0138
とりあえず、2人が倒したミノタウロスを処理する。全て終わり収納して戻ると、何やら興奮したシュラが喋っている。どうやら使い勝手は良かったらしい。
「直撃すると良い感じの感触なんですよ!」
「ああ、うん……そうかい、良かったね。アタシはよく分からないけど、シュラがそう言うなら良かったんだろうね」
「シュライアはこんな子だったかな? 何か別人に見えるんだけど……」
「打撃系の武器を使っていると、こんな感じですよ?」
「そうなんだね……。なら、私が知らなかっただけか」
まぁ、ガントレットで殴る事が当たり前だったんだから、予想は出来たと思うけどな。それにしても殴打武器が好きだな。打撃系統の武器は頑丈だし、使い勝手は良いけどさ。
そろそろ先に進むとしよう。東に進むと予想通り転移紋があり、乗って14層へ。
14層は北東へと進む。途中ミノタウロスが1体居たので、メルが倒した。獲物を処理してアイテムバッグに収納する。北東の転移紋から次の15層へ。
15層は北へと進む。転移紋の近くは魔物が居なかったので、遅めの昼食をとる。見晴らしが良いので、奇襲の心配は無い。車座になって食事をしながら、この後の相談をする。
「行ける所まで行ってみるか、この辺りで狩りをするか。どっちかだな」
「この辺りで狩りをするって事は、狙いはミノタウロスかい?」
「ああ。それなりの値段で売れるみたいだから、ある程度お金を稼ぐのも悪くないと思ってな」
「アルドに負担を掛けてしまっていますから、私はどちらでも構いません」
「私もです。姉上も同じでは?」
「そうだね。金銭的な負担を、アルドに負わせすぎている気もするからね」
「俺もそれなりには持ってるから、そこまで負担じゃないんだ。ただ、大銅貨が面倒臭い」
「それはね、誰もが思う事さ。でも、解決しないんだよねぇ。昔から変えようって話はあるんだけど……変わった事がないね」
「他に適当な貨幣を作っても、貨幣の価値を変えても上手くいかないからだよ」
「今の状態が丁度良いバランスだと言う事ですね、姉上」
「それもあるんだけど、色々な事があって今のバランスだから難しいのさ。1つ変えれば他の様々な物が一気に変わってしまう。だから、誰も手をつけられないんだ」
「貴族などは、悪くなれば直ぐに相手の責任にして攻撃しますから」
「余計に変わらないってワケかい……」
「経済の話は置いといて……先へ進もう」
「進むのかい?」
「ああ。変化したばかりだから、進めるだけ進んで把握しておいた方が良いかと思ってな」
北の転移紋から16層へ行く。光が止んだ目の前は、洞窟だった。……厄介な。まさかの洞窟タイプかよ、こりゃ時間が掛かるぞ。方角は分かっても、入り組んでいるから大変だ。
北西へと進むが一筋縄ではいかない。魔物は蝙蝠系しかおらず、毒持ちが居て少し厄介な程度だ。ただ、迂回しなきゃ目的地に辿り着けない為、いちいち時間が掛かる。
それでも【空間把握】を使い、なるべく最短ルートを通って北西の転移紋に到着した。転移紋に乗って17層へ進む。
17層は西へ行くのだが、さっきの層はなんだったのかと言いたくなる。魔物にも殆ど遭遇せず、あっさりと到着。西の転移紋から18層へ。
18層は南西へと進む。この層は非常に厄介だ。俺は【空間把握】が使えるから分かるが、隠し通路のようなものがある。見つけられないと進めないし、帰れなくなったら遭難だ。
具体的に言うと曲がり道を曲がって直ぐ、斜め後ろに正解の道がある。洞窟タイプだと脱出紋に戻れないと死ぬしかなくなる。ダンジョンの中でも完全に鬼門だよなぁ。
南西の転移紋に辿り着いたが、皆も隠し通路の事で顔色が悪い。毒で死んだり餓死する事も考えて、対策をしておいた方が良いが今は無理だ。転移紋から19層へと進む。
前回と同じ19層まで来たが、今回もここでタイムアップだろう。19層は草原だった。ケンタウロスが居るが、明らかに奴等が有利な地形だ。襲われる前に帰るか。
「今回も19層で終わりだったなー」
「仕方ないさ。ダンジョンの中で野営する訳にもいかないしね」
「ダンジョンの中で野営……危険過ぎるわ」
「そうですね。メルの言う通り危険過ぎます」
「いやいや。野営なんてする気は無いよ。そこまでして攻略したい訳でもないしさ」
「そうだね。安全にゆっくりとやっていけば良いのさ。急ぐ必要なんてどこにもないんだ」
そんな話をしながら領都へと戻る。入り口近くの解体所に行き、ミノタウロス3体を売った。全部で大銀貨30枚だったので、1人大銀貨6枚に分けながら宿に帰る。
食堂で大銅貨7枚を支払い夕食をとり、食後はさっさと部屋に戻り休む。今日も皆疲れているんだよな……明日は休みにした方が良いかもしれない。ちょっと提案するか。
「明日は休みにした方が良いと思うんだが、皆はどうだ?」
「そこまで大変で疲れてる訳じゃないけど、休みにした方が良いと思うよ。アタシもそうだけど、皆”溜まってる”からね」
「そうですよ! 最近ダンジョンばっかりなんですから、私達も”攻略”して下さい!」
「それは良いわね。明日は私達を”攻略”してもらいましょう!」
「良いね! 明日が楽しみだよ! アルメアはどうだい?」
「うん、まぁ。私も明日を楽しみにしてるから……頑張ってよ? アルド」
頑張るのは今日の夜からの気がするんだが? 明日まで我慢しろって言って我慢するのかね? 何を言われるか分からないから、いちいち言わないけどさ。嬉しそうにされると言えないしな。
2匹と遊んでやり、眠ると4人に連れて行かれる。今日は【房中術】だけで相手をする。基本を丁寧に使い、レベルアップを図っていく。これでも上達するんだから、修行になるんだよな。
4人を完全に撃沈させ、浄化を集中して行い綺麗にする。十分綺麗になったので、俺も寝るか。今日も1日お疲れ様でした。
<異世界81日目>
おはようございます。火の季節1日目です。これから暑くなっていくんだが、この世界ではどういう対策があるんだろう。古い時代なんで耐えるだけだったりして……違うよな?。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャーン」 「グルッ」
今日は……新しいな。あぐらを掻いている俺の太腿に、顎を乗せてゆっくりしてる。騒ぐ事もなく、2度寝しそうな雰囲気だ。頭を撫でたりしながら、ゆったりと過ごすのも悪くないな。
「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ……」 「グル……」
「2匹は気持ち良さそうにしてるね」
「珍しい姿勢で居ますね。寝足りないのでしょうか?」
「どうなのかしらね? 案外アルドに触れていたいだけなのかも」
「その気持ちは痛い程分かるよ。今日これからが、楽しみで仕方がないよ」
とにかく、まずは朝食を食べよう。食堂に行き、大銅貨7枚を支払って朝食を待つ。すると、ライブルの妹のリブルが食堂に来た。何だか嫌な予感がするな。皆も同じことを思った様だ。
皆があからさまに渋い顔をすると一瞬怯えた様だが、意を決してこちらへ来た。後ろの3人は明らかに怯えた表情をしているが。
「申し訳ありません。ちょっと良いですか?」
「話しは後でな。朝食も食ってないんだ」
「それは申し訳ありません。ここで待たせて頂きます」
全員が心の中で『待たなくていいから、さっさと帰れ!』と思っただろう。俺でさえそう思うんだから、楽しみにしていた4人はそれ以上なのが間違い無い。4人の方を見るのは止めよう。
緊張しながら朝食を食べるという、碌でもない経験をするハメになった。そんな事はお構いなしに、リブルは話しを始める。
▽▽▽▽▽
0138終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨54枚
大銀貨64枚
銀貨38枚
大銅貨153枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ