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 昼食を食べ終わり、少しゆっくりしてから片付けを始める。蓮には海の地形があれば獲ってやるから、勝手な事はしないようにと強く言っておいた。それに蓮が海に行っても蛸は獲れないしな。そう言うと、やっと分かってくれたようだ。


 むしろ獲れない事を言わないと納得しなかったのか。言っておいて良かったー。メルも安堵している。気を取り直して先へと進もうか。皆も若干疲れているが、とりあえず先へと進もう。


 19層は北東、20層は東北東、21層は東。22層は森で東南東、23層は南東、24層は南東南。そして25層はラッシュ。え? ラッシュ……!?。



 「皆! この層が最奥で狼のゾンビラッシュだ!! 円陣を組んで子供達を中へ入れろ!!」


 「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 「分かった!」 「分かりました!」


 「ニャー!!」 「………」 「ブルッ!!」



 完全に油断してたな。まさか25層で終わりだとは思わなかった。子供達を木像に乗せていて簡単に進めたからか? いや、今は原因を考えている場合じゃない。狼のラッシュなんて相当ヤバいが、ゾンビなだけマシか。浄化魔法で何とかなるし。


 皆も浄化魔法を使い、次々と狼のゾンビを弱らせている。倒せなくとも弱らせるだけで、怪我を負う可能性は減るからな。特に怪我からの病気感染が怖い。ゾンビラッシュにはその危険性が付き纏うものの、浄化魔法で楽に倒せるという部分もある。


 おそらく邪気を減らすにしても、ゾンビラッシュは都合が良いのだろう。割と最奥のラッシュでは多いので、俺の予想は間違って無い筈だ。それよりも皆が怪我をしない様に注意しながらも、皆が全力を尽くすように調整しないと。


 せっかくだから皆の実力を向上させる機会に利用しないとな。慣れてきたとしても捌くのは簡単じゃない。上手くやらないと魔力は枯渇するし、そうなると物理的な手段でしか戦えなくなる。そうなるとゾンビの方が有利になってしまう。


 此方の有利である浄化魔法は、最後まで手放さないようにしないといけないんだが……。既に子供達は怪しくなってきているし、女性陣の魔力も結構減っている。今回のラッシュは数が多いうえに速い。なので上手くいっていない事がある。


 相手が幾らゾンビとはいえ最奥である以上は、当然出てくるのは五体満足のゾンビだ。つまり生前と似た速度で動く。これが思っているより遥かに厄介なんだが、そこのところに苦戦している。盾で防げているから良いが、速さに対応出来ていない。


 それに、倒しても倒しても狼は次々に出現してきている。皆も耐えられなくなる寸前なので、仕方なく【神聖世界】を使い周囲一帯のゾンビを纏めて全て浄化した。何とか建て直して一息吐けたものの、また大量に向かってきている。


 今までのラッシュより遥かに多いが、いったいどうなってるんだ? 多分だけど、蟻のゾンビの時より数が多いと思う。子供達は枯渇寸前だし、女性陣も本気でヤバい。仕方ないので後は俺でやるか。そう思い【浄化】の権能を使う。


 周囲20メートルくらいに円形の結界みたいに使うのだが、こちらに来ては勝手に浄化されていくのを繰り返している。それを見て、何とも言えなくなってきた皆。言いたい事は分かるんだが、コレは神様の権能だからな?。


 そう言われて思い出したのか納得してくれたが、こんな滅茶苦茶な力を下界の奴が持ってる訳がないだろうに。当たり前にあると忘れるのかね? 持たされてる俺自身が忘れてないのにな。不思議なもんだ。


 ついでに【神聖世界】を使いながら浄化していると、流石にジト目で見られ始めた。なので、皆も頑張れば使えるようになる。そう励ましたのだが、余計にジト目が酷くなったのは何故?。


 下らない話をしている内に敵の数が減り、やがて出てこなくなった。結果だけで言えば、500頭くらいは出てきたと思う。途中から俺が【浄炎】で燃やしていたのも含めて、相当の数が来ていた。今回は厳しすぎると思わなくもない。


 俺が居なきゃ全滅していた可能性も十分にあった。もちろん俺込みでシステムは考えているのだろうが、それでも多かったと思う。流石にラッシュの本気を見せられた気分がしているのか、疲れもあって皆の顔色も良くない。


 俺は穴を掘って死体を【浄炎】で焼いて処理していく。皆には休んでいるように言ってあるし、脱出紋も出ているから大丈夫だろう。こうやって自分の限界を知るのは良い事だが、助からなければそこで終わりなんだよなぁ。


 そういう意味では、普通の傭兵は本当に大変だ。そんな事を考えながらゾンビの死体を処理していたんだが、反応が急に現れたので後で取りに行くか。魔道具か何かだと思うが、急に現れたからな。またシステムか。


 死体の処理を終えて見に行くと、そこには飾り紐が2本落ちていた。物凄い浄化の力を撒き散らしているけど、これは蓮とイデアにって事ですかね? ……神様が何を考えているかは分からないが、ありがたく受け取っておこう。


 皆の下に戻り、蓮とイデアに飾り紐を渡す。するとメルが持って蓮の髪を梳き始めた。どうやら何かの髪型にするらしい。イデアは後ろで縛り、ポニーテールのようにしておく。俺に複雑な髪型を期待しないでくれ。


 そうしていると、蓮の髪は三つ編みにされて先を飾り紐で縛られていた。蓮が喜んでいるみたいなので、メルも嬉しそうだ。まあ、気分もリフレッシュ出来たみたいだし、そろそろ脱出するか。そう言って皆と共に脱出紋に乗る。


 外に出ると夕方だったので、慌ててバウラへと戻った。相変わらず、この時間でも列は短く殆ど並んでいない。良いのか悪いのかは知らないが、俺達にとっては楽で助かる。中に入ったら適当に食堂の場所を聞き、聞いた店へ行く。


 大銅貨14枚を支払って注文すると、何やら緊張した店員がオーダーを厨房に言いに行った。ピンと来た俺は【空間把握】で調べたのだが、予想通りに怪しげな粉を掛けている。どうやら蛮族国家は腐りきっているらしいな。


 俺は、出てきた料理全員分にワザと【神聖八重浄化】を使う。もちろん裏でコッソリと【浄化】の権能を使っているのだが、それを見た店員は血相を変えて奥へと引っ込んだ。毒を盛ったのがバレていると気付いたんだろう。


 俺達は堂々と食事をした後に、悠々と店を出て宿へ行く。すると宿の主人が金貨を返してきて、「泊める事が出来なくなった。すまん!」と謝られた。ああ、ここにまで手を出してきたのか。……完全に舐められてるなー。


 俺は「気にするな。それは迷惑料だ」。そう言って金貨を渡して宿を出る。随分と俺達に喧嘩を売ってきているが、どうやら覚悟は出来ているようだ。俺達は傭兵ギルドまで行き、中へと入る。


 受付嬢の前まで行き、「ギルドマスターとサブマスターを呼んでこい」と言うと、横から馬鹿共がヘラヘラと近付いてきた。



 「お前さんらが何様かは知らねえけどよぉ。いきなり来てギルドマスターとサブマスターに会わせろっていうのは、通用しねえなぁ。不老長寿とかいう爺と婆じゃ、そんな事も分かんねえか?」


 「「「「「ギャハハハハハ!!」」」」」



 俺は無言で直刀を出し、笑っているゴミどもの首を全て刎ねた。いきなりの事で頭が真っ白になっている馬鹿どもに対して、俺はハッキリと告げる。これで分からないならば皆殺しだな。



 「俺はギルドマスターとサブマスターを連れて来いと言ったんだ。その言葉が分からないなら人間種では無い。なら、殺しておかないといけないだろう? 俺達は”傭兵”なんだしな」



 そう言われて事態を理解出来たのだろう、慌てて2階へと上がりギルドマスターとサブマスターを呼んできた。下りて来たので素早く2人に【白痴】を使う。さて、喋らせてもいいんだが、敵意と悪意が巨大な奴等だなー。



 「貴様ら! たとえ不老長寿といえど、やっていい事とわる」


 「ゴミは死ね。……次はお前だ。誰に喧嘩を売ったか教えてやる、さっさと口を開け」


 「………」



 俺は今回、意図的に威圧を使っていない。何故なら不老長寿を愚弄する連中を皆殺しにする為だ。ここの連中は堂々と不老長寿に喧嘩を売ってきた、だから此方は堂々と正面から殲滅する。



 「早く口を開け、貴様等が売ってきた喧嘩だ。此方は全て買う。ここの傭兵が皆殺しになろうが、俺達には然したる意味も無い。ゴミどもが減るだけだ。何より、ここがどうなろうが俺達は何の興味も無いんでな」


 「………そもそも帝国が連れて来る傭兵なぞ、我々にとって邪魔であるし敵なだけだ。嫌がらせをされても当然だろう。本当かどうかも分からない不老長寿など尚更だ。それに、こんな事をしたらギルドの本部が黙ってないぞ」


 「本部な……。アロムナとクレセスが敵に回るならば、奴等も殺すだけだ。散々助けてやったのに敵に回るというならば、容赦無く殲滅するに決まっているだろう」


 「お前の知り合いか何か知らないが、こちらが総長と副長に報告すればお前達は賞金首だぞ、そんな事も分からないとはな!」


 「お前……総長の名がアロムナで、副長の名がクレセスである事も知らないのか。面識も無い奴が傭兵ギルドを利用しようとは、お前こそ賞金首になる……いや、ならないか。お前はここで死ぬし」


 「は? 何を言ってい」


 「オレはゴミは死ねと言ったんだよ。不老長寿に喧嘩を売ったにも関わらず、殺されないと思っているとは、度し難い。……さて、俺達に喧嘩を売りたい奴は他に居るか? 居たら名乗り出ろ。今すぐ殺してやる」


 「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」


 「どうやら昼間の事を忘れて安心しているようだ。そこに居るお前等、ここで俺達に対して武器を抜いたよな?」


 「い、いや。オレた」



 何かを喋ろうとしていたが、こちらに聞く気など一切無い。さっさと首を刎ねて処分しておく。不老長寿は、不老長寿全体と神様の面目を背負うという事を知らないらしいな。まあ、知らないからといって、無かった事にはならないが。



 「俺が覚えていないとでも思ったのか? どうやらここのギルドは、不老長寿に喧嘩を売るという事の意味すら理解していないらしい」



 そう言いながら、俺達は傭兵ギルドを出た。中に居る連中は呆然としているが、俺達の知った事ではない。不老長寿に喧嘩を売った以上、それは全面戦争を意味する。特に今回は町ぐるみの喧嘩だからな。


 俺達は一切の容赦をする気が無いぞ? 戦争の意味を思い知るといい。



 ▽▽▽▽▽


 1396終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨374枚

 大金貨1643枚

 金貨2412枚

 大銀貨1582枚

 銀貨2301枚

 大銅貨2529枚

 銅貨355枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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