表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1359/1948

1358




 国境の兵士に登録証を見せて通っていく。全くもって緊張感の欠片も無かったが、楽に通れるのは助かるな。子供達の走る速度に合わせて俺達も走って行く。それなりに早い速度で領都デリンサを通り過ぎ、イーロン村も通り過ぎる。


 分かれ道に差し掛かったが、北が領都サンドで、南が面白戦士達の故郷だ。さて、どうするかな? ……俺達は悩んだ結果、今回も北に行く事にした。領都サンドに着いたので、中に入り食堂に行く。


 大銅貨14枚を支払って昼食を食べ、食事を終えたら出発する。少し歩きながら北へと進み、走れるようになったら走る。領都バムを通り過ぎ、夕方には早いが王都ラグマイアに辿り着いた。意外に子供達の足も速いな。


 相変わらずのバリスタを前に並び、登録証を見せて門を通過する。大部屋のある宿を探し、銀貨2枚で5日間借りる事にした。俺は王都の中にある解体所へ行き、オーク2体を売る。銀貨2枚と大銅貨14枚だった。


 それを子供達に半分ずつ渡し、一緒に王都をフラフラする。3匹もついて来ているが、買い食いなんかをしながら歩き、疲れたようなので公園っぽい所で休む。後ろから尾けて来ている連中が居るが、イデア目当てか?。


 休憩も終わりにし、またフラフラと歩いて回る。結局、後ろの連中は最後まで手を出してくる事は無かった。とはいえ、宿は知られたので襲ってくるだろう。神殿を攻めるだけじゃ慰謝料は取れないが、襲ってくるなら話は別だ。


 楽しみにしているから、襲ってこいよ。そんな事は顔に出さず、皆と一緒に食堂に移動する。大銅貨14枚を支払い夕食を注文すると、席に座ってゆっくりと待つ。そうしていると、横の席に知り合いが座った。お前さん達、ここに居たのか。



 「お久しぶりですね。お姉様方、アルドさん。いったい何故ラグマイ………。あの……何ですか、その子は……」


 「ああ、この子はイデア……って、アンタ達。手を出そうとするんじゃないよ。この子の名前はイディアルマ、アタシ達はイデアと呼んでる。新しく創られた種族である、呪人族の始祖であり不老長寿だよ」


 「えっ!? ………新しく”創られた”? それぞれの種族の始祖って、神様との子供じゃなかったかな? 何で創られたって言い方をするんだい? 流石にその子に悪いと思うんだけどね」


 「実際に創られたからですよ、リヴィアーテ。この子は本来肉体など存在しない、<封呪界>という所で生まれたと言いますか、創られました。ちなみに封呪界とは、呪いを司る呪神様が様々な呪いを封じている場所の事です」


 「私達が最奥に行ったら、何故かそこに連れて行かれてしまったのよ。アルドがそこの凄まじい呪いを浄化してくれたんだけど、人の形をした呪いを浄化しきったらイデアが倒れていたの」


 「呪神様が仰っていたけど、封呪界には本来肉体なんて無い筈なんだ。でも何故かあったうえ、イデアは呪神様の因子というものを持つらしい。その因子を持つ以上、呪神様の直系の子と言えるんだそうだよ」


 「つまり、新しい種族である呪人族の始祖だと……。呪いの神様の子ですか? それは……ああ、私達の住む下界に呪いが蔓延しないようにして下さっている神様だったのですね。勘違いをしていました」


 「うむ。その勘違いは神に対する不敬もいいところだ。私も勘違いしていたが、そもそも人間種ではあるまいし、神が悪しき事をされる訳が無い。それにしても……少々人間種離れをしていないか? その容姿は」


 「仕方がないだろう。呪神様でさえ、何故生まれたのか分かっていないんだ。どういった力が働いたか分からないうえ、本来は地上の者が行く事など出来ない場所で生まれている。分からない事だらけなので、そういうものとして受け入れるしかない」


 「まあ、容姿が整い過ぎてるだけで、それ以外は特に問題無いしね。変な事をしてきたらボコるだけだし。それに……って、それで来たんだよ。ここまで」


 「それで……ですか?」


 「その話は俺達が泊まっている部屋でしようか? ここで話す事じゃない」



 俺が口を挟んだ事で大人しく食事をし、終わったら食堂を出て俺達の泊まっている宿に案内した。部屋の中で防音の魔道具を使い、王女組に話をしていく。奴隷組織の話で大きく憤慨し、リヴィは呆れかえってしまった。



 「あの馬鹿どもは本当に碌な事をしない……って言うか、ガイアルムの子供を攫ったようなものでしょ? それって両国で戦争が勃発する程の事だよ!? 何をやってるんだ、アイツ等は!!」



 リヴィが怒り狂うのもよく分かる。なので、俺が夜中に侵入するから邪魔をするなと言っておき、ついでに<白い枷>の事も話していく。最初はキョトンとしていたが、聖人の意味を正しく理解した今は、恐怖で顔が引き攣っている。



 「浄神様と善神様の合作ですか……。確かに、両神様の怒り具合が分かるというものです。これを使って無理矢理にでも聖人にしてしまえと仰られている事は、間違いないでしょうね」


 「ああ、私もそう思う。そう思うが……流石は神々、容赦の欠片もあられぬな。しかし、本来は下界の者である我々がしなければならない事だ。それを怠ってきたが故に、アルド殿を遣わして代わりにさせておられる……と」


 「そう考えると、我々権力を持つ者の責任は大きいですね。今まで思っていたよりも、遥かに大きいと言わざるを得ません」


 「気にしなくてもいいんじゃないか? 神様達ならこう言うだろう。「お前達には期待していないから気にするな」ってさ。いったい何千年、神様達が人間種を見てきたと思ってるんだ? とっくに許される地点は通り過ぎている」


 「「「「「「………」」」」」」


 「そうだねぇ。神様達からしたら、もう飽き飽きなんだろうさ。ちょっとマシになったかと思えば直ぐに堕落する。そんなのを繰り返し繰り返し、今まで見てこられたんだろうしね」


 「生まれた時点で、もう取り返しがつかない状態という事です。後は潔く諦めればいいだけ。だいたい、いつまで甘えている気だと言われたら、返す言葉がありませんからね。見捨てられたと言うより、さっさと自分達の力だけで生きていけ。そういう事でしょう」


 「まあ、アタシ達の里でさえ馬鹿は居るんだし、世界全体を見たら大量に居るんだろうね。神様達を呆れさせた馬鹿が」


 「そうでしょうね。我が里でも昔に居た愚か者が、アルメア様やシュライア様に折檻されたという話は残っています。いつの時代でも生まれてくるのでしょう、そういう愚か者は」


 「そして、そういう者の中から力を持つ者が現れ、おかしな事をし始める。神々が飽き飽きしておられるのも分かります。そういった事が続けば、やがて人間種そのものに期待されなくなるのでしょうね」


 「それを考えると、しょうがないとしか思えないよ。最初の方に道は示されたんだ。その道を進まず、歪めて自分達に都合の良い道に変えたんだ。今さら神々に何か言っても、鼻で笑われるだけだろう」


 「少し自虐的になり過ぎているので話すが、結局のところ神様達は手を放すんだよ。それが早いか遅いかの違いでしかない。後は自分達の力だけでやっていけという事さ。悪を野放しにするも正すも、下界の者がやるべき事だ」


 「ただし邪気は別って事だろう? アルドの神命は邪気の浄化、もしくは浄化の道筋を付ける事だし。邪気だけは浄化しろって事なんだろうけど、それは本来当たり前の事でしかないんだよ」


 「当たり前の事すら出来てないんですけど、出来ていたらアルドは居なかった訳で……。私達としては、何とも言えない事ではあるんですよね」



 おっと、子供達が舟を漕いでるんで、そろそろ話を終えようか。俺が神殿の中の奴等を聖人に変えるんで、その邪魔だけはしないでくれ。そう頼んでおいたが、そんな怖い事の邪魔なんて絶対にしないと言われてしまった。


 そこまで怖い事じゃないんだが、まあいいか。子供達を布団に入れると、3匹が左右と頭の上に陣取る。さっさと【昏睡】で寝かせ、女性陣をキメて寝かせた。部屋と体を綺麗にした後、<浄化の三道具>で邪気を綺麗に【浄化】する。


 それにしても汚いな。相変わらずだが、どこが”聖”王国なんだ? 名前負けしてるぞ。



 ▽▽▽▽▽


 1358終了時点


 大白金貨64枚

 白金貨356枚

 大金貨1336枚

 金貨1976枚

 大銀貨1408枚

 銀貨2519枚

 大銅貨2492枚

 銅貨242枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ