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 宿に戻り、食堂で大銅貨14枚を出して夕食を注文しようとすると止められた。フォレストベアの煮込みが大銅貨1枚で付くらしい。なので大銅貨14枚を更に出して全員分追加する。笑顔で女性従業員は受け取った。久しぶりだな、この遣り取り。


 何だかんだとお金を出して食べる人が多いので、俺達は普通の食事をする事が多いんだが、今日は余ってたんだろうか? そう思っていると、町長が来てカウンター席に座った。そういえば町長の好きな料理だったんだっけ。熊の煮込み。


 【念話】で話していたからか直ぐに皆は下りてきたが、どうも良い表情ではない。魔法の練習が上手くいかなかったんだろうか? 皆の居る領域は、既に自分と対話する領域だからな。外から指導出来る事は殆どないんだが……。



 「そうじゃないよ。何処のどいつだか知らないけど、デカい喘ぎ声を上げてヤリまくってる奴等が居たのさ! 御蔭で練習できやしない。集中も出来ないから外に出てたぐらいだよ。アルドが【念話】をしてくる少し前に帰ってきたら、声は無くなってたけどね!」


 「本当に酷い目に遭いましたよ。せめて娼館の部屋を借りるなり何なりしてほしいです。私達だってあそこまで大きくありませんよ! あれはもう嫌がらせでしょう。幾らなんでも大きすぎます!」


 「騒音と言ってもいいぐらい酷かったよね。たま~に大きい声の人って居るけどさ、幾らなんでも大きすぎだよ。アレはまさしく騒音としか言えない。それぐらい、色んな意味で酷かったんだ」


 「防音の魔道具は製作されて売り出されているとはいえ、簡単に買える物ではないからな。仕方がないと言えなくもないが、幾らなんでも……。声が大きすぎるし、悦び過ぎだろう。我慢していたのが爆発したんだろうか?」



 そんな聞きたくもない事を話していたのだが、女将さんが俺達のテーブルに来て話し始めた。その説明を聞いて分かったが、どうやら偽物を騙されて買ったらしく、防音の魔道具によく似た偽物を使っていたらしい。


 後で調べたら、部屋の中の音を増幅する魔道具で、その所為で部屋の外に大きな音として伝わっていたというのが真相のようだ。ちなみに町長も実験に立ち会っていたらしく、微妙に話に混じってきた。食事に集中してていいよ。


 防音の魔道具そっくりな形というイタズラに、とても嬉しそうな魔神の笑顔が見え隠れしているが、そこはいちいち口に出さない。魔神は気にしない気がするが、気にする人が1名いるので黙っておく。だからメルさん、こっちを睨まないでくれます?。


 その偽物は返したらしいが、恥ずかしそうに食事をしている男女の傭兵が……って、お前さん達は前に喧嘩別れしてた傭兵じゃないか。どうやら男の方は搾り殺されずに済んだらしいな。良かった、良かった。


 俺はその男女に話しかけ、偽物を持ってくるように言う。2人は妙な顔をしたが黙って取りに行き、戻ってきた。中を確認したが、<爆音の角笛>と似ているものの、それよりは低性能の魔法陣だったので壊してしまおう。


 中から魔法陣のプレートを取り出して【変形】で潰してしまい、綺麗な魔銀のプレートにする。次に防音の魔法陣を【変形】で刻み込み、プレートを戻して【融合】で固定する。最後に組み立てて、2人に返した。



 「中の魔法陣を<増音の魔法陣>から<防音の魔法陣>に変えておいたから、これで防音の魔道具として使える筈だ。金は要らないが、代わりに俺が作った事は黙っておいてくれ。面倒な事は困るんでな」


 「わ、分かりました。あの……ありがとうございます」


 「ありがとうございます!!」



 女の方が喜び過ぎで何とも言えなくなってくるが、まあヤル為に使うだけだし、あれは悪行には使えないから問題無いだろう。そう思っていると、女性陣も子供達も3匹もジト目で見てきた。女将さんも町長もだが、何故?。



 「自分から狙われる様な事をして、どうするんだい。防音の魔道具を作れるなんて知られたら……知られたら? ……聖人に変えられるだけかねぇ?」


 「そういえば、そうですね。世の中に聖人が増えるだけで、特に何の問題も無いような……」


 「愚かな貴族どもがしゃしゃり出てきたところで、まとめて主様に聖人にされるだけか。よく考えれば、世の中が綺麗になるだけで、むしろ良い事なのかもしれないね」



 皆も段々と俺が何故やったのか理解できるようになって何よりだ。もちろん面倒な事はお断りなのだが、向こうから突っ込んで来る奴は必ず居る。何をしようと我欲を優先して、当たり屋をやる連中は居るんだよ。


 そういう奴等が次のターゲットだ。そもそも神殿の連中は綺麗にしたからな。残っているのは市井に居るクズどもだが、こいつらは一般人に紛れているから炙り出すしかない。1人1人調べるなんて事は流石に無理だし、時間の無駄だろう。


 夕食を終えて部屋に戻るのだが、悪意や敵意が強くなってるんだよなー。防音の魔道具を作った辺りから、阿呆どもからの敵意や悪意が非常に大きくなったんだ。分かりやすい連中で助かるよ、本当に。


 部屋に戻ってダラダラしていると、馬鹿どもの話をしていた。襲ってきたら聖人にされ、諦めたらセーフ。賭け事ではないが、そんな予想をして遊んでいるようだ。ほぼ間違いなく襲ってくると思うが、何かの手違いで諦めるかもしれない。……無いな。


 子供達がトランプで<スピード>をやっているのを見ながら、ダリアをブラッシングしている。ツバキは俺の太腿に体を擦り付けているが、どうやら匂いを付けたいらしい。無駄なんだけど本能なのかね? ダリアも似たような事をするし。


 神経衰弱に変わったのでフヨウとツバキも参加していたのだが、2人と2匹は限界らしい。いつ撃沈するか分からない程なので、さっさと布団に入れてしまう。蓮とイデアを布団に入れ、3匹をいつもの位置に【念動】で寝かせた。


 最後に【昏睡】を使うのだが、先に寝ていたダリアには使う意味があまり無い気もする。トランプを片付けようと思ったら、皆が片付けてくれていた。もちろん早くヤる為に片付けてくれただけだ。


 【房中術】【精気】【法悦】。久しぶりに相性の良い技を使ったが、呆気なく撃沈したので寝かせていく。部屋と体を綺麗にし、<浄化の三道具>を使って邪気を吸引して【浄化】した。……まだ動かないのかよ。早くしろよなー。


 既に聖人化する事は決まってるんだからさぁ。いつまでヘタれてるんだよ、さっさと動……やっと動いた? おい、ちょっと待て。お前等どこに行こうとして……ってそういう事かよ!。


 あのクズども、俺が防音の魔道具を渡した男女の部屋に向かいやがった。慌てて【衝気】で気絶させたから良かったものの、何をやってるんだこのクズども! こっちに来いよな、流石に焦るだろうが。


 男女の部屋の前と、コイツ等の部屋で待機している連中を気絶させてあるので、さっさと【念動】で部屋に運ぶ。7人全員に白い枷を着けて尋問していくも、ただの不良傭兵でしかなかったので聖人にしておく。


 まったく碌な事をしない連中だ。3分は余裕で過ぎたので、白い枷を外して【昏睡】を使ったら部屋に戻る。クズ共も一応は宿の客なんで、部屋に寝かせておいた。


 それにしても尋問の内容がバカバカしくて呆れるしかない。アイツ等は途中でヘタれたらしく、俺を狙うのは止めて、防音の魔道具と男女を手篭めにしようとしていたらしい。男の方も手篭めにする気だと聞いてゲンナリしたが。


 それはともかく、途中でヘタれるなら最初から悪事なんぞするなと言いたい。部屋に戻った俺は、神水を飲みながら心の中で愚痴を溢す。犯罪者やチンピラなんてあんなものと言えば終わる話なんだが、それにしてもなぁ。


 一貫性も無くヘタれ、違う餌に飛びつく。あまりにもバカバカし過ぎて何とも言えなくなってくるんだよ。まあ、世の中の犯罪者の大半は、あんな連中なんだろうけどさ。相手にする気も失せそうになる。


 こういう時はさっさと寝るに限る。今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1378終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨356枚

 大金貨1336枚

 金貨1975枚

 大銀貨1405枚

 銀貨2513枚

 大銅貨2127枚

 銅貨242枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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