1391
「昼ドラの話はともかく、最初から話そうか。領都に行った俺達は、いつもの宿に行って部屋を確保した後で伯爵家へ行ったんだが……またもや門番が馬鹿だった。前回は分からないが、今回は貴族主義に陥っている奴だったな」
「ああ、そりゃ碌な事をしないね。前回はアルドだけ通さなかったけど、それによって屋敷の兵士を真っ二つにしたからねぇ。懐かしいけど、アレからまだ2年しか経ってないんだよ」
「そういえば、そうですね。とはいえ、逆に言えば2年も経っているのに、貴族主義の連中を排除し切れていないのですか……。ここの伯爵の手腕も大した事ありませんね」
「その門番にルタからの手紙を見せたんだがな、読む事もせずに破り捨てた挙句、俺達を乞食扱いしやがったよ。ムカついたんで屋敷に居たルタに【念話】で「出て来い」って言ったら、慌てて門まで出てきたな」
「それは慌てただろうな。そもそも何故門番が貴族主義になるのか理解出来ない。門番など屋敷の顔なのだから1番気にしなければならないだろうに、それが貴族主義になる理由はどこにも無いだろう」
「それはそうなんだが、そもそも馬鹿しか引っ掛からないのが貴族主義だ。門番が馬鹿だったと言うしかない。まあ、そいつらは聖人にしておいてから中に入ったんだが、部屋に入ったら早速執事がこっちを見下していたな」
「そうだったね。主様から【念話】が来て挑発する事になったんだけど、主様がして私がしたら激怒したんだよ。結局メルが挑発する事も無くあっさり引っ掛かってくれてさ、貴族主義に罹るとあんなに愚かになるんだと思ったね」
「その後はアルドが白い枷を使って暴き出して、11人を聖人に変えていたわ。変えた理由はルーデル町に手を出させない為ね。貴族主義に罹っている連中は、こちらに何をしてくるか分からないもの」
「そんな事があったんだ。……って、よく考えたら領都の神殿に浄化魔法を教えに行ったんだよね? まだ神殿が話に出て来てないよ。始まる前から色々起きてたの?」
「掃除しておくべきだったからな。その後、ファレンの父親である神殿長と聖人に変えた副神殿長が来て話したんだが……この副神殿長が狂信者レベルにおかしくなっていたんだ。俺もまさかあんな事になるとは思ってもいなかった」
「簡単に言うとね、若い頃に当時の神殿長達に犯されていた副神殿長は、体を売ってお金を貯めて、スラムの裏組織に当時の神殿長を暗殺させたんだそうだ。その後は憎しみのまま、スラムの裏組織と係わり続けた人物だったんだよ」
「そんな人物を聖人にしたんだけど、聖人になった事で怨みや憎しみが反転したらしくって……過剰に浄神様やアルドを賛美する人物に変わっていたわ。まるで、ようやく自分の前に救世主が現れた。そんな感じだったのよ」
「「「「「「「………」」」」」」」
少し前に食事が運ばれてきたから食べながら話しているんだが、皆の手が止まり顔が引き攣っている。とても面倒臭い人物だと理解してくれたらしい。本当に厄介な人物だったんだが、問題はあの<賛美隊>とかいうのが広がりかねない事だ。
あんなものが広がるなんて考えただけでも怖ろしいが、ウイルスの如く広がりそうで怖い。特に伝染させる聖人が各地に存在する所為で、笑い飛ばす事が出来ないんだよ。
「その次の日から皆で神殿に行って教え始めたんだけど、特に問題のある事は無かったね。多くが聖人だったし、普通の者達は聖人が怖くて文句が言えない感じだったよ。それに聖人は真面目だからね」
「それはね。アレってまともな人間種には思えないけど、真面目なのは間違い無いだろうさ。あたしはああいうのをクソ真面目って呼ぶと思うんだけど、聖人だと狂ってるから真面目で済ませたいかな? 怖いし」
「それは横に置いといて、途中で皆も知ってる宿の女の子が熱を出してたんで、神薬と神丹と神血を飲ませたぐらいかな? 起こった出来事は。その後は最終日まで教えて、ほぼ全員が【聖浄】を使えるまでになったよ」
「薬は敢えて無視しますけど、【聖浄】が使えるとなるとガイアルムで1番優秀な神殿という事になると思いますが……良いのですか? この町以上にして」
「別に問題無いさ。この町の神殿だって、ジャンに頼めば良いんだよ。あの3人の内の誰かが教えてくれるだろう。もしくは傭兵ギルドに頼めばいい。あそこには浄化魔法の紙束もある。修行するだけなら見せてくれるだろうさ」
「それを言っておかないと、多分ジャン達もヴェルも教えたり見せたりしないだろうけどね。まあ、本気で修行すると言うなら、本気で頼みに来るべきか。それが無いって事は……とはいえ町の神官にも聖人は居るし、どうなっているのやら」
「まあ、言ってきたらジャンに丸投げだな。それはともかく、依頼が終わった後でギルドに行くと、またランクを上げろと五月蝿い受付嬢が居たんだよ。ただ、今回は面倒なギルドマスターがしゃしゃり出てきた」
「アレが出てきたのかい。いちいち正論ばかりで鬱陶しい奴なんだけど、それで勝ち誇るムカつく奴さ。言ってる事はまともなんだけど、本当に面倒臭い奴でねぇ……」
「それな、ダナを見下す為にやってたらしいぞ? ヴェルに対しても同じらしい。あそこのギルマスは、ただの小狡い奴でしかなかった。相手を見て態度をコロコロ変える程度だったよ」
「……アイツ! よくもアタシを舐めてくれたもんだ!! 絶対に許さないよ!!」
「いや、もう聖人になってるから無理だ。その話をこれからするんだけど………物凄い怒りだな。まあ舐められてたんだから、気持ちは分かるけど」
「ああーーもう!! アルドが聖人にしたんじゃ怒りのやり場が無いじゃないか! こうなったら、夜に満足するまで相手をしてもらうからね!! 今日はアタシが最後だよ!!」
「好きにして下さい。それよりも、その鬱陶しく小狡い奴はどうしたんですか? どうもメルも姉上も分かっていないようですが……」
「そいつは俺達の事を分かってなかったからか、脅してきたんだよ。だから不老長寿に喧嘩を売るならやってみせろと言ったんだ。そしたらパニックになったらしく、五月蝿かった受付嬢に全ての責任を被せて逃げてたよ」
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
「気持ちは分かるが、その受付嬢は子爵家の娘だったんだ。その父親がスラムの裏組織を動かして、俺達の暗殺を依頼していた。まあ、いつも通り全て聖人にした後、子爵家の当主と受付嬢も聖人にしてやったよ」
「いつも通り過ぎて何とも言えないわね。私達は寝てたし、何があったのかは聞いてないのよ。アルドも話さなかったから、大した事は無いと思ってたんだけど……」
「帰るのが分かってたんだから、全員一緒に話そうかと思ってたんだよ。それはそれとして、最後にギルドマスターの家に行ったんだがな。コイツ、実は男爵家のボンボンだった。実家の力と上手く立ち回る事でギルマスになったと自白してたからな」
「本当に貴族というのは碌な事をしないな。結局、正論を吐く面倒な者は、ただ口が上手いだけの奴だったという事か。……ダナの怒りが凄いが、続きを頼む」
「ああ。ギルマスを聖人に変えた後、一応の確認として横で寝ていた奥さんに白い枷を着けて話を聞いたんだ。そうしたら、この奥さんもアウトだった。2人の子供はギルマスと血が繋がっておらず、本当の父親はギルマスの父親だった」
「「「「「「「「「「「は?」」」」」」」」」」」
「いや、事実。俺も聞いてビックリした。何でも実家は商家らしく、そこに資金援助があったんで了承したらしい。商人らしく、儲かれば何でも良いという人物だったよ。おまけにその子供2人も、スラムで強姦を繰り返すクズだったんで聖人にした」
「「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」」
気持ちは痛いほど分かる。まともな奴が全く居ないって、ある意味凄いよ。悪人ばっかりで笑うし、本当の意味で貴族の関係者だと思う。
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