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 【探知】に何かの反応があるので見に行くと、そこには小さな箱が落ちていた。いきなり反応が出たという事は、今まで無かったのだろう。いったい何だと思い、触る前に【空間把握】で調べる。中にはブラシが2本入っているようだ。


 箱に入っている意味が分からないが、手で持って開けてみると確かにブラシが2本入っている。俺が作った金属製の物ではなく、何かの毛で作られたブラシだが……。何故か説明が書かれた紙も一緒に入っているのが気になる。


 意を決して紙を読むと、其処には神獣の毛で作られたブラシである事が書かれていた。何をやっているんだと思ったが、このブラシで梳くとリラックス効果と同時に清潔にし、更には毛を1本1本美しく整える効果があるそうだ。


 そんな物を何故わざわざと思うが、どうやら美しさを司る神、つまり美神からの贈り物のようだ。美を保つ為の行動などを殆どしていない事に大層ご立腹らしい。とはいえ化粧等を勧めている訳では無いみたいだな。


 いわゆる化粧水みたいな物ぐらいは使えとの事だ。アロエに似た植物があるのだが、それを細かくして神水に浸ければ作れるらしい。あまり邪生の心臓に頼るなとも書かれている。別に美の為に邪生の心臓を食べている訳じゃ無いんだが……。


 皆の元に戻り、美神からの説明書を見せる。皆はどの植物の事かすぐに分かったようだ。なんでも割と何処にでも生えている、生命力の非常に強い植物なのでよく知られているらしい。火傷とか切り傷、擦り傷なんかに汁を塗って使うんだとさ。


 アロエに似た植物は横に置いといて、ブラシを回収した事も伝えてダンジョンから脱出する事にした。外に出ると、夕方には少し早い時間だったがカマクラへと戻る。全員を綺麗に【浄化】したら、椅子に座りながらダリアをブラシで梳いてみた。


 テーブルの上にお座りしているダリアはブラシで梳かれる度に、何故かトリップしているような……。コレって本当に大丈夫なのか? そう思いながらも梳いていると、ウトウトし始めたので慌てて正気に戻す。


 正気に戻されたダリアはちょっと不機嫌だったが、これに関しては諦めてほしい。リラックス効果だけで眠たくなるのか? そう思った俺はイデアの髪を縛っている紐を外して、大きい方のブラシで梳いてみる。特に何の問題も無いような……。


 段々とイデアの瞼が下がってきたような気がするが、眠るまでには至っていない。イデアに聞いてみると「フワフワした気分になってきたので、眠いとそのまま寝てしまうかもしれない」との事。どうやらその効果でダリアは寝てしまいそうになったらしい。


 効果が大凡分かったので、イデアの髪をポニーテールの形に縛り、夕食の料理を始める事にする。ブラッシングをしていたら夕日が出てきたので、夕食作りを始めないと夜に食べる事になってしまう。とりあえず適当に作ろう。


 今日はスープを子供達に任せ、エリアやフォルには生地を練ってもらう。俺はタレを作った後で、ヘビーブルの肉を切り出しては塊のまま焼いていく。【念動】で浮かせながら中からじっくりと焼き、熱をゆっくりと通す感じで焼いている。


 生地が出来たようなので、今日は少し厚めにして宙に浮かせて焼いていく。面倒なのと、こっちの方が早いからな。子供達が作ってくれたスープが完成したらしいが、こちらはもう少しだけ掛かる。ゆっくり休んでてくれ、ダンジョンで疲れたろう。


 チャパティも肉も焼きあがったので、チャパティは【分離】して1人1人の皿に乗せる。肉の方は削ぎ切りにしていき、それぞれの皿に盛ると早速食べ始めた。全員分の肉を削ぎ切ったら、やっと俺も食べられる。いただきまーす。



 「ヘビーブルは竜の肉ほど劇的に美味しくはならないね。それでも十分に美味しいんだけどさ。久しぶりに肉々しい肉を食べている感じはあるんだけど、ステーキにするのと変わらないね。まあ、こういう事もあるか」


 「仕方ありませんよ、竜だけは別格ですからね。だからこそ、竜が美味しくなっても他の肉まで美味しくなるとは限らないのでしょう。竜の肉の美味しい焼き方が分かっただけでも良かったのでは?」


 「まあ、そうだね。それに、これはこれで美味しい気がするけどね。昔ながらの肉の焼き方と言うか、肉の食べ方だからさ。焚き火の上に肉をセットして、くるくる回しながら焼いていたよ。懐かしい気もするけど、アレって時間が掛かるんだよね」


 「あー、あたしも昔やった事あるよ。上手く魔物が倒せた時に火を起こしてやったんだけど、上手く焼けなくて結局不味い肉にしかならなかったんだ。そのうえ1人だけ食べてって、皆から凄く怒られたんだよ」



 美女が集まって肉の焼き方談義をしている光景ってどうなんだろう? 別に悪くは無いんだが、ウォルガ氏族の女性達からは強い女性として尊敬されてるっぽいからさ。その女性陣は肉の焼き方で盛り上がっている……。放っとこう。


 子供達と2匹と食事を楽しみ、終わったら後片付けをしてカマクラへと入った。革を敷き終わったので座っていると、突然ダリアが目の前に来て鳴く。どうしたんだと思っていたら、どうやらブラッシングを求めているようだ。


 今なら寝ても問題無いからだろうが、食べてすぐ寝るのもあまり良くないと思うんだがな。そう思いつつもブラシを取り出して梳いていく。段々とトリップするような表情になっていき、瞼が下がってくる。それでも頑張って抵抗しているようだが……。


 耐えられなかったんだろう、今は瞼も閉じて完全に寝ている。何故か蓮も求めてきたので、紐を外して大きい方のブラシで梳く。元々【浄化】の権能で綺麗にしているが、ブラシで梳いても効果があるんだろうか? その辺りは俺じゃ分からないな。


 そんな事を考えながら梳いていると、あっと言う間に舟を漕ぎ始めた。それでもブラシで梳いていると、倒れそうになったので【念動】で支えてやる。どうやら頭の重さすら支えられなくなったらしい。革の上に移動させて寝かせる。


 次にイデアの紐を外し、同じ様にしてやると此方もすぐに眠りそうになった。1度受けているものの、やはりブラシの効果には抗えないようで、大した時間も掛からずに寝てしまった。イデアも革の上に移動させて寝かせ、フヨウも移動したので【昏睡】を使う。


 それを見ていた女性陣に襲われるも、今日は丁寧に【精気】のみで沈めていく。それなりに時間がかかったものの無事に勝利したので、皆を寝かせて綺麗にする。明日はムル国に向かっての移動なので、今日はウォルガ氏族の居留地最後の夜だ。


 <浄化の三道具>を使い邪気を綺麗にしたら、起きている者が居ないことを確認した後で【神聖世界】を2回使っておいた。これで子供達も大丈夫だろう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界716日目>



 おはようございます。今日はムル国に向かって移動する日ですが、間にあるのが草原なので、どんな国なのか想像がし辛いです。ガイアルムと同じと考えるのは間違いだろうなぁ。草原で隔てられてるので、まったく違う可能性がある。


 西は砂漠らしいし、独自の文化の国である可能性も否定出来ない。朝の日課を終わらせてカマクラの入り口を壊し、外に出て椅子に座る。麦茶を淹れて飲みながら色々考えていると、蓮が起きてきたようだ。


 外に出てきたので、綺麗に【浄化】してから麦茶を出すと飲み始めた。蓮と2人で雑談しながら時間を潰していると、リューとフヨウが出てきたので朝の挨拶をする。早速とばかりに満足するまでキスをしたリューは、麦茶を自分で入れて椅子に座った。


 フヨウの水皿に神水を入れてやると、一気に吸い上げて直ぐに首まで登ってくる。いつも通りに巻きついた後は力を抜いて甘えてきた。今度は2人と雑談していると、皆が起きてきたので話を終える。


 全員と朝の挨拶を終えたら朝食作りを始めるのだが、今日は【浄化】した貝類と魚醤に灰持酒などを混ぜた調味液を入れて麦飯を炊く。子供達には野菜とかす肉のスープを作ってもらい、俺は少しゆっくりする。


 麦飯が蒸らしに入ると鮭を焼いていき、麦飯が炊きあがると同時くらいに終わらせた。土鍋を開けて貝の殻を外して混ぜたら、1人1人の茶碗に盛っていく。配膳も終わったし食べようか。


 それじゃあ、いただきます。



 ▽▽▽▽▽


 1417終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2407枚

 大銀貨1582枚

 銀貨2279枚

 大銅貨2282枚

 銅貨355枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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