1390
ギルドマスターの家に向かいながら、ふと思った。上司から圧力をかけられて云々って話、この星に来てから初めてか? 何と言うか、故郷である地球でもありがちなパターン。もちろん、それで暗殺っていうのは無いだろうけど。
上司のパワハラっぽい話に感じたんだよな。そして、それなら何気に初めてじゃないかと。こういう時代だと、パワハラ1つでこんな拗れ方するんだな。そう思うと、ちょっと笑えてくる。人同士の係わりと考えたら、そこまで変わらないのかね?。
もちろん暗殺はおかしいが、仕返しなり何なりは元の世界でも普通の事だ。あの受付嬢は、”まずは”俺達に対しての暗殺を頼んだだけで、アホのギルドマスターに報復しないとは言っていない。というか、確実にするだろう。
問題はアホのギルドマスター自身が、それを理解していたかどうかだ。とはいえ、自分で喧嘩を売っておいて受付嬢に責任を押し付けたんだし、理解しているとはとても思えないんだよな。……っと、着いたか。
大きな家ではあるものの、貴族の屋敷と比べるのは間違いか。何かショボく感じたんだが、これだけの差があって何で貴族の娘に責任を押し付けたんだ? そこが分からん。裏に回って勝手口から開けるんだが、ここは閂だった。
外からさっさと開けて中に入る。奥さんと子供が2人か。家の中の全員を【昏睡】で深く眠らせたら、さっさとギルドマスターの部屋に行く。奥さんは無視してギルドマスターに白い枷を嵌め、早速尋問を開始した。
色々話を聞いたものの結論としては、不老長寿と聞いた際にパニックになり、気付いたら受付嬢に責任を押し付けていたらしい。コイツ、パニックになると制御不能になるタイプか。稀にこういう奴って居るよな。
とはいえ、何でこんな奴がギルドマスターになれたんだ? そう思ったら、コイツは男爵家のボンボンだった。実家の協力でランクを上げてサブマスターになり、そのままギルドマスターへと就任したようだ。
処世術は得意だったようで、見つからないように上手く自分の手柄にしてギルドマスターになったらしい。不老長寿が相手でも正論を言えば黙るのは知っていたので、それでやり込めて見下していたようだ。聖人化決定!。
元々決定していたのだが、容赦無く聖人にしてくれよう。そう思い枷を2つ着けたら放置する。次に白い枷を着けて横に居る奥さんから話を聞いていくが……奥さんアウト!! 聖人化決定!。
なんだおい、子供2人とギルドマスターは血が繋がってないって。挙句、2人の子供の本当の父親は、ギルドマスターの父親ってどういう事だ? 急に昼ドラの展開は止めろよ、いきなり過ぎるだろ。お金の支援が実家にあった? そういう事か。
いや、待て待て。昼ドラを聞きたいんじゃない。どういう事なんだよ。……元々商家の出であり、儲ける為には手段を選ばないタイプか。それで受け入れたと。何と言うか、呆れるしかないな。
両方を聖人にしたら、兄弟の方にも聞きに行くか。……駄目だ、この兄弟もアウトだ。15と16だが、スラムに行っては貧民のケツを強姦しているらしい。この一家、揃いも揃ってクズしかいないぞ?。
ギルドマスターが1番マシか? そう言えるぐらい酷いな。あまりに歪すぎる。さっさと聖人に変えてとっとと出よう。流石に金銭を取っていくと生活出来なさそうなので、そこの部分は許してやるけどさー。
それにしても、こんなパターン初めてだ。まさかの昼ドラ展開とか、マジで勘弁してほしい。帰りながら自分を綺麗に【浄化】しよう。……部屋に戻ってからも何度も綺麗に【浄化】したし、これで身も心も綺麗になったろう。
それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界699日目>
おはようございます。昨日はバカどもの所為で睡眠時間を削られましたが、今日1日くらいなら問題無いと思います。それにしても、面倒だったなぁ。スラムの裏組織、子爵家、ギルドマスター。
1日で3ヶ所は疲れるな。酷い時に比べればマシだけどさ、それでも面倒臭いんだよ。心の中で愚痴りつつ、朝の日課を終わらせて麦茶を淹れる。冷やして飲もうと思ったらイデアが起きてきた。昨日は蓮だったけど、早いな君達。
戻ってきたイデアに浄化魔法の事を聞き、【浄化】してから麦茶を出す。今日はルーデル町に帰る日だと思っていると、お金を数えるのを忘れていた事を思い出した。なので、今の内に数えておこう。
アイテムバッグから昨日奪ってきたお金を取り出すと、イデアは直ぐに理解したらしくスルーする事に決めたようだ。さあ、数え始めようかと思った矢先に蓮が起きたので、戻ってくるまで待つ。
戻ってきたので浄化魔法の事を聞き、【浄化】した後で麦茶を出したら、お金を数える手伝いを2人に頼んだ。2人とも暇だからか了承してくれたので、お願いする。結果、それなりには有った事が分かった。
内訳は、金貨132枚、大銀貨88枚、銀貨192枚、大銅貨264枚、銅貨133枚。2人にはそれぞれの貨幣を10枚ずつ渡す。非常用の分も含んでいるので、持っている事自体は悪くないんだ。
メルとアルメアがジト目で見てくるので、一応言い訳をしておく。する必要も無いといえば無いのだが、何となく俺が悪い事をしている気分にさせられるんだよ。別に子供がお金を持っていても良いだろうに。
何があるか分からないんだし、自分で買いたい物もあるだろう。どのみち成長すれば狩りの仕方も教えるし、そうなったら自分で稼げる程度の金額だ。特に問題は無いと思うんだけどな? とはいえ、藪蛇になりそうだから口には出さないけど。
部屋を片付けて忘れ物が無いか確認したら、食堂に移動する。大銅貨6枚を支払って朝食を頼んだら、席に座ってゆっくりと待つ。ガヤガヤと五月蝿い傭兵が入ってきたが、そいつらは席に座って大声で話を始める。
「しっかし、何を考えているんだろうな、帝国の奴等は? ウチの国に居る不老長寿にダンジョンの攻略を頼むってさ。何か正式な依頼らしいけど、不老長寿は保留してるらしいじゃねーか。どうしてハッキリ断らないんだろうな?」
「俺が聞いた話じゃ、何でもリーダー格の不老長寿が不在なんだと。その所為で請けるかどうかを決められないらしいぜ?」
「それ私も聞いたわ。何でもそのリーダーは不老長寿の女性全員を侍らせているらしいわよ。おまけに8人全員と男女の仲なんですって。どれだけ絶倫なのかしらね? バケモノのような気がするんだけど」
「確かに。もしそんな奴が本当に居るのなら、熊みたいな見た目の奴か? 美女を侍らせてるって聞けば腹立たしい気もするけど、毎晩搾り取られるって聞けば、欠片も羨ましくはないな。俺は1人で十分だ。昨夜も大変だったし」
「昨日は久しぶりだったんだから仕方ないでしょ///。それに貴方だって獣みたいに襲ってきて、とっても激しく愛してくれたクセに///。大変だったのよ、受け止めるの///」
「あー、はいはい。ごちそうさま」
後半の話は心底どうでもいいが、皆の下に帝国から依頼が来たっぽいな。……そろそろ笑うの止めてくれるか? 皆が下を向いて笑ってるんだが、多分さっきの傭兵の発言がツボに入ったんだと思う。とはいえ、笑いすぎだろ。そんなに面白いか?。
朝食後、領都を出てルーデル町へと帰る。少し領都から離れたら、木像に乗って一気に進む。予想通り昼前に帰ってこれたので、いつもの門番に登録証を見せて中に入る。真っ直ぐ宿に戻り、扉を開けると皆がダラダラしていた。
「ただいま。ようやく帰ってこれたよ。それより領都で聞いたんだが、帝国から依頼が来たんだって? ダンジョン攻略って聞いたが、イマイチ意味が分からない。皆は何か知ってるか?」
「おかえり。攻略するダンジョンは、旧バロッサのダンジョンだよ。どうも崩壊したバロッサの王都辺りまでは、帝国の領地になったようだね。そこから西はマールの領地なんだってさ」
「という事は、王都バウラの南東にあるダンジョンか。あそこだけピンポイントで攻略してないからなー。もしかして難易度が高いのか? それとも地形が変わった?」
「さて、そこまでは分からないね。請けるにしても断るにしても、1度はヴェルの所に行くんだし、そこで聞けばいいさ。それより領都の方はどうだったんだい?」
「昼ドラ……あれだ、演劇を見ている感じだったな」
「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」
俺は少し早いものの、女将さんに大銅貨14枚を支払い昼食を注文した。聖人が鬱陶しかったのは事実だが、最後の最後で持っていかれたからなー。アレは仕方ない。
▽▽▽▽▽
1390終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨2069枚
大銀貨1473枚
銀貨1679枚
大銅貨2177枚
銅貨355枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




