1385
<異世界694日目>
おはようございます。領都で浄化魔法を教える1日目です。そこまで長く掛からない仕事だろうし、浄化魔法の普及自体はこの星の邪気を浄化するうえで大事な部分だからなぁ。とりあえず、朝の日課を終わらせるか。
皆を綺麗にした後、麦茶を淹れてゆっくり飲んでいるとフヨウが起きた。朝の挨拶をして水皿に神水を出すと、吸い上げて直ぐに首に巻きつく。力を抜いたらしく重くなったので、そのまま好きにさせる。
そうやって静かな時間を過ごしていると、次に起きたのはイデアだった。こちらも朝の挨拶をした後、麦茶を出してやると普通に飲み始めた。ハチミツを出すと、今日は要らないそうだ。どうやら合わなかったらしい。
そりゃなあ。流石に合うとは思えない組み合わせだし。紅茶の茶葉が無くなった以上は、どうしようも無いから諦めてくれ。そんな話をしていると、残りの全員が目を覚ました。朝の挨拶をし、麦茶を入れる。
皆が飲んでいる間に部屋を片付け、それが終わったら食堂へと行く。大銅貨6枚を支払い朝食を注文して席で待つと、意外に早く出てきたので食べる。食事中に皆に聞くと、一緒に神殿へと行くらしい。皆は好きにしてても良かったんだけど。
朝食後、皆で領都の神殿へと行く。敷地内に入ると神官が居たので浄化魔法を教えに来た事を伝えると、中に案内された。普通の表情の神官なので、聖人ではない……筈。穏やかな顔をしていないので、違うと思いたい。
そのまま応接室のような部屋に案内されたので、そこで待たせてもらう。雑談をしていると、直ぐに神殿長と副神殿長が来たので挨拶し、神殿の何処で指導をするかを話し合った。とはいえ、広い場所があればそれでいい。
そんな事を話すと、宿舎の前辺りが1番広いとの事。という事で、そこに決まったので移動する。浄化魔法の訓練をするので集まるように神殿長が大声で話すと、あっと言う間に集まった。準備してたのか?。
顔の穏やかな連中ばかりがズラっと並んでいるが、実際には殆どの神官が集まっている。俺は神殿長と副神殿長に浄化魔法の紙束を渡し、これを写しておくようにと言い、写し終わったら必ず返せとも言っておいた。
神殿長も副神殿長も見て直ぐに理解したが、副神殿長の興奮が凄い。何と言うか鼻息が凄く荒いんだが、本当に大丈夫かな? オッサンの鼻息が荒いとか、見たくないんだけど。半分ぐらいは視界の暴力だと思う。
とにかく写してくるように言い、頭を切り替えて指導を始める。メルとアルメアだけでなく子供達にも協力をお願いし、ここに居る多くの神官を指導していく。まずは魔力を正確に感じ取る訓練から始める。
とはいえ、ここをおざなりにしている者が結構居た。基本中の基本の部分を適当にしていて、上手くなる事など不可能だ。ここに居る神官にも言っておくのだが、基本をおざなりにする奴は、決して一定以上には成れない。
だからこそ、いつまで経っても大した実力の無い奴等ばかりになる。聖人になっていない奴等は腹立たしいらしいが、そんな事はどうでもいい。聖人の連中が真面目に練習しているからな。実力の低いままでは、この先困るぞ?。
そんな事を話しながら、それでも指導自体は丁寧に行う。魔力を正確に感じ取る事が出来る様になったら、次は【小浄】を使わせる。1番簡単な浄化魔法だが、最低ギリギリの魔力で行使させ、その感覚を覚えさせる。
この修行は最低限の魔力で発動する事により、それを基本とする訓練だと説明した。邪気の汚染度により、魔力を篭める量を増やしたりして対応するのだが、最低限を基準にする事によって、浄化の際に把握しやすくする為だ。
魔力を多く籠めれば、その分効果は上がる。だが、5の魔力で済むのに10の魔力を籠めても仕方がない。そういう無駄をなるべく減らすには、1という基準を知っておかないといけない訳だ。こういう基本を教えてくれる奴は居なかったのかね?。
そうやって教えていると昼になったので一旦解散させ、俺達は焼き場などを作り料理を始める。サーサの麦飯を炊き始めたところで蓮が大喜びしたが、ちゃんと料理をしてくれよ。そう言って、子供達には野菜とかす肉のスープを頼む。
俺は麦飯を炊きながら、鯵とヒラメのフライを作っていく。アルメアにはマヨネーズ作りとサラダを任せた。周りに居る神官達にも食事に行ってくるように言い、俺達は自分達の料理を続ける。何故か周りに聖人連中が集まって来てたんだよ。
何がしたかったのかは分からないが、昼食を食べてくればいいと思うんだが……もしかして神殿では昼食を食べないのか? 農家は1日2食だと聞いたが、神官もそうである可能性はある。しまったな、調べておけば良かった。
そう思っていたら、メルやアルメア曰く神殿は普通に3食だと教えてくれた。ただ、ガッツリと食べる訳ではなく、朝の分を2度に分けて食べる感じなんだそうだ。成る程なー、そういう食べ方なのか。
農家も1日2食ではあるが、朝からガッツリと食べる訳だし、別に食べる量が少ない訳じゃない。どちらかと言うと、燃料費の節約の為に2食にしているようなものだ。何だかんだと言って、薪代も馬鹿にならないからなぁ。
揚げ物も終わったし、麦飯の蒸らしも終わったので、そろそろ食べようか。それじゃあ、いただきます。
「こういった神殿みたいに大量の人が居る場合は、薪代なんかは節約できるけど、普通の家庭じゃ節約は難しいからね。だからこそ、我が里でも多くは食堂に行って食べるんだよ。もちろん、作るのが面倒という本音もある訳なんだけど」
「確かに1軒1軒の家で、個別に料理をしているとやっぱりね。薪の消費量は多いのよ。町でも食堂に行く人が殆どで、個別に自分の家で料理をする人は多くないの。私の場合は祖母が作っていたからだし、その流れで……という感じかしら」
「庶民はなるべくお金が掛からないようにするのが当たり前か。薪代を考えれば、食堂に食べに行く方が安く済むと。言われてみれば当たり前だし、単純な事実だな」
「前にも食べたけど、お魚の揚げ物おいしいね。れんは魚醤も好きだけど、塩も好きかな」
「ボクは塩かな。でも魚醤の味も好きだし、なかなか甲乙つけ難いよね。ボク達でタレとか作ってみてもいいかもしれない。柑橘系のも合うのかもしれないよ? そんなのも、あるらしいし」
子供達には面白い話では無かったな、悪かった。その後は色々な話を子供達としながら、楽しく食事をした。昼食後、ゆっくりしていると神官達が戻ってきたので、焼き場などを壊して準備をする。
再び午後からの練習を始めるのだが、再び魔力を感じるところからだ。出来たら【小浄】の訓練だが、午前は居なかった獲物を持ち込む傭兵が来るようになった。なので、こちらに持ってくるように言う。
荷車を牽く傭兵は妙な顔をしているが、【聖浄】の魔法で一気に浄化して終わらせる。周囲からどよめきが起きるが、神官の1人にお金を受け取らせておく。傭兵は浄化が終わったからか、荷車を牽いて神殿を出た。
そうやって傭兵達の獲物を浄化しながら訓練を続けさせ、夕方になったので解散とした。1日目ではこんなものだろう。【小浄】の感覚が身についていないし、基準が無ければ上手くはならないが、今のところは焦ってもいない。
そもそも聖人が多いし、あいつら真面目過ぎるから普通の神官も文句を言い辛くなっているみたいだ。不満を溜め込むのは間違っているが、軽々に文句を言ってくるよりは良い。いちいち面倒臭いからな。近衛がそうだったし。
宿に戻り、大銅貨6枚を支払って夕食を注文した。今日一日指導をしてみた感じどうだったのか、子供達に聞いてみる。すると楽しかったそうだ。聖人は子供達相手でも、丁寧に話を聞いていたからなぁ。
子供に指導されるなんて云々と言われても面倒だったから、それが無かったのは良かった。ただ、「御使い様の教えを受けし」云々とか言うのは止めてもらいたい。聖人どもが事ある毎にそんな事を言いやがるんだ。
子供達の教育に悪い気がするんだよなー。
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1385終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨1955枚
大銀貨1405枚
銀貨1507枚
大銅貨2001枚
銅貨242枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




