1381
皆が起きてきたので朝の挨拶をし、既に食堂に居た女性従業員に大銅貨14枚を渡して朝食を注文する。ゆっくりと待っていると、殆どが麦茶を飲むようなので追加で神水を入れる。麦茶を淹れて【冷却】して出すと、朝食が来た。
食事をしながら今日はどうするか話すが、俺は部屋に戻って子供達の字の練習だ。そう話すと、皆は各々好きな事をするそうだ。ダナとシュラとディルはギルドに行ってみるそうで、フォルとリューとエリアは娼館に行くらしい。
もちろん買いに行く訳ではなく、元<黒蛇>の娼館主の様子を見に行ってくるという事だ。そういえば子供達を助けるのに掛かる費用が増大しているって言ってたし、俺もお金を出しとこうかと思ったがフォルに止められた。
娼館主と言ったってそこまでお金を持っている訳じゃないし、持っていると妙な連中に狙われる。フォルもそこまで多くを渡している訳じゃないようだ。成る程、その辺りの事は俺には分からないからな。不用意に渡さない方がいいか。
朝食後、部屋に戻って子供達の字の練習を始める。昨日のギルド内と違い俺達しか居ないからだろう、昨日よりも集中している。まあ、<学習の三道具>を使っているから当たり前なんだけどさ。
昨日は使わなかったんだが、使う必要が無かったし、普通の勉強方法もやらせておきたかったからだ。その所為か知らないが、昨日は気が散る事が多かった。周りでイデアを見ている連中も居たし、困ったもんだ。
他人の迷惑を考えろと言いたいが、ああいう連中には何を言っても無駄な気がする。狂信者になりかけと言うか、一歩手前な連中だからな。言葉で言って納得するなら誰も苦労しない。奴等が実力行使に出ないのは、俺達の方が圧倒的に強いからだ。
逆を言えば、俺達が弱ければ間違いなくイデアを奪いに来る。狂った連中というのは、そういうものだ。流石に、こんな事はイデアには教えられないので、口には出さないけどな。
昼になったので食堂に下り、大銅貨8枚を支払って昼食を注文する。ダナ達とフォル達は帰ってくるか分からないので、今のところは払わなくていいだろう。そう思って待っていると、ロロット達が入ってきた。
そういえば、あの5人組はどこで何をしていたんだろうな。そう思っていると、こっちを目敏く見つけたアルエル達が近付いてきたものの、メルとアルメアが綺麗にブロックした。おまえらなぁ……。
「うぅ……ちょっとでいいから駄目ですか? ちょっとだけでいいんです!」
「駄目に決まってるでしょう。欲望がダダ漏れじゃないの。そんな危ない相手にイデアを預けるなんて、する訳がないでしょう? いい加減にしないと、アルドから白い枷を借りるわよ」
「「「!?」」」
急にビクッとした後、即座に遠ざかったな。流石に白い枷は怖いらしい。まあ、当たり前と言えば当たり前なんだけど、脅す為の道具じゃないんだけどなー。とはいえ、それで冷静になるなら良いのかね?。
「私達、領都まで運搬する仕事を請けて行ってたんですけど、何処の町でも神官がおかしくなってましたよ? 絶対にやったのはアルドさんでしょう!? 凄く気持ち悪かったんですよ!」
「いや、そんな事を言われても困るんだが? 色々な人に言っているが、俺が聖人に変えているのは犯罪者かそれに近い連中だけだ。つまり、聖人になっているなら、そういう人物だったんだよ」
「成る程。あの気持ちの悪い人達は、元々犯罪者だったんですね。なら、別にいいや。そういえば、見た感じ普通の神官も居たね?」
「そうだったね。でも、普通の神官も何か微妙な顔をしてなかった? 聖人になってる神官を見て、妙な者を見てるような顔をしてたし……」
「聖人って、1度されると2度と戻らないって聞いたから安心してたけど、実物を見るとアレもどうなの? って思っちゃうよ。別に悪くはないけど、無欲で穏やか過ぎてさ。アレって本当に人間種? って疑問湧くよね」
「分かる。何て言うか、普通の人間種には出来ない顔と雰囲気だよね。穏やか過ぎるし無欲過ぎて、色々ズレてる気がする。サキュバスの私達が見ても、一切こっちに欲を向けて来ないのが分かるし」
「そうだね。……アレ? それってアルドさんも同じ様な? 穏やかな顔はしてないけど、1度も欲を向けてきた事無いですよね? ………もしかして」
「何か勘違いしている様だが、俺は性欲を完全にコントロール出来る。寝ている間は無理だが、起きている間は完璧だ。だからお前さん達を見ても何とも思わんよ」
「……何だか、それはそれでカチンと来るんですが? 一応、私達はサキュバスなんですけど……本気を出しましょうか?」
「仮に本気とやらを出したところで、私達に勝てると思っているのかしら。このおバカさんは」
「私の主様を誘惑しようなんて、なかなか良い度胸をしているじゃないか」
「え……あ、いや! そういう意味じゃないですから!! そういう意味じゃない、っていうか連れて行かないでー!!」
メルとアルメアがアルエルの両腕を抱えて何処かへ連れて行ったらしい。まだ昼食は運ばれてきていないが、それまでには帰ってくるだろうから放っておこう。仕方なく、イデアを中心にして左右に俺と蓮が座る形に変更だ。
ブロックしていた2人が居ないからしょうがないんだが、代わりに3匹をテーブルの上に乗せておく。流石にここまでブロックしているのと、本気で余計な事をすると危険だと悟ったのか、ソウェルとラーエルは大人しくしている。
その様子を見てロロットとマロットは呆れているが、大人しく出来るなら自分達の子供の時もしていてほしかったそうだ。成る程、2人が子供の時から暴走していた訳か。
かつて俺達と出会った頃は、生きるのに必死だったので本性が出なかったと。今はお金も有り、生活も安定して安心したから本性が出てきたんだな? そう言うと、ロロットとマロットは大きく何度も頷いた。
それを見て、ソウェルとラーエルにシト目を送る蓮とイデア。その視線を喰らった2人はかなり凹んでいる。【探知】で分かるからだが、凹んでも今だけだろうなぁ。この3姉妹、多分だけど懲りないタイプだ。
言っても無駄な気はするが、注意しないと調子に乗るだけなので言わなきゃいけない。そういう面倒臭いタイプだと思われる。多分で言っているものの、そこまで間違ってはいないだろう。
そんな事を考えていると、ボコられたアルエルを連れてメルとアルメアが帰ってきた。それと同時に昼食も来たので食べるか。2人は宿の庭に連れて行っただけだし、殆どは説教だったので特に問題は無いだろう。
昼食後、ロロット達は宿の部屋を借り、そのまま寝るらしく部屋に入っていった。俺達は部屋に戻って字の勉強の続きだ。今や字の勉強というより、文章の書き方講座になっているけどな。季節の挨拶とかそういうのだ。
蓮やイデアが貴族に手紙を書く事なんて無いと思うが、アルメアは教えておきたいらしい。まあ、覚えておいて損は無いんだけどさ。……まあ、いいや。これ以上考えていると、流石に勘付かれて睨まれる。
夕方まで勉強に励んだ2人は、今は筆記具を片付けている最中だ。俺達も背伸びをして体を解し、片付け終わったら食堂へと行く。女将さんに大銅貨14枚を渡して夕食を頼み、席に座ったと同時にダナ達が戻ってきた。
話を聞くと、前に教育したサブマスターを再び鍛えていたらしい。前回教えた事は出来ているのだが、それだけでしかなかったようだ。やる気が無いのではなく、応用力が無いタイプのようで、仕方なく今回も色々教えてきたらしい。
そんな話をしていたらフォル達が戻ってきた。……後ろから来た30代ぐらいの男は何だ? もしかして、フォルが支援している娼館主か? その男と一緒にこっちに来る。
連れてくるって事は何かあったんだろうが、何があったのやら?。
▽▽▽▽▽
1381終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨1975枚
大銀貨1405枚
銀貨2513枚
大銅貨2049枚
銅貨242枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




