1361
どうやら容態は落ち着いている様なので、俺達は昼食を食べてくる事にした。宿を出て食堂に入り、大銅貨14枚を支払って昼食を食べる。昼食後、宿へと戻ったら酒作りだ。まずはワインを【熟成】していこう。
これだけでも相当違うのか、皆は楽しみにして酒を飲んでいる。いつも通りというか、変わらないなぁ。ワインが終わったら次はエールだ。ウイスキーに変えていくのだが、こちらもそこまで苦労はしない。おっと、王女組も来たか。
王女組のワインとエールも【熟成】とウイスキーへと変え、終わったらグルプとアルダでワインとシードル作りだ。コレに関しては宿の井戸水じゃ足りないので、近くの水源を探さないといけない。……仕方ない、行ってくるか。
俺は皆からグルプとアルダ、それに樽を受け取ったらダンジョンへと行く。ダンジョン街に行き、迷宮紋に乗って中へと侵入する。早めに水のある層が在れば良いんだが……。1層は平原で傭兵は東に行っているらしい。なので東から2層へと進む。
2~4層を東へと進み、5層に移動すると浅い森だった。最前線のダンジョンだから森が多いのかもしれない。ここは南だったので、さっさと南へと進む。5~8層を突破すると、9層は川のある平原だった。
川が邪魔で大回りしなきゃいけない地形だが、今の俺にとってはむしろありがたい。人の居ない方へ行き、古い水を捨てて新しい水を汲む。聖水を作っては、グルプでワインを作ってブランデーにし、アルダでシードルを作る。
隠密の4つの技を使っているので第三者に見つかる事も無く、黙々と酒作りをしていく。全て終わったら、最後に神水を補充して完全に終了だ。それにしても……捨てた神水が怖ろしいほど浄化してるなー。見なかった事にしよう。
俺はダンジョンを脱出し外に出ると、既に夕日が顔を出す時間だった。ヤベッ、早く帰ろう。ダンジョン街からゼムの町へと戻り、そのまま宿へと戻った。皆は酒を飲んで寝ていたり、子供達とトランプをしたりしていたようだ。
予備のトランプのうち1つはメルに渡してあるし、リバーシなども渡してある。俺が居なくなっても遊べるように渡してあったのだが、王女組が白熱する戦いを繰り広げているようだ。俺は酒の入った樽を出し、皆に配っていく。
受け取ったら直ぐに飲もうとしているが、既に夕方だという事で食堂に連れて行く。いい加減に今日は飲むのを止めなさい。いつまで飲んだくれている気だ、シャキっとしろ。まったく。
食堂に行き、大銅貨14枚を支払って夕食を注文して席に座る。食事を待っていると5人組が食堂に現れた。俺達を見つけたからか4人は横の席に座り、サリーが店員に夕食を注文している。こっちに来るのは良いが、何かあったのか?。
「何かあったのか? って言われても……。助けてもらったのにお礼も言ってないので、言いに来たんですよ。死にかけていたところを助けていただき、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「まあ、それは受け取っておくが……。それにしても、お前さん達がそんな怪我を負うって、いったい何と戦ったんだ? 流石に油断しただけで重傷を負うほど、お前さん達は弱くないだろうに。何があった?」
「簡単に言いますと、<竜に手を出す馬鹿>が居ました。私達が襲われたのは大飛竜です。子供が親とはぐれたんだと思いますが、それに手を出した馬鹿の所為で私達まで襲われて……」
「他にも傭兵は居たんだけど、動けたのはアタイ達だけだし……。何とか追い返す事は出来たんだけど、爪と尻尾でやられちゃったんだ。はは……左足が無くなっちゃったよ」
「ララ……」
「その事だがな、お前等が望むなら義腕や義足を作ってやってもいいが、どうする? 義腕の方はエリアが着けている物と同じ物……。そういや、ヒヒイロカネを使ってなかったか。後でエリアの義腕を改良しとこう」
「「「「「「………」」」」」」
「「「「「………」」」」」
ヒヒイロカネと聞いて5人組と王女組からジト目が飛んできたぞ? 仕方なく、俺は義腕や義足に何故希少金属を使うか説明する。簡単に言うと、自分の腕と同じ反応速度で使うには、希少金属じゃなきゃいけない。それだけだ。
「それだけって……。うわぁ、エリアさんのそれって希少金属製だったんですね。それに物凄く普通の腕のように動いてる……」
「何か、おかしい物を見てる気分だね。金属製の腕なのに、滑らかに動きすぎじゃないかな? あの滑らかに動く腕で殴られたら、絶対に死ぬよね? アレを着けるのかー……」
「まあ無理強いはしないけど、ルタもララもこの先困るんじゃないのか? 義腕と義足を作って慣れておいた方が良いと思うぞ。1度作っておけば、まず壊れる事は無いからな」
「それは……まあ、そうでしょうけど。それより、<竜に手を出した馬鹿>はどうなったの? 私は気を失ってしまったから知らないんだけど」
「あの連中なら、他の大飛竜に殺されていましたよ。竜も子供に手を出していない私達の方には近付いてこなかったですからね。もしかしたらルタとララは、馬鹿の味方と思われたのかも……」
「「えぇー………」」
まさかの馬鹿と同類と思われたから手足を失ったのか? それは……ご愁傷様。竜に手を出した馬鹿どもは既に殺されていて、ルタとララはとばっちりの可能性が在る……と。流石にそれが本当ならキッツイなぁ。
それはともかくとして、夕食も終わったから部屋に戻ろう。俺は5人組の部屋に行き義腕と義足を作る事にしたので、エリアと一緒に行こうと思ったのだが、子供達も一緒に来るらしい。義腕と義足作りを見たいんだそうだ。
その時初めてイデアを認識したのか、サリーとエルが怪しかったので注意しておく。新しい種族の始祖と聞いた瞬間、2人は別のスイッチが入った気がするのは気の所為だろうか? 自分達が守るとか意味不明な事を言ってるぞ。
それはともかく5人組の部屋に行き、まずはエリアの義腕を外す。中のマナリアを使っている場所の1部にヒヒイロカネを使い、更に反応速度を上げていく。実際には元の腕より反応は多少鈍かったのだが、これで速くなった筈だ。
元の腕より速くても、慣れれば十分に使い熟せるだろうし問題は無い。人間種は慣れるものだ、だから気にしなくていいだろう。ルタとララは熱心に見たり触って確認している。闘気と魔力で動かせると言うとビックリしているが。
そもそも、それ以外でどうやって動かすんだと言うと納得していたけどさ、少し考えれば分かるだろうに。言うなれば、腕型や足型の魔道具と言ってもいい物だ。自身の闘気や魔力を使うタイプの魔道具と考えれば分かりやすい。
ルタとララの義腕と義足も作っていき、完成したら着けさせ、当たる所や擦れて痛い所を修正していく。結構な時間が経っていたからか、蓮とイデアは既に寝ていた。その寝顔を怪しい顔で見ているサリーとエル。お前等なー。
メルが鉄壁のガードをしているが、ガードされている時点で問題だと気付けよ。おっと、ルタもララも義腕や義足を動かして試しているらしい。変な動きになったり、転倒したりしているが、こればっかりは慣れるしかない。諦めろ。
俺がイデアを抱き、メルが蓮を抱いて部屋を出ようとすると「あぁ~」という声が聞こえた。俺達はそれを無視してさっさと部屋に戻る。俺達の部屋に戻ると、既にディル以外は泥酔して眠っていたので、ベッドに寝かせていく。
子供達は布団に寝かせ、3匹はいつものポジションに【念動】で動かす。その後、ディルとメルとエリアを満足させて寝かせたら、少しゆっくりと休む。今日の夜はここと、領都の神殿に行かなきゃいけない。
ルタとララが手足を失うという事があったが、本来は神殿のクズどもを聖人にしていかなきゃいけない。やるべき事をしっかりとやらないと、どんな命令をされるか分からないんだ。妙な事をやらされない為にも、しっかりやるべき事をやろう。
さて、そろそろ行くか。
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1361終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨1976枚
大銀貨1405枚
銀貨2517枚
大銅貨2422枚
銅貨242枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




