0139
「実は……陛下より命が届きまして。迷宮内に呪物がある場合、確保して王城に送るように。そういう命を賜ったのですが……」
「それで? ……アタシ達に一体何の関係があるんだい? 侯爵家が受けた命令に、アタシ達が関わる必要も無いだろ」
「そうですね。私達には一切関わりの無い事です。巻き込むのは止めてほしいものです」
「そこは分かっています。ですが、呪物を見た事も無く、どんな物かも分からないのです。子爵家の叔父からは、皆様が王都で呪物を浄化したと教えて頂いたので……」
「あの時は呪物のある場所も分かっていて、それを取りに行っただけよ」
「そんな事をしてたのかい? 呪物を取りに行かせるなんて……どれだけ危険な物か分かってないのかな?」
「あー……スマン。浄化できるのは俺で、提案したのも俺なんだ。最悪は回避できるから、俺なら問題ないからさ」
「あの時は、バカな軍務卿と兵務卿を助けてやる為でもあったんだけどね」
「アルドに刺された兵務卿ですが、そこまでクズでもなかったんですよ」
「軽い貴族主義で調子に乗ってただけなのよ。アルドに刺された後で反省して、普通に戻ったの」
「刺されたって……何で生きているんだい? 普通は刺されたら死ぬよ?」
「死なない為の技を使ってやったんだ。ただ、それでも死ぬ確率は結構あったんだけどな」
「あのー……それで、一緒にダンジョンに行って頂けないでしょうか?」
「………皆、どうする? 俺はどっちでも良いし、皆の決定に従うよ」
「あの! そこまで駄目でしょうか? 何か問題があるのでしたら……」
「……アタシ達はね、今日は休みのつもりだったんだよ。休みだからね、アルドに沢山愛してもらう予定だったのさ」
「そうです! たっぷり愛してもらう予定だったのに、本当に貴族は碌な事をしませんね!」
「王も同じじゃないかしら? そもそも呪物を持って来いって、家臣に命じる事じゃないわ」
「確かにそうだね。もしかしてアルドがここに居るから、こんな命令を下したのかも」
「だとしたら許せないね。希少種族に、この国の王はクズだと言い触らしてやろうかね?」
「それは、お止め下さい! そんな事をされたら、我が侯爵家まで被害を受けてしまいます!」
思わず「知らねーよ」と言いそうになった。しかし、この国の貴族も王族も面倒事しか持って来ないな。呪物を持って来いか……それが目的じゃなく、希少金属が目的なのは明白だ。
鬱陶しい事を言ってくるもんだ。マジで殺した方が良いか? ……ちょっと殺伐方向に行ってしまったな、一旦落ち着いて心を戻そう。皆はどうするんだ? まだ聞いて無かったな。
「で、皆はどうする? 休みは明日にするか? そもそも呪物が見つかるか分からないが……」
「そうなんだよね。そもそも無ければ意味が無いし。19層までは無かったんだろ?」
「ああ。変化してからは、19層まで呪物は無かったな」
「??? ……なら変化する前は呪物があったんですか?」
「ありましたけど……もう別の物に変わりましたよ?」
「あったんですね!? なら、それを……」
「あら? 私達の持ち物を奪うという事かしら?」
「い、いえ。決して、そのような事は……」
「そもそも、ありませんでした。そう報告すれば終わる話じゃないかい?」
「それは……。ですが、後で見つかれば我が家の立場が悪くなってしまいます」
「連れて行った方が早くないかい? 面倒な程にゴネるんだから、鬱陶しいったらないよ」
「全くね。普段偉そうに見下しておきながら、子供以上にゴネ続けるんだもの。可愛くもないのに……気持ち悪いだけよ」
「その仰りようは幾らなんでも許せませんぞ!」
「だったら、君達だけで行け。私達に迷惑を掛けるんじゃない」
「「「「………」」」」
「さっさと行って、さっさと帰って来よう。そしてこの国を出て、聖王国にでも行こうか」
「そうだね、それが1番良いと思うよ。幾らなんでも鬱陶し過ぎる。前の王国と同じ結果になるんじゃないかね?」
「流石の私も、今の王族を助けてやる気は欠片も無いよ」
「連れて行ってやるから、準備してくるといい」
そう言って食堂から追い出した。どうするかは知らないが、こっちの不満は伝えておいた。それが当主まで伝わるのかどうか……。どうでもいいか、もう興味も無い。
侯爵家も同じだな、押し掛けてきてコレだ。自分の思い通りになるまで、ひたすらゴネ続ける。面倒な奴等なうえ、無理矢理にでも関わろうとしてきやがる。ゴキブリかアイツ等。
大銅貨7枚を支払って昼食を購入し、それを持ってダンジョン前まで行く。待っていると4人組だけではなく、3人増えて7人でこっちに来た。更に面倒事を持って来やがったのか?。
「申し訳ない。お待たせした」
「そいつ等は、いったいなんだい?」
「我等はリブル様をお守りする為に来ている。”不埒な奴等”が居るかもしれんのでな」
「……はぁ。まぁ、いい。邪魔だけはするなよ?」
俺は魔力と闘気の威圧を、この3人のバカに浴びせる。途端に顔面蒼白になり失禁するが、どうでもいい。ゴミが恥を晒したところで知った事じゃないし、手を出してくるなら殺す。
俺達は7人組を置いてダンジョンに突入し、どんどん進んで行く。皆も一切話そうとしないし、気に掛ける事もしない。魔物も自分達の分しか戦わず、7人が戦っていても進む。
10層に来た頃には7人は疲労困憊だった。息も絶え絶えで、これ以上進めそうにない。こいつ等、弱過ぎるだろう。こんなに弱いのは流石に想定外だぞ、13層までは行ってたろ?。
「あれだけ偉そうに言っておいてコレか? お前ら弱過ぎるぞ」
「お、お前達がお嬢様を置いて行くから。我等が苦労を……」
「知った事か。連れて行ってやると言ったが、守ってやるとは言っていない。死んだらそこで終わりだ、頑張れよ?」
「キ、キサマ等……」
「なら君達が肉の盾になって、守ってやりたまえ。今こそ忠義を尽くす時だよ?」
「お、おのれぇーッ!」
襲ってきたので十手で叩きのめす。挑発にあっさり掛かったと言うべきか、この程度の奴等と言うべきか。さて、こいつ等に止めを刺すか。
「で、お前等は俺達を殺す為にゴネていたと。そういう事でいいな?」
「ち、違います! その者が勝手な事を致しただけで、私はそのような事は考えていません!」
「じゃあ、こいつ等はなんなんだい!? 何でこんな奴等が増えてるのか説明しなっ!!!」
流石にマズいと思ったのか、全てを説明する気になったらしい。……といっても、伯爵家と似たような構図だった。侯爵家の場合は母親の弟、つまり叔父が貴族主義に染まった様だ。
母親は侯爵家の寄子である子爵家の出身らしく、その子爵家の当主が叔父らしい。侯爵家に伝手が出来たからか、何かと関わってくる。今回の呪物の事でも介入してきたそうだ。
その後、このゴミどもに拷問を行って全て暴露させた。その結果、今回の呪物の話そのものが嘘だったと判明した。簡単に言うと、王に献上して自分の地位を上げようと考えたらしい。
嘘の命令をでっちあげてリブルを動かす。リブルが俺達を頼るように仕向けて、このゴミ3人を連れて行かせる。呪物を手に入れ浄化させたら、俺達を殺す。
それが叔父の考えた計画だったが、こいつ等じゃ弱過ぎて俺達は殺せない。俺達はこの3人をアルメアの鞭で捕縛して、連れて帰る事にした。生き証人は必要だからな。
侯爵家まで連れて行き、ガイアスさんの前で再び拷問して全て暴露させた。ガイアスさんは俺達に謝罪した後、大変”イイ笑顔”で執務室を出ていった。どうやら子爵家は終わったな。
俺達は宿の部屋に戻って、買ってあった昼食をゆっくり食べる。下らない事が終わったので、4人は昼食を食べながらソワソワしてる。昼からは気合いを入れて頑張ろう。
▽▽▽▽▽
0139終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨54枚
大銀貨64枚
銀貨38枚
大銅貨146枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ