表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/1948

0137




 「アルメア、どうしたんだ? 溜息なんか吐いて」


 「いやぁ、ここまで美しく長大な剣を見たのは初めてでね。剣なのかも分からないけれど、本当に美しい……」



 何かアブナイ人になってる気がするが、剣と刀の違いなどをアルメアに説明しておく。剣とは主に叩き切るか突き刺す物で、刀は主に斬り裂くか突き刺す物だ。



 「成る程。この大太刀は斬り裂く物という事か」


 「まぁ、ここまで大きいと斬り裂くのは難しいが、マナリア金のこれなら十分に可能だ」


 「ふむ。……この大太刀、私に使わせてもらえないだろうか?」


 「別に構わないが……そんなに気に入ったのか?」


 「ああ。一目惚れと言って良いのだろうね。ここまで惹き付けられる刃物は、生まれて初めてなんだ」


 「そこまでなのか……」


 「姉上は、母上が死んだ原因である刃物を、長い間憎んでいましたから」


 「成る程ねぇ。その憎しみを超える、一目惚れだった訳だ」


 「今は、そこまで憎んでいる訳ではないんだけどね。思うところが無い訳でもないんだ。でもね、この大太刀を見た時に父の剣を思い出したんだよ」


 「父上の剣はこれ程良い物ではありませんでしたが、これぐらいの長さはありましたね」


 「そうなんだよ。父は剣を集めるのが趣味だったんだけど、特にお気に入りだったのが大きな剣だった」


 「ああ、思い出しました。父上が自慢していた、竜を切った剣ですね! 母上も私達も”ありえない”と言った、あの大きな剣!」


 「父の剣は、全て纏めて父と母の墓所に葬った。だからもう壊れているだろう。思い出だけ残っていれば、それで良いからね。この大太刀は、その事を思い出させてくれるんだ」


 「使うのは構わないが、背負うには革か布が居るな。まだ麻布が残っていた筈だから、背負えるようにするか」



 大太刀の鍔近くに布を巻き、中央から下よりに布を巻く。後は背負って体の前で両方の布先を結べばいい。大太刀には奉納された物と、実際に戦で使われた物とがあった筈だ。


 奉納された物の中には刃長360センチという物もあった。当然そんな長すぎる物は戦では使えないと思う。使われたのかは知らないが、280センチぐらいの物は記録にあった筈だ。


 280センチの大太刀を振り回すって、地球の日本でよくできたなと感心する。この世界みたいな身体強化も無いのに、馬の上で280センチの大太刀を振り回す。


 バケモノか何かか? と言いたくなるのも当然だと思う。徒歩で振り回せる大太刀は、身長と同じ長さまでだろう。長柄の武器なら大丈夫だが、徒歩での大太刀は身長以上の長さは難しい。



 「これで背負って、敵が居たら外して抜くと。鞘は放っておくしかないね」


 「仕方ないだろうね。鞘も長いから、結構邪魔になると思うよ」


 「鞘でも戦えそうですけどね。骨ですから、棒のように使えるでしょう」


 「使えるでしょうけど、大太刀は片手では無理じゃないかしら」


 「そもそも両手が前提の武器だから、片手では難しいだろうな。正しい身体強化が出来れば、簡単に片手で振れるけど」


 「修行を頑張るしかないね。アルドのように、日常的に身体強化が使えるまで頑張ろう!」


 「アタシ達も頑張らないといけないね。後で教えられたアルメアより下手なのは流石に……」


 「でも姉上ってセンス良いんですよ。あれはもう才能でしょう? 私にはあんな才能ありませんよ」


 「私は種族的に闘気の扱いが大変なのよ。頑張らないと置いていかれるわね」


 「それよりダナは脇差を持っていくのか? 何故か一言も無いが……」


 「ああ、ゴメン忘れてた。アタシはこの脇差を貰うけど良いかい?」


 「別に構わないよ。今回の装備はダナとアルメアか。次はメルだな、何を作ろうか?」


 「私には無しですか!?」


 「ウォーハンマーを持って行ったろ? ……もしかして忘れてたのか?」


 「………」


 「シュライア……完全に忘れてたね?」


 「シュラはそんなもんさ。持って行ってアイテムバッグにしまったら忘れるんだよ」


 「持ちたいだけなのかしら。流石に少しは使いましょうか?」


 「はい……」



 しかし、メルに合う武器ね。盾を持つから、片手で使える武器に限定されるな。今考えて決める必要は無いけど、考えるだけでも楽しそうだ。盾と合う武器か、いっそ両手で盾か?。


 2匹は既に寝ていたらしく、思案の最中にベッドに押し倒された。【房中術】のみで相手をして、丁寧に優しく撃沈した。綺麗に浄化して、さっさと寝よう。おやすみなさい。



 <異世界80日目>



 おはようございます。風の季節の最後の日となりました。遂に異世界に来て80日目に到達したなー。まだ結構涼しいが、こっちの夏はどこまで暑くなるんだろうね?。



 「おはよう。ダリア、カエデ」


 「ニャァ」 「グルゥ」



 2匹をワシャワシャしてしてやる。相変わらず嬉しそうだが、今日は顔を突っ込みたい日らしい。服に顔を突っ込んで遊んでいる。好きにさせて、放っておこう。それが1番だ。



 「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」


 「おはよう、皆」 「ナ!」 「グ!」


 「また顔を突っ込んでるのかい? 本当に飽きないねぇ」


 「アルドの匂いが好きなんでしょう」


 「構ってほしいのでしょうね、気持ちはよく分かるわ」


 「まぁ、私達と同じだと思えば、気持ちは分かるし愛情も分かるよ」


 「ニャー!」 「グルゥ!」



 何か会話が出来てる感じがしなくもないな。女性同士だから通じるものでもあるんだろう、きっと。全員でイチャイチャした後、食堂へ朝食を食べに行く。


 大銅貨14枚を支払い朝食と昼食を購入し、朝食を頂く。食後は部屋に戻り準備を整えて、ダンジョンへと出発する。その前に色石を買って行こう。雑貨屋へ行きアルメアに色を聞く。


 アルメアは黄色を望んだので黄色の色石を銀貨1枚分購入し、今度こそダンジョンへ行く。ダンジョン前の入り口を抜けると、傭兵達が大騒ぎしている。


 何があったのだと思っていたら、中の構造が変化したらしく慌てているらしい。俺達はまた転移紋を探せば済むが、情報に頼ってた連中は稼げる場所まで進めるか分からない。


 その所為で物凄い喧騒だった様だ。傭兵達の間をすり抜け、さっさとダンジョンに入る。騒ぐ暇があったら進めよな、実際に見て確認しろ。傭兵なんだから、当たり前の事だろうに。


 1層に入ると平原だった。……あれ? 変わってなくね? 傭兵が多く居るが、円を描くように調べていくと西に転移紋があった。それに乗って2層へ進む。


 2層も同じ平原だ。再び円を描くように調べると、今度は南西にあった。転移紋に乗り3層へ。3層も平原で、転移紋は予想通り南にあった。転移紋を使い4層へ。


 4層は海だった。マジで? 海が近くなってる。これをどう捉えるべきか……。いや、先へと進もう。南東へ進むと転移紋があったので、それで5層へ。


 5層も海だ。東へ行って予想通り転移紋を発見、6層へ進む。6層も当然海だった。北東へ行き転移紋に乗って7層へ行く。


 7層は湿地帯だった。魔物が弱く簡単に進めるので助かる。北の転移紋から8層へ。8層は北西に転移紋があり、それで9層へ。9層は西に転移紋があり、10層へと進む。


 ダンジョンが変化したものの、パターンが掴めれば楽に進める。戦闘ダンジョンの為、戦える場所までしか進めないだろうが。直ぐに傭兵達も落ち着くだろう。


 10層は森だったが、今更どうこうとは思わない。湿地帯の方が面倒だ。10層は南西、11層は南、12層は南東に転移紋があり、どんどん先へと進んで行く。


 13層は荒野だったが、ここでまさかのミノタウロスが出てきた。19層で出てきた奴が今は13層で出てくる。とりあえず倒してみようと、近くに居るミノタウロスを倒しに行く。


 ミノタウロス自体は大した魔物ではないが、一応注意して戦う。一箇所に2体居たので、ダナとシュラに任せる。ダナは首を斬り落としたが、シュラはウォーハンマーで叩き潰した。


 文句を言われた事を覚えていたらしい。




 ▽▽▽▽▽


 0137終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨54枚

 大銀貨58枚

 銀貨37枚

 大銅貨167枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ