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 スタンピードが起こった場合、前線に出て行く者と拠点を守る者に分かれるらしい。……で、実力者は前線に出て魔物を削る役目を負うんだと。少しでも魔物を削る、または進攻方向を逸らす為に前線に出すらしい。


 俺達のランクは6なんだが、スタンピードの時にランクは関係無いそうだ。実力で選ばれるうえ、俺達は前線送り確定らしい。それは良いんだが、何故か王女組と5人組も来るようだ。そっちには、流石に総長も何も言わなかったんだがな?。



 「お姉様方とアルドさんが居て駄目なら諦めもつきます。それに正直に言って、お姉様方の近くの方が生存率は高いと思うのです。たとえそれがスタンピードの前線であっても」


 「私達はせっかくですから、やれる事を精一杯やるだけです。それに義腕や義足も作っていただきましたし、戦闘で使う方が楽そうですから。スプーンやフォークを持つの怖いんですよ、壊しそうで」


 「分かる。アタイも全力で踏み込むの怖いし。何となくだけど、自分の足よりパワーあるよコレ。試さないと怖くてしょうがないし、魔物が来てくれて都合がいいかな。エルの魔力枯渇も治ったみたいだしさ」


 「ええ。昨日は迷惑を掛けてゴメンね。まさか、魔力枯渇を起こした次の日に、あんな事になるなんて思わなかったから……」


 「仕方ありませんよ。命が助かったのですから、それで良いじゃありませんか。それに義腕も義足も作っていただけたんですし。代わりに使い勝手をレポートするという、よく分からない仕事を請ける事になりましたが……」


 「それで済むだけマシでしょう? あの義腕と義足、全て希少金属よ? 国宝を遥かに超える金銭を払わないと手に入らない代物なんだもの。レポートするだけで済むんだから、ありがたい話でしかないわ」


 「「「………」」」


 「「「「「「………」」」」」」



 何やってんだ……。って感じのジト目で見てくるの止めてくれない? 自分の手足かそれ以上の性能を持たせるには、希少金属で作るしかないんだよ。神の金属製じゃないだけマシだろうに。もちろん口には出さないけどさー。


 総長からは前線に行く者は、とにかく魔物を削ってくるだけでいいと聞いた。当たり前だが、暴走する魔物の前で統率を執る事など出来ない。ただでさえ兵士ではなく傭兵なんだ。指揮下に入って戦う経験なんて殆ど無いしな。


 そんな連中の指揮を執ろうとしても無駄だ。それなら野放しの方が、まだ役に立つ。そういう事のようだが、楽で助かる。俺は解体してあった古い竜の素材を使い、5人組の武器を歩きながら作っていく。


 ルタが持っていた武器と盾を受け取り、【分離】して解体しカイトシールドの前面を岩硬竜の爪で被覆する。メイスは岩硬竜の骨と爪で作って渡す。最後に中型のアイテムバッグを渡したら次だ。


 ララが持っていた武器と盾を受け取り、こちらも【分離】して解体しカイトシールドの前面を岩硬竜の爪で被覆する。ファルシオンの刃も岩硬竜の爪で作り、中型のアイテムバッグを渡す。


 サリーとファレンは暴食竜の骨と牙で棒を作り、それを渡したら中型のアイテムバッグを2つ渡す。ジャンから買い取った小型のアイテムバッグは俺が回収した。


 最後のエルは王角竜の骨と角で短めのエストックを作り、中型のアイテムバッグを渡せば終わりだ。装備に喜んでないで真面目に戦えよ? スタンピードが無ければ、渡してないんだからな? ……聞いて無いな、こいつら。


 町を出た俺達は東に向かって走って行く。ララが1度転んだが、その1度だけで後は問題無かった。最前線と言える場所に立ち、魔物がこちらに向かって雪崩れ込んできているのを確認したら【獄炎】と【烈風】を使う。


 地獄の様な熱風を浴びた魔物は次々に死亡し、後ろから押されて前に出された魔物も熱風を浴びて死んでいく。酷い地獄絵図なうえ、町にも被害の出ない場所なので好きなだけ使える。この際、色々実験するか。


 俺は前方に扇状に熱風を広げているが、その範囲から外れて攻めて来るものが現れ始めた。流石に熱風だけで全て倒せるほど甘くはなかったか。それでも逸れた魔物は皆が倒してくれている。なので、俺は安心して実験を続けよう。


 そうしていると森の向こうから魔物の増援が来ると共に、竜が居る事が分かった。総長が言った通り、竜が魔物を嗾けていたようだ。子供を襲われて激怒するのは分かるが、些かやり過ぎだと思うがな。


 そんな事を考えていると、熱風を起こしている俺が邪魔なんだろう。大飛竜5頭が一斉に羽ばたき、【風魔法】を使って熱風を俺の方に戻そうとしてきやがった。意外に頭が良いと思ったが、とりあえず返すか。


 俺は上級魔法の【烈風】ではなく、高位魔法の【神風】を使用して吹き飛ばしてしまう。ただ、それと同時に強過ぎる風が熱すら吹き飛ばしてしまった。これは失敗なので、已む無く【獄炎】を使うのは止める。


 【神風】が急速に冷やしてくれるので、放っておけば【獄炎】のフィールドは冷えるだろう。それよりも吹き飛ばされた大飛竜が帰ってこないんだが、どうしたんだろう? まあ、いいか。残っている魔物は森の方に吹き飛ばして終わりだな。


 【探知】には反応があるんだが、大飛竜はどんどん遠ざかっている。もしかして俺の高位魔法にビビった? 竜だし、そんな事は無いと思うんだが……。それよりも退いていったし、残りは吹き飛ばしたので帰ろうか。



 「「「「「「「「………」」」」」」」」


 「「「「「………」」」」」


 「「「「「「………」」」」」」


 「「「「「………」」」」」



 全員がジト目で俺の方を見てくるんだが、何故? そう思い聞いてみると、あの訳の分からない滅茶苦茶な【風魔法】は何だと聞かれた。なので正直に高位魔法の【神風】だと答えると、一斉に溜息を吐かれたぞ?。



 「そりゃねえ、あんなもの使われたら大飛竜もビビって逃げるさ。アタシの【神眼】には、ハッキリと怯えの感情が見えてたよ? 竜が怯える魔法って何? って思うのは当たり前だと思わないかい?」


 「そんな事を言われてもなぁ……。正直言って【神聖世界】よりは簡単だし、高位魔法の中でもそこまで難しい魔法じゃない。その手前に使っていた【獄炎】の方が制御は難しいんだよ」


 「それは、そうなんでしょうけど、そんな事は聞いてないです。重要なのは、竜が怯えて逃げたという事の方ですよ。見ていた者も多少は居るんですから、その事を考えて下さい」


 「幻でも見たんじゃないか? そんな事があり得る訳が無いだろ。そう言えば大半の者は納得すると思う。納得しない奴等には、事実だと証明してみせろと言えばいい。再現出来なきゃ事実とは言えないからな」


 「ああ、成る程。見たと言っているのは相手なんだから、当然相手が人間種に出来る事だと証明しなきゃいけない訳だ。そんな事は不可能だけど」


 「確かにアルメアの言う通りなのだが、言っている事がおかしい気がするのは気の所為か? とはいえ、出来ないからやってみせてくれ。そう言われれば、相手は黙るしかないだろう」


 「どう足掻いても無理ですしね。そもそも、この地上で御主人様しか出来ない事なんですから、知らぬ存ぜぬを貫かれると証明出来ません。御主人様は絶対に逃げるでしょうし」


 「だね。いつも通り面倒臭いって言って逃げるのは簡単に分かる。あたし達だって面倒臭いから逃げるしね。スタンピードから助けてやったんだから良いだろ? としか思わないしさ」


 「まあ、そもそも私達は名誉とかは求めてないからな。むしろ邪魔にしかならない。最初から名誉を煩わしいものと考えていたのはアルドだし、今はその気持ちが非常によく分かる」


 「うんうん。本当に面倒臭いものでしかないしね。有象無象が集る為の目印みたいなものだよ。僕達からしたら邪魔なものでしかない」


 「……お腹空いたー」


 「ボクもお腹が空きました」


 「そうだな。昼食を食べに帰るか……。いや、今帰ると面倒だから、ここで料理して昼食にするか。2人とも魔道具での支援ご苦労さん」



 蓮とイデアは<爆音の角笛>で支援をしてくれてたんだよな。魔物が気絶するんで、地味に助かっていた。



 ▽▽▽▽▽


 1364終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨356枚

 大金貨1336枚

 金貨1976枚

 大銀貨1405枚

 銀貨2517枚

 大銅貨2408枚

 銅貨242枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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