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 「それにしても、最近はゾンビが多いな。良い練習になるとはいえ、枯渇寸前まで毎回魔力を使うのは大変だ。それに、そこまでしても私達だけでは勝利できないし……。本格的に使い熟す事を考えねば」


 「まあ、ディルの言いたい事も分かるけど。焦ったところで良い事なんて無いし、ゆっくりとしか上手くはならないよ。アルドも言ってたけど、一定以上からは少しずつしか上手くなれない。僕達は既にその領域なんだ」


 「そうですね。これで焦って大きな失敗をしても困りますし、それが致命的な失敗に繋がる怖れもあります。無理せず、着実に上手くなっていくしかありません。それでも他の者達に比べれば早い筈ですし」


 「あたし達は邪生の心臓を食べてるからね。あれの御蔭で物凄く魔力や闘気が増えてるんだ。それで毎回こうなるって事は、根本的な魔法の使い方に問題があるんだろうね。アルドの様に使わなきゃいけないんだろうけど……」


 「そんなこと簡単には無理だよ。れんは見えてるけど、アレってすごいから。だってね、パッて出てギュンって使うんだよ。でね、そのあと残らないの! 皆もれんも残るのに、あるどは残らないの!」


 「えっと……どういう事? ………あー、うん。何となく分かった。つまり必要な魔力を瞬時に出して、それを物凄い速さで魔法陣にして全て使い切るから無駄が無い。魔法陣全てに均一に魔力が行き渡っているから効果が高いんだ」


 「成る程ね。イデアが言葉にしてくれたけど、蓮はそれが見えていた……と。アタシの【神眼】とは違う物が蓮には見えてるね。元々何かが見えていた感じだったけど、魔力や魔法に特化してる可能性が高そうだ」


 「それよりも、イデアが言った事の方が重要ですよ。必要な魔力を瞬時に出し、それを一気に魔法陣にしながらも、均一に魔力を魔法陣に行き渡らせ、そして発動させる。初級でも練習になるとは言ってましたけど、初級で練習するしかありませんね」


 「流石に尋常ではないわね。アルドが見せてくれていたけど、確かにそんな感じだったわ。でも、そこまで詳しく説明してくれなかったけど、それはどうしてかしら?」


 「いや、俺もそこまで詳しく習った訳じゃないんだけど? と言うより、魔神の教え方ってそんな感じなんだよ。見て覚えろって感じで、詳しい説明とかあんまり無いんだ。だから俺も詳しい事までは知らない」


 「そうなんだね。魔神様って魔道具とか作っているから知的な感じがしていたんだけど、そうでもないのかな? それとも教え方だけが下手なんだろうか? 別に神様の教え方が上手じゃなきゃいけない訳じゃないし」


 「魔神は見て覚えろというか、感覚系? そんな感じだ。基本だってなかなか教えないし、自ら気付けって事だとは思う。ちなみに闘神は物凄く丁寧に教えてくれて、念神は出来るまでジーッと見ている。アレが1番困ったな。何か話してほしかった」



 皆も想像出来たんだろう、かなり嫌な顔をした。俺だって嫌だったよ。ただでさえ【念術】は静かなのに、更に念神が静かなもんだから修行は大変だったんだ。あれは酷いプレッシャーだった。神界じゃなきゃ逃げ出してるよ、本当に。


 雨の中とはいえ、それなりに楽しく会話しながら食事が出来た。皆は神様連中の事なんて分からないから、聞いていて楽しいんだろう。呪神に会った事で、神様を具体的にイメージできるようになったのも大きいようだ。


 前に同じ話をした事があっても、今だと捉え方が変わっている。そんな感じだろうか。喋っていても雨が止むわけではないので、そろそろカマクラに入ろうか。ある程度の高さから開けて、皆が一気に走って入る。なるべく濡れないように。


 俺が最後に入った後、カマクラを閉じる前に皆を乾かしておく。衣服は【乾燥】させ、体に付いている水分は【凝水】で集めて外に捨てる。入り口を閉じたら、中でゆっくりと過ごす。子供達と女性陣はトランプで遊んでいるようだ。


 俺はフヨウの相手をしつつ、ダリアをブラッシングしている。ブラシで梳く度にうっとりするのは本当に変わらないな。何が琴線に触れているのか今でも分からないが、ダリアが嫌がってないなら問題無いとは思う。毛繕いされてる気分なんだろうかね?。


 そんなまったりした時間を過ごすも、最初にダリアが撃沈した。革を敷き【念動】で寝かせてやると、フヨウは胡坐の中から外に出て所定の位置へと行った。子供達がまだなので、そこでダラーっとしている。あれは半分ほど寝てるな。


 神水の樽を出して飲んでいると、子供達は徐々に瞼が下がり舟を漕ぎ始める。どうやら限界らしいが、女性陣もそこまで余裕は無い。ゾンビ馬が大変だったのか全員が眠たそうにしている。なので全員を寝かせる事にした。


 【昏睡】を使い全員を一気に寝かせたら、革を敷いて【念動】で移動させる。全員を寝かせたら、<浄化の三道具>で吸引と【浄化】をしておく。どのみち大して吸引出来ないが、やらないよりはマシだろう。


 俺も寝転がり、皆を綺麗にしたら寝よう。今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界710日目>



 おはようございます。どうやら夜の内に雨は上がったようです。今日は朝食を食べた後、北へと行きセム氏族を感知出来たら西へ行こう。このまま真っ直ぐ西へ行ったら絶対に位置が分からなくなる。


 次の場所がウォルガ氏族の居留地である以上は、各氏族が分かる様な位置に居ないと駄目だ。そもそも草原素人の俺達が適当に動くのは危険だしな。まあ、各氏族でも危険な可能性は高いが……。


 朝の日課を終わらせた俺は、【空間把握】で外を確認した後に入り口を壊して外に出る。地面がそれなりに濡れているし、水たまりもある。どうやら朝方近くまで雨は降っていたようだ。草原の雨ってどうなんだろうな。


 草が繁茂するには必要だから、当然それなりに雨は降るだろうが、そんなに大量に降るイメージも無い。こちらの方は殆ど来ないから分からないが、そこまで変わらない気もする。まあ、気候の事はどうでもいいか。


 俺は朝食の用意を始める。全粒粉を塩と神水で練りチャパティを作ったら、岩硬竜の肉をミンチにして炒めて皿に盛る。次に海老の身を一口サイズに切り、竜の脂で炒めて別の皿に盛る。最後に解凍した野菜を用意すれば完成だ。


 あっ!? マヨネーズを作ってなかったな。とはいえ、お酢は大丈夫かね? ……これはもう駄目だな、捨てるか。となると何かソースを作らなきゃいけないんだが、適当に混ぜて火を通して作ろう。


 魚醤や灰持酒に甜菜糖やハチミツ、それに鰹節の旨味を【抽出】したソースを作り完成とした。横で野菜と蟹のスープを子供達が作ってくれているので、それも合わせて朝食の開始だ。それじゃあ、いただきます。



 「かにってスープにすると美味しいね。前にも食べたけど、その時はどうだったかなぁ……。覚えてないけど、やさしい味で美味しい」


 「うん。タコスモドキに竜の肉が入っていてガツンと来るけど、スープが優しい味で丁度いいね。それにプリプリの海老も食感が違うし美味しいよ」



 子供達は喜んでくれているようだが、大人達は黙々と食べている。竜の肉も美味しいのだろうが、今回はスープが好みなんだろう。まあ、不味そうな顔をされるよりは良いので何も言わないけどね。


 食事を終えたら出発するんだが、今日1日で何処まで行けるかな? おそらく次のダンジョン前まで行けると思うが、場所が分からず迷う可能性も無い訳じゃない。近付けば邪気が流入しているので分かるだろうが、そこまでに迷うとなぁ。


 とりあえず行ってみてから考えるか。行かない内から悩んでいても仕方ないし、食事がマズくなる。


 朝食後、焼き場やテーブルにカマクラを壊して更地に戻す。綺麗に戻したら木像に乗って出発だ。皆にも説明したが、まずはセム氏族が感知出来る所まで北上する。その後に西へと進む。


 現在位置が分からなくなるのは怖いからな。それは皆もよく分かってる。



 ▽▽▽▽▽


 1409終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2407枚

 大銀貨1582枚

 銀貨2279枚

 大銅貨2282枚

 銅貨355枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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