1387
昼食の後片付けも終え、戻ってきた神官に教えていく。傭兵が持ってくる獲物の浄化は俺が行っており、目の前で見せている魔法を真剣に学んでいる神官達。まあ、大半は聖人なので真面目にやるのは当たり前なのだが……。
夕方になり練習の時間も終わったので、俺達は宿へと戻る。朝、熱を出していた女の子は元気に働いていた。俺としては1日くらい休んでいてほしかったのだが、治したのも俺なので文句を言い辛い。まあ、諦めよう。
そういった事は親御さんが言っているだろうし、俺が口を出す事じゃない。大銅貨6枚を支払い夕食を注文したら、席に座って適当な雑談をする。子供達は早速喋り始めた。
「まじめに練習する人が多いからね、けっこう上手くなると思う。ちょっとおかしい人が多いけど、れんが言っても聞いてくれるから大丈夫じゃないかな?」
「そうだね。ボクが言っても聞いてくれるしね。とはいえ、何だか妙な視線を向けられるのは変わらないけどさ。聖人の人達が向けてくる視線は、いつもと違ってるんだ……」
「アレはね、主様を褒め称える形で、イデアを褒め称えるという事をしているんだよ。まず浄神様の使徒である主様が居て、その近くにいる呪人族の始祖として見ていると言えば分かるかな?」
「……まあ、何となくは分かります。町で受けていた視線に比べれば楽と言うか、自分に向いているのに、向いていない視線だと感じましたし」
「自分に向いているのに、向いていない。言い得て妙だけど、多分それが1番正しいのでしょうね。あの聖人達が見ているのは、アルドであってイデアじゃないわ。だからこそ、アルドが面倒臭そうにしているんだけど」
「そりゃなあ。あんな風になるなんて説明に無かったし、ついでに下界の状況を考えると、これからも使わなきゃいけないんだ。先々の事を考えると、うんざりしてくるだろ?」
「「「「「………」」」」」
その時、ちょうど夕食が運ばれてきたので食べる。嫌な事を考えていても仕方がない。何より、せっかくの食事が不味くなる。美味しい食事を楽しんだ後、部屋に戻った俺達は各々適当に寛ぐ。
俺は神水を飲みながらボーッとしていて、フヨウは胡坐の中に納まって動かない。蓮は絵を描いていて、メルとアルメアとイデアはトランプで遊んでいる。俺がボーッとしていると蓮はこちらに来て絵を見せてくるので、頑張って答えた。
並のクイズより難しいが、頑張って答えないと子供達も悲しむからな。だから頑張ったんだが、正答率は低い。まあ、蓮は絵の1つ1つを説明してくれるので、それを聞いていれば機嫌は良いので助かる。
そんな事を繰り返していると、突然倒れこんできたので支えてやった。もう限界なのは分かっていたが、突然電池が切れるように倒れたな。蓮を布団に入れてやると、丁度イデアも寝たらしくアルメアが運んできた。
2人を布団に入れるとフヨウは横に行ったので、いつも通り【昏睡】を使って眠らせる。その後2人をキメて寝かせたら、俺もさっさと寝よう。部屋と体を綺麗にしたら、おやすみなさい。
<異世界696日目>
おはようございます。領都の神官に浄化魔法を教える3日目です。順調に覚えてきているので、この調子だと5日で終わりそうだ。現在すでに【清浄】の修行中だからな。あれが終わり、【聖浄】が使える様になれば終わりだ。
最小で行使する事が出来ればかなり楽になるだろう。【清浄】と【聖浄】では使用する魔力にそこまで大きな差は無い。もちろん違うのだが、求められるのは制御力の方が大きいからな。そちらの方が重要であり、ここから先に求められる事でもある。
一定以上の魔法では、求められる制御力が各段に上がっていく。跳ね上がると言ってもいい。だからこそ、一定以上の魔法が使える人が居ないんだろう。それほどまでに制御力が跳ね上がるんだ。
当然、制御できなければ発動せずに、魔力を垂れ流すだけになる。その失敗を何度かすると、挑戦すらしなくなるんだろうな。いつしか難しい魔法になってしまい、それより簡単な事ばかり教えるようになる。そういう歴史を辿ったんだと思う。
魔力を正確に認識する、動かす、循環させる。そんな基本すらしなくなれば上手くいかないのは当たり前なんだが、出来て当たり前の事は軽んじられるんだろう。そうやって出来て当たり前の事は教えなくなり、いつしか廃れていく。
地球でも似た様な事は何度もあった筈で、にも関わらず反省するのは失われてから。何だか遣る瀬無い事だが、神様達が俺に徹底的に教えた理由でもあるんだろう。今なら何となく分かる。とはいえ、復活させろとも、教え導けとも言われてないけど。
そんな話をしながら、起きてきた皆と麦茶を飲んでいる。今日は雨が降っているので、どうするんだろう? 神殿の外でいつも教えているんだが、流石に雨の日は無理だぞ。今日は室内でとなるだろうが、神官全員が入れる建物なんて無いしなー。
とりあえず部屋を出て食堂に行き、大銅貨6枚を支払って朝食を注文する。運ばれてきた朝食を食べながら、神殿に行って聞くしかないと結論付けた。本当にそれしかないからなぁ。
朝食後、宿を出たら走って神殿に行く。とりあえず宿舎に行ったのだが、ちょうど神殿長もここに居るので聞いてみる事にした。呼んでもらったんだが、そんなに焦って直ぐ来なくてもいいんだが……。
神殿長に聞いたところ、今日は雨なので午前と午後に分けてほしいとの事。場所は本殿で、午前と午後に半数ずつ振り分けて教える。そう決まったので、まずは本殿へと走って移動し【乾燥】と【凝水】で乾かす。
その後、中に入って見渡すもガランとしている。確かに半数ぐらいなら入れる広さはあるな。祭壇があり、神に対する儀式を行う場所だからか、思っている以上に広い。そう思っていると、続々と神官が入ってきた。
本殿に居るとしても俺達のやる事は変わらない。人数が少ないからか、重点的に教える事が出来る。とはいえ、そこまでキッチリ教える必要も無いので、俺達は全体の向上を図っていく。むしろ下手な奴を重点的に見る形だ。
昼になったので本殿で料理をし、本殿で食べる。作ったのはプレーンの饅頭、亀肉と野菜のスープ、そして味付けしたチーズだ。今日も味付けは蓮とイデアに任せたが、また味を変えたらしい。本人達いわく、それなりに上手くいったとの事。
まあ問題無く食べられる味だから別にいいけどね。昼食後、今度は別の者達が来たので教えていく。夕方になったので終了し、走って宿へと戻る。神殿長には朝の段階で、半数以上が【聖浄】を使える様になったら終わる事は言ってある。
そこからは格段に難易度が上がり時間が掛かるので、俺達はそんな長期間付き合えない。そう言って納得させた。そもそも俺達は神殿の者じゃないしな。そんな事を考えながら走っていると宿に着いた。
乾かしてから中に入り、大銅貨6枚を支払って夕食を注文する。席に座ってゆっくりしながら待っていると、直ぐに運ばれて来たので、さっさと食べて部屋に戻ろう。少し急かされた感があるものの、そこまで気にするほどの事じゃない。
昨日と同じく部屋でボーッとしているが、今日は遊んでいる皆を見ている。連とイデアはリバーシをしていて、メルとアルメアは酒を飲んでいる。フヨウも酒を貰っていて、ゆっくりと楽しんでいるようだ。
どうやら今回は蓮の勝ちみたいだな。さっきはイデアが勝っていたし、2人の実力に差は殆ど無い。だからこそ楽しいのだろう。勝負は勝ったり負けたりしないと楽しくない。2人はちょうど……次はトランプか?。
蓮とイデアは更に色々なゲームで勝負をしていく。それは良いんだが、メルとアルメアにフヨウは既に寝てしまったな。先に2人をベッドに寝かせるか。2人をベッドに寝かせると、トランプを持っている2人も怪しくなっていた。
眠たいなら、さっさと寝なさい。
▽▽▽▽▽
1387終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨1955枚
大銀貨1405枚
銀貨1507枚
大銅貨1977枚
銅貨242枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




