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 朝食後、部屋に戻り出発の準備をする。メルとアルメアの準備はOK。フヨウは首に巻き付いている。子供達の準備もOK。……よし、そろそろ出発しようか。そう言って食堂に下りる。


 待っていた皆と別れのキスをして、俺達は宿を出る。いつもの門番に登録証を見せて町を出たら、少し進んでから木像に乗って一気に進む。追い抜かした傭兵などが驚いているが、無視してどんどん進む。


 昼前には領都に着く事が出来たが、相変わらず木像は速いな。領都の手前で木像を降り、列の1番後ろに並ぶ。とはいえ、そこまで長い列でもないので直ぐに順番は回ってくるだろう。


 俺達の番が来たので登録証を見せて領都の中に入り、先ずは料理の美味しい小さな宿に行く。中に入ると、少し大きくなった女の子が今日も店番をしていた。1番大きい部屋が4人部屋だったので、その部屋をとる。


 1日大銅貨5枚との事なので、10日間で銀貨2枚と大銅貨10枚を払う。更に大銅貨6枚を支払い昼食を注文したら、席に座ってゆっくりと待つ。神水を入れて飲んでいると、意外に早く出てきた。


 パンと肉とスープ。シンプルながら料理のレベルは高い。子供達も美味しそうに食べているし、ここでの食事はこれからの楽しみだ。昼食後、宿を出た俺達は歩いて伯爵家の屋敷へと歩いて行く。そういえば昔もこの道を歩いたなぁ。


 あの時はルタ達に囲まれてたんだっけ? 逃がさないって感じったから、囲まれたというより、後ろを半包囲されるような形だったな……。懐かしいけど、鬱陶しい事も思い出したので思考を切り替えよう。門番は大丈夫か?。


 そっちも思い出したが、屋敷の前まで来たので門番に声をかける。ルタに呼ばれてきたという事と、魔鳥便で受け取った手紙を見せた。しかし、門番は中身を見る事も無く破り捨て、俺達に対して「乞食は失せろ!」と言い出す。


 俺は屋敷の中にルタ達が居るのを【探知】で知っていたので、【念話】を使って「早く門の所まで出て来い!」と伝える。未だに大きな声で「さっさと失せろ!」と言っている門番の後ろから、大慌てでルタ達が走ってきた。


 大声で門番が馬鹿な事を言っている事も分かったんだろう。門番を叱責し、早く門を開けるように言っている。我関せずと無視していたもう1人の門番が慌てて開けるも、どちらの門番も焦り始めた。


 俺はルタ達に挨拶し、「魔鳥便で届いた手紙を証拠に見せたが、地面を見れば分かる」。そう言って地面を指差した。それで直ぐに理解したのか、ルタは激怒して叱責している。もしかして、未だに貴族主義に染まっている奴が居るのか?。


 その可能性を伝えると、ルタは遂に激昂してしまった。そもそも相手の用件を聞いて中に伝えるのが門番の仕事であり、勝手に取り次ぐ者を決める権利など門番には無いぞ。そう言うと、門番2人が睨んできた。成る程なー。


 俺は門番2人に白い枷を”2つ”着けて3分待つ。それを見たルタ達は仕方ないと諦め顔をしている。流石に貴族主義かそれに近い意識を持っている奴は、洗脳に近い状況なので言葉では直らない。


 強制的に書き換えるしかないだろう……っと終わった。白い枷を外すと、門番2人は平身低頭の謝罪を始めたので、今度からは真面目に門番をするようにとだけ言っておく。ルタ達は何とも言えない顔で門番を見た後、中に案内し始めた。



 「ん? 俺達は領都の神殿に浄化魔法を教えてくれと言うから来たのであって、伯爵家は何の関係も無いだろう。何で中に案内するんだ? お前さんからの依頼だったから屋敷に来ただけだぞ、俺は」


 「それは分かっていますけど、ここで素通りされたら伯爵家の面目に関わるんですよ。……いや、王都に行く時に毎回素通りしてると言われても、そういう意味じゃ無いです」



 そんな話をしながら伯爵家の応接室みたいな部屋に案内された。中には伯爵と家宰のマークさん。それに兵士と執事とメイドが居る。執事の目があからさまに此方を見下す目をしているな。コイツも馬鹿の1人か。


 俺はメルとアルメアに【念話】で話しかけ、相手を挑発する事にした。ついでに【白痴】を使えば簡単にボロを出すだろう。所詮は貴族主義に染まる程度の阿呆だ。



 「もちろん分かっているさ。だが、俺達の手を煩わせてるっていう自覚あるのか? 毎回毎回、貴族はどうのこうのと面倒臭い。不老長寿を煩わせているという自覚が無さ過ぎなんだよ」


 「だからこそ私達不老長寿にクソ貴族扱いされるんだけど、それでも自分達の事しか考えていないのさ。そんな醜い生物が、私達にいったい何の用なのかね? 650年もクソみたいな貴族を見てきた私にとっては、生きる汚物みたいなものなんだけど?」


 「流石に看過できんぞ貴様等! 不老長寿というのはいったい何様のつもりだ!! 伯爵様に対して何と言う口の利き方をする! 所詮は礼儀も無い平民風情か!!」


 「はい、オッケー。まずはコイツから調べて行くかね。【白痴】を使っている以上は嘘を吐く事は出来ない。それにしても、未だに伯爵家の中には貴族主義が残っているみたいだな。帝国発祥の汚物に染まるなんて、頭が悪過ぎるぞ」


 「「「「「「「帝国!?」」」」」」」


 「知らなかったのね。貴族主義は元々帝国で生まれたもので、長く帝国を苦しめてきたものだったの。それを他国に対する攻撃として利用したのよ。愚か者しか騙されない貴族主義を蔓延させる事で、愚か者に足を引っ張らせようという攻撃ね」


 「何という事だ……。帝国からの攻撃があったというのは娘から聞いたが、未だに父の悪影響が無くなっておらぬではないか。そもそも父上も、何故あのような愚かな考えに染まってしまったのか……」


 「ん? 馬鹿だからに決まっているだろう。貴族主義というのは結局のところ、”貴族である”という部分にしか拠り所が無い者が陥る、心の病みたいなものだ。そしてその病で横暴になるのは、大抵が貴族の家臣だそうだぞ?」


 「何と言っていいのか分かりませんな。貴族主義という名の心の病なのに、横暴になるのは貴族の家臣が主ですか……」


 「貴族というのは元々横暴だから、貴族主義で変わっても多少だけさ。それよりも、家臣が貴族の威を借りて横暴になるんだそうだ。その事で長年苦労をしてきたとは聞いたね。今も沈静化しただけで燻っているらしいけど」


 「ただの家臣なのに、自分が貴族のように偉くなったと錯覚するんでしょうね。実際に貴族なのは当主だけなんだけど、頭の悪い者は全く理解しないのよ。王を見れば分かるでしょうに」


 「あ~……成る程、そういう事ですか。王様は王様だけですね。たとえ王太子殿下でも王族でしかありません。それと一緒で、父上だけが貴族であって、私達は貴族の家族でしかない訳ですね。ようやく分かりました」



 俺は伯爵やマークさんと共に、白い枷を着けた執事を尋問する。他にも似たような奴がいないか聞き、名前が挙がった奴等を呼ぶように言う。とりあえず伯爵家の中を掃除しないと、神殿で浄化魔法を教える事も出来ない。



 「何故そこまで我が家の中を掃除して下さるんです? ……ああ、ルーデル町の為ですか。確かに我が家の中に貴族主義の馬鹿が居る以上は、あの町におかしな事をしかねませんね。馬鹿だけなら生贄に差し出すんですが……」


 「だよね。流石に不老長寿の人達を相手に喧嘩を売る馬鹿は居ないよ。王国でさえ、生贄を差し出して終わりじゃないかな。どのみち不老長寿の人達って、自分から何かをしたりしないし。するのは反撃ばかりなんだよね」


 「その反撃は怖ろしい程に苛烈ですけど、そもそも手を出した方が悪いですからね。正直に言って自業自得でしかありません。<竜に手を出す馬鹿>と同じですよ」


 「「………」」


 「まあ、何と言いますか。ルタとララは色々言い難いと思います。とばっちりを受けた結果ですし。でも、その後にスタンピードが起きていましたから、アルドさん達が来られてなかったら結局どうなっていたか……」



 確かにそうだけど、それは無いんだよなー。あからさまに神様が何かして、俺を行かせようとしてたからさ。



 ▽▽▽▽▽


 1383終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨356枚

 大金貨1336枚

 金貨1955枚

 大銀貨1405枚

 銀貨1507枚

 大銅貨2019枚

 銅貨242枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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