1401
食堂で朝食を食べた後、ゆっくりと門まで歩き王都を出る。少し離れてから木像に乗り、一気にルーデル町まで進む。そこまで速い速度は出せないものの、それでも事故の起きない速度で走り、昼前にはルーデル町に到着した。
門番の犬人族に登録証を見せて中に入ると、真っ直ぐ女将さんの宿に行く。中に入るとカウンターに女将さんが居たので、銀貨4枚を支払って10日間部屋をとった。そろそろ昼なので大銅貨14枚を支払って、昼食も注文しておく。
「皆、おかえり。依頼で行った割には早く終わったんだね。早めに終わったのは良い事だけど、そんなに簡単な仕事だったのかい? 私には分からないけど、そこまで簡単な事なら何で依頼してきたのかね?」
「そこまで簡単な事じゃないよ、普通の傭兵なら。アタシ達は普通じゃないからね、さっさとダンジョン攻略して帰って来ただけさ。そもそもアタシ達以外なら、ダンジョン攻略そのものが不可能だからね」
「だからこそ、ダンジョン攻略を依頼するなら私達以外に無い訳です。とはいえ今回の依頼は、攻略していないダンジョンだから請けただけで、攻略した事のあるダンジョンなら請けませんよ。自分達で頑張りなさいと言うだけです」
「そうね。私達が攻略した事で難易度が下がるのだから、後は傭兵に頑張ってもらわないと困るのよね。私達しか攻略出来ないというのも問題だから、せめて20層より先に進んでほしいわ」
「まだまだ難しいとは思うけど、だからと言って、いつまでも私達が出なければいけないというのもね。そこまで暇では無いし、難易度が下がっているのだからチャンスでもあるんだけど……難しいかな?」
「どうだろうな。王国のダンジョンは何度も攻略しているから、他のダンジョンに比べても難易度は低い筈なんだが、それでも20層以上に進んだとは聞かないな。傭兵達が無理だと勝手に決めてしまっているのかもしれない」
「ああ。無理だと思い込んでいるから、20層から先に進もうとしないって事か。なかなか難しい問題だね。僕達なら行けて当たり前なんだけど、誰も突破した事が無いから諦めるのかな?」
「諦めると言うより、行けると思っていないのでは? 自然に止めているのかもしれません。ここで限界だと。先に進む事だけを考えて行けば20層は突破できる筈なんですけど、心理的に引いてしまうのかも」
「心が無理って感じになるのかー。分からなくも無いけどさ、どちらかと言うと体力的な問題じゃないの? 普通の奴が身体強化も無しなら、20層まででヘロヘロになってると思うよ。それなら戦う事も難しいんじゃない?」
「あー……成る程な。身体強化の体力が当たり前だったけど、よくよく考えれば当たり前じゃないな。武具を身につけて、食糧や道具を持って、必死に歩いて進む訳だ。それでも転移紋の位置を知っていたら行けそうだけどな?」
食事をしながら下らない話をするも、答えは出ない。まあ、ただの雑談なので答えが欲しい訳ではないんだけどさ。それはともかくとして、食事も終わったので部屋に戻ろうか。そう思ったタイミングでヴェルと町長がやって来た。
ヴェルと町長もこっちに気付いて近くの席に座ったのだが、2人が一緒に来たのは傭兵の事を話し合っていたからのようだ。それはともかく、帰ってきた事を話すついでに傭兵ギルドと全面戦争になるかもしれないと話したら、呆れて溜息を吐いた。
「それはね、溜息も吐きたくなりますよ。ダナさん達を敵に回すとか……バカ過ぎるでしょう、そこのギルド。ギルドマスターもサブマスターも、況してや受付嬢に至るまで理解してないじゃないですか」
「そもそも不老長寿という方々を全く理解していないのでしょうけど、身近に居なければそんなものなのかもしれませんね。ここにはダナさんが居ますから多少は知っていますけど、他の所では本当かどうか分からない噂ぐらいでは?」
「あー、成る程。それで勘違いして、帝国憎しも加わって喧嘩を売ったと? ……そもそも帝国憎しで不老長寿に喧嘩を売る意味が分かりませんけどね。何度考えても意味が全く理解出来ません」
「いえ、そもそも私も理解出来ませんよ? ただ、理由を考えた場合、おそらくは八つ当たりか何かじゃないかと思います。その八つ当たりをした相手が、あまりにも悪過ぎただけで……。おそらく、ここまでの事になるとも思っていなかったのでは?」
「その本人達は既に首を落とされていますけどね。それはともかく、神様の面目を背負っているなんて初めて聞いたような気がするんですけど、それってとんでもなく大変なんじゃないですか?」
「そりゃそうさ。神様の面目を傷付ける訳にはいかないからね。でも、現実的に戦える相手にも限度がある。だからこそ、今までの不老長寿も苦労してきたんだよ。現実的に戦える相手かどうか、神様の面目をどうやったら守れるか。本当に大変なのさ」
若干、同情的な視線を向けられているが、不老長寿である以上は仕方がないとも言える。そういえば土の国のチンピラみたいな不老長寿、アイツも何だかんだと言って神様の面目は守ってたんだなぁ。慕われてるっぽかったし。
昼食後、部屋に行ってゆっくりとする。特にやる事も無いし、久しぶりに休めそうだ。蓮とイデアは書き取りをするようなので見ている事にした。間違っていると訂正したりするが、そこまで2人とも間違えたりはしない。なので楽ではある。
手が掛からなくてつまらないという気持ちも無い訳ではないが、それを言う訳にはいかない。そうやって指導したり見ていたりすると夕方になっていたので、片付けさせて1階に下りる。皆は食堂に居たままだったが、やはり酒を飲んでいたようだ。
ディル以外は食堂に居たので、1人1人に神水を飲ませて正気に戻す。女将さんは飲んでいなかったので何よりだが、流石の女将さんも妊娠中は酒を飲む気になれないらしい。良かった、良かった。
大銅貨14枚を支払い夕食の注文をしたら、席に座って適当に待つ。傭兵が入ってきては注文をしているので大変そうだ。そんな事を考えていると料理が運ばれてきたので食事を始めよう。いただきます。
夕食後、部屋に戻って蓮とイデアの相手をする。神経衰弱のリベンジらしいが、俺は変わらず嫌がらせに徹した。なかなかペアにならないのでイライラしているが、全てを覚えようとして失敗している感じかな。
別に悪くはないし、そうする事で脳を使うから良い事なんだが……ストレスは凄そうだ。それでも俺は手を抜かないけどね。手を抜くと子供達の為にならないし。
「あーーもう! ……もうー! つぎはイデアのばん!!」
「よし、今度こそ少ない回数で終わらせてみせる。ボクだって何となく分かってきたんだ。もっと適当に覚えれば良いんだよ……たぶん」
まあ、頑張りなさい。それよりも不貞腐れた蓮が何故か俺に抱きついている。俺は嫌がらせをしている側なんだが……。どうやらストレスを減らす為と、イデアへの援護っぽい考えで俺に抱きついているらしい。好きにすればいいけど、意味はあるのかね?。
イデアもイライラしながらやっているが、適当にボンヤリ覚えているのが功を奏したのか、今までより多少は早く終わった。何故か蓮も一緒になって大喜びしているが、そこまでだったのか?。
30回ぐらいだったのが、25回ぐらいになってただけなんだが……。何か偉業を讃えるような2人に、何も言うまいと思った俺だった。
気付いたら酒飲みの大半は寝ていたので、ベッドへと寝かせていく。ウロウロしたり腹立たしい事もあったからな。ようやくルーデル町に帰ってきたんだし、皆もゆっくりと休んだ方が良い。
……ふと思ったんだが、酒で寝落ちしない限り毎日っておかしいよな? ディルはもっと多いけどさ。それでも全く無いって日は滅多にないんだよ。たまにはそういう日があっても良い気はするんだけどね。ダメですか、そうですか。
子供達は更に記録を伸ばすべく奮闘していたが、脳と心が疲れたのか舟を漕いでいる。敷いていた布団に寝かせると、既に寝ていた3匹を移動させて【昏睡】を使う。その後は【精気】のみで大満足させたディルも寝かせ、部屋と皆を【浄化】する。
<浄化の三道具>を使って邪気を吸引して綺麗にしたら、布団に寝転がって目を瞑る。それじゃあ、おやすみなさい。
▽▽▽▽▽
1401終了時点
大白金貨64枚
白金貨374枚
大金貨1643枚
金貨2410枚
大銀貨1582枚
銀貨2279枚
大銅貨2453枚
銅貨355枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




