
「分かった、盾が使いやすい片手で使える武器だな。色々あるんだが、斬る、突く、叩くならどれが良い」
「え~っと……叩く? でしょうか。槍はありますし、忍刀もありますから」
「片手で使える打撃武器って……アタシには1つしか思いつかないけどねぇ」
「私も1つだけ……というか、メイスですよね?」
「そうだね。私もそれしか思いつかないよ……」
さて、片手の打撃武器ね。色々あるんだよなぁ……。ただ、普通の武器を作っても詰まらないから……アレだな。盾を構えて………大丈夫だ。元々重装兵なんだから、重量も問題ない。
俺が作るのは契木だ。聞き覚えがある人は非常に少ないと思う、日本でも超マイナーな武器になる。契木は乳切木とも書かれるが、どちらも<ちぎりき>と読む。
この武器は簡単に言うとゲーム等で登場する方のモーニングスター、つまりチェーンフレイルだと考えれば分かりやすい。棒の先端に鎖が付いていて、その先に鉄球が付いている物だ。
そういう形状の武器だが、実際のヨーロッパにはそんな武器は無かったと言われている。ただし、日本では契木という名前で存在していて、使用する流派がキチンとあったりするんだよ。
乳切木と書くのは地面から乳首までの長さの杖が、1番使いやすいと言われていたからだ。まずは杖部分を作るのだが、素材は大飛竜の骨を使う。他に良い素材も無いし、強靭だし。
【融合】して【圧縮】したら準備完了だ。メルが使いやすい長さで作るのだが、140センチで太さ4センチが使いやすい様だ。その先端にオリハルコンを被覆して、鎖を繋いでいく。
当然だが鎖もオリハルコンを【変形】して作っている。鎖の長さは60センチで、先端の分銅は20センチの円柱だ。その円柱に複数の棘が付けてあり、かなり凶悪な武器になった。
握りの部分を凹凸にして完成となる。メルは最初使い辛そうにしていたが、どこかにぶつけるように言うと使い方が理解できた様だ。この系統の武器は敵に当てる前提の武器だからな。
「これ、なかなか面白くて良い武器ですね! 何と言っても腕に反動が来ません!」
「えっ!? ちょーっと、私にも使わせて下さい!」
「シュラは何やってんだい……。本当に敵を殴る武器が好きだねぇ」
「我が妹ながら、あれは良いんだろうか? ちょっと心配になってくるね」
「あー……、成る程。こういう武器ですか………。私は駄目ですね。こう……敵を殴った感触が欲しいので、これは無理です。楽しくない」
「いや、武器を楽しい、楽しくないで決められてもさぁ……。流石に困るんだけど?」
「ですよね。私も流石にどうかと思います。後、それ私が作って貰った武器ですよ?」
次は俺の武器か。ヒヒイロカネだし、一体どういう武器にしようか? 折角だから携帯性の良い武器にしようかな。小烏丸と二刀流とか良いな。……普通に小太刀で良くね?。
小太刀ならギリギリ2本作れそうだな……。良し! そうするか。刃長は60センチにして、持ち手は15センチにする。【変形】でさっさと2本作り、鍔も2個作った。
持ち手と鞘は大飛竜の骨で作り、組み立てて納刀したら完成だ。剣帯に差してみても違和感は無い。その状態から抜いても引っ掛かりは無し。抜き打ちは出来るけど、いちいちしない。
抜き打ちとは、立った状態での居合いの事だ。居合いや抜き打ちはアニメや漫画ではやたらに使われているが、抜いた状態の方が速いに決まっている。
刃長60センチって短いように思えるが、結構長いな。よくよく考えたら、打刀ってこれぐらいの長さが普通か。使いやすい長さでもあるし、ヒヒイロカネだ。これから使っていこう。
……で、もう1本の小太刀を何でアルメアが持ってるんだ? しかも嬉しそうに振ってるし。それ二刀流の為に作ったんだけど。こういう部分は姉妹そっくりだな!。
残ってるオリハルコンを使って、アルメア用の十手を作って終了だ。今日だけでアルメアは随分装備が変わった。……返してくれそうに無いな、アレは。夢中で振ってる。
「姉上……流石にそれは、どうかと思いますよ?」
「シュラ……アンタがウォーハンマーを持って行った時も、あんな感じだったんだよ」
「えぇっ!? それは無いでしょう! 私はあんな風ではありません!」
「自覚が無いって、凄いわね」
「えっ。いや、ちょっと。冗談でしょう!?」
「自覚が無いって、凄いわね」
大事な事だったらしく2回言われたな。当たり前のようにサラっと持って行くからな、あの2人。自然に自分の物扱いするんだよ、ある意味凄いと思う。遠慮とかが一切無いんだ。
「一応言っておくんだけど、私は自覚があるからね? あくまでも振らせてもらってるだけさ」
「それなら良いんだけどね。眼が”寄越せ”って言ってるよ?」
「む……。そんな眼をしていたのか。まぁ、確かに使ってみたいけど、無茶は言わないさ」
「別に1本なら構わないけどな。2本とも持って行ったら、流石に怒るが」
「そんな事はしないさ。でも、良いのかい?」
「元々両手に小太刀を持つか、小烏丸との二刀流にするか悩んでいたしな。どっちでも良いと言えば、どっちでも良いんだよ」
「そうか、ありがたく使わせてもらうよ」
「姉上ばっかりズルくないですか? 私にも何か下さい!」
「何かって言われても困るし、そんなに武器をいっぱい持ってどうするんだ?」
「うっ………」
「気持ちは分かりますけど……。そうだ!? 夜に沢山貰えば良いんですよ!」
「「「夜に……!?」」」
「それは良いねぇ! アタシも沢山貰おうっと」
「私も沢山貰います!」
「アルドなら全員に沢山くれるさ……ね?」
ね? って言われても。別に良いんだけど、こんな所でまでこういう話題になるのか。何かもう、お約束みたいになってきてるなー。これから宿に帰るんだけど、今から覚悟しとこう。
まだダンジョンの中なんだけど、居る場所が場所なだけに緊張感が無いんだよ皆。穴を掘ってゴミを捨てて【破砕】と【粉砕】を使う。後は穴を埋めて終わりだ。さて、帰ろうか。
全員で脱出紋に乗って、俺達はダンジョンを後にした。
▽▽▽▽▽
0141終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨54枚
大銀貨64枚
銀貨38枚
大銅貨125枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ