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 「奴等に前例を作らせるという意味で、自分達でやらせている。今は情報を集めたり、本人からの聞き取りをやってるんじゃないかって言うのが、ダナが言っている事だよ」


 「まあ、本人に聞いたって分からないかもしれないけどね。自分の村や町の名前も知らない子供って居るからさ。村や町から出ない子供なんて普通に居るし、そういう子供は知らない事もあるんだよ」


 「少なくとも、最後の1人を返すまで努力をし続けるでしょう。聖人ですからね。1度そうなった以上、2度と元に戻る事はありません。聖王国の中央神殿など、5分の4ぐらいを聖人にしたそうですし」


 「どれだけ腐った連中が多かったんですか。幾ら何でも数が多すぎません? 本当にそこまで堕落した者が……?」


 「まあな。残念ながら、異常なほど多かった。というより、世界最古の神殿と浄神の名を利用して、好き勝手をやっていた奴があまりにも多かったんだ。内部まで調べてなかったから、あそこまで酷いとは思ってなかったよ」


 「「………」」


 「浄神様が激怒される理由はあるという事よ。聖王国の中央神殿は1番権威があったけど、1番腐った所でもあった訳ね。神々が、人間種なんてそんなものと思われても、返す言葉の無い話だと思うわ」


 「そうやって綺麗にしてきたんだけど、最前線でとんでもない事があってさ。向こうに行ったら直ぐだったもんね、アレには僕も驚いたよ」


 「最前線って東に森が広がってるって所だろう? そこから東は魔物が大量に居るって所で、竜の棲み処もあるって聞いた事があるけど……」


 「最前線の町の前で列に並んでいたら、5人組の内の2人、ルタとララが運ばれていくところだった。ルタは右腕を失い、ララは左足を失っていて、2人とも気絶していたな」


 「あの伯爵家のお嬢様ですか? いったい何があってそんな事に……。言葉は悪いですけど、この町で怪我を負ってなくて良かったです。責任問題に発展しかねないのは、お断りしたいですね」


 「町長さんの薄情さはともかく、大飛竜に襲われた所為で片腕と片足を失ったんですよ。<竜に手を出す馬鹿>が居たらしく、他の者を逃がす為に立ち向かった結果です。運ばれていく2人を呼び止めて、御主人様がシレっと薬で治しましたけど」


 「「………」」



 何故か「何やってんだ、コイツ?」と言いたげな目で見られている。とはいえなぁ、あのまま放っておいたら間違いなく出血多量で死んでいただろうし。あの場面では、ああする以外に方法は無かったと思う。


 むしろ他に助ける方法があったのなら教えてほしいぐらいだ。腕と足を無くして、そこからの出血が止まらないんだ。ファレンとサリーが必死に出血を止めようとしていたが、あのままじゃ間違いなく死んでいただろう。



 「まあ、一刻を争う状況というのは分かりますけど、よく怪我を治す薬なんて持っていましたね。アルドさんが薬を作れるというのは聞いた事がありますけど、薬を作ったとは殆ど聞いた事がありません」


 「ダンジョンで手に入れたんだよ。神様の仕業である可能性が高いんだけど、効果の高すぎる意味不明な薬なんで滅多に出せないんだ。ついでに言うと、そこまで危険な状態の人に会わないし」


 「まあ、病気や怪我なんて無いに越した事はないからね。それよりも、町長がなんでこんな所に居るんだい? 普段なら家で仕事をしてるか、畑でも弄ってる筈だろ」


 「私が宿に居たのは相談を……。そうです、その事で来てたんでした。アルドでしょう? 町の神官達を聖人にしたのは。何だか気持ち悪いのが結構居るんです、やたらに穏やかな顔の連中が!」


 「私も言われて見に行ったけど、色々な事を考えさせられる人達だったね。本人達は生まれ変わったとか、神様のお導きがあったとか言ってたけど……。あれが聖人ってヤツなのかい? 確かに良い人そうだったけど」


 「俺が聖人に変えたのは、全て犯罪者かそれに近い者達です。普通の者には手を出していません。逆に言えば、普通の者でさえ少ない神殿があるって事なんですよ。そっちの方が驚きでしょう?」


 「「うわぁ……」」



 ようやく2人とも理解してくれたらしい。5分の4が犯罪者か、それに近い者達。聖王国の中央神殿が如何に異常だったかよく分かる話だ。それよりも時間も時間なので、大銅貨14枚を支払って夕食を注文した。


 子供達2人も若干お腹が空いていそうなので、適当に蘇とか干し肉とか与えていた。多少の量を食べたところで問題の無い子供達だからな。そんな事を考えていると、何故かヴェルがやってきた。キョロキョロした後、こっちにやって来る。



 「あのー、伯爵家のお嬢様達は何処に居ます? 魔鳥便で手紙が来たんですが、竜を退けたって聞きましてね。それでウチでも褒賞と言うか、そういった物を渡さないといけないので聞きたいんですけど……」


 「ヴェルさんは何でダナさん達に聞きに来たんだい? 一緒に居るかどうかも分からないのに」


 「いえ。総長からの手紙には、お姫様達とダナさん達と一緒に5人組も居ると書いてあったので、一緒に居るんだろうなと思っていたんですけど……。もしかして途中で別れました?」


 「王女組とは王都で、5人組とは領都で別れたよ。王女組は各国を転々と歩き回って世直しするんだと。手を出してきた馬鹿を王女の権力で潰すらしい。5人組は右腕と左足を失った報告だ」


 「あー……そういう事ですか。まあ、伯爵様に報告は必要ですね。何でも、義腕と義足を着けていたから傭兵は続けるみたいだし、褒賞を渡しておいてくれと書かれていたんですよ。最前線の町から、すぐに居なくなったらしいですね?」


 「すぐに居なくなったんじゃないさ、あの子達がアタシ達について来ただけだよ。アタシ達は神殿の連中を潰す為に動き回ってたんだけど、それについて来ると言ったんで最前線の町を出たのさ」


 「成る程。しかし、褒賞ってどうしたら良いんでしょうね? 総長からは送った物を教えてくれれば補填すると書かれていたんですが、そもそも義腕と義足の傭兵なんて満足に戦えないでしょうし……」


 「あの子達が着けている義腕と義足はエリアの物と同じ物で、アルドが魔神様に教えて頂いた物ですよ? 希少金属を使い、元の自分の手足と似たような感覚で動かせるという物です。十二分に戦えますよ」


 「戦えるっていうか酷いよね。アルドいわく、魔力と闘気で動かす魔道具みたいな物って言ってたけどさ。簡単に頭を握りつぶしたり出来るんだよ、コレ。正直に言って、元の腕より遥かにパワーがあって怖い時もあるんだ」


 「……滅茶苦茶過ぎませんか、ソレ? 更に言えば、そんな危険物をお嬢様達に渡したんですか。まあ、伯爵様は大丈夫でしょうけど、変な連中に奪われたらどうするんです? 誰も彼もが強い訳ではありませんよ?」


 「なら取り戻すだけだ。誰が奪って行ったかを虱潰しにすればいいだけさ。やがて犯人に辿り着くし、そこで聖人になる。世の中に聖人が増えるのは仕方がないんだ、犯罪をする奴が悪いんだからな」


 「どちらかと言うと、喜び勇んで聖人に変えに行く気がしますけどね」


 「否定はしない」



 女将さんや町長、それにヴェルに呆れられたが、俺は気にしていない。何でもそうだが、そもそも犯罪を行う奴が悪いんだよ。そんな奴は聖人にされても仕方がない。


 今後は清らかなまま生きられるんだから、感謝してもらいたいもんだ。……まあ、半分は冗談だけどさ。


 それでも犯罪をする奴より、犯罪をしない人の方が多いんだ。そういう真っ当な人が損をするような事を、俺は許す気が無い。よって、犯罪者は聖人に変える。


 已むに已まれぬ理由があるなら考慮するが、頭のおかしい奴は犯罪者でなくても聖人にしていくつもりだ。貴族主義の連中とか、変な思想を扇動する奴とかは特にな。生かしておいても害しかないから、聖人にしてしまえばいい。


 そうすれば、多少は世の中がマシになるだろ。



 ▽▽▽▽▽


 1375終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨356枚

 大金貨1336枚

 金貨1975枚

 大銀貨1405枚

 銀貨2513枚

 大銅貨2183枚

 銅貨242枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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