1392
「という事でな、だから演劇だって言ったんだよ。そうとしか思えない程に家庭内がグチャグチャだしさ。あまりにも、あまりだろ? 演劇と言うか、普通は創作物の中しかあり得ないような家族の形だよ。それが実在するんだからな」
「まあ、それはそうだと思うよ。私もさっきから話を聞いてたけど、旦那の父親の子を産むなんてあり得ないしね。幾ら実家にお金の援助があったからって、普通は断るものさ。その奥さんの親もクズだ。そうじゃなきゃ、あり得ないよ」
「まあ、トーカが言う通りですね。ある意味で娘を売っている訳ですから。全ての元凶はギルドマスターの父親ですかね? つまり男爵家の当主。まあ、私達が首を突っ込む事ではありませんが……」
「昼食も終わったし、話も終わったんで、俺はヴェルに聞いてくるよ。帝国というよりバウラ南東のダンジョンに関して色々聞いておかないと困るし、手続きの事も聞いて来ないといけないからさ」
「アルドはやっぱり行く気なんだね。あたしの方も色々と教え終わって暇だったからさ、思いっきり体を動かしたいところだったんだよね。攻略されてないダンジョンは難易度が高いし、最奥で何が出てくるか分からないから楽しみだよ」
そんな話をしながらゾロゾロと並んで歩く。皆も暇だったのかギルドまでついてくる様だ。傭兵ギルドの扉を開けたら真っ直ぐミュウさんの所に行き、ヴェルに話がある事を伝える。帝国のダンジョンの事だと言ったら、直ぐに聞きに行ってくれた。
少し経つと戻ってきて、2階のヴェルの部屋に行く許可が出たので上にあがる。ギルドマスターの部屋に入ると、ヴェルが早速話し始めた。ちょっと忙しいらしい。
「すみません、忙しいので手短に話します。もし帝国からの依頼を請けるのであれば、この手紙を持って旧バロッサの王都バウラまで来てほしいとの事です。向こうのギルドマスターに話せば、依頼が通るようになっているみたいですね」
「分かった、この手紙を見せれば良いんだな。まあ領都の伯爵家のように、破られても俺が困る訳じゃないからいいか。門前払い喰らったら、勝手に攻略して中の物を総浚いして帰ればいいや。そもそも傭兵は誰でも入れるし」
「いや、あの手紙破られたんですか? だって伯爵家の御令嬢の手紙ですよ!? ……えっ、門番が破った!?」
「ヴェル。驚くのは分かるけれど、世の中にはビックリするほど頭が悪いのが居るの。貴女だって知ってるでしょう?」
「知ってますけど、底が抜けているほどの馬鹿を久しぶりに聞いた気がします。門番が貴族家の方の手紙を破るって、あまりにも馬鹿過ぎるでしょう。私でも理解に苦しみますよ」
「忙しいらしいから、話は終えて俺達は帰るよ。とりあえずこの手紙は預かっておく。場合によっては使わないかもしれないが、そしたら帝国の依頼を請けなかったっていうだけだろ?」
「そうですね。依頼を請けるかどうかは傭兵の自由ですし、依頼が無ければダンジョンに入れない訳でもないですから。正直に言って、どっちでも良いと思いますよ」
本当に忙しそうなので話を切り、俺達はギルドを出た。宿に戻り、食堂で子供達の字の練習に付き合いながら時間を潰す。暇だったんだが、子供達の相手をしていると暇じゃないからな。大人組はリバーシとトランプで遊んでるけど……。
ある程度の復習をしたら夕方になっていたので、大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。ゆっくりと座って待っていると、傭兵達が入ってきて様々な注文をしていく。丁度帰ってくる時間帯だったらしい。
何気なくボーッとしていると、傭兵達は相変わらずの大声で喋り始めた。何でそんなに大きいのかと思っていると、ちょっと面白い話を始めたので聞くか。
「そういえばよぉ。今日、森の拠点で聞いたんだけど、近衛騎士団長の奥さんが妊娠したんだってよ。そんな話を商人がしてたらしい。近衛騎士団長って侯爵家の人らしいからよ、結構周りからのプレッシャーがあったらしいぜ」
「まあ、上の方々ってそんなもんだろ? 貴族ってとにかく子供を作らなきゃいけないらしいし、出来なきゃ役立たずって言われるって聞く。上の方々には、上の方々の苦労があるんだろうさ」
「そもそも出来るかどうかなんて、誰にも分からないのにね。相性もあるし、上手くいかない事もあるわよ。知り合いの女性なんて男爵家の庶子だったけど、役立たずって放り出されてから下町で働き始めて、1年も経たない内に妊娠したわよ?」
「何かアレだな。貴族のタネが貧弱だったんじゃねえか? そんなに直ぐ妊娠するなら、お前のタネなんて要らねえって女の体が拒否したんだろ。そんなタネしかねえなら潰れれば良いんだよ」
「その家、もう潰れたらしいわよ。何でも、お城の文官達を敵に回したらしくて、気付いたら病死してたんだって。でも貴族の病死って、間違いなく裏で処理されたって事よね? 急に病死なんて、そうとしか思えないもの」
「「「「………」」」」
あの狂信者達が潰した家はそれなりにあるって聞いたけど、その裏にはこういう話もあるんだなぁ。件の女性は離婚して貴族家から出されて良かっただろう。もし居たら、連帯責任で処理されていたかもしれないしな。
「そういえば、お前等ダラダラ話してて良いのかよ? 子供を親に預けたままなんだろ? 親御さんから怒られる前に帰った方が良いぞ。若い時に子供が出来ると大変だけどよ、あんまり迷惑掛けすぎるのも良くねえしな」
「それは大丈夫だ。ウチの子は3歳だし、よく出来た子だからな。そもそも今日は帰らないって言ってあるから、ウチの両親も知ってるよ」
「そうそう。その為に10日以上も前から避妊薬を飲んでないんだし。あー……夜が楽しみ! でも、もう待てないから、今から行って沢山愛してよー。貴方だって溜まってるでしょ?」
「お前等さっさと行け! こんな所で何て話をして……って、コイツ酒飲んでやがるぞ! 早く連れてけ。何で酒に弱いのに飲んでるんだよ!?」
「おう、すまん。ここに金置いとくから、後よろしく。ほら、行くぞ! ……何で酒に手を出すかな、まったく!」
後半の話は本当にどうでもいいけど、フォルが「あの酔い方、演技が過ぎるよ」と言っている。まあ、早くヤりたかったんだろうな。避妊薬を止めたって事は準備万端な訳だし。とはいえ、どうでもいい話だったな。部屋に戻るか。
食事を終えた俺達は部屋に戻り、今度は子供達の浄化魔法の練習に付き合う。復習として【小浄】から使わせて、俺の手本を見せながら丁寧に使う事を心がけさせる。素早く使えなきゃいけないが、まずは正しく使えないと駄目だ。
その為に精密に緻密に使う練習をさせる。適当に使っても絶対に上手くならない。それを何度も言い聞かせる。ここは最も重要な部分の1つと言っていい。その為、時間を掛けてでも正しいやり方を教え込む。
そうしていると眠たくなったのか舟を漕ぎ始めたので、布団に連れて行って寝かせる。3匹も横や上に寝転がったので、【昏睡】を使って深く眠らせた。すると、待ってました! と言わんばかりに両腕を掴まれて連行されています。
【精気】のみを使い大満足させて寝かせていくものの、最後に残ったダナの鼻息が荒い。我慢の限界らしいので、本当の意味で満足するまで付き合うか……。
夜も深い頃、ようやくダナが満足した。徹底的に自分の欲を発散したかったらしく、アレやコレやを色々していたが、ようやく満足してくれたようだ。そこまでするか? と思うぐらいされたが、愛情の裏返しだからこそ受け入れられるものもある。
とにかく先ほどの事は考えず、部屋と体を綺麗にしたら<浄化の三道具>を使って邪気を吸引していく。あまり吸引出来なかったが綺麗に【浄化】し、布団に横になった。
それにしても、ダナの欲求不満が爆発したような状態だったな。アレ程までに奉仕するか? と思うが、全ては愛情からなんだよなー。だからこそ何も言わず受け入れる訳だが……。まあ考えてないで、さっさと寝よう。
今日も一日お疲れ様でした。
▽▽▽▽▽
1392終了時点
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神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




